母なる星、地球。
俺が創った微生物は今や大型の魚となって海をさまよっている。
地球が誕生して42億年。
俺が転生してから34億年。
地球には自力で進化して地上に現れた者は未だにいない。
そんなある日、予想外のことが起きた。
急に胸に激痛を覚えて、白い世界へ引き込まれたのだ。
その影響かはしらないけど、地上は大変なことになっていた。
よくわからないけど、その白い世界を探検してみた。
すると、奥に何か黒い扉があった。
そして、そこに吸い込まれた。
中には、これまた白い世界が広がっていた。
ただ、そこには男がいた。
なんとなく俺ににているやつ。
「お、よく来たね!」
「え、あんた誰?」
「俺はあんたの中にいる魂さ。
ここは精神世界とでも呼んでくれ。」
精神世界に、魂か・・・。
なんだか面白そうだ。
ところで、
「そうか、でなんで俺をここに?」
「あ、それは君に大事な報告があるからだよ。
君の人格はもうすぐ消えてなくなるんだ・・・!」
え、人格が消えてなくなる?
そんなわけ・・・。
しかし、俺は気付いてしまった。
長年の研究があったからこそ気付けた。
通常、すべての生物はオドと呼ばれるものを持つ。
言うならば、魂の器というべきか。
そして、オドから肉体への力の供給が止まると、魂は分離する。
オドやそのもののエネルギーは普通、見ることができない。
だが、ある程度の技術があれば、みれるのだ。
エネルギーを見るには100年かかる。
そして、オドを見るには、10億年もの時間が必要だ。
それ故に、オドを見ることは神の分野だった。
しかし、俺は30億年以上の時間を生きている。
オドを見ることなど、たやすいのである。
そして、俺は目の前の男を見たのだが・・・。
そかからは、多大な神力が感じられたのだ。
それだけなら、まだわかる。
しかし、この男のオドは異質であった。
それこそ、まるで肉体から分断されているような状態だった。
そんなこと、ありえるはずがない。
いや、ありえることにはありえるが、あり得なかった。
なぜなら、それをする方法は一つしかないからだ。
だがその方法はあまりに危険だ。
神でも、やろうとしないほどの方法だから。
「そう、君が思ってる通りさ。」
しかし、この男は簡単に肯定してみせた。
「僕は君に憑依した魂さ。
まあ、神の魂なんだけどね。
で、このままじゃ君の魂は僕に飲み込まれて、僕になっちゃうよ?」
「ああ、分かってるよ・・・。
猶予は、どのくらいだ・・・?」
「だいたい三億年くらいかな?
もっとも、君が大きな外傷を負ったりしない限りね。」
神はこうなったことの経緯を語り出した。
「そんなことがあったのか・・・。」
曰く、彼は数々の遺品を管理している神である。
曰く、彼は2番目に偉い神である。
曰く、彼はすべてを滅ぼす神である。
曰く、彼はすべてを創造する神である。
曰く、彼は人間の観察をする役目を持つ。
曰く、彼はその任務中に俺に憑依した者である。
「で、君、名前は覚えているかい?」
あ、自己紹介忘れてた。
なんて名乗ろうかな?
生前の本名はもう忘れ去ったからな・・・。
苗字しか覚えていない。
「俺は夢前です。」
「それは、良い名前だね。
下の名前は晴次でどう?」
「俺の見た目は女ですけどね。」
「そうだね。
まあいいじゃないか。
俺の名前は
【 】だよ。
今は夢前晴一でどう?」
「素敵な名前ですね。
なんか兄弟見たいです。」
お互いに自己紹介が終わった。
彼は神になる前の名前を語ってくれた。
けれど、誰にも教えたくないみたいなので、ここでは語らないでおこう。
「そういえば、晴次は今何歳なんだ?」
あ、晴一に痛いところを付かれた。
「前世では高校生。
今は34億歳。」
晴一の顔が面白さに染まる。
「その話、詳しく聞かせて❗
いや、見てきたけど実際に話を聞きたい。」
もう、どこか狭いところに閉じ籠りたい・・・。
俺は洗いざらい全部はいた。
「それは、ひどい・・・。」
「はい、人がいないなんてあまりに辛い!
ところで、晴一の能力は?」
「いまのところは秘密さ。
来たるべきときに教えるさ。
そのうち使えるようになるからな。」
そうか、でもきっと強いんだろうな・・・。
「それと、もうそろそろ戻ったほうがいい。
ここの時間は外よりも流れが遅いんだ。
そのときによって差は変わるけどな。」
「わかったよ、じゃあね、また会おう晴一!」
そういって、俺は精神世界から脱出した。