不器用な復讐者(リメイク版)   作:粗茶Returnees

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遅くなりました〜。m(_ _)m


9話

「はやてー、あのいい感じの訓練場貸してくれー」

 

「今日は…なのはちゃん達は使ってないんか。うん、せやったら使っていいで〜」

 

「やりぃー!んじゃ行ってくる!」

 

「ちょい待ち!」

 

「えぇー!俺は早くあれ使いたいー!」

 

「子供か!!」

 

「疾斗、ゴネるよりも早く話を終わらせた方がいいと思いますよ」

 

「はやて話はなんだ」

 

「切り替えはや!」

 

「流石なのです!」

 

「リイン、感心したらあかんて…」

 

 

 疾斗くん相手やとどうも振り回されてまうな〜。あたしは相手を振り回す方が好きやっちゅうのに…。あと、リインにも変な影響が出そうなんが恐ろしいとこやわ。

 あたしの気苦労に気づいてんのやろか、この考えなしみたいな男は。…いや、まぁ実際には相手のことをしっかり見てるのは知ってるけど。それに、横でニコニコしてるリアラちゃんも大した胆力やで。

 

 

「それで、お茶しようってわけじゃないんだろ?」

 

「まぁなー。…疾斗くん、なんでシオン達を逃したん?」

 

「逃したってのは言い方が悪いな」

 

「捕まえれた、とは言わへんよ。怪物なんはわかってるからな。…でも、あの場に引きとどめさせることはできたんちゃう?そしたらシグナムらも間に合ったし、リインフォースとも連携取れたやろ?」

 

「普通に考えればそうだな」

 

「……あたしが何かわかってないってことがあるんか?」

 

「ある」

 

「…」

 

「はやてはシオンの全力(・・)を見たことないだろ」

 

「それは疾斗くんかて同じちゃうん?シオンの全力なんて誰も…うちの騎士たち以外知らんことやろ?あの子らも大昔のシオンしか知らんけど」

 

いいや(・・・)俺たちは知ってる。正確には、覚えてる(・・・・)

 

「…どういうことや」

 

 

 俺たち、というのはこの場の2人とリインフォースを入れた3人やろな。で、覚えてるってなんや。いったいいつの話をしてるんや。PT事件のは聞いただけやけど、全力は見せてなかったって話やし、闇の書の時もそうや。リインフォースと戦ってた時でさえ全力じゃなかった。…それ以外に大きな事件もないし、シオンが関わってるのも…。

 

 

「疾斗くん、いったいいつの話なんや…」

 

「思い出すことはできないだろうから、そこは諦めてくれ。ただ1つ覚えといてほしいのは、シオンの全力に俺もリインフォースも勝てないってことだ」

 

「…そんなになんか」

 

「まぁな。それにあの時、シオンはアリシアを回収して撤退するって決めてたみたいでな。逆鱗には触れたくないだろ?」

 

「…なんやかんやで身内に優しい男やからな。やりたがってることを考えたら、難儀な性格やで」

 

「はははっ、違いない!…でも、だからこそシオンのことは信用できる」

 

「はぁ、疾斗くんの立ち位置がいまいち掴めへんわ〜」

 

「そうか?わりと分かりやすいと思うぞ?」

 

「はやて、こう考えてください。一般民に被害が出ないなら犯罪者でも多めに見るのだと」

 

「頭痛いわ」

 

 

 疾斗くんらしいといえば、らしいんやけどな。実際にただ管理局と敵対してるだけっていう組織とは、仲が良かったりするみたいやし。周りに迷惑かける人やったら容赦なく捕まえるし、…あ、たしかに分かりやすいわ。

 

 

「話は終わりや。ごめんな、時間取らせてもうた」

 

「気にするな。はやての立場なら明白にしとかないといけないってのは、理解してるつもりだからな」

 

「疾斗、シグナムからの連絡です。模擬戦の申し込みが来てます」

 

「お、いいな!訓練場来るよう伝えといてくれ!」

 

「わかりました」

 

 

 シグナムと嬉々として模擬戦するのって、疾斗くんぐらいな気がするんやけど…。ま、戦闘狂じみたところもあるし、今さらって気持ちもあるんやけどな。

 

 

「はやてちゃん?どうかしましたですか?」

 

「ううん。なんでもあらへんよ〜。あの男は自由やなーってだけ」

 

「おかげでお姉様は楽しそうなのです!」

 

「せやな。そこはうちも感謝しとるんよ」

 

 

 …基本的な行動パターンは聞いた通りやろうな。でも、それはつまり、決定的なことがない限り、シオンを捕まえるのに全力をかけないってことやからなー。そこは困ったもんやで…。

 

 

〜〜〜〜〜

 

 

 最新の訓練場で特訓でもしようかと思ったが、シグナムと模擬戦するなら別にそこでする必要がないよな。そんなことを思い、場所は競技場(?)みたいな所にして、逃げ場も隠れ場もなく、ただぶつかり合えるようにした。

 

 

「どうやら待たせてしまったようだな」

 

「そうでもないぞ?俺たちもついさっき来たところだ」

 

「そうか。…こうやってお前と模擬戦をするのも懐かしいな。何年ぶりだ?」

 

「俺が義務教育を終わってからはしてないからなー。5年ぶりってとこか」

 

「はやて達とは違って疾斗は高校にも行ってましたからね」

 

「ま、そこは人それぞれだろ」

 

 

 俺の場合、母さんに『高校出ないようなら、異世界になんて行かせないからね。勝手に出ていく分には止めないけど、リアラちゃんもリインちゃんも連れて行かせないから』と言われてたからな。人生に一度の高校生活を棒に振る気も無かったし、特に困ったわけでもないが。

 

 

「思い出話に花を咲かせるのも良いが…、それは模擬戦の後ってことで」

 

「ふっ、そうだな。まずは剣で語るとしよう」

 

「魔法は?」

 

「初めは無しでいいだろう。2戦目はお互いにすべてを出し切るとしよう」

 

「OK。そんなわけで、リアラは下がっててくれ」

 

「わかりました」

 

 

 リアラが安全圏にまで下がってくれたことを確認し、俺とシグナムは同時に獲物を構える。合図なんてものはない。お互いに武器を構えてる時点で、闘いは始まっているのだから。

 

 

☆☆☆

 

 

 お互いに武器を構え、一歩も動かずに睨み合いを続けている。だが、既に疾斗とシグナムの駆け引きは始まっていた。どちらから動くのか、どう動くのか、その読み合いに勝ち、駆け引きの主導権を握れば一瞬で闘いが終わるのだ。騎士ではあるが、戦士としての色が濃いシオンとの勝負であれば既に斬り結んでいるだろう。

 しかし、シグナムは生粋の騎士である。シオンのように勝てばいい(生き残れたら勝ち)という考えは持っていない。正面から斬り伏せて勝つ。常にそのことを念頭に置いている。

 そしてそれは疾斗も同じだ。剣を握ったときから剣士として生きてきた。武士道と騎士道は異なるが、通ずるものはある。お互いがその道を真っ直ぐと進んでいるからこそ、この状況が生まれるのだ。

 

 

「…っ」

 

「…!」

 

 

 先に仕掛けたのは疾斗だ。持ち前の機動力を活かして駆け抜けていく。対するシグナムは、疾斗の動きを見極めることに集中する。疾斗が刀を振り、シグナムがそれに合わせてレヴァンティンを振るう。2人の獲物がぶつかる…はずだった。

 

 

「……私の負けか。腕を上げたな疾斗」

 

「ぷはぁぁーー。よく言うぜ、シグナムが一太刀目じゃなくて二太刀目で決めに来てたら俺の負けだった」

 

「ふっ、そこに持ち込まれた時点で私の負けだ。それにしても、さっきのはなんだ?」

 

「あれか…なんか俺にもよくわかんねぇんだわ」

 

「は?」

 

「極限に集中してる状態ならいけるみたいなんだが、その状態への持ち込み方もまだよくわかんねぇし、なんであんなの(・・・・)ができるのかもわかんねぇ」

 

「…そうか。それを身につければお前もシオンに追いつけるだろう。私が知る限り、古代ベルカでもそれができたのは片手で数えれるほどだ」

 

「そうなのか…。サンキューシグナム」

 

「これぐらい構わないさ。さて、第2戦といくか……ん?」

 

「どうやらそれはできないらしいな。さてさて、ただの訓練のはずだよな?」

 

 

 シグナムはヴィータからの念話で、疾斗はそれに気づいたリアラからの念話で状況を知り、共にある場所に目を向けた。

 

 その方向は、六課のフォワード陣が訓練している方向だ。

 

 

☆☆☆

 

 

 

「ヴィータ説明プリーズ」

 

「うおっ!?心臓に悪い現れ方すんなよ!」

 

 

 アークを使って手早く移動した俺は、近くにいたヴィータにこの状況の説明を求めることにした。ヴィータは突然現れた俺達に驚いたみたいだが、転移なんてそんなもんだよな。

 

 

「んで、説明プリーズ」

 

「説明もなんもな…。簡単なことだよ。今日はそれぞれの分隊の新人たちの成長具合を模擬戦で確かめるつもりだったんだ。んで先にスターズってわけだったんだが、ティアナとスバルのやつ、なのはの練習メニューにないことを勝手にやってて、それをさっき実践したんだよ。しかも、あの危なっかしいやつ」

 

「なるほど。それでなのははオコなわけか」

 

「はぁ、気が抜ける言い方すんなよな」

 

 

 スバルをバインドで縛っといて、勝手なことをしたティアナに軽くバスターでも撃ち込むのかな?鬼教官だな〜。

 

 

(ま、もちろん邪魔させてもらうがな)

 

「ティアナ、少し頭冷やそうか」

 

「それはお前もだ。馬鹿なのは」

 

「え…」

 

 

 ティアナの前に立ち、なのはのバスターをアークで上空へと反らす。空間をイジれる俺のアークは、こういうのが便利なんだよなぁ。シオンのやつは自分の魔法でどうにでもしやがるが…。

 

 

 

「な、なんで…」

 

「あ、別にティアナは悪くないって言う気はないからな?オーバーワークなんて破滅志願者がやることだし」

 

「…あんたに何がわかんのよ!」

 

「それは後でな。今はなのはと話すっから」

 

「ぐっ。………」

 

「ティア!」

 

「リアラ〜」

 

「仕方ありませんね」

 

 

 ティアナを気絶させたらもちろんスバルがブチ切れて、なのはのバインドを破った。俺はスバルの相手もする気はないから、リアラに頼んでスバルを再度拘束してもらう。バインドじゃなくて、アークで作った箱の中に閉じ込めるって形になるけどな。その中にいるスバルの声は、こっちには届かない。

 

 

「…何がしたいの?疾斗くん。部外者にはちょっかい出されたくないんだけど」

 

「だから頭を冷やしてもらおっかなーってさ。…なのは、教え子に理解されなくて勝手なことをされたのがショックだってことは分かった。それで一つ聞きたいんだが、なのはは訓練の目的を説明したのか?」

 

「…ぇ」

 

「訓練の内容だけじゃない。その内容の目的、ゴールに向けての工程、どうなってほしいのかという願い、そういったことをちゃんと話したのか?話していてそれでもティアナがこうしたって言うなら、謝るよ。俺は場を混乱させてるだけだってな」

 

「疾斗…」

 

「でも…もし話してなかったなら、なのはにも落ち度があったって思うんだよ。…昔さ、『言葉にしなきゃ伝わらないことがある』って、なのはに教えてもらったはずなんだが」

 

「…!!…それは…」

 

「ちゃんと向き合って話したらどうだ?なんでこの訓練の内容なのか、何もかも全て話してさ。…ま、どうするかは勝手だけどな。リアラ、食堂でも行こ」

 

「そうですね。スイーツを食べたい気分です」

 

「いいね。甘いもん食べよっか」

 

 

 邪魔しに来ただけって感じになっちまったけど、いっか。この後どうするかで、これからの付き合いかたでも決めさせてもらおうかね。




閃の軌跡をプレイしたいので、次回は一周目が終わってから執筆いたします!
ふざけた理由でごめんなさい!!
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