絶対虚構少女 ダンガンロンパ舞園 ~亡き希望達の学園死活~   作:ゼロん

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第三十二話 男子どもの昼食

 食堂にて、

 

「よしっ! 今日もからだ作り頑張るぞぉ……っ!」

 

 意気込んで皿の乗ったお盆をテーブルへ運ぶ不二崎。彼の後ろから呆れ顔で近づく二人。不二崎と同じくお盆を持った悠太と大和田だ。

 

「いやいや、だから」

 

「……急に腹壊すぐらいの量食うんじゃねぇよ。元々少食だっつーのに」

 

 そう、不二崎の皿の上には大和田や悠太の倍の量が乗っかっていた。

 運動して食えとは言ったものの。

 流石に多すぎだ、と三人よりも先に座っていた和樹は苦笑する。

 

「……シェフモノクマも真っ青になってたな」

 

 校内……もといこの建物にいるであろう一体、厨房にいた料理人の格好のモノクマの姿を思い出しつつ、和樹はまじまじと自分の皿に乗った料理を見つめる。

 

「何ずっと考え事してんだ、オメーは」

 

「……いや」

 

 この場所……つまりあの世であるわけだが、再生学園へやってきてからずっと疑問に思っていたことを和樹は口に出す。

 

「死んでいる状態……魂であるオレたちでも、腹はへるんだなって思って」

 

『────!!』

 

 和樹以外の全員がハッとなる。全く気にしていなかった、と。

 

「た、たしかに……」

 

「か、考えもしてなかったぜ……」

 

「その質問にお答えしましょう!」

 

 悠太と大和田がうろたえていると、どこからかモノクマが飛び出してきた。

 

『モノクマ!?』

 

「えーとですね」

 

 モノクマはレンズをかけて博士風な状態に。

 

「オマエらの腹がへっちゃうのは、一言で言えば生前の習慣です」

 

「じゃあ、実際は食事をする必要はないってことか?」

 

「食べなくてもとりあえずは生きてる……? いや活動はできます」

 

 和樹の質問にモノクマはちょっと言葉を詰まらせる。

 

「まぁ……さすがに生きてるとは言えないからね……」

 

「そのかわり、長い間それが続くと活動はできるけど、永遠に飢餓状態……つまり腹がすいてすいて仕方がない状態になってしまいます。──ゾンビとかじゃないけどね!」

 

「えぇっ!?」

 

 不二崎のさりげないツッコミに対し、モノクマの答えはかなりヤバめのものだった。大和田もこれにはビックリしたようだ。

 

「こわっ!? 怖すぎんだろ! ほとんど生き地獄じゃねーか!!」

 

「まぁ……生きてはないけどね……」

 

「……。──かゆ……うま(ボソッ」

 

「和樹さんは和樹さんで何言ってんの!?」

 

「……つい。なんとなく言いたくなった」

 

 小さく笑みを浮かべる和樹をモノクマがどつく。

 

「ゾンビとかじゃねーっってんでしょ? ま、自分から絶望的な状況に行きたくなければ食べちゃってくださいな!」

 

「逆にモノクマにそうまで言われると、毒が入っていないか心配になるな」

 

 うんうん、と一同。

 

「しっつれいな! ボクはそんなことしません!」

 

「……殺し合いはさせるくせにな」

 

 悠太の鋭いツッコミがモノクマを貫く。

 

「まったくだ。これじゃ野生の熊の方がまだマシだぜ」

 

「むむむ、大和田くんまで。しっけいな……! もういいよ! せっかく男子だらけのムサい食堂を和ませてやろうと思ったのに! ボクもう行くから‼︎」

 

 帰れ、と全員一致で思う。

 

「ムサイのがイヤなら女子のテーブルの方に行けばいいだろ……」

 

 と和樹はぼそりと呟いた。

 

「うっ……や、やっぱりこの量は無理かもぉ……」

 

 話している間も食べていたようだが、不二崎はまだ三分の一も食べられていない。

 

「何やってんだよ! ちっ、しゃーねー。さっさと俺の皿にも取り分けろ」

 

 大和田は食べたことで空いた皿を不二崎の前に置く。

 

「あ、オレもオレも! ラッキー!」

 

 大和田に続き、悠太や和樹も空になった皿を置く。

 

「……これでまたおかわりを取りに行かないで済むな? 大和田」

 

「て、てめっ和樹っ! 俺の心を読むんじゃねぇ!!」

 

 大和田は誤魔化すように不二崎の残した料理を皿に乗っける。

 

「み、みんな……。あ、ありがとう……」

 

 男子勢の、穏やかな食卓。

 誰もが騒ぎ、微笑む……そんなうるさい食卓。

 

 

 ***

 

 

 昼食が終わり、モノクマの呼び出しがあった。いつも通り、はじめのホールに来いとのことだ。

 

「また夜もお願いね!」

 

 緊迫した雰囲気の中、不二崎は先の残飯処理の手伝いの礼を三人にするが、

 

「ざっけんな!」

 

「……思ったよりも量があったぜ……」

 

「半分くらいは悠太が食ってたっていうのに……うっ……! やべ、も、もう腹一杯。ごめん不二崎、もう手伝わねーや」

 

 次からは適量を取れと三人からは釘を刺された。

 

「ええっ!? ……うぅ」

 

 不二崎はしゅんと落ち込むが、叱られた子犬のようにあどけない表情は同年代の男子からは決して存在するはずのない強大な破壊力を秘めていた。

 

 三人とも、その顔は反則だろうと思いつつ。

 

「……? みんな、なにかあったんでしょうか……?」

 

「……さぁ?」

 

 男子陣の会話を聞きつけ、舞園は唖然とし、セレスは冷たい表情で言葉を返す。

 

「……運動も大事だが、食事もほどほどにしなければならぬ……」

 

「あんた意外と地獄耳なのね……」

 

「我はいかなる時も五感は緩めぬ」

 

 うんうんと首を縦に振る大神には男子の会話が筒抜けだったようだ。そんな彼女を高里は呆れたように見上げる。

 

 突然床が開き、ステージにモノクマが飛び出てくる。そして両手を広げて、

 

「今日も今日で元気な死人のみなさんに──ボクからスペシャルな、プレゼントがあります!」

 

 大和田は目を伏せて苛立ち気味に口を出す。

 

「またどうせロクでもないもんだろ……」

 

「ほっほ、そんなことないよ! きっとみんな喜んでくれるはずさ!」

 

 モノクマがリボン付きのプレゼントボックスを数個取り出し、一人、また一人と手渡していく。

 

「はい、これ舞園さんの」

 

「……?」

 

 モノクマから箱を受け取り、持ってみるとやけに軽い。

 全員分渡されたものの、誰もが警戒してその場では決して箱を開けようとしない。────朝日奈悠太を除いては。

 

「中身なんだろ〜なっ」

 

「ばっか──!?」

 

 大和田の静止も遅く、悠太は渡された箱を嬉々として開け放つ。

 入っていたのは、

 

 

「これ……マラソン大会で優勝した時の」

 

 家族との写真。姉はドーナツを片手に。大好きな、ようかんと、もう片方の手にドーナツを握った……笑顔の自分が中心に写っていた。

 

 

 

 

 

 

皆様はダンガンロンパはどこまで見ていますか?

  • 初代まで。アニメも含む。
  • 2まで。3やV3は知らん。
  • 絶対絶望少女まで。
  • v3まで。全部やったお!!
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