かつて英雄だった妖狐の日常   作:~桜餅~

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第4話 紅霧異変②

「さて、とっとと片付けるか!」

「返り討ちにしてあげるわ」

 

 絶賛パチュリーと戦闘中の私だが正直今は勝負よりもこの図書館の方に9割方興味が移ってしまっている。これは本当に早いとこ勝負を決めないと、やられちまうな。

 

「火符「アグニシャイン」!!」

「ッ!ぅおら!」

 

 弾幕が当たるギリギリで避ける。魔法使いとしての実力は、認めるのは癪だがパチュリーの方が上みたいだな。なんかそう思うとムカついてきた。

 

「これでもくらいやがれ!魔符「スターダストレヴァリエ」!!」

「ふん!そんなもの打ち返してあげるわ!!日符「ロイヤルフレア」!!」

 

 私のスターダストレヴァリエが完全に火力負けした。これで完全に頭にきた。

 

「あぁ、もう完全にぶっ飛ばしてやるぜ!」

 

 このままじゃ弾幕はパワーなんて言えなくなる。やはり自分はパワーでは負けてはならないのだ。

 

「いくぜ!!恋符!!「マスタースパーク」!!」

 

 今の私に出せる最高火力の技だ。さすがにこれは一筋縄ではいかない。

 

「くッ!こんなものッ!」

 

 パチュリーが対抗するためのスペルを発動する。

 

「火水木金土符「賢者の石」!!」

 

 だがマスタースパークを完全には消しきれなかった。そのままマスタースパークがパチュリーに直撃する。流石にアレをモロに喰らえば無事ではないはずだ。

 

「どれどれ?」

 

 やはりパチュリーは気絶していた。

 

「むきゅう~」

「あっけなく終わったな」

 

 予想よりもかなり早く勝負がついた。さて物色でもするか!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 咲夜がフランドールを助けて欲しいと私に泣きながら頼んできた。それだけでフランドールを助けるには十分すぎる。

 

「あぁ、約束しよう。必ずフランドールを助ける。だから、待っててくれ」

「はい・・・お願いします。白夜様」

 

 咲夜は落ち着いたのかもう泣いてはいなかった。

 

「あと1つだけお願いを聞いてもらっても良いですか?」

「なんだい?」

「無事に帰ってきてください」

「あぁ、もちろんだ。じゃあ行ってくる」

「はい。行ってらっしゃいませ、白夜様」

 

 そう言われて私は地下室の扉を開けた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 不思議だった。十六夜咲夜は他人に心を許したことは無い。もちろん紅魔館のメンバーを除いてだ。しかし妙なことにあの狐の妖怪にはいつの間にか心を許してしまっていた。実に不思議な妖怪だと思う。けど嫌いじゃない。いつの間にかそんなことを考えている。だからこそ白夜様は妹様を必ず狂気から解放してくれると断言できる。帰ってきたら、最大限のおもてなしをしなければならない。だから、無事に帰ってきてください、白夜様・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 地下室の重い扉を開けると1人の少女が座っていた。

 

「あなたはだぁれ?」

「私の名前は白夜、ただの狐の妖怪だよ」

「狐さんなの?私と遊んでくれるの?」

「君はフランドール・スカーレットかい?」

「うん、そうだよ」

「そうか、君がフランドールか。よし!何をして遊ぼうか?」

「遊んでくれるの!?じゃあ、尻尾見して!!」

「あぁ、いいよ」

 

 そう言って私は1本の尻尾をフランドールに向けて差し出す。

「どうだい?」

「うん!とってもふかふかで気持ちいい!!」

「そうか。フランドールが満足してるなら良かったよ」

「ねぇ、フランって呼んで!」

「いいのかい?」

「うん!お姉さまとか皆だけの呼び方だけど白夜にだったら呼ばれたいって思ったんだ!」

「そうか。じゃあフランって呼ばせてもらうよ」

「うん!!」

 

 正直教えてもらわなければ狂気に侵されているとは思えないほどすごく元気ないい子だ。

 

「ねぇ!ダーツしよ?」

「よし!ダーツだね?私はこう見えても得意だよ?」

「へぇ~!私だって得意だから負けないよ!!」

「よし!なら勝負だね」

「よ~し!負けないよ~!」

 

 結果は私が負けてしまった。

 

「む、負けてしまったな」

「やった~!白夜に勝った~!!」

「ハハハッ!フランは強いな~」

 

 そう言って頭を撫でるととても喜んでくれた。さて、もうそろそろ頃合かな。

 

「ッ!びゃ・・・白夜、離れて・・・!」

「フラン?どうした?」

「ダメッッ!!こっちに来ちゃ・・・!」

 

 どうやら始まったようだ。

 

「あァ・・・ダメなのニ・・・」

「・・・フラン」

「フ・・・フフフ・・・ハハハハ!ネエ・・・アタシトアソビマショウ?」

「・・・あぁいいよ、フラン」

 

 さぁ、フラン待っていてくれ。すぐ助けてあげるよ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 さて予定通りフランが狂気に呑まれたが、それがどの程度のものかによって対処の仕方も変わってくる。

 

「アハハハ、アナタノスベテコワシテアゲル!!!」

「ほどほどに頼むよ?」

 

 バシュンッ!音速の弾幕が飛んできた。こんなのに当たったらひとたまりも無い。これは覚悟をしておかないとな。

 

「ホラホラホラ!!!」

「くッ!ふッ!!」

 

 反撃をしたいがあまりやり過ぎる事は出来ない。

 

「ヨケテバカリジャツマンナイヨ!」

「ふ、言ってくれるね」

 

 だが確かになんとか反撃しないとこのままじゃ一方的にやられてしまう。

 

「イクヨ!禁忌「レーヴァティン」!!」

 

 フランの手に炎の剣が現れる。

 

「しょうがないか。「天火」!」

 

 フランが炎に包まれる。「天火」は私が一番よく使う妖術だ。「狐火」の強化版の火だ。

フランが「天火」をなぎ払う。

 

「ヤットコウゲキシテクレタ!!」

「やられっぱなしはごめんだよ。「幻惑」!」

 

 そのままフランに幻覚を見てもらう。大きいチャンスだ。そのまま尻尾でフランを吹っ飛ばす。

 

「グッ!フフフ、タノシクナッテキタネ!!」

「フラン・・・本当は狂気に呑まれてなんかないんじゃないか?」

「ッッ!ナニヲバカナコトヲイッテルノ?」

「何を思っているのか私にはわからないが、もし狂気に打ち勝ちたいならそれは逆効果だ」

「・・・白夜には、わからないよ。495年もここに閉じ込められている気持ちは。これは私が自分で生み出した狂気だもん、今更戻れないよ・・・」

「戻れないなら、やり直せばいい。自分の気持ちを私にぶつけてみなさい。全部受け止めよう」

「ッッ!!アアアアアアぁぁ!!」

 

 フランは恐らく感情に任せて恐ろしい威力の弾幕を放つ。だが、私はそれを避けずに全て受け止める。フランを助けるために。そしてここで私は気を失った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 やってしまった。またやってしまった。白夜を殺してしまった。目の前で大量の血を流して、右腕も無い。

私が殺してしまった。その時扉が開く。

 

「白夜さん!!」

「白夜様!!」

 

 咲夜と赤い人が入ってきた。

 

「とりあえず、まだ死んでないから永遠亭に連れて行くわよ!」

「わかりました!」

 

 まだ白夜は死んでいなかった。それだけで少し安心する。

 

「さぁ、妹様も行きましょう」

 

 咲夜が声を掛けてくる。

 

「うん!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 門番を倒した後ここのメイド長に会っていた。

 

「ちょっと、狐の妖怪がここを通ったでしょ」

「白夜様は今地下室に行っています」

「地下室?何でよ?」

「色々事情があります」

 

 そうして咲夜からすべての事情を聞いた。

 

「なるほど、そういう事なのね」

「なので全て終わればこの霧は消させていただきます」

「そ、ならなんでもいいわ」

 

 その時館が大きく揺れた。

 

「まさか地下でなんかあったの!?」

「恐らくは」

 

 魔理沙が廊下から飛び出してくる。

 

「おい、今の揺れはなんだよ」

「事情は後で説明するわ!今は地下室に行くわよ!」

 

 こうして現在に至る。

 

「咲夜」

「なんでしょう、お嬢様」

 

 あれがレミリア・スカーレットか。

 

「ちょっと、あんたのせいで白夜さんが怪我したじゃないの!」

「あなたは博霊の巫女ね。すまないわ、私もここまでの運命を見れたわけじゃないの」

「落ち着けよ霊夢。今レミリアを責めたってなんも変わらんだろ」

 

 確かに魔理沙の言うとおりだ。少々熱くなっていた。

 

「とりあえず応急処置はするわ」

 

 そういってレミリアは自分の血を白夜さんに飲ませる。

 

「これで多少はマシになるわ」

「じゃあ白夜は私の箒に乗せるぜ。フランが支えてくれ」

「うん、わかった」

 

 こうして白夜さんを連れて永遠亭に向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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