絶対虚構少女 ダンガンロンパ舞園 ~亡き希望達の学園死活~ 作:ゼロん
「まさか
「うむ。盗み聞きのような形になってしまった。すまぬ」
大神は頭を下げ、こっそりと二人の話を聞いていたことに謝罪をする。
「安心したぞ
不二咲は大神達にも同じ話をし、無事舞園の信頼は保たれた。むしろ信頼関係がより深まったようだった。
「ところで……君は……? どこかで見たことがあるようなないような……」
舞園は大神の横にいる褐色肌の少年に目を向ける。少年は舞園に目を合わせニカッ、と微笑む。
「はい! 俺、
「
「あぁ、たぶんそれ俺の姉貴です。水泳、得意だ……じゃなくて、ですよね?」
慣れない敬語を使う悠太にクスクスと舞園は笑う。
「悠太くん。いいですよ? 慣れない敬語じゃなくても。朝比奈さんは私達の仲間ですから。もちろん、あなたも」
「あぁ、わかった。よろしくな、舞園さん」
こちらこそと舞園は悠太におじぎを返す。そんな悠太はどこかと嬉しそうだ。彼女の姉、朝日奈 葵に似た明るい笑みを浮かべている。
「それにしても驚いたぜ! まさか『超高校級のアイドル』と知り合いになれるなんて!!」
「ふふっ、そう言っていただけると嬉しいです」
「あいさつに話を弾ませている所すまぬ。舞園。まずはこの状況を整理すべきだ」
大神の鋭い指摘にはっと我に返る舞園。再会の喜びで自分たちが置かれている状況が二の次になっていたようだ。
「そ、そうですね。どう考えてもこの事態は異常です。死人と生者がまた会えるなんて……」
「いや、実はだな……」
「舞園さん、ボクらはたぶん……」
大神に続き不二咲も口を開き。各々のこれまでの経緯を話す。
不二咲は『超高校級の暴走族』大和田 紋土の琴線に触れてしまい、殺された。
「大和田君が……」
「で、でも! 大和田君は根っからの悪人なんかじゃないんだ! ボクが彼のトラウマを掘り出しさえしなければ……」
--私も……人のことは言えない……か。
大神は舞園が犠牲になった希望ヶ峰学園の『コロシアイ』、その黒幕の内通者であったことが黒幕本人の手によってバラされ状況が悪化。
結果的に彼女は誰にも信用されなくなり、他に裏切り者がいるのではないかと生き残った者たちの結束を崩してしまった。
さらなる殺人が起こる可能性を無くすため、償いの意味も込めて彼女は服毒自殺を決行したという。
「朝日奈には……本当にすまぬことをした。きっと、我は許されぬのだろうな……」
「大神さん……」
「我は今さら後悔しておるのだ。我が死ななくても……よかったのではないかと。本当に新たな殺害を防げたのだろうかとな……」
--同じだ。死ぬことを。自分の選択を後悔した自分と。
『舞園さんも強くなろう!』
不二咲との約束の言葉が舞園の胸の中で響く。
--もう二度と私と同じ想いなんて、絶対に他の人にはさせない。
舞園はうつむいてしまった大神の手を握る。
「大神さん。苗木君は……生き残りましたか?」
「あぁ、少なくとも我がまだ生きていた時は……」
--よかった。やっぱり苗木君はすごい。
自然と舞園の口から笑みがこぼれる。
「なら大丈夫です。きっと、苗木君が何とかしてくれます」
「……舞園」
「だって彼は……『超高校級の幸運』なんですから。みんなを覆う厄なんて吹っ飛ばしてくれますよ」
舞園は両手で彼女の手を強く握り、不安と後悔に満ちた大神の瞳と向かい合う。
「きっと大丈夫。あなたの犠牲は無駄になんてならない。苗木君や朝日奈さん。それに他のみんなも……きっと、あなたの意図をくんでくれます」
「朝日奈……。そうであったな。朝日奈はいつも明るく我に微笑みかけてくれていた。『辛くても笑おう、さくらちゃん』と……。我の親友、そしてあの仲間たちなら、我が意思を継いでくれるだろう……」
「そうですよ。なんていったって彼らは……超高校級のすごい人達なんですから」
--あの場でもしあの全員が一枚岩になっていたら……きっと黒幕にさえ、どうにもできないだろう。だからモノクマはみんなの団結力を壊そうとしたのだ。
「舞園、姓でなく『さくら』と呼んでくれ。一時でもお主を疑った我らを許してくれ」
「改めてよろしくお願いします。それと……さくらさん、ダメですよ」
「む? 何がだ?」
「『ごめんなさい』よりも『ありがとう』のほうが、不二咲さん曰くうれしいんですから」
「はっはっはっはっは! そうであったな! 『ありがとう』舞園よ!」
大神は高笑いを上げ、舞園の肩を軽くたたく。
--少し痛いや……さすが『超高校級の格闘家』……。
悠太は泳いでいた途中に腕につけられた爆弾が爆発して死亡したらしい。
「どういう状況ですか……それ?」
「いやぁ~俺もよくわかんなくってさ。身体が光に包まれた後、気が付いたらここにいたんだ」
はっはっは、と死んだのにも関わらず陽気な態度は崩れない。
--さすが朝日奈さんの弟だなぁ……図太い。
「けど、変な熊の被り物をしている奴らには襲われたぜ? 怖かったなぁ。あれ」
「じゃあ、ここにいる人たちの共通点は……」
舞園は不二咲の方に顔を向ける。
「うん。ここにいる全員は……モノクマに殺されてるってことだね」
「あら、わたくしも仲間外れにされては困りますわ」
「!?」
再び開いた教室の扉に見えたのは……ゴスロリ衣装の細身な少女。誰もが目を引く巨大な黒ツインテール。見間違えようはずもない。
「セレスさん!?」
「お久しぶりですわ。皆さん」
『超高校級のギャンブラー』セレスティア・ルーデンベルクは指につけたアーマーリングを口元にあて、クスクスと悪戯っぽく笑う。
驚愕する不二咲と舞園はともかく、セレスの死因を知っている大神はセレスをにらみつける。
「やはり、お主もここに来ていたとはな」
「えぇ。山田さんや石丸さんが来ていないところを見ると……『モノクマに殺された者全員』がここに来ているわけではないようですね」
「どの口が言うか……」
相変わらずのセレスの態度に大神は警戒の色を濃くする。むしろ相変わらずであったからより彼女を警戒している。
「不二咲、舞園。この女は絶対に信用してはならぬ。こやつは容赦なく石丸を殺害し山田を利用した挙句、証拠隠滅のために殺した奴だ」
「え……」
「しかもたかが金に釣られて、だ。モノクマに言われてあっさりとな」
不二咲や悠太は顔を真っ青にしてセレスを見つめる。セレスは悪びれる様子もなくニコニコと笑みを浮かべている。
「たかが金。わたくしから言わせれば金で買えない物はありませんわ。まぁ……金が低く見られるのはよしとしても。わたくしの夢は『たかが』と安く見られるほどのものではありません」
「貴様……よくもぬけぬけと。仲間の命を金で売ったおぬしが最も安いぞ……!」
「さくらさん。待ってください」
怒りのあまり殺気を放ち始めた大神とポーカーフェイスを崩さないセレスとの間に舞園が割って入る。
「ここはセレスさんを信じましょう」
「舞園……! こいつは信用できる相手ではないぞ……!!」
「わかっています。けど……『夢のために仲間を売った』というなら、私も同じです」
「そ、それは……! だがお前は」
--迷っていたとはいえ、私は人を殺そうとした。自分の夢のためだけに。そんな私にセレスさんを責める権利はない。
「これは意外ですわね。まさかコロシアイの切り口になった人物からそんな言葉を聞くなんて、思いもしませんでしたわ」
心底驚いたと言いたげな表情でセレスはその場に佇んでいる。
「貴様……!!! これ以上口を開けば四肢が吹き飛ぶと思え……」
「いいえ、セレスさん。あなたは正しい。あなた方には私を責める権利があります」
大神はしぶしぶと引き下がり、舞園がセレスの前に出る。
「セレスさん。あなたもわかっているはずですよね? この状況が……希望ヶ峰学園であった『コロシアイ』に近い状況であることが」
「そうですわね。窓の外からは日が差し込んではいますけれど……外に出ることはできませんでしたわ。窓は開かず、壊そうとしてもびくともしませんでしたわ」
「やっぱり……」
ここもやはり閉鎖空間。出口は本当に限られている。また舞園たちはどこかに閉じ込められてしまったのだ。それも死後に。
「ここを出るには全員の協力が不可欠なんです。協力……していただけますか?」
「まぁ、お断りしますわ」
あっさりと断られた。しかも即答で。
「ど、どうして……」
「だって先程のわたくしの経歴。それを聞いて、わたくしを信じようとする者がこの中にいまして?」
沈黙。
セレスの言うことは尤もだ。大神の情報開示があった時点でもう手遅れ。第一印象をひっくり返すことはよほどのことがない限り、難しい。
初対面の
「それと、わたくしの経歴はあまり大っぴらに話さない方がいいですわよ。ほかの方々の混乱を招くだけですから」
「え……ほかの……?」
どういうことだ、と舞園と他の三人が問う前にセレスが口を開く。
「あら、知らないんですの? 大和田君と怜恩君含め他六人。……もうホールに集まっていましてよ?」
この時、舞園さやかは今まで以上に大きな不安が、胸の奥から湧き上がってくるのを感じられずにはいられなかった。
感想、いつでも待ってるぜ!
次回、アイツとオリキャラたち登場。「うぷぷぷ……」
めっちゃテンション上がるぜ! 次回は明日の十二時に投稿予定です。
皆様はダンガンロンパはどこまで見ていますか?
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初代まで。アニメも含む。
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2まで。3やV3は知らん。
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絶対絶望少女まで。
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v3まで。全部やったお!!
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1のアニメor3のアニメのみ。