絶対虚構少女 ダンガンロンパ舞園 ~亡き希望達の学園死活~ 作:ゼロん
だれが犯人でしょう?
実はもうすでに伏線が張られているのです……
「舞園さん、
「いいから答えてください」
「いやぁ~……それはちょっと製作者側の都合がありまして〜……」
「とぼけないでください」
舞園は語気を強めるも、モノクマは態度を崩さず、首を横に傾け手を口元に当てる。
「ほにゃ? トボける? はてなんのことやら。ボクはただスピーディーな展開を好む視聴者の方々の要望に答えているだけでして――」
「……答える気は無いんですね」
「何度も言わせないでよ! だからぁ!」
苛立ちの声をあげるモノクマに呆れ返り、舞園は眉間に指を当てる。
「……もういいです。じゃあ代わりにもう一つ質問に答えてください」
「仕方ないなぁ。特別だよ?」
ドンと来いとモノクマは身構える。
「ナイフは……どの部屋に配置されていたんですか?」
『……!?』
全員が驚きの声をあげる。おそらくみんなはこう考えているだろう。答えを聞いているようなものではないか、と。
「ぷぷぷ……ボクからそれを聞き出したら、クロがわかると思ったのかな? 残念だけど、ナイフの置いてあった部屋は一つじゃないよ?」
モノクマはしーらない、と横を向いてしまう。
「まぁ、これ以上言っちゃうと答えを言っちゃうようなものだから控えておくね。そんなに気になるんなら、みんなに聞いてみればいいじゃないかな?」
「……」
ナイフの置かれていた部屋は和樹の部屋を含めて最低でも二部屋、ということになる。
舞園が思考を巡らす間に大神は彼女に話しかける。
「舞園、さっきはなぜ自由時間がなかった理由を聞いたのだ?」
「あら、簡単なことですわ。今回の事件は明らかにクロにとって有利過ぎますもの」
舞園の代わりにセレスが答える。髪をいじりながら。
「どういうことだ」
「……モノクマはわたくし達にクロを見つける手がかりを探す時間を与えなかった。そして……クロへと導いてしまう余計な証拠は出さず、あえて別の誰かを疑わせるような証拠を出した」
「え……ってことは」
セレスの意図を見抜いた悠太。周りの人も彼女が言おうとしていることを察し始めていた。
「今回のクロとモノクマが……裏で繋がっていると考えた方がよろしいでしょう」
「――ギクッ!」
「……モノクマ、それは本当ですか」
舞園は真剣な表情でモノクマを見つめるが、
「えーとぉ……ピピガッ! こ、故障です。バグが発生しました!」
「……」
「ふん、とぼけたわねこのポンコツロボ」
――どうやら図星のようだ。
「……とりあえず、みんなが部屋で確認した武器を言ってもらいたいんだが」
「ば、バカかオメーは! そんなの……犯人が正直にハイそうですかって答えると思ってんのかコラァ!?」
和樹の提案を大和田はアホかと一蹴する。
――違う。彼はこの場にいるクロに……揺さぶりをかけようとしている。
「……念のためだ」
「はぁ!?」
「大和田くん、彼の提案を聞きましょう」
「ちっ……一体何のためにこんなことぉ」
各自部屋にあった武器を言っていく。
「……アタシの部屋にあったのは木でできたバットだけよ」
「ボクと舞園さんの部屋にあったのは……和樹くんが持ってきた武器と、包丁。あとは模造刀だったよ」
「……なるほど」
「俺とさくらの部屋にあったのは……確かメリケンサックと、金属バットだったぜ」
合ってたよな、と不安そうに悠太は大神の方を向く。彼に対し大神はうむと頷く。
「どれもそれぞれの個性に合わせたもの、か」
――大神さんにはメリケンとかいらなそうだけど……
「オレと大和田の部屋にあったのは……確か野球ボールサイズの鉄球と、ダンベルだな」
桑田は後頭部を掻いて部屋にあった武器を、記憶をたどっているのかゆっくりと答える。大和田も同じ武器を確認したようで、特に何も言わない。
「……そうか」
そして和樹はセレスの方へ。
「わたくしの部屋はモーニングスター(鎖無し)とアイアンメイデンでした」
「ほうほう、モーニング……!?」
「はぁっ!?」
驚く和樹と桑田を気にせず、ニコニコとセレスはそう答える。
一瞬で和樹を始めセレス以外の全員の顔がソーダの色に近くなるぐらい青ざめる。
――なぜセレスの部屋に限ってそんな殺傷力抜群のものが。
「……あとでセレスの部屋の武器は回収するか」
「あら、女子の部屋に無断で押し入るのはどうかと」
「き、緊急措置だ。頼む」
「聞こえませんでしたわ」
「……お願いします。入らせてください」
不満そうなセレスに和樹は渋々頭を下げる。
「結構。三人ぐらいを目安に一緒に連れてきてください」
「ありがとう」
「返事は?」
「……ありがとうございました。セレス様」
「結構」
どれも一撃で相手を殺傷できる武器だ。アイアンメイデンに限っては武器ですらない。拷問器具だ。できればすぐに回収して使用不可能にせねば。
「……なるほど」
「で? 何か収穫はあったのかよぉ
「……あぁ。確実にこの中に一人、嘘つきがいる」
「んだとぉ? とっくにクロがこの中にいるっつう事はわかってんだよ! んな事調べてどうすんだよ!?」
「落ち着け大和田。そのクロは……もうわかった」
「は……?」
「クロは――お前だ」
和樹はある人物に向かって指を指す。
「――桑田怜恩。お前だけが……嘘の証言を言った」
「………………は?」
桑田は信じられないという顔で和樹を見つめる。他の全員もそうだ。
――嘘だ。
「ま、待てよ!! どうしてオレが嘘をついてるっていうんだよ!? 何か証拠でもあるのか!!」
舞園は信じられないと首を横に振る。
――そんなはずがない。
「そ、そうですよ。和樹くん。桑田くんが……そんな」
「体は口より正直だ。お前に質問をした時、全員の中でお前だけが頭の後ろに手を置いていた」
驚きのあまり舞園は口元を手で抑えてしまう。
――聞いたことがある。人は嘘をついた時、首の後ろや後頭部に手を伸ばしてしまうという。
「そ、そんなの! そんなの言いがかりじゃねぇか!! ふざけんじゃねぇ!!」
「もっと言ってやろうか。みんなの中で……学級裁判が始まってから、お前はずっと挙動がおかしかった。嘘をついている人間の特徴そのままだ」
「なん、だと……!?」
桑田は額に汗を浮かべ、少し後ろに下がる。
「裁判が始まってから瞬きが多い上に、話す速度がいつもよりもゆっくり。うっかり変な事を言わないよう、自分の発言に注意している何よりの証拠だ」
「はぁ!? 証拠もなしにそんな仕草だけでオレを疑ってんのか!? ふざけんなこのアホ! アホアホアホアホッ!!」
桑田は机に両腕を叩きつけ、和樹の方を睨みつける。
「この嘘つき野郎!! 変なこと言ってオレに罪を押しつけようってんだろ! いくらテメェの友達が殺されたからって、ふざけてんじゃねぇよ!! このクソッタレ大ボケうんこ野郎!!」
「桑田くん! 落ち着いて!」
――桑田くんの様子がおかしい。
「もちろん、さっきのはただの仕草からお前が嘘をついたかを見分けただけだ。それでお前がクロと決まるわけじゃない。だがな……」
和樹は普段よりも一層目を鋭くし、普段大きく感情を出さないその顔から、怒りが滲み出ている。
「お前がさっき言った、『保健室に行く高里を見た』っていう証言。それ自体が明らかにおかしいんだよ」
桑田は彼の迫力に圧倒され、口が止まってしまう。
「えっ……な、なにがおかしいんだよ。オレはただ、あいつを見たって言っただけで」
「――誤魔化すな。オレから言わせれば、お前こそ『ふざけるな』ってことなんだよ」
和樹の語気がさらに強くなる。
――怒っている。彼は……静かだけど、怒りに燃えている。
「か、和樹くん、ケンカはダメだよ!」
「ど、どういうことなんだよ! 桑田が……変なことを言ったっていうのかよ!」
混乱した不二崎と大和田がその場をおさめようと声をあげるも、
「……なるほど。確かに今思えば変ですわね」
「えっ、セレスはわかったつぅのかよ!?」
「桑田くんの……証言」
――彼の証言のおかしな点。
『オレ……そういや、見たぜ。廊下で手を血まみれにした高里をよ……』
彼は高里が保健室に駆け込むところを見たと言っていた。それの一体どこが……
『発見されたのは夜の三時ぐらい』
――そういえば、私が行った時はまだ血は赤かった。それにまだ少しだけ……ちさとさんにも息があった。
「桑田くん……」
「な、なんだよ、舞園ちゃん?」
挙動が少しずつおかしくなっていく桑田に舞園は問いた。
「あなたは……高里さんを見たあの時間、一体何をしていたんですか?」
――彼の証言の……真偽への決定打を。
「あ、あぁ。あの時間な。ちょっともよおしちゃって、と、トイレに……って、言わせないでくれよ〜ったく」
「……ずいぶんと離れたトイレに行っていたのですね。保健室が見えるトイレはあなたの部屋から反対ですわよ?」
「ち、近くのトイレが満員だったんだよ! 閉まってたから仕方なく……!!」
「はぁ? あの時間に俺はトイレなんて行ってねぇぞ!」
「オレも……流石に寝てた」
「うむ、部屋の扉が開く音も聞こえなかったぞ」
ことごとく論破されていき桑田の眉間にシワが集中する。目尻が痙攣し、首元が汗で濡れる。
「大神は寝てるときにも神経研ぎ澄ましてんのかよ……。と、とにかく開いてなかったんだよ! モノクマのせいなんじゃねぇのか? だからオレは反対の方のトイレに……」
「むむむ、失っ礼な! いくらボクでも理由もなくトイレのドアは閉めないよ!」
――ブチッ。
「うるせぇっ!! オレは! 『ただトイレに行っただけ』っつったろ!! このアホどもがぁぁぁぁぁぁぁっ!!」
怒鳴った後、はぁはぁと息遣いが荒くなる桑田。そんな彼を……舞園は見ていられなかった。
手が……手が口から離れてくれない。
――みんな……みんなもう、
「……モノクマ、今男子トイレのカメラは映せるか?」
――もうやめて。
「ん? いいよ。今スクリーン下げるから」
――こんなのおかしい。
こんな事をしても、お互いに疑いあって、憎しみあって……苦しめ合うだけなのに。
モノクマがスイッチを入れるとモノクマの頭上から巨大なテレビが出現する。
――こんなのは、もう――――
「確か……わたくし達が呼び出されてここに来るまで五分とありませんでしたわね」
そして映し出されたのは、赤く血に染まった――桑田怜恩の物と思わしき白いTシャツだった。
「クロが……証拠を処分する時間もなかったってことなんだね……」
「……………………。……アポ?」
――もうたくさんだ。
「――違いますっ!!」
『舞園!?』
突然大声をあげる舞園に全員が驚愕の声をあげる。
「違う! こんなのは間違っています! 桑田くんが……桑田くんが犯人のはずがありませんっ!!」
「……舞園、そうは言っても」
「……っ、クソッ!!」
下を向く大神。言うことがなく拳を机に叩きつける大和田。
舞園を除く全員が……桑田がクロであることを疑わなかった。
――どうして、どうしてみんな黙っているの。なんとか言ってよ。
桑田は信じられないものを見たように目を見開いて舞園の方を見る。
「……舞園……ちゃん」
「桑田くん!! なんとか言ってください! 自分は犯人じゃないって!!」
『オレってぜんっぜん野球好きじゃないんだよね。そもそも今まで練習したことだって一度もねーし』
――最初は本当にムカついた。嫌いだった。夢に向かって努力する私の気持ちも知らずに、平然とそう言える桑田君が大嫌いだった。
舞園は机を叩き抗議する。
「そ、そうですよ。こんなはずが……ないんです! きっとこれはモノクマの陰謀なんです!! まだ検討していない可能性が……!!」
「……舞園ちゃん」
『モテる以外に、ミュージシャン目指す理由なんかねーだろ?』
――嫌いだった。大嫌いだった。殺してやりたいぐらい。彼のことが嫌いだった。
「だ、だって! そもそもおかしいじゃないですか! 昨夜の報告会だって、桑田くんは来ていなかったじゃないですか!! 信晶君たちが見回る時間だって、わからなかったはずです!!」
「舞園ちゃん」
――けど。
「みんな待って、お願いです……待って……」
舞園はその場にズルズルと崩れ落ちていく。その手だけを机に残して。
『舞園ちゃん。顔、上げてくれよ』
――それだけが、彼の全てではないってわかったから。
「だって……だって……!!」
――いくら嫌いだからって、彼の心を利用し騙し殺すことなんか許されるはずがないのに。
『オレ……舞園ちゃんのことを悪く思ってなんか、これっぽっちもねぇよ。あんな状況なら、誰だってああなってもおかしくなかったんだ』
「桑田くんは……やっていない、って言ってるじゃないですかぁっ……!!」
――それでも彼は……やり直そうとしてくれたから。
子供のように、理由なく感情のままに反論した。意味なんて無いと知っていても。
「……舞園さん、あなたがいくら言っても、目の前にあるあの映像が動かぬ証拠ですわ」
だが、目の前の現実は残酷にもその空想を否定する。
「彼のではない可能性だって……」
「舞園さん……さすがにこれは、もう」
――あんなに……彼も、後悔しているはずなのに。どうして、どうして不二崎くんも、セレスさんも……みんなわかってくれないの……?
「桑田くんは……犯人なんかじゃ――!」
きっと誰かが――
「舞園、……もういいんだ」
――桑田は机を掴んだ舞園の手に、そっと手を置いた。
「桑田……くん、?」
「みんなの言う通り、クロは……オレだからさ」
――そして、ルーレットは回る。
予想は……いかがでしたでしょうか。
次回、解答編もお楽しみに。
皆様はダンガンロンパはどこまで見ていますか?
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初代まで。アニメも含む。
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2まで。3やV3は知らん。
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絶対絶望少女まで。
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v3まで。全部やったお!!
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1のアニメor3のアニメのみ。