絶対虚構少女 ダンガンロンパ舞園 ~亡き希望達の学園死活~   作:ゼロん

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桑田怜恩死亡。
残り……八人?

三十分後にチャプター2 エピローグ更新予定。


第二十二話「置き手紙」──イキキレ、友よ。

「ヒャッホーウ!!!! エクストリィィーーーーーーーームッ!!」

 

「ぁ……」

 

『……』

 

 全員が……その場を動けなかった。

 圧倒的な絶望。オシオキの悲惨さ。桑田怜恩の死。その全てが彼らを襲っていた。

 

「イヤァーいい運動しましたよ〜!!」

 

 彼の……桑田怜恩の処刑の受け止め方は、人により異なる。

 

「ぁ、ぁぅぁ……!!」

 

 舞園が一生の間に見ることも叶わなかった、はじめてのモノクマのオシオキ。

 顔も身も心も崩れ、泣くことすら……身体が追いついてくれない。

 

「……なんだよ、これ……?」

 

「……悠太よ。部屋に戻ろう。これ以上は心を病む」

 

 その一端は味わいはしたが、本当の意味では初めて見るであろうオシオキに心の底から恐怖する悠太。

 悠太を勇気づけるように、心内怯えつつも彼の側につく大神。

 

「……ぅ」

 

 大神の手によって憎き仇の最期を見ることなく眠る高里。

 

「――クソがぁ!!」

 

「う、ぅぅえ……!!」

 

 何もできない悔しさと怒りで恐怖を抑えつける大和田。あまりの不快さに胃の中の物を戻しかける不二崎。

 

「……っ」

 

「……」

 

 悲惨という言葉ではありえない無慈悲な処刑に目を背ける和樹、消えず済んだはずなのに……どこかやり切れない想いを顔に出すセレス。

 

 

 全員が全員、同じ反応をするわけでも、発狂するわけでもない。

 

 だが共通しているものが一つだけあった。

 

 

 

「うぁぁぁぁっ…………!!!!」

 

 

 

 モノクマの『希望』した通り……

 

 ――『絶望』の表情をしていることだった。

 

 

「これに懲りたら、脱出なんて馬鹿な真似はやめましょー! ここで、自我が崩壊するまで過ごす! イイネ?」

 

 全員が諦めるなか、舞園だけが……

 

「……!!」

 

 果てしない憎悪と憤怒を込めた目で、モノクマを見ていた。

 

「舞園さん……わかるよ」

 

 モノクマは悲しそうな顔をして、ひょこひょこと舞園の目の前まで近づく。

 同情しているつもりか。煩わしい。白々しい。

 本当に同情しているなら、すぐにでもモノクマはここから消えるべきだ。

 

「なにがよ……!!!!」

 

 ああなるべきなのは……本当に処刑されるべき外道は、お前のはずなのに。

 どうしてだれも裁いてくれない?

 神がいるなら、どうしてこの悪魔に天罰を与えてくれない?

 

「裏切った桑田クンの末路に、己の無力さに――『絶望』しているんだね」

 

 

 ――どうして憎たらしい顔をしたお前が生きている。

 

 

 舞園の頭は真っ白になった。

 

 

 ――その時私が感じたのは……怒り? 憎しみ? それとも……

 

 

「ふざけないで!!!!!」

 

 

 ――いや……そんな言葉では足りない。そんなものではない。

 

 舞園は近づいてくるモノクマを押しのけ、叫ぶ。

 ありったけの憎しみを、怒りを。最大の嫌悪を込めて。

 

「うぉう!?」

 

「あなたは……! あなたはいつだって、私から大切な物を奪っていく!! 私が守りたかった夢も! 大切な仲間も!!

 大切な人との信頼も!!

 

 全部、全部……

 

 ――全部あなたのせいじゃない!!!!」

 

 全員が黙る中、聞こえるのは自分の荒くなった息遣い。

 息をすることも忘れていたのか。もう大きく声をあげられないのか

まだ……

 

「ヒュー……。怖いよ、舞園サン。ダメじゃないか女の子がそんな怖い顔しちゃあ」

 

 ……この白と黒の悪魔は彼らの死を嗤っているというのに。

 

「あれ? そういえば……あっ、そっかぁ〜思い出したぞぉ!

 

 ――そんなセリフを聞いたのは『二回目』だったっけ」

 

「……ッッ!!!」

 

 ――やっぱりこいつはあのコロシアイの……!!!

 

「苗木くんも。君も。

 いずれ絶対に『絶望』する。

 幸せな真実を『希望』して、

前に進む度に多くの犠牲を払って、払って、払っていって……

 

 ……たどり着いた、その先で。残酷な『現実』を見て

 

 ――絶対に『絶望』する。

 

 ……それがわかっていて、まだボクに刃向かうの?

 

 わからないなぁ。

 そんなにツライ思いをしたくないのなら、最初から絶望して、全部投げ出して。諦めて。

 ……逃げちゃえばいいのに〜うぷぷぷっ……!!」

 

「現実って……どういうことですか!!」

 

「うぷぷ……さぁ? 苗木くんの気持ちがわかって、君も彼も、嬉しいんじゃないかな? 彼の味わった同じ絶望を共有できて。

好きな人と同じものを感じられるって、幸せだよねぇ~!」

 

 ――コイツは。

 

 舞園はその細い腕にありったけの力を込めて握りしめる。その純白の学生服に血がつくのも厭わずに。

 

 ――コイツは、苗木くんにもこんな思いを味合わせたのか。

 

「あっ折角だから、信晶クンの手紙も読もっか!

 

 よりにもよってボクなんかに読まれるなんて、信晶クンも浮かばれないねぇー!」

 

 ――どうしようもない絶望を。大切な人を目の前で奪われる苦しみを、味合わせたというのかっ……!!!

 

 

「――ピピガッ! ん? マジに故障かな?

 ……まぁいいや。じゃあ読むよー!」

 

 

 ▲

 

『――みんなへ。

 

 もしこれを読んでるなら、俺は多分みんなの前にはいないと思う。

 

 人生17年。短いもんだよなぁ。

 信長だって50年だし、もっとなげぇぞ?

 

 いや、死んでからこんな遺書みたいなの書くなんてなぁ!

 

 ほんと、わからないもんだよな。

 ごめん、前もって言っとくけど、めっちゃくさいこと言うよ?

 

 ――みんな……折れていないか?

 

 もうここで進むことを……諦めてないか?

 

 誰かを失って……もうどうでもよくなっちまったのか?

 

 俺も……まぁ絶望事件から色々あったけどさ。親も、最高の友人も……

 

 なにもかも無くなっちまって。

 

 ほんと……嫌だよな。嫌で嫌で。

 

 もうなにもかも……

 どうでもよくなっちまうよな。

 

 けどさ、そこで止まるの……良くないと思うんだ。

 

 俺、変な話……

 みんなに会えてよかったと思ってる。

 

 いや、死んだのが良いってわけじゃねぇよ? だって痛いし苦しいし。

 

 みんなとは生きてる間に会いたかったよ。

 

 悠太。

 元気にしろよ! みんなに笑顔をな!

 あとおまえ、もうちょっと自信持っても良いと思うぜ! 姉貴なんて気にすんな!

 我が道をいきゃあ良いんだよ!

 

 不二崎。

 おまえ、女装ってマジか……?

 半分くらい冗談だと思ったんだけど。

 ごめん、俺、超失礼だったよな。

 

 舞園さんを頼むぜ、騎士様。

 漢、磨けよっ!

 

 大神!

 おまえ、肉体は間違いなくサイキョーなんだから、心も最強になれよ!

 あと……ちょっとくらい女性らしい細マッチョ体型になりやがれ!!

 フ◯ーザ様もスマートな形態の方が強いだろーが!

 

 桑田、大和田!

 おまえら見た目はチャラいけど、ケッコー良いやつだよな!

 もしまた会えたら、一緒にゲーセンでも行こうぜ!

 

 高里、それと田上さん!

 あからさまだったけど……

 ほんとはキミら仲良いだろ?

 

 どっちか片方がいなくなちまっても……どっちかがその意思を継ぐんだぞ?

 みんなと一緒に黒幕に目に物見せてやろーぜ!

 

 田上さん、ポッポのお世話よろしくな!

 どうせ俺よりも優しい田上さんが良いんだろ、ポッポ!

 ま、元気でやれよ!

 

 あと高里! 三流とか言うのやめろ!

 せめて未熟者と言え!

 そのバグった悪口製造装置、

 少しは直せよ! じゃあな!

 嫌いじゃなかったぜ!

 

 

 セレスさん。

 夢……叶うと良いな。

 いなくなっても、俺見守ってるから。

 お城ゲットしたら……

 多分、見えない俺は笑ってると思うぜ。

 アンタのその大胆不敵なところ、

 ……大好きだったよ。

 

(恥ずかしくて、何度か消した跡あり)

 

 

 

 和樹。

 伝えたいことは……全部お前に伝えた。

 だからおまえは、

 後ろを向いても良いから……それでも前に進んでくれ。

 じゃあな……最高のマイフレンド。

 

 

 最後に、舞園さんへ。

 

 舞園さん、俺……正直あなたに憧れてた。

 

 ツラくても、苦しくても、

 

 それでも仲間と笑顔で、

 夢に向かって前へ突き進む。

 

 まだあなたが新人だった頃も、

 夢を叶えた後も、

 みんなの期待に応えようと努力してた。

 

 

 そんなあなたに……俺は憧れたんだ。

 

 

 天使だった。

 俺が目指した生き方そのものだった。

 

 

 舞園さんも、どっかで道を間違えて、

 誰かを傷つけたり、大切な物を失うこともあったんだと思う。

 

 けど、

 それは全部悪いことじゃないと、

 俺は思う。

 

 全部が全部

 舞園さんのせいなんかじゃないよ。

 間違えて当然だよ。

 だって舞園さんはアイドルである前に、

 『舞園さん』で、優しくて清楚な人で、

 

 

 俺と同じ……一人の高校生なんだしさ。

 

 

 多分……そのナエギって人も、同じこと言うんじゃないかな?

 

 舞園さんが好きなんだから……きっと……すっっっげぇ優しいやつなんだろ?

 

 もし生き返ったら……

 そのナエギって人と幸せにな。

 恋人と男は大事にしてください。

(舞園さんを蔑ろにするクズは別とする)

 

 舞園さんのご家族と一緒に、

 俺も空の上から応援してるから。

 

 

 みんな、俺の意思を継いでくれ。

 それだけが、このポンコツ手品師の最後の望みだ。

 

 折れないでくれ。諦めないでくれ。

 

 転んで転んで、起き上がった先にあるのは……何なのか。

 

 生きている時も……ずっと俺たちはそれを探すために生きてると思うんだ。

 

 俺のことなんか、忘れたって良い。

 ただ、このメッセージを……みんなの胸に焼き付けてくれ。

 

 これは俺だけの希望じゃない。

 みんなの希望にしたい。

 

 

 「――俺たちの先に待つのは、

 絶望なんかじゃない。

 

 

 最高のハッピーエンドだ。

 

 

 最後は『やっぱり頑張ってよかった』って言える結果になるために。

 

 ――みんな、どうか……

 何があってもバラバラにならないでくれ。」

 

 

 言っとくけど、みんな死亡のちゃんちゃんバッドエンドとか俺、嫌だからな!?

 ギャグ漫画じゃねぇんだから!

 

 

 これが出信晶――最後のマジックだ。

 え? どこがマジックだって?

 

 

 一番の魔法は言葉だろ!?

 

 

 ……。うぁー……!!

 なんだか書いてて恥ずかしくなってきた!

 くさいこと書いてごめんな!!

 

 P.S.

 俺の部屋の引き出しに超レア商品、舞園さんの写真集があるから、大切にしろよ。

 あれはみんなのもんだからな!!

 

 舞園さん、ごめんね!

 一応……なにも変な事してねぇから!!

 

(あっ、清楚とか書いたけど、事務所の方針とか、キャラ作りだったらごめんね! そうは思えないからああ書いたけどさ)

 

 出信晶より。

 みんなに友情と親愛を込めて』

 

 

「……」

 

 信晶の残した言葉に……

 全員が、言葉を奪われた。

 

 なんと言ったら良いか……

 今の彼らの頭の中は、

 ……さまざまな感情で一杯一杯だった。

 

「イデ………おまえは………!!!」

 

 最初に、膝をついたのは……

 ずっと感情の機微が少なかった……他の誰でもない。信晶の親友、和樹だった。

 

 

 

「…………。クッサい」

 

 

 モノクマは手紙の両端を握り

 

 

 ――ビリビリビリビリッ!!

 

 

 モノクマは手紙を破くと、

 すぐさま口に入れ、

 

「喰うのも不味いなぁ。これ。

 

 ――ペェッ!」

 

 文字通り吐き捨てた。

 

『……!!!』

 

「じゃあみんな! ご機嫌よう!

 

 うぷ、うぷぷ、ワハ、ワハハ

 

 ワ〜ハッハッハッハッハッハッ!!」

 

 

 

 

 ▲

 

 

「……」

 

 舞園達はそれぞれの部屋に戻り就寝。

 そして時は明日を迎えた。

 希望と絶望。

 

 その二つを彼らの心に根づかせて。

 

 舞園はベッドでボーッとしている不二崎の肩に触れる。

 

「……不二崎くん。行きましょう」

 

「行くって……どこへ?」

 

 

「決まっているじゃないですか。

 

 ――探索です」

 

 

 




おまけ。

『ぽっぽのおしごと』

ぼくはポッポ。

ぼくの主人はへんな衣をきたニンゲンです。
主人はたまにぼくに話しかけるけど、
なにをいってるのかわかりません。
なにをこっちがいっても伝わりません。

けど主人といて、ぼくはとてもたのしいです。
いつもぼくにわらってくれます。
えさもかかさずくれます。

話せないけど、なんとなく主人がやってほしいことがわかるようになりました。

昨日は楽しかった。
ニンゲンと話せると思っていなかった。

主人も頭を撫でてくれるけど、この人間の手はもっと暖かい。
オンナノコなのかなぁ。

エサも食べやすいように柔らかくしてくれる。
とてもやさしい。

また会いたいなぁ。
主人も許してくれるかなぁ。

……あれ? ご主人がいない。
どこに行ったのだろう。
寝ていたら、いつのまにかいなかった。

外に出ても主人はいない。
どこにもいない。

あのやさしいオンナノコもいない。

……さびしいな。

しばらくすると長い髪のオンナノコがやってきた。

「……」

なんだかとてもかなしそう。
まえにも主人はこんな顔をしてた。

こっちにきがついたみたい。

どうしたの?

「……ちさとが可愛がってたハト」

どうしてかなしそうなの?

「あなたも……もう一人なのね」

長い髪のオンナノコが手をのばしてきた。
さわってもいいのかな?

「クルクル?」

「かまないでね」

「クルッ……ホホッ……」

長い髪のオンナノコの手にさわった。
なんだろう。
あたたかいのに、なんだかつめたい。
ふしぎ。

「……うぅ」

ないちゃった。どうしたんだろう。
かなしいの?

「ちさとぉ……なんでよぉ……」

かなしそう。

「ホホ……」

「……?」

あたまをオンナノコの手にスリスリする。
主人が言ってたことをあの優しいオンナノコが
ぼくにわかるように言ってくれた。

『泣いてる子を笑顔にするのが、あなたの主人の仕事なの』

これもしごと。主人とのおしごと。

「……慰めてくれるの?」

「ホホッ」

「……ありがと」

オンナノコはちょっとわらってくれた。
主人。いまはいないけど、きっとかえってくるよね。
やさしいオンナノコも、きっと主人といっしょにかえってくるよね。

「……アンタも来る? いま部屋が空いてるから」

「クルックー」

「よしよし、けどフンは外でしなさいよ。それぐらいはアンタの主人に教わってんでしょ?」

「クル?」

「絶対にわかってないわね……。まぁいいわ。そこらへんはきっちり教育してあげる」

それまでこの子を笑顔にする。
まってるよご主人。まってるよ優しいオンナノコ。
これでもうさびしくないよ。

「アタシの肩に乗る権利を与えるわ。……さぁ、登って。部屋に連れてくから」

「クルックー!」

ありがとう髪の長いオンナノコ。

その日はぼくはその子の横で寝ました。
とても暖かくて……心地いいです。
またみんなとこの子といっしょになれるといいなぁ。


〜〜おしまい。

皆様はダンガンロンパはどこまで見ていますか?

  • 初代まで。アニメも含む。
  • 2まで。3やV3は知らん。
  • 絶対絶望少女まで。
  • v3まで。全部やったお!!
  • 1のアニメor3のアニメのみ。
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