朝早くからアリスと2人で人里に向かっていた。
なぜこんなに早くから向かってるかというと、人が少ないほうが良いからだ。
慧音に知られているとは言え、他の人からすれば見知らぬ外来人なのだ。
慧音から直接紹介してもらった方が溶け込みやすいと考えたからだ。
「頭突きされなければいいけど・・・」
「頭突き?」
「いや、なんでもない」
慧音は昔から怒ると頭突きをする癖がある。私も何度喰らったか分からないほどだ。
「そういえばアリスは人形劇をしに行くのか?」
「えぇ、今日が定期公開日なのよ」
「そうか、じゃあ後で見に行くよ」
「わかったわ」
そうこうしてるうちに目の前まで来ていた。
「それじゃあ、私は準備があるから」
「あぁ、なにからなにまでありがとう。また後で」
「えぇ、また後で」
・・・今の会話って凄く夫婦っぽいわよね。・・・って、何考えてるのよ私!
「どうしたアリス?顔が赤いぞ?」
「な、な、な、なんでもないわよ!?」
「なんで疑問形なんだ?」
「知らなくても良いのよ!」
「そ、そうか・・・」
なんでアリスに怒られたんだ?・・・
やはりこの時間は人が居なくて都合が良い。さっさと慧音を探し出さないとな。
「さて、何処に居るのかなっと・・・」
この時間でも店を開いている所があるのか。
あの団子屋の主人に聞いてみるか。
「もし、そこの主人。ここら辺に寺子屋の教師はいるかね?」
「お、いらっしゃい!慧音先生の事かい?」
「あぁ、ちょっと用事でね」
「慧音先生なら今は寺子屋にいると思うが・・・それにしても今日は妖怪の来店が多いな」
「む・・・妖怪?」
「そうさ・・・あんさんと同じ狐の妖怪だったかな?」
「狐・・・それは金の狐か?」
「そうだった気が・・・」
「そうか・・・」
それってもしかして藍の事か・・・?
だとしたらこんなとこで藍に会うのはまずいな・・・。
「その狐はどこに行った?」
「えっとあっちに・・・」
ぽんっ。誰かに肩を叩かれた気がする。
まずい、凄い嫌な予感がする。
その時の店主は後に、阿修羅がいた・・・と語っていた。
「やぁ、久しぶり白夜?」
「あ、あぁひ、久しぶり・・・藍」
「じゃあちょっとそこに座ろうか?」
「・・・はい」
私は只今地面に正座していた。おかしい、私は慧音に会いに来たはずだ。なぜ目の前に鬼が居るんだ。
「紫様から生きていたとは聞いていたが・・・何故真っ先に私の所に来ないんだ?」
「いや、紫が来たのは昨日だし・・・それに真っ先に藍の所に行く理由も・・・」
「ん??」
「いえ、なんでもないです・・・」
「うん、わかればよろしい」
その時フワッと抱きつかれた。
「心配したぞ、馬鹿者」
「あぁごめんな」
やっと藍も落ち着いてきたようだ。もうこれ以上は何も起こらないでくれよ。
切実に願うもそれは叶わないようだ。
「ちょっと!!こんな道端で何してるのよ!!」
なんでアリスがこんなところに!?ていうかなんで怒ってるんだ!?
よくわからんがこのままじゃ慧音の所に行けない。
「アリス?人形劇の準備をしてたんじゃ・・・」
「ここでやるのよ、だから来てみれば・・・」
「白夜?なぜアリスと知り合ってるんだ??」
「少しお世話になってな」
なんだかどちらも不機嫌になってきている。
とりあえず早くなんとかするか。
「とりあえず2人とも、私はやらなきゃいけない事があるから・・・な?」
「うぅ、わかったわ」
「今度は家に来てゆっくりと話そうか」
「あぁ、また行くよ。じゃあまた後で」
「えぇ」
「あぁ」
よし!じゃあさっさと慧音に会いに行くか!
「ところで八雲藍?あなた白夜さんの何なの?」
「そっちこそ白夜の何なんだ?」
「「ムムム・・・・!!」」