機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ vivere militare est   作:kia

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第47話 宇宙を裂く輝き

 

 

 

 

 

 それが奇跡による幸運だったのか、呪わしき不運だったのか。

 

 理解できるのは本人だけだろう。

 

 少なくともそれを見た者の大半は素直に幸運だとは思えなかった。

 

 目を覆いたいほどに惨いものだったのだから当然であろう。

 

 至近距離からの殴打によって回収されたグレイズカスタムⅡのコックピットは完全に押しつぶされており、普通なら圧死しているのが当たり前の惨状。

 

 即死していた方が客観的にも楽なのは違いなく。

 

 しかし瀕死の重傷でありながらもパイロットは生きていた。

  

 これを一般では奇跡と呼ぶのだろう。

 

 このまま治療を受けて、傷が癒えればまた元のように―――否、当然の事ながら奇跡の代償は相応のものだった。

 

 現在の技術においても欠損した肉体の治癒は出来ず、顔や両手、両足は無残に潰れ、臓器も含めて体の大半が使い物にならなくなっていたのである。

 

 もっとはっきり言えば息をしているだけでも想像を絶する苦痛に苛まれるような状況。

 

 真っ当な指揮官であったなら、慈悲の一撃によって楽に、と考えていたかもしれない。

 

 だが、彼を救った仮面の男ヴェネルディは生憎、そんな普通の対応は取らなかった。

 

 「すべては君次第だ。自分で選択するといい。すべてを諦めた安楽の死か、目的の為に足掻く苦痛の生か」

 

 狂い死にしてしまいそうな苦痛の中で悶える耳元で囁かれる悪魔の言葉。

 

 それが僅かな灯となっていた魂に火をつけた。

 

 此処で終わる?

 

 何も出来ないまま?

 

 あり得ない。

 

 そんな事はあってはならない。

 

 罪には罰を。

 

 憎むべき者達に断罪を。

 

 耐えがたい痛みが走るのも構わず、首を動かし殺意を込めて睨みつける。

   

 こんな場所では終われない。

 

 終わってたまるかという意思を視線に込める。

 

 それを見て、満足したように笑みを浮かべたヴェネルディは楽し気な笑みを浮かべた。

 

 「君の望みを叶えよう。存分に本懐を果たすと良い。それが友への餞になるだろう」

 

 そして彼は生まれ変わった。

 

 治療と共にダメな部分はすべて捨て、何もかも機械と入れ替えた。

 

 人体改造を忌むべきとするギャラルホルンの常識から考えると唾棄されるべき選択なのだろうが、知った事ではない。  

 

 必要なのは動く体と戦える力なのだ。

 

 力。

 

 力だ。

 

 奴らを潰し殺せる絶対的な力が欲しい。

 

 その為ならば、人で無くなるなど些末な事。

 

 結果、誕生したのがロキである。

 

 彼は人を捨て、ギャラルホルンという腐った神々を破滅に追い込む悪神へと変貌したのだ。

 

 

 

 

 

 

 ガエリオ・ボードウィンにとって共に戦った二人の部下はかけがえのない存在だった。

 

 自分に誇りを思い起こさせてくれたアイン・ダルトン。

 

 口数は少ないが誰より任務に忠実だったグレイ・ギベルティ。

 

 尊敬すべき上官の仇を討つべく立ち上がった勇士達の姿は、立場や権力を振りかざすだけの連中を嫌という程に見てきたガエリオにとっての光だった。

 

 そんな彼らに恥じないよう、自らもまた抱いた誇りに殉じようと奮起した。

 

 姉に聞かれれば青臭いなどと罵倒されるかもしれないが、少なくともガエリオ自身は本気でそう考えていたのだ。

 

 だからこそこの再会はガエリオを動揺させるには十分すぎるものだった。

 

 「生きていたのか、グレイ。だが、何故こんな場所でギャラルホルンに敵対している?」   

 

 「この期に及んでまだそんな世迷言をほざくとは度し難い。何故だと? それが分からん貴様らだからこそ俺は此処にいるのだ!」

 

 ロキの心底侮蔑した言葉。

 

 以前なら感情的になっていただろうが、ガエリオは僅かに表情を歪めながらも、銃の狙いは一切逸らさない。

 

 「そうか。どんな理由であれ、お前が奴らに与すると言うならば、かつての上官である俺の手で引導を渡してやる。それがせめてもの責任だろう」

 

 「貴様を上官などと思った事は一度もない! 俺の敬愛すべき上官はただ一人、クランク二尉だけだ!!」 

 

 向けた銃口が互いの急所を捉えた瞬間、眠気を殺し隙を伺っていたハルが動く。

 

 彼らがどういう関係か知らないが、こんな問答を聞いている暇はない。

 

 唇を噛み、痛みで意識をはっきりさせるとガエリオに注意が向いた一瞬を狙い、ロキの銃を撃ち落とした。 

 

 「チッ、そのまま寝ていれば楽に死ねたものを!」

 

 「アンタらの因縁なんかに興味はないんだよ。こっちにはやるべきことが山ほどあるんだ!」

 

 ガエリオに一瞬だけ手元の武器を見せると、すぐさまロキの足元へと叩きつける。

 

 「閃光弾だと!?」

 

 まばゆい閃光が周囲を包み、ハル達の姿を覆い隠してしまう。

 

 身体機能の大半を機械で補っているが故にロキは突発的な閃光を処理できず、視界が完全に奪われてしまう。

 

 「クソ、クソ、クソォォォォ!! 逃げられると思うなよ、貴様らァァァ!!」 

 

 ロキの叫びを背中で聞きながら反転したハルとガエリオは通路を駆け抜けていく。

 

 「どういうつもりだ?」

 

 「さっきの借りを返したかっただけだ。それにアイツと準備もなしで生身で戦うなんて自殺行為だろ。いくらアンタも義手をつけていてもね」

 

 「気づいていたのか」

 

 「鉄華団にもいるからな。ま、雪之丞さんは義足だけど」

 

 ハルの指摘通りガエリオの両腕は『エドモントン動乱』の戦いでの代償に使い物にならなくなった。

 

 腕だけではない。

 

 体全身のダメージも深く、碌に動くことも出来ない状態。

 

 医者からはこのままパイロットを止める事も勧められた。

 

 すべてはガエリオの驕りが招いた結果だと言うアレクシアの言葉が蘇る。

 

 ああ、その通り。

 

 これが自身が招いた結果だというなら、甘んじて受け入れよう。

 

 そしてだから、まだ戦いを止めることはできない。

 

 何故ならばこれは自分で始めた戦い。

 

 戦いの行く末を見届けるまでは、立ち止まる事は許されない。

 

 何よりも生き残らせる為とはいえ部下であるアインに禁忌を強いたのだ。

 

 ならば自分もまた禁忌を否定する事無く受け入れよう。

 

 その為にガエリオは今までの価値観を投げ捨て、機械化手術を受け入れたのだ。

 

 「逆に聞くけど、何で助けた? アンタにとって俺は部下の仇だろ?」  

   

 「……思う所がないと言えば嘘になる。散々してやられた訳だからな」

 

 鉄華団こそガエリオにとって忘れがたい因縁の相手。

 

 ましてやアスベエルのパイロットであるハルは言わずもがな。

 

 アインやグレイの恩師を殺し、その二人さえも討ち果たした怨敵である。

 

 ガエリオの心情的に元凶であるハルを助けるなどあり得ないと考えるのは普通であろう。

 

 「しかし……今はフローズヴィトニルに協力しているのだろう? ならば個人的な感情くらいは呑みこむ。情報も欲しかったからな」

 

 「前に比べると随分、合理的な判断だな。前はやたら感情的だったのに」

 

 「いつまでも昔の俺ではない」

 

 無論、こういう形で割り切るのには相応の時間が必要だった。

 

 喪失と悔恨が自身を苛み、腹の底から膨れ上がってくるのを自覚する度に感情が抑えられなくなる事が山ほどあった。 

 

 最低限のリハビリを終えた後、ヴィダールとしての仮面を被ったのもそうした感情を抑える為でもある。

 

 エドモントン動乱の責任を取る形で地球での立場を無くしフローズヴィトニル共に圏外圏に身を置くようになって、今まで考えなかった事にも思考を巡らせるようになる。

 

 その度に思ったもの。

 

 これで良かったのか?

 

 どうするべきだったのかと。

 

 マクギリスとも幾度となく激論を交わし、何度も事実を告げられた。

 

 自分達は戦いに行くのではないと。

 

 その芽を摘む事こそが本質であると。

 

 鉄華団はあくまでも、隠れ蓑にされていただけであり、本当に危険視すべきものは別にあるのだと。 

 

 無論、失ったものがある以上、これらの話し合いですべて割り切れた訳ではない。

 

 腹の底で滾るものはあるものの、ある程度、自分の中で消化できるようにはなっていた。

 

 「それでお前は何でこの場所にいる?」

 

 「誘拐されたお嬢様を助ける為に」

 

 「……クーデリア・藍那・バーンスタインが誘拐された? 此処にいるのか?」  

 

 「その情報を得る為に此処にいるんだ」

 

 背後から迫ってくる怨嗟の怒声を聞きながら、進入してきた搬入口へ飛び込んだ。

 

 モーゼスは先ほどの部屋には居なかった。

 

 恐らく先に脱出したのだろう。

 

 「俺は機体へ戻る。アンタはどうする?」

 

 「問題ない。味方は俺の位置を把握している。すぐに―――」

 

 宇宙に出た二人の前にギャラルホルンと思われる艦艇が近づいてくるのが見えた。

 

 どうやら無用の気遣いだったようだ。

 

 ハルは近くに浮かぶ岩片へ飛びつくと、隠していたアスベエルへ乗り込んだ。

 

 「モーゼス、データの方はどうなった?」

 

 「おう、色々取れた。今、整理してる所なんだが」

 

 「そんな暇はないみたいだぞ」

 

 防衛部隊と思われるエゼクェルが小惑星内部から出撃してくるのが見える。

  

 「アレは俺が引き付ける。モーゼスは戦域から離脱しろ!」

 

 大型スラスターが火を噴き、一気に加速するアスベエルをエゼクェルのライフルが襲い掛かる。

 

 しかしすでにその動きを見切っていたハルは悠々と砲弾を躱し、反撃のレールガンを叩き込む。

 

 直撃した砲弾がエゼクェルの装甲を打ち砕き、出来た隙を突いた大剣が胴体ごと粉砕した。

 

 「もうお前達の動きは読めてる!」

 

 器用にスラスターユニットを動かし、背後から迫るエゼクェルの槍を弾き飛ばすと大剣でコックピットごと斬り潰す。

 

 もはやアスベエルを止められる機体はこの場におらず、堕天の悪魔による一方的な狩場と化していた。

 

 「この阿頼耶識搭載型に搭乗してる連中の動き、昔の俺達にそっくりだ。手に取るように分かる!」

 

 ハルがエゼクェルを圧倒出来ている理由の一つがそれである。

 

 彼らの動きはサイラスが関わっているからなのか、傭兵時代のハル達に共通している部分が多い。

 

 その分、動きが読みやすく、対応し易いのだ。

 

 「次は―――」

 

 「やらせると思うか、悪魔め!」

 

 無数に散らばる岩片を潜り抜けアスベエルに突撃してきたのは、ロキの搭乗したガンダムバラキエルだった。

 

 背中の新たな装備のお陰なのか、以前よりも明らかに増したスピードで突っ込んでくる。

 

 「藍色!!」

 

 「今度こそ貴様を殺す! そしてその次にボードウィンだ!」

 

 対ナノラミネートアーマー用の大型ランスを殺意と憎悪を込めて、突き放つ。

 

 食らえば確実にナノラミネートアーマーに穴が開くのは間違いない速度であったが、すでにキマリスと対戦していたハルには対応可能なものだった。   

 

 スラスターの角度を調整して大槍の突撃を回避。

 

 至近距離からレールガンを突きつける。

 

 「その程度で!」

 

 そうはさせるかとバラキエルから伸びた一撃がレールガンを破壊していた。 

 

 「何!?」

 

 レールガンを切り裂いていたのは背中の曲刀のような形をした翼だった。

 

 器用に前面にせり出され、レールガンの砲身を捉えている。

 

 「背中のは武器としても使えるのか!」

 

 「逃がさん!」

 

 破壊された武器を投棄、距離を取ろうとした瞬間、背中から伸びた砲塔がアスベエルに突きつけられていた。

 

 「ッ!?」

 

 発射された砲弾を紙一重で回避するも、続け様に繰り出された刺突がアスベエルの体勢を崩していく。

 

 「前よりも明らかに動きが良い」

 

 「これが完全なガンダムバラキエル! 貴様らを諸共葬り去る為の力だ!」

 

 「こっちだって前とは違う!」

 

 連続で放たれる大槍の攻撃を大剣を盾に防いだハルは肩のバルカン砲でけん制しつつ、相手の動きを観察する。

 

 確かに完全というだけあってバラキエルの性能は向上し、以前よりも遥かに手強い。

 

 反応も段違いだ。

 

 恐らくだがロキもまた阿頼耶識―――いや、バラキエルがアスベエルと同型の機体だとするとネフィリムシステムを使っている可能性が高い。

 

 「いったん距離を!」

 

 スラスターを前面にせり出し、バラキエルを弾き飛ばすと、そのまま後方へと加速。

 

 エゼクェルのライフルを奪い取り、岩片の陰に身を隠した。

 

 「それで隠れたつもりか、アスベエル!」

 

 ロキは歪な装甲が取り付けられた左腕を突き出し、岩片へと押し付けると手首の下から突き出された鉄杭が目の前の物体に罅を入れ、バラバラに打ち砕く。

 

 砕かれた岩は周囲一帯へと撒き散らされ、身を隠していたアスベエルごと吹き飛ばした。 

 

 「パイルバンカー!? エドモントンの奴と同系統の装備か」

 

 「俺の希望で搭載した武装だよ。貴様をアインと同じ武器で葬り去る為にな!」

 

 グレイズアインに搭載されていたパイルバンカーは左右一回しか使用できない武装だったが、バラキエルのものはパージする素振りがない所を見ると何度でも使えるものらしい。

 

 「厄介な!」

 

 キマリスにも劣らぬ突進力とロングレンジ、クロスレンジにも対応できる汎用性。

 

 さらにナノラミネートアーマーだろうと一撃で粉砕出来る攻撃力。

 

 すべてに隙がない機体に仕上がっている。

 

 「報いを受けろ、ガンダム!」

 

 「だとしても!」

 

 改めて槍を構えなおしたバラキエルは再び速度を上げて突進する。     

 

 大剣と大槍が再び激突しようかという時、敵の基地だった小惑星に異変が起きた。

 

 小惑星全体が振動し、周りの岩片を巻き込みながら崩壊していく。

 

 「まさか自爆?」

 

 「チッ、ヴェネルディめ。余計な横やりを入れて! 本気でアレを使うつもりとはな」

 

 あれほど執拗な攻撃を繰り返していたバラキエルが急に距離を取り始めた。

 

 それは事情の知らぬハルから見ても何かあると悟るに十分すぎる行動。  

 

 その時だった。 

 

 崩壊していた小惑星に一際大きな亀裂が入り、目が眩む程の閃光が宇宙の暗闇を切り裂いた。

 

 「な?」

 

 この光景に覚えがある者もいるだろう。

 

 火星に惨劇をもたらした白き天使。

 

 アレが大地に刻んだ破壊の閃光と同種のものだ。

 

 「何だ、アレは」

 

 ハルは戦場であるにも関わらず、驚愕で目を見開いた。

 

 亀裂の入った小惑星から姿を見せたのは異形。

 

 全身を覆う程の大翼を両側面に展開、下半身はモビルアーマーの大腕部に似た脚部を持っている。

 

 反面上半身はモビルスーツのような人型で構成され、非常にアンバランスさを感じさせる造形で、醸し出す不気味さに本能的な忌避感が募ってくる。

 

 「モビルアーマーなのか? いや、あの上半身は……何度か戦ったアイツに似ている気が」

 

 そう、ハルが驚いていた最大の理由は異形の上半身。 

 

 バルバトスや自分とも交戦した、とある機体を彷彿させる造形をしているから。

 

 ≪バル、バトス……ガン、ダム≫

 

 「この声ッ!?」

 

 聞こえてきた少女の声にハルの全身に嫌な予感が駆け抜ける。

 

 すぐにその場から飛びのくと異形から発射された無数の閃光が浮遊している岩片ごと周囲に居るギャラルホルンの機体すべてを薙ぎ払った。

 

 当然だがナノラミネートアーマーにビーム兵器は通用しない。

 

 故にビーム攻撃で装甲が破壊された機体は存在しなかったが、その圧力は極めて強力には違いない。

 

 閃光が直撃したモビルスーツは腕や足、武装が吹き飛ばされ、さらにコックピットに当たった機体のパイロットは逃げる間もなく圧殺されてしまった。

 

 「あの兵器、モビルスーツを撃破する為のものではなく、パイロットを殺す為の装備って訳か」

 

 そこまでいかずとも機体の一部や装備を破壊出来れば上等。

 

 最悪、目くらましに使えれば十分という事だろう。

 

 「厄介な」

 

 ≪バル、バトス≫

 

 「ッ、本格的に動き出す前に此処で潰すしかない!」

 

 大型スラスターの出力を最大まで上げたハルは異形の放つ閃光を避けながら、相手の隙を探り始めた。

 

 

 

 

 異形から発せられる極光がギャラルホルンのモビルスーツを薙ぎ払い、動けなくなった相手をエゼクェルの槍が貫いていく。

 

 戦場から距離を取り、かつての仲間達が追い込まれていく様に溜飲を下げていたロキは猛威を振るう異形の方へ視線を移した。

 

 「『アウルゲーミル』、大した性能じゃないか。あの様子から見て、どうやらシャムハザイからの移動と再接続は上手くいったらしいな」

 

 小惑星から出現した異形の機体の名は『アウルゲーミル』

 

 モビルアーマー『ハシュマル』のデータを使い開発された特殊機体。

 

 それを自在に動かしているのは、通常のパイロットではない。

 

 制御から安定、調整まで時間と手間の掛かるとある部品。

 

 それは重傷を負い、もはや普通の人として生きられなくなった少女を用いた人倫とはかけ離れた非道の象徴。

 

 ある特殊な機体に搭乗していた少女の体を機械に組み込み、生み出された制御ユニットである。

 

 少し前まではデータ収集と実動テストとしてガンダムシャムハザイに組み込まれ、自動制御を任されていた。

 

 夜明けの地平線団を巡る戦いの中、ノイ・ロージングレイヴというパイロットを得るまで、無人で戦えた理由がコレだった。

 

 「観察は必要だが、ヴェネルディに任せておけば良いだろう。それよりも」

 

 アウルゲーミルの攻撃から逃れたギャラルホルンの戦艦から青いガンダム・フレームが出撃してくるのが見えた。

 

 間違いない。

 

 火星で遭遇したガンダムヴィダールだった。

 

 無論、アレを操るパイロットも決まっている。

 

 「順番は変わったが、仕方ないか」

   

 かつてないほど歓喜に満ち、歪んだ笑みを浮かべたロキは大槍を構えなおす。

 

 この時をどれほど待ちわびた事か。

 

 ある意味でアスベエルよりも激しく憎んだ男をこの手で抹殺出来るこの日を。

 

 「まずはお前からだ、ボードウィン!!!!」

 

 堅牢な装甲をも貫く大槍と共にバラキエルは憎むべき男を穿たんと死を生む流星と化した。

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