私、白夜は夜空を見上げていた。
宴会も丁度盛り上がりがマックスになってきた頃かな。
別に思春期特有の「夜空見上げてる俺カッコいい」などと思っている訳でも無く、
ただ昔の事を思い出していた。
この幻想郷が出来る前の事を。
「もう酔ったのか?」
「魔理沙か・・・まだ平気だよ」
酒を片手に魔理沙が隣に腰を下ろす。
魔理沙の方はだいぶ酔ってるみたいだ。
「白夜ってよ~、結構知り合い居たんだな~」
「む・・・なんだその友達が1人も居ないみたいな言い方は」
「ハハッ、悪い悪い、そんなつもりは無かったんだぜ」
そう言って、魔理沙は手に持ってた酒を一気に飲み干した。
「おいおい、そんな一気に飲んで大丈夫か?」
「ヒック、白夜は心配性だな~」
そりゃあこんな子供が酒を一気飲みしたら誰でも心配すると思うんだが。
心の中で突っ込んでいると、ドサッと音がした。隣を見ると魔理沙が寝ていた。
「酔いつぶれたか・・・」
魔理沙をどうするか考えていると、向こうの方から女の子が歩いてきた。
「ごめんなさい、魔理沙が迷惑掛けたみたいで」
「迷惑って程でもないよ」
「そう?なら良かったわ」
その時彼女の後ろから人形が飛び出してきた。
「シャンハーイ!!」
「しゃ、上海?」
「あぁ、ごめんなさい。この子は上海人形。半自立型人形よ」
「ほーう、なかなか興味深いね」
「ふふっ、良ければうちに来て他のも見てみる?」
「お、良いのかい?」
「ええ、もちろん。ついでに魔理沙を家まで送っていくわ」
「そうか、宴会も終わりそうだし霊夢に一言声を掛けていくよ」
「わかったわ」
霊夢に声を掛けるべく私は宴会の中心に向かった。
「霊夢、少し良いかい?」
「白夜さん?どうしたの?」
「今から少し出かけるけど大丈夫かい?」
「えぇ、大丈夫よ」
「ありがとう、行って来るよ」
「行ってらっしゃい」
「待たせたね、じゃあ行こうか」
「言うほど待ってないわよ」
そう言って彼女はフワッと浮いた。
「流石に飛べないなんて事無いわよね?」
「ちょっと前まで飛べなかったけど今は大丈夫だよ」
「あら、そういえば自己紹介がまだだったわね。私はアリス。アリス・マーガトロイドよ」
「私は白夜、ただの旅人だよ」
「旅人・・・ね・・、ほんとに?」
「ほんとだよ。疑ってるのかい?」
「いえ、あまりに旅人っぽくない格好だったからつい・・・」
確かに。言われてみればそうだ。私はあまり旅人らしくない。
着物を着て、何も持ってない奴はどっからどう見ても旅人では無い。
今度それらしい服でも買うか。
そうこうしているうちに森の前まで来ていた。
「ここは、魔法の森。主に魔法使いが好んで住むところよ」
「へぇ~、魔法の森か~。こういう雰囲気は嫌いじゃない」
「珍しいわね。他の人は嫌がる人がほとんどなのに」
「私が妖怪なのが関係しているのかな」
「え!白夜さんって妖怪だったの!?」
「あぁ、言ってなかったっけ?」
「聞いてないわよそんな事。それなら一安心ね」
「なにがだい?」
「ここには人間には有毒な物質があったりするから危険なのよ。けど妖怪には害はないわ」
「なるほど」
「というか白夜さんってなんの妖怪なの?」
「狐だよ。今は変化の術で人間に化けてる。ちなみに他の生物に化けることも可能だよ」
「便利なのね」
変化で思い出した。懐に団子が入ってたな。丁度小腹が空いてた所だし食べようか。
「アリス団子いるかい?」
「もらうわ」
こんなぐだぐだな感じで私たちは魔理沙の家を目指すのであった。