「これはあまりに理不尽なのでは?」
「・・・ごめんなさい」
今、私とアリスは机を挟んで座っている。
先ほどハプニング?があり、なぜか風呂からあがると服を脱ぎかけてるアリスがいた。
そしてそのままの勢いで平手打ちときた。
流石に理不尽だ。別に怒っているわけではないが何度でも言おう、理不尽だ。
「えっと・・・ほんとにゴメンナサイ・・・」
「いいよ、そこまで怒ってないし・・・なにより私も確認しなかったんだから」
そう、これはたぶんどちらも悪くないはずだ。このままこの話を続けてもお互い気まずくなるだけだ。
しかし、これだけは確認しておかなければならない。
「なんで、風呂に入ろうとしてきたんだ?」
「えっと・・・///それは聞かないで・・・///」
なにか言えない事情でもあるのか?まぁ聞かれたくないのなら無理には聞かないけどな。
「そうか、聞かれたくないのなら聞かないでおくよ」
「えぇ///そうして頂戴///さ、さぁご飯が冷めちゃうから早く食べましょ!」
「そうだね。頂きます」
じっくり見ると美味しそうな料理が机に並んでいる。
人形作りが得意だったり、料理のレベルが高いのを見るにだいぶアリスは手先が器用なようだ。
一口食べてみる。
「うん・・・美味しいよ、アリス」
「そ、そう?お口に合って良かったわ」
なにやらアリスが嬉しそうだ。確かに自分の料理を美味しいって言ってくれるのは嬉しいものだ。
2人で話をしながら料理を楽しんでいると、空間に亀裂が入る。
こんなにいきなり再開するとは思わなかったが、覚悟を決めなければダメだな。
「え・・・?」
「ごきげんよう、アリス」
アリスの動きが止まる。無理も無い。
なんせ妖怪の賢者がいきなり自宅に来たんだ。私ですら唖然とするかもしれない。
「やぁ久しぶり、紫」
「えぇ・・・本当に久しぶり・・・白夜」
こうして私たちは数百年ぶりに再会を果たした。
私は驚いていた。
白夜さんと食事をしていたらいきなり妖怪の賢者が家にやって来て・・・
「うぅっ、ひぐっ!うぇぇぇぇぇぇぇん!!!」
「お~よしよし、ごめんよ」
いきなり号泣しだしたのだ。
もはやなにがなんだかわからない。
「よしよし、落ち着いたか?紫」
「うん・・・」
なんか私の中の八雲紫のイメージが音を立てて崩れた気がする。
前まではミステリアスな雰囲気だった気がする。こんな泣いている姿なんか想像すら出来無かった。
「ねぇ、白夜?」
「うん?どうした?」
「もう居なくならないで?ずっとここに居て?」
「あぁ、約束するよ。絶対にもうここから消えないよ。」
「あの・・・白夜さん?」
「あ、すまないなアリス。なにがなんだかわからないよな」
「えっと・・・八雲紫と知り合いだったの?」
「あぁ、だいぶ前だけどね」
「てことは、八雲藍とも?」
「あぁそうだね」
意外だった。最近幻想入りした白夜が八雲紫や八雲藍と知り合いだったなんて。
「ん?てことは白夜さんってもしかして大妖怪??」
「一応はね。それなりに長生きしてるつもりだよ」
「ちょっと!!感動の再開の途中なのに私空気過ぎない!?」
「ん?あぁすまない、すまない」
「悪いと思ってないでしょ!これはうちに来て反省ね!」
「おいおい、勘弁してくれ」
嘘・・・!大妖怪で八雲紫と対等な関係って何千年生きてるのよ!?
「ほら、お説教はまた今度ゆっくり聞くから」
「むぅ~。絶対よ!」
「はいはい」
「じゃあ、今日はもう帰るけど・・・白夜」
「なんだい?」
「おかえりなさい」
「・・・!うん、ただいま」
紫が帰って数十分が経った。
こんなに早く紫と会うとは思わなかったけど、またすぐに改めて会いに行かないとな。
「急にすまなかったね」
「べ、別に大丈夫よ?」
うん?アリスの様子が少し変だな。
そうか、さっき私が大妖怪って話をしたから変な気を使っているのか。
「アリス、別に大妖怪だからって変な気は使わないでも良いんだぞ?」
「そ、そう?まぁ、白夜さんがそう言うなら」
これからの事も考えて変な気を遣われるのはこちらとしても本意ではない。ただ気を遣われるのも気を遣うのも嫌いなだけなのもあるが。
「白夜さんは、明日からどうするの?」
「そうだね・・・とりあえずは人里に行ってみようかと思ってるよ」
これから幻想郷で生活するにあたって人里に自由に行き来出来ないと不便ではある。それに家の件もどうするか決めないといけない。
「じゃあ明日は私が案内するわ」
「本当かい?じゃあお願いするよ」
とりあえず明日の事も決まったし今は、アリスに人形作りでも教えてもらうとしよう。
「そうね、基礎的な所から教えていくわ」
アリスに教えてもらっていたら寝るにはいい頃合いの時刻になっていた。熱中してると時間の過ぎるのが速いものだ。
「さ、そろそろ寝ましょうか」
「ん、そうだね。流石に疲れたよ」
「ベットは好きな方使っていいわよ」
言われて見てみると、ベットが2つあった。
何故ベットが2つあるのだろうと思っていると、「魔理沙がよく来て寝てるのよ」との事らしい。
「じゃあ私は寝るわね」
「あぁ、おやすみ」
「くれぐれも襲ってきたりしないようにね?」
「分かっているよ」
わざわざ自分から嫌われるような事をしにいくようなマゾでもない。
それにそんな事しようなんて年齢はとっくの昔に過ぎている。
「それじゃあ明日も頼むよ」
「えぇ、おやすみなさい」
こうしてゆっくりと深い眠りについた。明日の事を考えながら。