絶対虚構少女 ダンガンロンパ舞園 ~亡き希望達の学園死活~ 作:ゼロん
第二話 希望の目覚め
--目覚めた私がいたのは学校によく似た建物の中だった。
「ゆ、め……!? 私は
自分の腹に包丁が刺さっていないことに困惑する
状況を確認するため、周囲を見渡すも至って普通の教室だった。窓から差し込む日の光。きっちりと並べられた机。
--ここは教室のようだ。
「けど……どこかに、
「舞園……さん……!?」
はっ、と声のした方向を振り返る。聞き覚えのある中性的な声。
「
「舞園さん!! 良かったよ! また会えたね!!」
不二咲はスカートを揺らしながら舞園に飛びつき抱きしめる。
「わっ! 不二咲さんったら……興奮しすぎですよ……」
「ごめん……舞園さんにあんなことがあったから……もう会えないって思って……」
不二咲が言った言葉に引っかかりを覚え、舞園は不二咲の肩を掴み、自分の身体から離す。
「不二咲さん……『あんなこと』って?」
不二咲はつい舞園から顔を背けてしまう。先程の言葉は失言だったようだ。
「……言えない」
「不二咲さん。たぶん思い出したくない内容なんですね……。けどお願いします……答えてください」
不二咲は首を横に振るが、舞園に真剣に見つめられる。ついに観念した不二咲は重々しく口を開く。
「だって……舞園さんは、桑田君に殺されちゃったから……」
「……。やっぱりそうなんですね」
--これではっきりした。確かに自分は死んだ。やはり桑田君に殺されたのは夢でもなんでも……
「待ってください。今、『桑田君に』って……!」
「あ、うん!
--今、なんて……!?
舞園はぐいっと不二咲との距離を詰める。不二咲は若干あせってはいたが、苦笑しつつ舞園から距離は置かない。
「不二咲さん。詳しく」
「わ、わかった。もちろん、苗木くんが最初は疑われてたんだけど……」
不二咲が話した内容を聞いた舞園の心境は……とても複雑だったが、彼女の心の多くは安らぎと喜びが満ちていた。
舞園は不二咲の話を聞き終わった後、その場に膝をつく。
「舞園……さん……!?」
「うぅ、よかった……本当によかった……ぁ……!! 苗木君…っ…ごめんなさいっ……!! ありがとう……! 本当にありがとう……!」
「舞園さん……」
泣きながら顔を隠す舞園の様子に不二咲は安堵の笑みを浮かべる。
「よかった……やっぱり迷っていたんだね。舞園さん。ボクは信じてたよ。苗木君は正しかった」
「なえぎ……くん……が……?」
顔を隠した両手をゆっくりと下げて、舞園は不二咲の顔を見上げる。そうとう泣きはらしたのか舞園の目元が赤い。
「うん。ずっと言ってたよ。舞園さんは自分から望んでやったわけじゃないんだって。絶対に舞園さんの死を忘れたりなんかしないって」
「本当……なの?」
「もちろんだよ。だって……君が死んで一番ショックを受けてたのは苗木君だったもん。……見ていられなかったよ」
正気を失った苗木が怒声を上げて舞園の死を否定したこと。第一目撃者でありながら、舞園の遺体を見ても彼は舞園の死を受け止めきれなかったのだ。
舞園の胸に激痛が走る。死ぬ前の痛みが残っているからではない。大きすぎる罪悪感から来るものだ。
「なえぎくんは……私に騙されたことがわかっても……私を忘れないでいてくれるんですね……」
--なんて愚かなことをしたのだろう。彼は私が死んだ後も、騙されたと知った後も自分をこんなにも想ってくれたのだ。
「こんなことなら……!! あの時に、あの時に私は苗木君を信じるべきだった……!!」
襲い掛かる後悔。舞園は近くにあった黒板を力いっぱい殴りつける。何度も何度も。愛するものを信じられなかった自分を罰するように。
「こんなの……! 苗木君はもっと苦しかったはず……!!」
握りしめた小さな拳から血が流れ、舞園の制服の袖にも鮮血が飛び散る。
『舞園は罪悪感に押しつぶされ、自殺をするのではないか』と危惧した不二咲は舞園の腕を掴み、制止する。
「舞園さん。ダメだよ」
「ふじ、さき……さん……離して。もっと、もっと私は苦しまないとダメなんです……」
「苗木君は舞園さんが傷つくことを望んでないよ」
『苗木』の名前を聞いたからか、舞園の動きが止まる。腕が力なく下ろされ握りしめた拳が開かれる。教室の床に血を垂らしながら。
「舞園さん、約束して。もう二度と自分を傷つける真似はやめて。これじゃあ、なんのために苗木くんが必死になったのかわからなくなっちゃう」
「けど……」
「ならここから償おうよ。もう二度と同じ間違いを繰り返さない。苗木くんは君のために強くなった。だから次は舞園さんの番だ」
「私が……つよ、く……!?」
「そうだよ! それにボク達もこうして再会できたんだ! 今度、苗木君に会った時に胸を張って『ありがとう』って言えるようにさ!」
--あほらしいと思う。もしかしたらここにいる不二咲さんは偽物なのかもしれないのに。おかしくなった自分が生み出してしまった幻影かもしれないのに。
「わかりました。強く……不二咲さん。私、強くなります! また苗木君と会った時にしっかりと『ごめんなさい』って言えるように!!」
--苗木君にまた会えないとしても。私は……彼の中で胸を張って好きだったと言えるような強い人でありたい。
舞園は立ち上がり不二咲と握手をする。もうその瞳に迷いはない。
「迷惑をおかけしました。……またよろしくお願いします。不二咲さん」
「うん、その意気だよ! けど……『ごめんなさい』より『ありがとう』のほうがきっと苗木君も喜んでくれると思うよ?」
「ふふっ、そうですね。ごめ……いいえ、『ありがとう』。不二咲さん」
「どういたしまして。またよろしくね! 舞園さん」
舞園と不二咲は笑い合う。こうして彼女はわけのわからないこの世界で、もう会えるはずもない仲間と再会した。
「うむ、我とお主の他にもここに来た者がおったとはな」
「……そ、そうですね。大神さん」
「さくらでよい。朝日奈の弟よ」
教室の扉からセーラー服を着た筋骨隆々な女性?と褐色肌の少年が顔を出す。
「「
「久しいな。また会えてうれしいぞ。不二咲、舞園さやか」
大神は笑顔をこぼす姿など想像できないぐらい濃いその顔に、満面の笑みを浮かべるのであった。
皆様はダンガンロンパはどこまで見ていますか?
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初代まで。アニメも含む。
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2まで。3やV3は知らん。
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絶対絶望少女まで。
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v3まで。全部やったお!!
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1のアニメor3のアニメのみ。