紅い霧と聞くと皆はどう想像するだろうか。
かっこいい?きれい?ふしぎ?それぞれ感じ方も違うだろう。でも実際目の当たりにしたら意外と意見が一致するものである。
「「「気持ち悪・・・」」」
まあそれはそれは気持ち悪いものだった。なんというか凄い調子が狂う。
「こんなの人里の人間が吸い込んだら一溜りもないだろうね」
「そうね、人里に影響が出る前にさっさと解決しちゃいましょうか」
2人とも口では気持ち悪いなんて言いつつも結構平気なようだ。
霊夢は博霊の巫女だからだろう。しかし魔理沙はなぜ平気なのだろうか。
「私は魔法使いだから魔法で霧を遮断してるんだぜ」
なるほど、魔理沙は魔法使いだったのか。そういえば神社に来た時に箒を持っていたな。
しかし魔法使いとはまた珍しい。
「そうでもないぜ。幻想郷には魔法の森ってとこがあってだな、そこにも魔法使いが1人住んでる」
「そうなのか。ぜひ会ってみたいね」
「おう、今度紹介してやるよ」
「ちょっと2人とも早く行くわよ」
魔理沙と話をしていたら霊夢に怒られてしまった。確かに無駄話をしている場合ではない。
「じゃあ、行くわよ」
「おう!」
2人がフワっと浮いたときに肝心な事を思い出した。
「すまない、2人とも実は飛べないんだ」
「いやぁ、まさか白夜が飛べないとな」
「そうね、妖怪だからてっきり飛べるものだと思ってたわ」
私は魔理沙の箒に跨っている。本当は訳ありで今は飛べないのだが、別に本当の事は話さなくてもいいだろう。
「すまないね、魔理沙」
「ん?全然構わんぜ。そのかわり足手まといにはなるなよ?」
魔理沙が冗談半分で言ってくる。
「あぁ、もちろんだ」
幻想郷の異変がどの程度のものかは解らないが私だって伊達に長生きはしてない。
正直足手まといなんかには力が使えなくてもならないと思う。
「あそこの館から霧が出てるみたいね」
そういって霊夢が指差した方向には赤い、真っ赤な館が建っていた。
「おそらくあそこの主が能力で霧を発生させてるんだろう。どうするんだ?霊夢」
「もちろん、真正面から侵入するわよ」
霊夢にどうするか聞くとさも当然のように言い放った。
「でも、3人で行くのもなんだし手分けしていこうぜ」
「どうするのよ」
「私は裏から侵入して、霊夢と白夜は入り口で別れる。そのほうが効率が上がるぜ」
「それもそうね。白夜さんもそれでいいかしら?」
「あぁ、構わないよ」
そうして、魔理沙は話が終わった途端「じゃあまた後でな!」と言い去ってしまった。
「さ、私たちもここで一旦解散よ」
「あぁ、そうだ・・・」
その瞬間、門の方から途轍もない妖気が発せられた。
「どうやら・・・話している余裕は無さそうだね」
「えぇ、そうみたいね」
門の方にいたのは、1人の少女だった。
「ようこそ、紅魔館へ。私の名前は紅 美鈴。ここから先は通しませんよ」
紅 美鈴と名乗った少女はそう言いつつ戦闘体制に入った。
「白夜さん、ここは私がやるわ。先に行ってて頂戴」
「あぁ、わかった」
霊夢に先に行ってろと言われた以上出しゃばる訳にもいかない。そのまま横を通り過ぎる。
「あら、止めないの?」
「えぇ。どうせ行っても無駄ですから。あの人は何も出来ないですよ」
「随分と余裕じゃないの。とっとと叩き潰してあげるわ」
「できるものなら」
そうして私は弾幕を打つ。
「さて、中に入ったのは良いものの・・・広すぎるな」
紅魔館の中は外見より異常な程広かった。
「いらっしゃいませ。ようこそ紅魔館へ」
正直いつ目の前に現れたか全くわからなかった。
「・・・君はここのメイドかな?」
「はい。ここのメイド長をさせて頂いております。十六夜咲夜と申します」
「そうか、私は白夜・・・」
「狐の妖怪・・・ですよね?」
私が自己紹介をしようとしたら私の正体を先に言われた。
「なぜ、私の事を知っているのか聞いても?」
「はい。我が紅魔館の主であるレミリア・スカーレット様の能力であなた様の事を知りました」
「ほう、そのレミリア・スカーレットの能力は?」
「運命を操る程度の能力でございます」
「それでなぜ私のことを?」
「実はお嬢様にはフランドール・スカーレット様という妹がいます。お嬢様の能力によりますと、白夜様がその妹様に貢献してくれるという運命になっていたのです。そのため、白夜様をここに呼ぶためにこの異変を起こしたという訳です」
・・・なるほど。要するにそのフランドール・スカーレットという子を助けてほしいというわけだな。
「ふむ、事情はわかった。それで私は何をすればいい?」
「妹様に会っていただきます」
「わかった。案内してくれ」
そうして、私が咲夜に案内された所は地下だった。
「ここに、いるのか?」
「はい。妹様は精神を狂気によって支配されています。なのでこうして隔離しています」
「ふむ・・・狂気か・・・」
確かに精神を狂気に支配されていては隔離せざるを得ないか。
「白夜様・・・」
「どうした?」
その時ずっと表情を変えなかった咲夜が初めて・・・泣いた。
「お願いします。妹様を・・・助けてください」
白夜さんが紅魔館の中に入っていって、しばらくたった。
私もはやくコイツを倒して、後を追わないと。
「ちょっとあんた、いい加減やられなさいよ!」
「あいにくそんな簡単にやられるわけにはいかないんです!」
コイツ意外と強敵だった。私の弾幕もほとんど当たらない。しかも攻撃の方が得意とか余計にタチが悪い。
「やはり博霊の巫女はやりますね!」
「そりゃどうも!お礼に弾幕でも喰らっときなさい」
「そんなお礼は要りませんよっと!」
コイツ私の弾幕を拳で消し飛ばしやがった。ムチャクチャでしょ。
「さて、そろそろ終わらせましょうか!」
そう言って美鈴はスペル宣言をした。
「これで終わらせます!虹符「彩虹の風鈴」!!」
そして美鈴から色とりどりの弾幕が飛んでくる。
「さぁ、避けれるものなら避けてみてください!」
まぁ確かにかなり強いレベルに入るであろうスペルなんだろうけど、私だって曲がりなりにも博霊の巫女だ。こんなところで躓いてなんていられない。
飛んでくる弾幕を当たるギリギリの所で避けていく。
「な・・!そんな・・・!!」
恐らく美鈴にとって自信のある一撃だったのだろう。だが、今の私にとってはそんなの関係ない。
「さぁ、次はこっちの番よ!!」
私はすべて避けきってスペル宣言をする。
「夢符「封魔陣」!!」
私の放った弾幕は見事に命中した。
「ふぅ、やっと終わった。」
美鈴は気絶している。
「さて、私も行かないとね」
私は急いで中に入っていった。
霊夢、白夜と別れた後私はなんか裏口っぽい所から館に侵入していた。
「ものすごい広いとこだな」
廊下だけでも10人くらいは寝転べそうな広さだ。廊下だけでこんなに広かったらさぞかし部屋1つ1つもものすごいのだろう。なにかお宝でもあったら貰っていくか。そんな事を考えていたら目の前に馬鹿デカイ扉があった。
「メチャクチャデカイな。いったい何があるんだろうな」
内心ウキウキしながら中に入った。結果的に言うと魔理沙にとってはそれはもう、お宝の山だった。
「ものすごい量の魔道書だな。図書館か?」
「えぇ、そうよ」
すると後ろから声を掛けられた。
「いらっしゃい、侵入者さん?」
「ははは・・・いきなりかよ」
声を掛けてきた紫の奴がいきなり攻撃をしかけてきた。
「おいおい、不意打ちなんてセコイ真似するなよな」
「あら、不法侵入者に対して遠慮なんているかしら?」
「不法侵入じゃないぜ、開いてるから入ったそれだけだ」
「それを不法侵入って言うのよ」
そう言いつつ攻撃してくる。コイツは恐らく魔法使いだな。
「私の名前はパチュリー・ノーレッジ。魔法使いよ」
「これはご丁寧に自己紹介どうもなんだぜ。私は霧雨魔理沙、普通の魔法使いだぜ」
自己紹介の挨拶代わりに軽い弾幕を放つ。
「そんなの避けるまでも無いわね」
そう言ってパチュリーは魔力の壁を展開し、私の弾幕を全て消し去った。
「へっ!こんなもんただの挨拶代わりだぜ」
「そ、じゃあこれでも喰らいなさい!」
「うお、あぶなっ!」
超高速の弾幕を出してきた。
「こりゃあちょっと集中しないとな」
「さあ、打ち落としてあげるわ」
本格的に弾幕ごっこが始まった。とっとと片付けてこのお宝の山を物色しないとな!