絶対虚構少女 ダンガンロンパ舞園 ~亡き希望達の学園死活~   作:ゼロん

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準備のため、もう一度ダンロンアニメを見返してきました。

今回は田上さんと高里さんのお話。





閑話その2 だって、一番の友達だから

 

「でねでね! 大和田のやつが完全に我を忘れて突撃してきて――」

 

「ふふ、みんなとのゲーム、楽しかったんだね」

 

 ――レミったらこんなにはしゃいじゃって。

 

 心底楽しそうに朝にやったゲームのことについて話す高里。そんな彼女がまるで友達ができたことを話す子供のようで微笑ましい。

 頰が自然と緩んでしまう。

 

「あっ……で、でも、ちさとと一緒にいる方が何倍も楽しいわよ? あんな奴らと一緒にいるのが……た、楽しいわけないじゃない」

 

 高里は失言だったとはしゃぐのを止め、

 

「アタシが本当に信じられるのは……ちさとだけよ」

 

 そう言って高里は顔を下げるが、ううん、と田上は首を横に振る。

 

「いいの、わたしに気を遣わなくて。それにわたしは嬉しいよ。レミがわたし以外の人と楽しそうの遊んでくれるの、ずっと見たかったし。心配だったもん」

 

「ち、ちさと……」

 

 田上の言葉を聞き安堵したのか、先程まで固かった高里の表情が少し柔らかくなる。

 

「レミ……。接して少し、わかってきたんじゃない? あの人たちも、舞園さんと同じ。モノクマに脅された被害者よ。根っからの悪人なんて、誰もいない」

 

「……けど」

 

 田上はそっと自分の手を高里の手と重ねる。

 

 ――小さくて、でも本当は人に優しくできる、細くて強い指。

 

「……レミが周りに溶け込めなくて、頼れる人もいなくて、ずっと一人だったのは、わたしも知ってる。けど……今は勇気を出して」

 

「ちさ、と……?」

 

 田上は微笑みを浮かべ、不安そうな高里に諭す。

 

 ――レミは、言えばきっとわかってくれる。

 

「まずは信じないと。じゃないと何も始まらないよ?」

 

 

『――信頼って、信じないことには始まらないと思うんです』

 

 

「――っ」

 

 舞園が言っていた言葉と同じ。

 

「今は……まだいいのかもしれない。けど、ここから先、何が起きるかわからない。もし……もし本当にわたしがいなくなっちゃったら、レミは一人になっちゃう。それが一番心配なの」

 

「ば、馬鹿なこと言わないでよ! ち……ちさとが死ぬわけないじゃない! アタシが守るもの!!」

 

 高里は必死に田上に抗議する。

 

「だ、だいたい、あなたの言うことが本当なら、あいつらが殺人なんて……」

 

「……」

 

 わからない。

 そこが田上にとって一番の不安要素だった。どうして舞園たちが殺しあうまでに発展してしまったのか。

 

 動機が与えられたとはいえ、それだけではきっとあのコロシアイは成り立たない。

 

 きっと……ナニカがあるのだ。

 みんなを狂わせてしまった何かが。

 

「……ちさと?」

 

「ううん、なんでもない」

 

「ほ、本当に大丈夫? 何かあるなら無理せず言ってちょうだい。隠し事は嫌いなのよ?」

 

 ――今はレミを不安がらせたくない。

 

「大丈夫。本当に大丈夫だから」

 

 田上は首を横に振る。

 

「……ならいい。――あなたを信じるわ。だって……あなたはアタシの一番大切な友達だから」

 

 ――嬉しい。レミはどんな時でも自分の思ったことを言葉にして伝えてくれる。だから、今言った言葉が本物だと心から信じられる。

 

 ――けど、だからこそ……

 

 田上は自分のてに少し力を込めて握る。

 胸中の不安は消えない。まだ何かわたしに……レミのためにできることはないのか。

 

 そんな想いを胸に抱えて、田上はレミと一緒に昼食を食べに食堂へ向かった。

 

 

 ▲▲▲

 

 

 ふと少し歩いたところにいた少年の顔を見て、ある考えが田上の頭をよぎった。

 

『また遊ぼうな、レミ!!』

 

「朝日奈悠太くん……あの子だね」

 

 ――茶髪に褐色肌の男の子。レミとみんなとの距離を縮めてくれたあの子なら。

 

「悠太くん。こんにちは」

 

「あっ、ええと……田上さんでしたっけ?」

 

「うん、今朝はレミと遊んでくれて、ありがとう」

 

 ニコッと田上は笑顔を浮かべると、悠太は赤面して手を頭の後ろに回す。

 

「い、いや、照れるなぁ……あんなのいいって。お礼なんて、言われることやってないし」

 

 悠太の謙虚な姿勢に田上は少し微笑む。

 

「けどね。今までレミをあんな風に誘ってくれる子なんていなかったの」

 

「えっ……そうなのか?」

 

「よかったら、これからも仲良くしてあげて?」

 

 しかし、悠太は少し心配そうな顔をする。

 

「どうしたの?」

 

「い、いや……ちょっと気になったんだ。田上さん、あいつ……レミはどうだった? 楽しんで、くれたか?」

 

 ――あぁ、そのことか。

 

 田上は即座に首を縦に振る。

 

「うん。楽しかったって。わたしにすっごく自慢してきたよ」

 

「ま、まじか! よっしゃ!! 次も任せてくれ! 姉ちゃんほどじゃねぇけど、ムードメーカーは俺に任せてくれ!」

 

「うん。――レミをよろしくね」

 

「あぁ、任せろ」

 

 ――よかった。

 この子は……きっとレミの支えになってくれる。

 

「これで――」

 

 

 ▲▲▲

 

 

 夜の報告会で今日の夜の見廻りは田上と信晶に決まった。

 

「ねぇ……ちさと。やっぱりアタシもいく」

 

「いいの。わたしだって、子供じゃないんだから。レミは先に寝てて?」

 

「……うん」

 

 高里は寝間着に着替え、下段のベッドに腰掛ける。ちょうど彼女の寝る場所だ。

 

「大丈夫、信晶くんだっているし。護身用の武器も持ったし。いざとなったら、電話を使えばいいしね」

 

 田上はそう言って木製バットとケータイを上げ、彼女に見せる。

 

「……わかったわ。けど、一つだけ……一つだけワガママを聞いて」

 

 心配そうな顔をして布団に潜る高里に、ちさとは振り向く。

 

「いいよ。もういつものことなんだし」

 

 高座は布団から手を出して、綺麗な青色の瞳でちさとを見つめる。

 

「手……数分でいいから。握ってて、くれる?」

 

「はいはい、お嬢様」

 

 仕方がないな、と田上はベッドに近づき、高里の手が疲れないよう、その場に椅子を置き高さを合わせる。

 

「……ありがと」

 

 ――そう言って頰を赤らめるレミが愛おしい。

 

「どういたしまして」

 

 だから満面の笑みで返してやる。

 しばらく手を握っていると、高里の手が次第に緩んでいき、ベッドに落ちる。

 

「気を、つけて……ね?」

 

 次第に高里の瞼が重くなっていく。

 

 ――そろそろかな。

 

「うん。おやすみ、レミ」

 

「おや……す、み、なさい。ちさ、と……」

 

 そう言って高里が目を閉じた後、ちさとは高里を見ながら、ゆっくりと部屋を出て行った。

 

 ――これが二人で過ごす最後の時間になると知らずに。

 

皆様はダンガンロンパはどこまで見ていますか?

  • 初代まで。アニメも含む。
  • 2まで。3やV3は知らん。
  • 絶対絶望少女まで。
  • v3まで。全部やったお!!
  • 1のアニメor3のアニメのみ。
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