機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ vivere militare est   作:kia

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第49話 真相の片鱗

 

 

 

 

 

 配備された無数のモビルスーツと一際、大きな会議場。

 

 厳重な警備がなされているその場所は各経済圏の代表者達が様々な事を協議する為に使われてきた会場である。

 

 そして今日もまた今後の世界の行く末を協議すべく、経済圏の指導者達が集まっていた。

 

 当然ながら重要箇所の警護を任される組織はギャラルホルンしか存在しない。

 

 そんな緊迫する現場に派遣されたのは各経済圏代表者とも面識があるイオク・クジャンであった。 

 

 「イオク様、どうなさいました?」

 

 「フミタンか。いや、少しな」

 

 会場のロビーから外を眺めていたイオクは考え込むように溜息をついた。

 

 「ラスタル様の件ですか?」

 

 「お前に隠し事は出来ないな。その通りだ。火星遠征、本当にこれでよいのかと思ってな」

 

 ラスタル率いるアリアンロッド艦隊は地球防衛に必要な部隊を残して火星へ向かって、時が過ぎた。

 

 すでに決着がついていてもおかしくない頃だ。

 

 目的は反逆の疑いがあるアレクシア・ボードウィンの捕縛だ。

 

 ラスタルの命により、地球におけるボードウィン家の傘下にあった部隊は抑えられ、協力関係にあるバクラザン家、ファリド家共にギャラルホルンの監視下に置かれている。

 

 仮に火星支部の戦力を持って打って出たとしても、アリアンロッド艦隊に敵う筈もなく。

 

 客観的に見てもアレクシア・ボードウィンの命運はすでに尽きた。

 

 しかし、イオクはそれを素直に呑みこむことが出来なかった。

 

 「お前も分かっているだろう、フミタン。反逆の証拠などなく、火星支部にしても明確な違反行為の事実は確認されていない。すべては口実だ」

 

 「……本当の狙いは本命を誘き出す事」

 

 「その通り。ラスタル様は自分も含めたすべてを囮にして、敵をあぶり出すつもりだ。それだけ例の敵を危険視しておられるのだろう」

 

 確認された機動兵器アウルゲーミルは素人が見ても分かる非常に危険なものだ。

 

 すぐにでも討伐せねばならない。

 

 だが、大きな問題があった。

 

 それが目標の潜伏先である。

 

 アリアンロッドでも敵の居場所を探るべく、大規模な探索を現在も進行しているが、成果は未だに出ていない。 

 

 今のところ出来るのは敵の位置を予測する事くらい。

 

 敵部隊の再編制。

 

 損傷した機体の回収と修復。

 

 連中が潜伏していた場所と探索範囲の照合。

 

 結果、得られたのは火星近辺に潜んでいるかもしれないという根拠の薄い推測のみ。

 

 そこでラスタルはあえてアレクシアとの対立を鮮明にする事でアウルゲーミルを誘き出す策に出たのだ。

 

 「あからさま過ぎる気はしますが」

 

 「それでも隙には違いない。敵が乗ってくる可能性は高いだろう。姿の見えぬ不穏分子をあぶり出し、以前から続く内部闘争にも決着がつく。強引な手法ではあるが、それでも一石二鳥だ」  

 

 「そこまで分かっているのなら、何を悩んでいらっしゃるのですか?」 

 

 「狙いはわかる。だが、万が一敵が地球を狙ってきたら」

 

 あのアウルゲーミルという脅威を前にどれほど持ち堪えられるか。

 

 それこそ突破されれば民草にも甚大な被害が出るに違いない。

 

 そのリスクの大きさを考えれば、今こそギャラルホルンは一丸となって脅威に立ち向かうべきだと考えてしまう。

 

 「地球に脅威が迫っているにも関わらず我々は未だに権力争いを繰り広げている」 

 

 忸怩たる思いを堪えつつ、拳を握りしめるイオクにフミタンはいつも通り淡々と問いを投げた。

 

 「では、イオク様はどうなのです?」

 

 「俺?」

 

 「はい。すでに起きてしまった事はどうしようもありません。ですが重要なのはラスタル様の考えではなく、イオク様がどうしたいのかです」

 

 以前のフミタンとの会話を思い出す。

 

 周りに流されず、自分で判断する力を養う事だと。

 

 考えを纏めるように俯いていたイオクだったがしばらくしてポツリと呟いた。 

 

 「……俺は民を守りたい。巻き込まれ、傷ついていく民衆を助けたいと思う」

 

 イオクがどんな形であれ、そう考えるようになったのは、ラスタルとの同盟関係にありながら、距離を置いて物事を見続けてきたから。

 

 一歩引いて、俯瞰して物を見る。

 

 結果として見えてきたのは、大きな矛盾と傷つく人々。

 

 それは平和の為に必要な犠牲だったのかもしれない。

 

 イオクもまた誰も傷つかない世界などという綺麗事を言う気はなかった。

 

 綺麗事を口にするにはあまりにどうにもならない現実を見せられてきたからだ。

 

 しかし、それを必要だからと積極的に肯定していては、本末転倒だろう。

 

 綺麗事を口には出来ずとも、世界の秩序を、人々を守る軍人だ、くらいは胸を張って言いたいのだ。

 

 「ラスタル様は正しい。だが、その正しさを今は鵜呑みに出来ない。……俺は彼とは別のやり方を探したいと思う。しかし未だに未熟で無力だ。一人で何かを成す事も、正しい選択を選べる自信もない」

 

 今まで積み上がり、抱え込んでいた感情を整理し、ゆっくり言葉を紡いでいく。

 

 「一人で考えてきたが駄目だった。情けない話だが、何が正しいのか未だに迷うばかりだ。だからお前や俺についてきてくれている部下達、そして思いを同じくする者、皆の力を借りたい」

 

 「皆?」

 

 「ああ。個人の意思だけで世界をどうにかしようなんてきっと驕りだ。その一人一人の驕りが今のギャラルホルンを作っていったんだと思う。ならば同じ轍を踏む訳にはいかないだろう」

 

 「なるほど。それがイオク様の考えであれば何も言いません。しかしラスタル様を敵に回しても同じ言葉が言えますか?」

 

 「……ああ。だが、そこまで悲観的に考える必要はないさ。ただ俺は俺の道を行くというだけの話なのだから」

 

 ようやく固まった己の道にイオクの表情は晴れやかだった。

 

 その時、慌てたような声と共に部下の一人が走り寄ってくる。

 

 「イオク様、大変です!!」

 

 フミタンと顔を見合わせたイオクにもたらされたのは、予想だにしていなかった報告だった。

 

 

 

 

 アリアンロッド艦隊が火星に進軍していた頃、目標とされた火星支部では今後の対応が協議されていた。

 

 会議室に集められた面々は誰一人として慌てておらず、部外者であるオルガから見ても火星支部全体が落ち着いているように感じられる。

 

 「まずは突然、呼び出した非礼を詫びよう、オルガ団長。歳星での話はこちらでも把握しているが、我々も彼の件もあったのでね。君達に引き取りに来てもらわねばならなかったのだ」

 

 オルガがこの場にいるのはハルの件でコーラルから呼び出しを受けた為だ。   

  

 例の戦闘の後、ハルはフローズヴィトニルと合流して、火星へ帰還したのだが途中で意識を失い、ギャラルホルンにて治療を受けているらしい。

 

 「ハルの容体は?」

 

 「悪い。が、彼が敵から入手したデータの中にネフィリムシステムに関するものも含まれていた。ある程度の処置は可能だとの話だ」

 

 「何でハルの治療を? こういっちゃなんだが俺らとは因縁だってある訳だろ?」

 

 火星支部と鉄華団には切っても切れない縁がある。

 

 ある意味で鉄華団発足のきっかけを作ったのは火星支部であり、火星支部からしても鉄華団こそ自分達に打撃を与えた存在なのだ。

 

 しかしコーラルはそんな事はどうでも良いとばかりに肩をすくめた。

 

 「彼が入手してくれたデータは非常に有益だった。その返礼だよ。彼に関しては後で話そう。それよりもだ、先にこれについて話をしなければならない」

 

 設置されたモニターに映し出されたのは地球より送られてきた、警告文。

 

 端的に言ってしまえば火星支部の強制調査と武装解除、ある人物の身柄拘束の通告書であった。

 

 「アンタ達、何か不味い事でもしたのか?」

 

 「いや、これは建前だ。アリアンロッドには本当の目的が別にある。先に確認されたモビルアーマーモドキ、そしてそれを率いている武装集団こそ本命だろう」

 

 「そう、要するに我々は居場所が掴めぬ狐を誘き出す餌にされたという事だ」

 

 会議室に入ってきたのは二人の男女。

 

 身柄拘束の通達を受けた張本人であるアレクシア・ボードウィンと仮面を外したガエリオ・ボードウィンであった。

 

 「一応、自己紹介しておこうか。私はアレクシア・ボードウィン、独立監査部隊フローズヴィトニルの責任者だ」

 

 「アンタが独立監査部隊の親玉か」

 

 「そんなところだ。お前達には地球での騒ぎで世話になった。感謝しておこう」

 

 一見、アレクシアの立ち振る舞いに気品のようなものを感じさせるが、全身から迸る覇気は尋常ではない。

 

 外見に騙されてはいけない。

 

 弱いと判断すれば容赦なくこちらを喰らいにくるだろう。

 

 この女は紛れもなく戦士であり、猛獣だ。

 

 雰囲気に呑まれぬように密かに歯を食いしばるオルガを尻目に、コーラルは淡々としたままだ。

 

 アレクシアの威圧に全く動じていないとは、この男の心胆はどうなっているのか。

 

 「ボードウィン公、機体の方はいかがです?」

 

 「後は装備の換装を待つだけだ。そちらの準備は?」

 

 「高機動型グレイズと共に配備完了しています」

 

 アレクシアとコーラルのやり取りを聞いていたオルガだったが、状況が掴めない。

 

 いや、理解はしているのだが、何故自分がこの場に通されているのか、分からないのだ。

 

 「おい、こっちを放っておいて話を進めるな。ていうかまさか戦うつもりなのか?」

 

 「当然だ。こちらに非はないのだからな。証拠もなく従う理由はない」

 

 「勝ち目があるのか?」 

 

 オルガの脳裏に過るのはドルトコロニーでの戦いだ。

 

 あの時に見た艦隊とモビルスーツの数は尋常なものではなかった。

 

 火星支部がどれほど優れていたとしても、あの数を相手にして勝ち目があるとは到底思えなかった。

 

 「さてな。だが、我々にとっても、そしてアリアンロッドにとっても簡単にはいかないものになるのは間違いない」

 

 「おいおい、面倒ごとは御免だぞ。俺らを巻き込まないでもらおうか。これ以上、用がないなら、ハルの治療が終わり次第、引き上げさせてもらいたいんだが」

 

 「そう言うな。お前達もヴェネルディ商会には用があるのだろう?」

 

 ヴェネルディ商会という名を聞いたオルガの視線が鋭くなる。

 

 歳星であれだけの事を起こし、クーデリアやアトラを誘拐した連中。

 

 鉄華団にとってもすでにヴェネルディ商会は明確な敵となっていた。

 

 「……奴らが来るってのか?」

 

 「さあ。だが、尻尾くらいはつかめる可能性がある」

 

 「何を根拠に? ていうかアンタらは奴らに関してどれだけの事を知っている?」

 

 「私達はさほどでもない。しかし奴らについて知っていそうな奴に心当たりがあってな」

 

 アレクシアの視線の先を辿った先に座っているの鉄面皮で相変わらず表情の読めない男、コーラルだった。

 

 「俺も以前から聞きたかった。マクギリスと共に火星支部の監査に入った時、不正は一切なかった。しかしコーラル司令、貴方には妙な不信感を抱かざる得なかった」

 

 ガエリオの脳裏に浮かぶのは火星支部にて開発された異端の機体グレイズノイジー。

 

 あの機体は開発経緯も含めて腑に落ちない点があり、マクギリスは火星支部と繋がっている別組織の存在を示唆していた。

 

 それがもしもヴェネルディ商会ならば。

 

 「事と次第によっては俺も黙ってはいられないが?」

 

 「ふむ。まあ許可は出ているし、もう黙っていられる状況ではないか」

 

 ガエリオの怒気にも表情を変えず、受け流したコーラルは何も変わらぬ声色で話し出した。    

 

 「私は彼の組織を探る為にバクラザン家から送り込まれた諜報員だ」

 

 流石に予測していなかった答えだったのか、オルガやガエリオ、アレクシアすら言葉を無くしている。

 

 諜報員であった事よりも、それの指示した存在に驚愕せざる得ない。

 

 「バクラザン家だと!? ロトめ、黙って動いていたのか」

 

 「元々コンラッドの家はバクラザン家と遠縁の家柄で、前から組織の実情を探る為に動いていた。とはいえ組織の中枢には流石に入り込めず、得られた情報も限定的なものだが」 

 

 コーラルは懐から小型端末を取り出し、部屋のモニターと接続するとデータを表示する。

 

 「ヴェネルディ商会と名乗っている彼らの組織の名前はグレゴリという」 

 

 「グレゴリ……」 

 

 「彼らの目的は不明。活動期間は三百年前から。厄祭戦で失われた技術を保有し、ギャラルホルン上層部を含めた各経済圏にも太いパイプを持っている」  

 

 「という事はやはりグレイズノイジーも」

 

 「アレには既存の技術を応用したものが使われているが、その着想はグレゴリの技術者から提案されたものだ。まあ元々はエリヤ専用の機体を用意する為のものだったんだが」

 

 次々と語られる情報に全員が混乱しそうになる。

 

 それをどうにか整理したアレクシアが口を開いた。

 

 「エリヤ・スノードロップは何者なのだ?」

 

 「彼女はグレゴリから派遣されたパイロットという事以外は分からない。派遣された理由は彼女の練度を上げたかったらしいが、もしかすると例のモビルアーマーモドキに乗せる為に戦闘データが取りたかったのかもしれん」   

 

 コーラルの身分と提示された情報の真偽は不明ではあるが、それはバクラザン家当主であるロトに確認すれば良い。

 

 だが、まだ気になる部分は残っている。 

 

 誘拐されたというクーデリア。

 

 彼女をグレゴリがどう扱うかによって、今後の動きが予測できるかもしれない。

 

 「事情は理解した。しかしまだ聞きたい事がある。何故、クーデリア・藍那・バーンスタインは誘拐された?」

 

 「それも不明だ。ただ彼女をドルトコロニーの件で利用する為に、目を付けていた事だけは確かだ。その為に不本意ではあったが暗躍していたノブリスと共に私の方からも一部部隊を派遣せざる得なかった」

 

 「それでCGSを襲撃したって訳だ」

 

 忘れようもないすべての始まりの日。

 

 あの時、ノブリス・ゴルドンの私兵とギャラルホルンが攻めてこなかったならば、今の自分達は無かっただろう。

 

 無論、あの戦いで出た犠牲を忘れた訳ではないが、今口に出す事ではないとオルガは沸き上がる憤りを噛み殺した。

 

 「色々聞けたが肝心な所がまだだ。結局、俺らに何をさせようって言うんだ? アリアンロッドと戦えってのなら断らせてもらう」

 

 「分かっている。お前達に頼みたいのは一つだけだ。勿論、仕事に見合うだけの報酬を用意しよう」

 

 アレクシアからの依頼。

 

 話を聞いたオルガはしばらく考え込むと、リスクを承知でそれを受ける事に決めた。

 

 

 

 

 

 地球を出立したアリアンロッド艦隊が目標である火星付近に到着する。

 

 当然の事だが、火星支部がアレクシア・ボードウィンの引き渡しに応じる気配はなく、強制調査、武装解除の方も受け入れる様子は見られない。

 

 通達に対する返答も『火星支部は何ら違法行為を行っておらず、監査局による監査も受けている。根拠もなく統制局に所属するアリアンロッド艦隊による身柄引き渡し及び強制調査、武装解除に応じる必要はない』と突っぱねてきた。

 

 「まあ、そう来るだろうな」

 

 ラスタルとて強硬策であるという自覚はある。   

 

 動くにしても普段ならもう少し根回しをしてから行動に移すのだが、今回ばかりは時間がない。

 

 「どうなさいますか、ラスタル様?」

 

 「要請に応じないというならば、手筈通りに」

 

 「了解しました」

 

 各艦隊から出撃したレギンレイズが火星支部を包囲すべく、接近していく。

 

 それを阻むように火星支部から出撃してくるのは高機動型グレイズともう一機。

 

 造形はグレイズに近くはあるが明らかに別物であると分かる。

 

 「高機動型グレイズと火星支部独自の新型機か。例の戦力強化プランによる機体だな」 

 

 「はい。地球本部に提出されている資料によると『グレイズ・デリング』だそうです」

 

 「なるほど。データ通りの機体という事はないだろう。全機に通達しろ」

 

 「ハッ!」

 

 互いに陣形が整い、激突するまで時間の問題となった時、ふとラスタルが背後に立つフリーエの方に視線を向けた。

 

 「……フリーエ、お前はこの作戦についてどう思う?」

 

 「どうとは?」

 

 「上手くいくかどうかの話だ」

 

 それはラスタルらしくもない今更の質問であった。

 

 作戦はすでに開始直前であり、それは今頃になって問うべき事ではない。

 

 疑問を棚上げし素早く頭の中で考えをまとめたフリーエは訝しみながらも、表情には出さずに淡々と所感を述べた。

 

 「問題ないでしょう。そもそも戦力の規模が違いすぎます。火星支部の新型にしてもレギンレイズを大幅に上回るものではないでしょうから、余程の伏せ札がない限り――――」

 

 「そうではない。本命の話だよ、フリーエ。釣れると思うか?」

 

 「さあ、どうでしょうか? それこそ敵次第としか言いようがありません。そもそもあの武装勢力がこの近辺に潜んでいるという確証はありませんから」

 

 答えに満足したのか、ラスタルは楽し気な笑みを浮かべた。

 

 戦場には似つかわしくないその表情。

 

 しかしフリーエはその身を固くする。

 

 ラスタルは確かに笑みを浮かべている。

 

 だが、その目は何処までも冷たく、笑みもまた冷酷なものだったからだ。

 

 「お前らしい返答だ、フリーエ。しかしな、私は本命が武装勢力とは一言も言ってないぞ」

 

 「ッ!?」

 

 振り返ったラスタルから突きつけられた拳銃。

 

 反射的に自らも銃を抜こうとしたフリーエだったが、すぐに兵士たちがブリッジに駆け込んでくる    

 

 「私の本命はな、初めからお前だったんだよ、フリーエ」

 

 数人の兵士に包囲されたこの状況に詰んだとばかりに冷たい視線を投げかけるラスタルに対して、フリーエもまた一切の怯みなく睨み返していた。 

 

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