絶対虚構少女 ダンガンロンパ舞園 ~亡き希望達の学園死活~   作:ゼロん

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探索パート1でございます。


第三十六話 超高校級の格闘家とスイマーとその弟と

 

 朝日奈葵と出会ったのは──いつのことだろう。

 

 自分と同じ、己を磨く者。

 天真爛漫で、いつだって前向きで、明るい笑顔を見せてくれる。

 

 朝日奈葵はそういう人で、尊敬できる親友だ。

 

 ──だが自分は、そんな彼女の側に最後までいれなかった。

 

『朝日奈よ。我のプロテインコーヒーを持ってきてくれぬか』

 

 彼女を、みんなを守るため──我は己が手でその命を絶った。

 

 だが、それは許されないことだったでは。

 

 自分が死んだら一番苦しむのは誰だ?

 一番絶望するのは誰だ?

 

 どうしても守りたかった……朝日奈ではないか。

 

 黒幕は……自分が、大神さくらが死ぬことすら、計算に入れていたのではないか。

 

 命が尽き、この再生学園にたどり着いてから、ずっと頭のもやは晴れなかった。

 

 朝日奈の弟とはすぐに親しくなれた。

 悠太はいつも明るくで、前向きで……姉によく似た性格の少年だった。

 

 そんな彼に悩みを打ち明けるのに、さほど時間はかからなかった。

 

「そっか……大神さんは命をかけて姉ちゃん達を助けてくれたんだな」

 

「……だが、我の死が混乱の元になったであろうことは事実だ」

 

 そのことは、否定できない。

 

「大神さん……」

 

「すまなかった悠太……我は悠太の姉をひどく傷つけた」

 

 大神は頭を深々と垂れる。だが帰ってきたのは、

 

「──いいや。こっちこそ、ありがとう」

 

 叱責の言葉ではなく、感謝の言葉だった。

 

「だって、そのまんまじゃ最悪姉ちゃんだって殺されるかもしれなかったんだろ? そのために自分の命投げ出すっていうのは、正直よくねぇって思うけどさ」

 

 返す言葉もない。

 

「でも、それは大神さんが姉ちゃんや……仲間たちが同士討ちするのを止めたかったからなんだよな。だったら、オレは自殺っていう方法以外は責められねぇよ」

 

「……」

 

 姉と同じ、太陽のような笑みを浮かべて悠太は言ってくれた。

 

「大神さん、サンキューな。オレの姉ちゃんを助けようとしてくれて」

 

 ***

 

 

『ピンポンパンポーン! 死体が発見されました! 繰り返します死体が発見されました! 一定の自由時間の後、学級裁判を行います!』

 

 大神の目の前に転がる悠太の遺体。

 

「……もしやと思って探したら、これか」

 

「……和樹」

 

「……なぜ貴様は、この部屋のことを詳しく知っていた。鍵がかかっていたとも」

 

 剣のように鋭い闘気が和樹の方へ向く。

 

「……大神さん、落ち着いてくれ」

 

「……これがっ……!!」

 

「──落ち着いてくれ」

 

 強い制止の言葉。和樹は一切怯んでいない。その目に濃い怯えの色が見えなかったことから、大神は全身から溢れる闘気を緩める。

 

「このことは舞園やセレスからも聞いてほしい」

 

 最初に舞園とこの部屋を発見し、その時は鍵がかかっていたこと。セレスにこの部屋が拷問部屋であることを知った。

 

「とりあえず、誰かが来るまで部屋の外に出るぞ。調査は他の奴がきてからだ」

 

 そう言って和樹はメールで他の班に、最悪の形で見つかった、とメッセージを送る。

 

「……もう少しここにいさせてくれ」

 

「気持ちはわかるがダメだ。誰が犯人かわからない以上、部屋を弄らせるわけにいかない」

 

「……頼む」

 

 監視付きならいいと和樹に許可をもらい、悠太の遺体の前で、大神はうなだれていた。

 

 大神が力なく佇む姿は、彼女の大きな背が小さく見えた程だった。

 

 ──これが、高里が部屋に入り絶望する数分前のこと。

 

 

 ***

 

 

 

 

「……いやになるわ。本当に……」

 

 

 信晶のこともあったし、ちさとの命を犠牲にして止めたはずの連続殺人……学級裁判。

 

 だが彼女たちの犠牲も虚しく、殺人は起こり、また一人消えた。

 

 再び疑心暗鬼の中、二回目の学級裁判が始まろうとしている。

 

「……もう、人の心なんて信じられないわ、信晶」

 

 

『何があってもバラバラにならないでくれ』

 

 目を覚ました自分が、大和田から聞いた信晶の言葉。自分がこの場所……再生学園で目覚め、彼とは会ったばかりなのに。

 

 なぜか、その言葉は彼らしい……お調子者で馬鹿正直な彼らしい。そう感じてしまった。

 

 

 ……彼とは知って、間もないはずなのに。

 

 

 ────『なぁ! もし本当に生き返ったらさ、三人で一緒にお菓子でも食べないか!?』

 

 

 ……朝日奈悠太。どうして。

 

 

「……ばか。そんなの……本当に生き返れるかもわからないのよ……!?」

 

 どうして死ぬ前に、そんなことを言ったのか。

 

 恨み言なら、悪意たっぷりの言葉なら……今はどれだけ心が軽くなったことだろう。

 

 ……何も。何も感じずに彼の死を看取れたのに。

 

 

「絶対に……クロは、わたしが見つけてみせる」

 

 高里は他の人が駆けつける前に、すぐさまに部屋を出た。

 

「今回は捜査時間はあるようね」

 

 今度こそ見つけてみせる……クロを。

 朝日奈悠太を殺した人でなしを。

 

 すぐに招集を受ける前に少しでも証拠を、と思い飛び出したのだが……一向に血の跡も見つからない。

 

「……もし、わたしが犯人なら……手がかりは誰も見つけられないところに隠すわ。あるようでない場所……だとしたら」

 

 高里がふらふらと廊下の壁に手をついて歩いていると、

 

「あった……!! 見つけたわよ……手がかり!」

 

 触った感触の違いに手応えを感じ、高里は壁を押すと、壁に吸い込まれるように一部の壁がへこむ。

 

 すると、へこんだ壁の横が音を立てて開く。

 存在しないはずの場所────隠し部屋だ。

 

皆様はダンガンロンパはどこまで見ていますか?

  • 初代まで。アニメも含む。
  • 2まで。3やV3は知らん。
  • 絶対絶望少女まで。
  • v3まで。全部やったお!!
  • 1のアニメor3のアニメのみ。
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