目が覚めるとそこは知らない天井・・・ではなかった。
ここは見覚えがある。恐らく永遠亭だろう。てことはあのお転婆お姫様がいるのか。
「姫様は今は居ないわよ」
隣から声が聞こえた。全く、考えていることはお見通しのようだ。
「久しぶりだね、永琳」
「えぇ、本当に」
そう言って永琳は泣きながら抱きついてきた。
「本当に死んだと思ったのよ、もう勝手に居なくならないで」
「あぁ、約束するよ。すまなかった」
しばらくして落ち着きを取り戻したようだ。
「で、なんで私は永遠亭に?」
「あの子達が連れてきたのよ」
指差す方を見てみると、そこには霊夢たちが居た。ぐっすり眠っているようだ。
「また、無茶をしたのね」
「無茶じゃないよ」
その時襖が開き、見知らぬ少女が入ってきた。
「あら、目覚めたようね」
「君は?」
「私はレミリア・スカーレット。フランの姉よ」
そうか。彼女がレミリアか。
「まずは、無茶させちゃってごめんなさい」
「いいよ、君が気にすることはない」
「でも、私は・・・」
「あぁ、全部咲夜から聞いてるよ」
「なら、どうして私を恨まないの?私はあなたに恨まれてもおかしくない事をしたのよ?」
「話を聞いて最終的に判断したのは私の方だよ。だから感謝するくらいだ」
「そんな、私の方こそあなたに感謝してるわ。フランの事を助けてくれてありがとう」
「当然の事をしたまでだよ」
「あなたには返しきれないほど恩があるわ。また恩返しをさせて頂戴」
「そうだね、なら今度また紅魔館に遊びに行ってもいいかい?」
「ええ!もちろんよ!じゃあ私は一旦帰らせてもらうわ」
「あぁ、またねレミリア」
「・・・えぇ、またね」
なぜか俯いたまま帰っていってしまった。
「これはまたライバルが増えたわね」
永琳がなにか呟いたがよく聞こえなかった。
霊夢たちが起きてしばらくたった頃、白夜は永遠亭で1人読書をしていた。なんでも宴会の準備をする為らしい。ところで私は右腕が無い状態で、どうやって本を読んでいるかと言うと・・・
「白夜さん!何か欲しい物があったら言ってください!」
「あぁ、今は特に無いからまた後で頼むよ」
「はい!わかりました!」
ブレザーを着た兎の女の子。名前は鈴仙・優曇華院・イナバという。なんでもこの少女の目は見ると狂気に陥るらしくそれのせいで人と上手く付き合えなかったらしい。そこで永琳に「白夜なら何とか出来そうね」と言われ、試しに目を見たところ私には効かなかったらしく、感動した鈴仙にとても気に入られた訳だ。
「何とかする前にそもそも能力が効かないとわね」
そんな呆れられた目で見られても、困る。実際何故かはわからないが効いていないのだし。そんな事を思っていると霊夢が1人で帰ってきた。
「白夜さん?準備できたわよ?」
「あぁ、今行くよ。さてすまない、そろそろ行くよ」
「あら、宴会なら私たちも行くわよ?」
不思議に思った。今回の異変はあまり永遠亭には関係ないと思うが。
「まぁ、細かいことはいいのよ」
そういうものなのか。じゃあ特に気にする必要も無い。
「じゃあ、永琳に鈴仙・・・行こうか」
「えぇ」
「はい!」
そうして紅魔館に飛び立った。ちなみに何故か飛べるようになってた。
紅魔館に着くと魔理沙が居た。
「お、やけに速いな」
「フランと戦った後に力が少しだけ復活してね、飛べたよ」
「白夜は力が封印されているのか?」
「あぁ、そうだよ」
「それはまた難儀だな」
「いつかは完全に戻ると思うから、大丈夫だよ」
「そっか、じゃあ早速入ろうぜ」
「そうだね」
中に入るともうすでに宴会が始まっているようだった。
「あ!白夜だ!こっちこっちー!」
フランが大きく手を振り、白夜を呼ぶ。近くに咲夜も居る。
フラン達の所に行きつつ回りを見渡してみる。やはり顔馴染みが結構居る。後で挨拶に行かないとな。
「やぁ、お待たせ。フランに咲夜」
「ようこそいらっしゃいませ、白夜様」
咲夜が微笑みながら話している。こんな顔も出来たんだな。
「咲夜もこんな素敵な笑顔が出来たんだな」
そう言うと咲夜が顔を真っ赤にしてしまった。なにか怒らせるような事を言ってしまっただろうか。
「んんっ!白夜様、お飲み物を取ってまいります」
そう言って去ってしまった。
「そういえば、フラン。レミリアは?」
「お姉さまはまだ部屋に居るよ!」
なにをしているのだろうか。純粋に気になるが、今はそれより・・・
「フラン、体に何か違和感は無いか?」
「?ううん、特に無いよ?」
「そうか、実はフランの狂気を抑えるために使った技はかけられた者に副作用のようなものを与える技だから、なにか不調があればすぐに言ってくれ」
「うん!わかった!」
こうしてフランと別れた後、とある少女の前に行った。
「やぁ、久しぶりだね妹紅」
「え・・・?師匠?」
信じられないといった顔で見てくる。
「うそ・・・本物・・・?」
「あぁ、もちろん」
「あ・・・」
「あ?」
「あいたかった~~~~!」
いきなり妹紅が飛びついてくる。妹紅には過去に、戦いを教えたこともあるために師匠なんて呼ばれてしまっている。
「うぅ、師匠会いたかったよ~~~~~!」
「ごめんよ、いきなり消えてしまって」
「ほんとだよ!何も言わず消えちゃうんだから!」
「あぁ、もうしないよ」
「約束だよ?」
「約束だ」
さて、積もる話もたくさんあるが今日は宴会だ。またそこら辺は今度、じっくりと話すとしよう。
「あ、師匠はもう輝夜と慧音にはあった?」
「いや、まだだよ」
「今日は来てないけどさ、また会ってあげてよ。2人とも喜ぶからさ」
「あぁ、すぐに会いに行くよ」
「じゃあ、また今度家に来てよ。お互い積もる話もあるだろうしさ」
「あぁ、わかったよ」
こうして妹紅と別れた。さてにぎやかな宴会はまだ始まったばかりだ。