城下町のダンデライオン 王様だ~れだ!   作:イレキ

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大家の選挙

「皆さんこんばんは、櫻田ファミリーニュースの時間です」

 

日曜夕方のゴールデンタイムに放送される人気ニュース番組、自分達の事柄が上げられるだけあって、櫻田家では自然とお決まりに観る番組。

 

『今週はなんと、茜様が引ったくり犯を捕まえました!!』

 

「茜、また無茶したのか」

 

『カメラが茜様を捉える事自体大変珍しく、そんな貴重なVTRがこちらです!!』

 

兄の修からの心配を他所に、犯人確保の瞬間、スカートの中身を気にして、手で押さえつけながら飛び膝蹴りをお見舞いする瞬間が映る。

 

「うわー、痛そー」

 

『茜様、犯人逮捕の経緯の詳しくお願いします!!』

『茜様、何か犯人に対しておっしゃりたい事は?』

 

『みっ、見ないで…』

 

零の感想の中、制服の上着で顔を隠した、連行される犯人と同じ茜の姿が報道される。

 

『ご覧頂いたのは、茜様が引ったくり犯を捕まえたニュースてました』

 

『こんな貴重なVTRが見れるのも、櫻田ファミリーニュースならではですね』

 

「やっぱり恥ずかしいよー。

毎週テレビで放送されるなんて」

 

茜は極度の人見知りを拗らせている為、町内に設置されている200を超える監視カメラ(※茜調べ)を避けて帰宅途中、偶然遭遇した引ったくり犯に正義感が働き、本人的にはエレガントに済ませるつもりだったようだがこうなったのだ。

 

「茜頑張ったんだからいいじゃない」

 

「そうそう。国民に皆の事を知ってもらうのも大切な仕事よ」

 

葵が夕食の手伝いをしながら宥め、五月が大族の務めだと話す。

というのも、只今時期国王選挙の真っ最中、候補者は10人兄弟全員参加の為、やる気の有無は兎も角、アピールに繋がる行為は褒められる。

 

『ではここで、最新の世論調査による支持率の発表をしたいと思います』

 

1位、葵「安心、安全な暮らし」

10位、修「やる時はやる男!」

2位、奏「清き一票で明るい社会を」

3位、茜「私は…負けません」

4位、零「世界が国が人が、平和」

7位、岬「みんなの力、みんなのため」

8位、遥「将来を託すなら」

6位、光「キラめく⭐世界を!」

9位、輝「この手で、国を守ります!」

5位、栞「優しい町、優しい国に」

 

「あっ、零兄さん茜姉さんに抜かされてる」

 

「なんか上位4人はお決まりになってきたね」

 

「犯人確保で票が伸びたんじゃないかしら」

 

「流石です。姉上」

 

「さすが」

 

遥が順位の変化に気付き、岬が票差が現れ出した上位陣を指摘し、奏でが票数の変化を推測し、輝がすかさず尊敬の眼差しで姉を見、栞もそれに続く。

 

「うぅ…、言わないでぇ~!!!!」

 

「いい加減慣れなよ」

 

遂には崩れ落ちた茜に、光が興味なさげに返す。

残り約2年、果たしてどうなるとことやら。

 

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