絶対虚構少女 ダンガンロンパ舞園 ~亡き希望達の学園死活~ 作:ゼロん
なぜかニコニコ動画でマイゾノデイズにハマって聴きまくってしまった。
切なくなって仕方がない。そんな数日間。
「高里レミさん。あなたが、二人を殺したクロですね?」
無情にもセレスは高里に指を突きつけた。
「……えっ、え……? ちょ、ちょっとまって。待ってよ。アタシが……ちさとを、大切な友達を殺したって言うの!?」
狼狽える高里に辺りは静まり返ってしまう。友情という言葉を語るのに、これほど虚しい場面はそうそうないだろう。
「……」
「ふざけてんの……? アタシが何で……なんでそんなことを! そんなことして、アタシに何の得があるって言うのよ!?」
高里は机を叩いて抗議するも、みんな押し黙ったままだ。
「……あら、生き返れるというだけでも、充分大きなメリットだと思いますが?」
セレスの反論を受け、苦痛に顔を歪める高里。その小さな拳を握りしめ、巻いた包帯からは血が滲む。
「そんなの……ちさとと一緒じゃなきゃ意味なんて……」
「けれど彼女、かなり隙だらけでしたわ。特にあなたには。人間、自分を信頼しきっている人ほど、騙しやすい生き物はいませんわ」
「アタシが……彼女を騙す……? ありえない。そんなの天地がひっくり返ったって……」
「おい、セレス! 流石に言い過ぎだ!」
「うむ、まだ彼女とも決まっておらぬ」
怜恩と大神の二人が声をあげ、ようやく審議は再開する。だが、
「……そうですね。高里さん、あなたがちさとさんを意図的に殺めたのではないというのは百歩譲って無しとしましょう」
「ですが……信晶くんはどうでしょうか?」
辺りの空気は彼女によって再び冷えていく。中にはまさかと察し始めている者も数人。
「彼は馬鹿のようにここにいる全員を信じると言い張っていました。舞園さんや和樹くんが言う通り、彼は武器を持たないでしょう」
「え……」
あまりの衝撃に言葉が出ず、高里の口からは吐息混じりの震え声しか出てこない。それでもセレスは話すのを止めない。
「だからこそ……犯人にとっては絶好の餌なのです」
「ちょ、ちょっと……」
「武器を持たない彼を道具を使って殺すなど容易い。爪や牙も毒も持たない動物なんて、ただのカカシですから」
「待って、待ってよ……」
「それにおそらく今回のクロは、彼らが見廻りのために夜中に起きていることを知っていた。ならば、自然と犯人は絞られます」
セレスはクスッと悪魔の笑みを浮かべて高里を嗤った。
「あの会議に参加し、尚且つあの時間にアリバイがない人物……その条件に一致するのは、貴方しかいませんわ。
――――高里レミさん」
瞬間、高里は周りの視線を恐れるように両手を頭につける。
「ち、ちがう……アタシは、あたしはそんなことしてない……」
目に涙を浮かべ、震える首を必死に横に振る。だが……ここは無常なるモノクマの学級裁判。
「では、証明してくれますか? ――あなたが犯人ではないという証拠を」
「ぅ、ぁぁ……」
高里の様子を見るに、この状況を覆す物的証拠は――ない。
「残念ですが……証拠がない以上、仕方のないことです」
「セレスさん……どうして……」
「あら、舞園さん。わたくしも本気ですわ。
本気で仲間の中から犯人を見つけるには、
本気で疑わしい者を疑わなければならない。
――――当然のことだと思うのですが」
「こんな……こんなことって……!!」
そんな中、怜恩が静かに呟いた。
「オレ……そういや、見たぜ。廊下で手を血まみれにした高里をよ……」
「――!!」
「……和樹くん!」
舞園は縋るように和樹に助け舟を求めるが、和樹は悔しげに目を伏せるばかりだ。
「すまないが、オレも今のに返す言葉はない……」
「そ、そんな……」
舞園はがっくりと肩を落とす。
――では本当に……彼女が犯人だというのか。
「ん? 審議の結果は出たかな? 誰をクロかは、皆さんのお手元のスイッチで投票してもらうよ?」
――あの時見せた高里さんの慟哭は、全て偽物だったって言うの?
「違う! 待って!
あれは……あれは……!!」
――このままでは高里に投票されてしまう。
「いい加減に、お認めになられたらどうです?」
「あの時は……! わたしは、ただ……」
瞬間、高里は気づいてしまった。
「高里、お前……」
「う、嘘だ……こんなのって」
大和田や悠太の顔にも少しずつ疑いの色が、浮かんでいくことを。
「どうして……!?」
「おそらく、田上さんは信晶くんを殺したところを見てしまったから、殺されてしまったのでしょう」
疑心が横行する審議。
「違う、そんな目でわたしを見ないで……ちがうちがうちがう……本当に違うのに……!」
信頼も感情も無意味で無情な世界。
証拠と根拠のみが許される討論会。
「最初は話し合ったのかもしれませんが……その時の精神的に、見られた人を……殺すしか選択肢は無かったでしょうね」
ただあるのは仲間を疑い生き残る道のみ。
さもなくば『死』。
――これがモノクマの『学級裁判』。
「無理、です。こんなの……もう耐えきれない」
「……」
舞園は投げ出した。
耐えきれず投げ出してしまった。
周囲からセレスへの反論もなく、先程彼女を論破した和樹もただひたすら沈黙する。セレスは周りをチラリと見て高里に向き直る。
「信晶くんを殺し、その後の目撃者である田上さんを衝動で殺した。それがこの事件の真相……ですよね? 高里さん」
「……っ!? ちが」
周囲の疑いの目は確実に着々と高里を追い詰める。もう高里を助ける者はいない。
信じられた最後の一人も――もういない。
「ぁ、っ……」
この裁判において彼女の味方など
――もう一人もいない。
「……終わり、ですか」
ただあるのは……
この空間に満ちる『諦念』と『絶望』だけ
「――舞園さん! 諦めちゃダメだよ!!」
のはずだった。
「!!」
――不二崎くん……!?
「必ず何か、見落としてるところがあるはずだよ!!」
「……見落としてるところ」
「あれ? 投票タイムはなし?」
首を傾げて状況を見守るモノクマを、和樹は鋭い視線で射抜く。
「――悪いが、まだ審議は終わっていない」
「ううーん。わかったよ。クマはもう少し我慢することにします」
『早くしてよね』と言った後、わかりやすくショボーンと落ち込むモノクマ。だいぶ退屈しているのだろうか。
セレスは不機嫌そうな顔で和樹を見る。
「……もう意見は出尽くしたと思うのですが」
「セレス、状況からの推論だけで犯人を決めつけるのは危険だ。もう少し……物的証拠の検証が必要なんじゃないか?」
「今あるのは、血のついた凶器だけ。それがなんの証拠になると?」
「……この裁判にはみんなの命が、信晶が信じたお前らの命がかかっているんだ。
もっと慎重になってもいいんじゃないのか?」
「……まぁ、もう少し審議を交わしても大差はないと思いますが……万が一ということもありますもの」
セレスは渋々と納得した様子だ。
和樹は舞園の方を向く。
「――舞園、諦めるな。オレも高里が犯人だとは思えない。この事件には、まだ謎があるはずだ」
舞園は素直に驚いていた。
さっきまで和樹はもう反論の余地もなく、諦めたのかと思っていた。
「本当に手がかりはこれで全部なのか……? くそっ……他にもっと有効な
それは間違いだった。
彼はずっと考えていたのだ。
本当の答えへとたどり着くための手がかりを。ずっと。
「高里……アイツが今回の鍵なのは間違いない。だが……」
そういえば、高里さんの様子が変だ。
彼女の反応から見るに、彼女は周りからの目を恐れている。
「……もういい。みんな……勝手に死ねばいい」
それにどこか……諦めてるような気がして。
「不二崎くん。和樹くん……私」
「――うん」
「……堂々と言ってやれ。こういう場面では、諦めない方が勝つ」
不二崎と和樹は笑顔で舞園に頷いた。
「信晶も……アイツなら、きっとそう言うと思う」
「――はい!」
こんな時、
苗木くんはいつも希望を捨てなかった。
――バッ!!
どんな時でも立ち上がれる、なにかを持っている人だった。
どんな時でも、本当に絶望に落ちようとした私を最後の最後まで救おうとした。
「高里さん」
田上さんは周りに何と言われても、自分の目で私を見てくれた。
「ま、舞園……あ、アンタまでアタシを疑うっていうの……?」
そんな彼女が愛し、遺した友達がこんなにも苦しんでいる。
「それは違います。高里さん」
ならば私は――
「――あなたはクロではありません」
私を信じてくれた人達に頑張って応える。
それが……今も昔も変わらない私の仕事。
信晶くんが最期まで応援してくれた私の夢。
――大好きなアイドルの仕事だから。
『僕は――舞園さんを信じていたのに』
今からやることが、私が犯した罪の償いになるのなら、私は――
「まいぞの……? アンタ一体……」
ちさとさん、見ていてください。
高里さんは、高里さんは……必ず……!
「高里さん、あなたはシロです!!
それを――――私が証明します!!」
必ず私達が救ってみせる。
皆様はダンガンロンパはどこまで見ていますか?
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初代まで。アニメも含む。
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2まで。3やV3は知らん。
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絶対絶望少女まで。
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v3まで。全部やったお!!
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1のアニメor3のアニメのみ。