ダンジョンにハグレ王国がいるのは間違っているだろうか   作:ひまじんホーム

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 だんだんポッコちゃんのキャラがスレてきましたね。良い傾向だと思います。
 次話くらいからダンまち原作開始になりそうです。今話はあっさり進みますが、さっさと進めたいので。


第4話 ファミリア会議

~ポッコファミリア ホーム~

 

「あ~、盛り上がってるところ水を差すようですまないが・・・、私の話はまだ終わっていないのだが。」

 

 いい感じに気合いを入れてこれからというところだったが、タケミカヅチからまだ何かあるらしい。

 

「何ですかタケミカヅチ様?本当に無粋ですね。そういうところですよ。」

 

「ほほーぅ、お前も言うようになりおって。まぁよい、これからの話はお前達の助けになるはずだ。」

 

「助けとは?」

 

「福の神様から仰せつかったのは寝床の手配だけだが、何せ4億ヴァリスという大金だ。一軒家だけでは予算が余ってな、敷地も余っておったから他にも三軒ほど建物を作ってある。少し内装を弄れば商売の拠点にでも出来るであろう。」

 

「なんと!?」

 

 朗報であった。借金生活では大きな投資が難しい。建物だけでもあるならば少しの遣り繰りで商売を始めることができる。

 しかし、何やらここまで色々と条件が整い過ぎていることに、疑問を抱く者が2名。

 

 

「・・・ねぇ、ローズマリー。ちょっといいかしら?」

 

「ミアちん・・・、うん、考えていることは多分同じだと思う。」

 

 そう、整い過ぎている。ハグレ王国としては次元の塔の10階層の解放からわずか数日しか経っていない。福ちゃんからの試験の内容はともかく、このわずかな間に住居を用意するどころか、建てるなんてことは不可能だ。

 つまり、福ちゃんと神タケミカヅチはそれ以上前からこの状況をセッティングしていたことになる。

 

「ところで、タケミカヅチ様は福ちゃん・・・福の神様からこの話はいつ頼まれたのですか?」コソ

 

 ローズマリーはポッコや子供たちに聞こえないよう小声でタケミカヅチに疑問を投げかけた。

 

「妙なことを聞くな?確か3ヶ月程前・・・だったはずだ。この短い期間ではよい仕事が出来たと思うぞ。」

 

「3ヶ月・・・そうですか、ありがとうございます。」

 

 どうやら福ちゃんはハグレ王国に先回りしてこの世界に繋がりを持ち、こうなることを分かった上であらゆるお膳立てをしてきたのだろう。

 

「福ちゃんは一体何を企んでいるんだろう?」

 

「さあね。でも、福ちゃんのことだから何かしら意味があるのでしょうね。」

 

「福ちゃんのことだから悪いことにはならないだろうけど・・・。」

 

「苦労はするでしょうねぇ・・・。」

 

「ですよねー。」

 

 これからの苦難の道のりを想像して保護者達は深いため息をついていた。

 

―――――――――――――――

 

~ポッコファミリア ホーム~

 

 神タケミカヅチと別れ、新生したポッコファミリアはまずはホームにて会議を開いていた。

 

「まずは活動方針を決めましょう。」

 

 ハグレ王国恒例の王国会議。今回はファミリアの主神であるポッコが中心となるためファミリア会議とでも呼ぶのが正しいかもしれない。

 

「はい!」

 

「どうぞ、ヘルラージュさん。」

 

「まずは、ファミリアとして相応しいステキなコスチュームが必要でs「却下。」まだ言い終わってないのに!?」ガーン

 

「はい!」

 

「どうぞ、マオさん。」

 

「この地に新魔王タワーを建てyo「却下。」なんじゃと!?」ガーン

 

「はい!」

 

「どうぞ、柚葉さん。」

 

「私がダイミョーとしてファミリアの長にn「却下。」なぬっ!?」ガーン

 

「どいつもこいつも!真面目に考えてますか!?」

 

「失敬な!私は国取りに対しては真剣そのものだ!」

 

「国取りの話なんて誰もしちょらんわ!」

 

 まともな意見が出て来ない。場がカオスになってきたところで、漸くまともな人物が手を挙げた。

 

「あ、あの~・・・。」

 

「どうぞ、ベルくん。」

 

「借金というからには利子が付きますよね?どの位になるんでしょうか?」

 

「利子ですか?4億ヴァリスの年利5%ですから、月々え~と・・・。」

 

「167万ヴァリスですね。でも利子の問題だけじゃなくて、私達もいつまでもこの世界にいる訳にはいかない。最低でも月に1千万ヴァリス以上の返済が出来るようにしていかなくては。それでも3年以上かかる計算になるから、まとまった返済をすることも考えていこう。」

 

 ローズマリーが既に計算してあったようで、即座に回答する。

 

「さ、3年以上ですか・・・。」

 

 冷静に考えるとやはり4億という金額は途方もなく感じてしまう。

 

「まずはこの金額がこの世界でどの程度の価値なのか、確認する必要があるね。手っ取り早く現金を手に入れるには、冒険者になって取り合えずダンジョンに入ってみるしかないんじゃないかな?」

 

「僕もそう思います。商売をするにしても元手が必要だし、この街の冒険者がどんな道具を必要としているのかも知らないと。」

 

「そうですね・・・では、まず皆に神の恩恵〈ファルナ〉を授けないといけません。」

 

「ファルナってなんでちか?」

 

 聞きなれない単語にデーリッチが横から口を挟む。

 

「この世界では神がその眷族に恩恵を与えることで人は力を得ることができます。神の恩恵を受けていない者は冒険者になることは出来ないんだとか。」

 

「それは、つまりポッコちゃんの力を借りるということでちか?」

 

「ちょっと違いますね。発現する能力はその人本人の可能性の力です。ファルナを刻むことは、力を目覚めさせるきっかけみたいなものにすぎません。」

 

「ふ~ん、面白そうじゃん!さっそくやってみようぜ!ヅッチーが一番な!」

 

「あ~!ヅッチーず~る~い~!」

 

「ん~・・・、多分デーリッチ達の場合は大した能力は発現しませんよ?」

 

「え?なんで~?」

 

「みんな既に人類として限界に片足踏み入れたレベルになってますからね。さっき言った通り神の恩恵なんてきっかけにすぎないのです。もう自力で能力を鍛えている者には恩恵なんて必要ないものなのですよ。」

 

「ちぇ~つまんねぇの!」

 

「え~でも、デーリッチ達でも大おば様やアナンタちゃん達にはまだまだ一対一じゃ敵わないでちよ?」

 

「いや、あの人達はもはや神とか恩恵とかいう次元を超えてますからね。運命とか世界の理すら壊せる者達だって福の神様は言ってましたよ・・・。」

 

「ふ~ん、よくわからないけどそういうものなんでちね。」

 

「まぁ能力には影響なくても、ファルナがないと冒険者登録が出来ませんからね。さっさとやってしまいましょう。じゃあ一人ずつしか出来ないのでヅッチーから順番に。他の皆は会議を続けてください。」

 

「は~い。」

 

―――そんなこんなで―――

 

「ふぅ~・・・、さて、マオで最後ですね。」

 

「うむ、お手柔らかにな。」

 

「おや、この傷痕は・・・?」

「それはな、ワシの勲章じゃ。しましまのストライプがかっこよかろ?」

 

「なんか傷痕からとてつもないマナを感じますね・・・。これが魔王の力ですか。まぁいいでしょう、始めますよ。」

 

 ポッコは半裸でうつ伏せに寝転ぶマオの背に、自らの血を垂らし、浮かび上がった神聖文字を紙に書き出していく。

「どうじゃった?」ワクワク

 

「・・・どいつもこいつもなんなんですかね、このふざけた表記は。」

 

レベル 1

力 EX わんぱん

耐久 EX えふえふ

器用 EX どりる

敏捷 EX おにあし

魔力 EX ぐーごるぷれっくす

 

魔法:魔王技

スキル:宇宙魔王

 

 書き出されたのはレベルと魔法、スキルの表記以外は意味不明な文字列。他の全員が大概こんな表記である。

 

「どういう意味じゃこれは?」

 

「私が聞きたいくらいです。」

 

 ポッコとしても正直意味がわからないが、異世界の人間がこの世界の規格に合わなかったのだろうということで結論づけた。あまり深く考えてはいけない。

 

―――――――――――――――――

 

~翌日 冒険者ギルド~

 

「えぇ!?あなたたちが冒険者になりたいですって!?」

 

 冒険者の間で密かな人気のギルド職員、エイナ・チュールは頭を抱えた。まだ年端もいかない子供をぞろぞろ連れた集団が、只でさえ危険な冒険者家業になろうと言ってきたのだ。

 未来ある子供達をみすみす危険な目に合わせるわけにもいかず、はいどうぞと受け付けるわけにもいかなかった。

 

「アナタたち、本気?」

 

「はい、ちゃんと神様の恩恵も得ています。」スッ

 

 ローズマリーは自分が着用している緑色のローブの襟元を引っ張り、エイナにファルナの刻まれた背中を覗かせる。

 

「ほ、本当のようね・・・。でもポッコファミリアなんて聞いたことないけど・・・?」

 

「新設したばかりですからね。」

 

「子供達も・・・?」チラ

 

「えぇ。」

 

「明らかに動物もいるけど・・・?」チラ

 

「えぇ。」

 

「だぁれが動物だぴょん!失礼なやつだぴょんねぇ!」ムキー

「えぇ・・・。」

 

(ウ、ウサギが喋ってる・・・。まぁ、二本足で歩いてるし、ちょっと遺伝子が偏った獣人族、なのかしら・・・?ウサギといえば、そういえばベル君も何だかんだで冒険者やれているわけだし・・・大丈夫なのかなぁ?何か怒ってるし、あまり逆らわない方がいいかもしれないわ。よし、そうしましょう。)

 

「し、失礼致しました!冒険者登録をさせて頂きます!」

 

 ギルドでは変人処理、通称:ヘンショリと呼ばれる程に手のかかる冒険者の相手をさせられているエイナ。何やら動物扱いされて怒っているウサギを見ていたら、最近冒険者に成り立ての白髪赤目の少年を思い出していた。あの大人しいベル君も冒険者をやれているならば、指導さえちゃんとしてれば何とかなるかも。と、自分自身を納得させることにした。

 半ば無理矢理に全員が冒険者登録を済ませ、さぁ、いざ、いま、冒険を、とダンジョンに向かおうとしたローズマリー達。

しかし、突然ガッチリと肩を掴まれ、行く手を遮られてしまった。

 

「私が担当するからには、絶対に冒険者の皆さんを死なせるわけにはいきません。新人冒険者にはまず、みっちりと、ダンジョンについて勉強して頂きます!」

 

「「「えぇ~!?」」」

 

 そのまま彼女達はギルドの奥に連れていかれ、新人冒険者向けの教習を1日かけて受けることになってしまった。

 

 

ポッコファミリア本日の収支

本日の収入:0ヴァリス

 

借金残り:400,000,000ヴァリス

 

 

 

 




 能力値はあってないようなもんです。多分この後出てくることはあまりないかと。レベル1なのは並行して書いてるこのすばクロスと同じ理由です。でも能力値は本来の能力を表示しようとしてバグってる感じですね。文字列には特に意味はありません。基ネタ判ったらニヤっとしておいて下さい。魔法とかスキルは皆ざくアクの固有技と固有常時強化スキルを持ってます。
 あと、エイナさんのヘンショリは捏造です。ウサギ→宇佐君→河合荘って繋げたかっただけです。エイナさんごめんなさい。多分これからローズマリー特製の胃薬を常用することになると思います。

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