ダンジョンにハグレ王国がいるのは間違っているだろうか 作:ひまじんホーム
短いけど勢いに任せてあげたれ!
~オラリオの街~
「ふぅ、物資の価格調べてたらもうお昼過ぎだよ~。こどらお腹すいちゃったなぁ。」
ポッコ、ベルと別れて価格調査をしていたこどらこと、こたつドラゴン。筋金入りの横着者である彼女は、何時でも何処でもコタツに入って、みかんを食べながら漫画を読みながらみかんが食べられるように、その背にコタツを背負っている。何を言っているか解らないかも知れないが、そのままの意味である。こたつドラゴンは横着をする為ならコタツを背負ったまま山も登るし、空も飛ぶし、魔王とも戦う。真夏の帝都で毎年二日にかけて開催されるコミックワールドマーケット(通称:夏コミ)会場にコタツを持ち込んで厳重注意されたりもした。もう一度言う、何を言っているか解らないかも知れないが、そのままの意味である。
「どこかでお昼ご飯にしようかなぁ?でもこんな時間に食べるとお夕飯食べれなくなっちゃうし・・・。」
ざわ・・・ざわ・・・ナンデショウアレ?ティオネサン
ひそ・・・ひそ・・・バツゲームカシラ?
ざわ・・・ざわ・・・エッナニソレカワイソウ
ひそ・・・ひそ・・・レフィーヤカカワッチャダメヨ!
「ん?」
どうしたことだろう?何だか街が騒がしい。そして何故だか視線を感じる。いくら私が異世界人(よそもの)だからと言っても見た目でそれが判る訳でもないし。変だなぁ。
「なんだか見られてる気がするじゃん。照れちゃうなぁ。」
もしかして・・・コレがモテ期というやつかもしれない。いや、そうに違いない。ほら今すれ違った人も此方を振り返って見ている。
ククク、我は竜人、アーマードドラゴン。人間どもよ、見惚れるがいい。これがリュージンの技術を詰め込んだCotaⅡエンジン搭載の最新型コタツ(街歩き仕様)だ。どうだ、お洒落だろう?フフン
なんて、ちょっぴり誇らしい気持ちで通りを歩きながら、食べ物屋さんを探す。なにか軽く食べれる物売ってないかな?
「さ~さ~揚げたてサクサクじゃが丸君はいかがかね~!」ヤスイヨーウマイヨー
「じゃが丸君・・・?」ナニソレ
こどらは威勢の良いかけ声に引かれてフラフラ~とじゃが丸君とやらを売っている屋台に足を向けた。
黒髪ツインテールで身長のわりにおっきな胸の女の子がお店番をしていた。
「へい!らっしゃい!揚げたてのじゃが丸君はいかg・・・て、はわわわわわぁ!キ、キミキミキミわわあっ!?」
「え?な、なに?」ドキリンコ
「キ、キキミ!その背中のモノはなんだい!?一体全体なんなんだぁい!?」フルフル
「え?え?え?」オロオロ
何だかハチャメチャなテンションで押し寄せてくる屋台の店員さん。何が何だかわからず、こどら困惑。
「キミが!背中に背負ってるソレだよ!」
「ソレ?あ、コタツのこと?」ハッ
「コタツと言うのかいソレは!嗚呼!何て完璧なフォルム!愛情すら内包した温もり!炉の神たるボクの魂が叫んでいるよ!これは運☆命の出会いだと!」ディスティニー!
理由は解らないけど、こどらのコタツがこの神様(?)の琴線に触れたらしい。まぁでも仕方ないよね。なんせ最新型(以下略)コタツだもんね。見る人が見たら解っちゃうよね。
「コタツ!こたつ!炬燵!嗚呼!なんて甘美な響きなんだろう!キミのそのコタツとやらはどうやって手に入れたんだい!?」ズィッ
近い近い、顔近いしテンション高すぎてなんだか怖いよこの人。ただでさえこどらは知らない人と話すの苦手なのに困っちゃうよぉ・・・。
「あわ、あわわ・・・。」ビクビク
ざわ・・・ざわ・・・アノヘンナコカラマレテル?
ひそ・・・ひそ・・・タスケタホウガイインジャ?
ざわ・・・ざわ・・・シッカカワッチャダメヨレフィーヤ!
ひそ・・・ひそ・・・ジャガマルクンタベタイ
そうこうしているうちに遠巻きに衆目を集め始める。端から見れば店員からの強引な押し売りに合っている気弱な客といった絵面であろうか。しかし周りの人達は様子を伺うばかりで特に介入はしない。
そしてそんな中で、一仕事を終えて通りかかる神が一柱。
「ふぅ、やっと用事が終わりました。そろそろ二人と合流して夕飯の算段でも・・・おや?人だかりが・・・ん?コタツとは?」
ポッコはコタツコタツと喚いている大きな声を聞いて、まさかと思い、ざわざわ言ってる人だかりをかき分け渦中に割り込む。そして自分にとっては旧知の二人(、、)がなにやら揉めているのを見つけた。
「こどら?何かあったんですか?って、あなたはヘスティアじゃないですか!」
「「ポッコ!」ちゃん!」パァ!
「「えっ?」」ハッ!?
二人同時に名前を呼びお互い共通の知り合いと悟る。
「ポッコちゃん、この怖い人知ってるの?」
「ええ、まあ。一応。」ハァ
「怖い人!?一応!?」ガーンΣ( ̄□ ̄;)
ヘスティアと呼ばれたその人は、ここに至って初めて人だかりが出来ていることに気付き、自分がしでかしたことを理解する。
ポッコはそれを見てヤレヤレといった様子で、二人の仲介をすることにした。
「えっと、どういう情況なんです?ウチの子を苛めてるようならヘスティアとはいえただじゃおきませんよ?」ジロッ
「いやいや!苛めてなんていないよ!ボクはただ、そのコタツとやらについて知りたかっただけなんだ!」アワワ
「だ、そうですよ?こどら。」クルーリ
「えっと、こどらのコタツ、気に入ってくれたの?」オズオズ
「そうそう!とっても素敵だよ!そのコタツとやらは!」
「そ、そう・・・。嬉しいな。えへへ。」ポッ
「そのコタツは何処で手に入れられるんだい!?」ズゥィッ
「コタツが欲しいの・・・?いいよ。こどらが前に使ってたお古で良かったらあげるよ。」
「ほ、本当かい!?キミはなんていいやつなんだ!」ギュゥゥ
ヘスティアはこどらからの提案に、力一杯の抱擁でその喜びを表現して返事とする。
「そ、それでね!嫌じゃなかったらでいいんだけど、こどらとお友達になってほしいな~って・・・。」
「友達?ふふん。ボク達はもうコタツによって結ばれた親友!否、コタ友だよっ!ボクの名はヘスティア。これでもファミリアを運営する神様なのさ!」
「こ、こどらはね、ポッコちゃんファミリアのこたつドラゴン。皆はこどらって呼んでくれるんだ。よろしくね!」
二人はガシッと力強く握手を交わす。
「今日からボク達はコタツ同盟だ!一緒にコタツの素晴らしさを世に伝えていこうじゃあないか!」
「「お~!」」
今ここに、コタツ同盟なる謎の組織が爆誕した。このオラリオに住まう全ての冒険者をコタツの虜にするまで彼女達の戦いは終わらない。
「まぁ、確かにあなたたち気が合いそうですよね・・・。」ヒモ&ニート
それからというもの、コタツを背負いながらじゃが丸君を売る店員が話題となり、ダンジョンに向かう冒険者の中にもコタツを背負う猛者がチラホラ現れるようになったとか、ならなかったとか。
コタツを装着した状態でレベルアップを果たすとレアスキル『こたつカウンター』が習得出来るとか出来ないとか。それは迷宮都市伝説として、まことしやかに冒険者の間で語られて広まっていくのであった。
何やら前回投稿から見たことない勢いでUAお気に入り増えててびっくり。拙い作品ですが楽しんでくれる方が少しでもいてくれると幸いです。感想評価もお気軽にどうぞ。
ついでにこのすばクロスの方も見てくれてる人増えてて感謝。もう2~3話こっち上げたらこのすばの方も続き書いていきます。