かつて英雄だった妖狐の日常   作:~桜餅~

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第2話 彼は博霊の巫女と出会う

 妖夢と別れた後、私は博霊神社に向かっていた。

 

「さて、今代の博霊の巫女はどんなのかな」

 

 独り言を呟きつつ草が生い茂った道を歩く。ちなみに白夜はもちろん空を飛ぶことは出来る。だが、今は訳があり力を出せずにいる。

 

「改めて思うと空が飛べないのは不便だな。それに何回もあの長い階段を上るのは避けたいところだね」

 

 そうこうしている内に、もう階段前まで来ていた。

 

「さて、頑張って上ろうか」

 

 そうして私は階段を上り始めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ふぅ、結構疲れたな」

 

 おそらく15分程かけ、神社に着いた。

 

「久しぶりに来たことだしお賽銭でも入れようか」

 

 別に前まではお賽銭なんて入れていなかったが、一応礼儀として入れておこうと思う。それに入れておかないと良くない事が起きる気がしている。

 

「ふむ、10文程でいいか」

 

 お賽銭だしそこまで高くなくていいと思い10文を取り出す。そのまま賽銭箱にチャリンっ!と入れ・・・

 

「お賽銭!?」

 

 バシンっ!と襖を勢いよく開け、巫女服の少女が出てきた。おそらくこの少女が今代の博霊の巫女だろう。ていうかよくお賽銭の音聞き取れたな。

 

「いくら入れてくれたのかしら!」

 

 そう言って彼女は賽銭箱の中身を確認し始める。というか一応参拝客だから目の前で確認されるのは少し抵抗がある。

 

「っっ!じゅ・・10文も入ってる・・・!?」

 

 まさかたった10文でここまでの反応をされるとは思っても見なかった。とは言えそろそろ、自己紹介くらいはしようと思う。

 

「君がここの巫女さんかな?」

「ハッッ!えぇそうよ!私はここの・・・博霊神社の巫女、博霊霊夢よ!」

 

 今代の博霊の巫女は博霊霊夢というらしい。やはり私が知っている博霊の巫女とは少し、というかかなり違う。

 

「あなたは見ない顔だけど外来人かしら?」

「まぁそんなところだよ」

「??ふぅんそうなんだ」

「私の名前は白夜、ただの旅人だよ」

「白夜・・・?どっかで聞いたことあるような・・・」

「どうかしたか?」

「え・・・?い、いやなんでもないわ」

 

 なにか霊夢がぼそっと言ったような気がするがまぁ気にすることでもないだろう。

 

「そんなことよりせっかくだからお茶くらい出すわよ。お賽銭も入れてくれたし」

「じゃあ、お言葉に甘えようかな」

 

 見たところ霊夢はお賽銭を入れてもらえると少なからず機嫌が良くなるみたいだ。

やはり幻想郷で過ごす以上は博霊の巫女と仲良くしておくに越した事は無い。

 

「さぁ、入って入って」

「あぁ、お邪魔するよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「それで白夜さんは何者なの?」

「??さっき旅人だって言ったと思うけど?」

「それはわかってるわよ」

「じゃあ、どういうことだい?」

「白夜さん・・・妖怪でしょ」

 

 正直驚いた。気配は完全とは言えないが消していたし、人間の姿に化けていたからバレるとは思って無かった。

 

「・・・よく気づいたね」

「当たり前よ。あんまり博霊の巫女をなめないで頂戴」

「ハハッ!それはすまなかった」

 

 そして私は元の姿に戻るため術を解いた。頭から狐の耳と尻尾が出てくる。尻尾は1本で大丈夫だろう。

 

「へぇ~狐の妖怪ね。珍しいわね」

「そうなのか?」

「えぇ、私が知ってるのは八雲藍くらいよ」

 

 また妖狐は数を減らしたのか。やはり同族が減っていくのは寂しいな。

 

「まぁ、悪さはするつもりは無いから安心してくれ」

「そうね、お賽銭入れてくれる人が悪い人な訳ないものね」

 

 霊夢にとってはお賽銭が全てらしい。お賽銭で善悪をきめるのはどうかと思うが。

 

「それで?白夜さんはこれからどうするの?」

「そうだね・・・人里にでも行こうかな」

「そう・・・白夜さんちょっと待っててくれる?」

「ん?あぁ別に構わないよ」

 

 そう言って霊夢は外に出て行ってしまった。しばらくすると喋り声が聞こえてくる。

1人は霊夢の声だ。お客さんが来たらしい。

 

「お待たせ、白夜さん」

「へぇ~本当に客が来てるな」

 

 霊夢の後ろに続いて金髪の少女が入ってくる。

 

「私は霧雨魔理沙だ。よろしくな!」

「白夜、ただの旅人だよ。よろしく」

 

 非常に人懐っこい性格のようだ。

 

「白夜は妖狐なのか」

「あぁそうだよ」

「じゃあちょっと勝負しないか?」

「勝負?」

「弾幕ごっこのことよ」

 

 霊夢が横から補足してくれる。だが、あいにく弾幕ごっこなるものを知らない。その事を2人に伝える。

 

「え?白夜さん弾幕ごっこ知らないの!?」

「てことはもちろんスペルカードも知らないってことか?」

「あぁ、どっちも知らないな」

「今時、そこらへんの妖精でも知ってるぜ?」

 

 そうなのか・・・。話を聞いてみるに今の幻想郷では戦闘は全て弾幕ごっこで行うらしい。スペルカードはその弾幕ごっこで使うみたいだ。

 

「・・・どう?今の説明で理解した?」

「あぁ、十分だ」

「じゃあ、勝負は出来ないな」

 

 まぁ元より戦闘は嫌いだから断っていたが、これは言う必要は無いな。

 

「さて、そろそろ行こうぜ霊夢」

「えぇ、そうね」

「2人ともどこかに行くのか?」

「えぇ、異変解決に今から行くのよ」

 

 ・・・異変。さっきの説明で教えてもらった。まぁざっくり説明すると何か妖怪等が事件を起こすといったところだな。

 

「そうか・・・異変か。霊夢、魔理沙、よければ私もついて行っても良いかな?」

「スペルカードも持ってないのにか!?」

「危ないわよ?」

「大丈夫さ。それに気になって仕方ないからね」

「そこまで言うなら・・・まぁ、良いわよ」

「霊夢・・・正気か?」

「大丈夫よ、妖怪なんだしそう簡単には死なないわよ」

「まぁ、そういうことだ」

「そうかよ、なら別に私も構わんぜ」

「ありがとう」

 

 そうして私は初めての異変解決に関わる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ~紅霧異変~

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