週一でするつもりだったんですけどね。
ゴッドイーターが発売されましたし、FGOのイベントも始まっちゃったので!
NATが3のせいで友達と通信できないです。なんとかしなければ。
「わかってはいたが、目の当たりすると吐き気がする光景だな。脳だけになっても生きたいなんてよ」
「……ふん。お主には分からぬよ。人を
「あぁ分からないな。自分たちが導けてるなんて錯覚する奴の考えなんて」
「なんだと?」
「お前たちがやってるのは、要は人形劇だ。把握できる限りの次元世界という巨大な庭に、人間と言う名の人形を置いて管理する。そんなんじゃ技術が伸びても人は進歩しない。お前たちが管理するようになってからの数百年。人は成長を止めた」
「腑抜けたことを言いよる。成長を止めただと? 我々の導きにより人は計画的に進歩しておるわ!」
「その証はどこにある? 平和を築いたことは賞賛に値する。だがな、今の人たちの多くは"成長"の意味を理解していない。自覚のない成長など成長とは言えない。変わったと思えない子供は大人になれない。お前たちが築いた世界はそんな奴らを増やしているだけだ」
成長しようという気概がなければ人は変わらない。自らそれを投げ出す者もいるだろう。停滞を望む者もいる。そんなことは百も承知だ。しかし、この世界はその考えすら行わない人で溢れかえっている。成長という実感を得られないのだ。
シオンは別にベルカが良かったとは言わない。あの時代は戦乱の時代だ。いつ終わるかわからない平穏を過ごし、いざ戦争が始まればいつ終戦になるか分からない。ましてや国が残っているかも分からない。そんな時代に比べればこの時代の方がいいだろう。
しかしそれは平和という観点においてだ。ベルカは誰しもが一人前に成ろうとした。誰しもが己の成長を望んだ。それに対してこの時代にそんな者はそうそういない。管理局員がほとんどなのだ。
「人は危機に瀕した際に大いに成長する。進歩する。それは貴様も承知だろう。それ故に我々は適度な危機を与えているのだ」
「犯罪すらコントロールしてるってんだろ? だからこそこれは人形劇なんだよ。そんなものを成長とは言えない。人間はモルモットじゃねぇんだよ。自分の足で立てる。試行錯誤して、模索して、歩み続けて危機を打破することができる。それは管理されるようなものじゃない。人は良くも悪くも可能性に左右されて生きる生物なんだよ」
「理解できぬな。希望的観測としか言えん。人は業を持った生物だ。その可能性という名の業によって駆り立てられる。その結果が終末戦争だ。そんな過ちを犯すからこそ管理せねばならん」
「お前たちが正しいという保証はどこにある? お前たちの価値観が常に正しいと? 笑わせるな。視点を変えればどんな犯罪者も英雄だ。その逆も然り。そしてそれを傍観するだけ傍観して悪態をつく愚か者こそ醜悪な人間だ」
「……だから全ての人を巻き込むと? 貴様は世界を滅ぼしたいとでも言うのか!」
「既に火蓋を切った。お前たちの手綱を離れたジェイルがゆりかごを動かし、俺が人間の負の遺産を解き放った。もう止まりはしない。……聖王家が途絶えてんじゃぁな。アイツの死を利用したお前たちにツケを払わせるしかねぇんだわ。後で教会の方も行くがな」
シオンは不用意に民間人を巻き込まない。そのポリシーは今も変わっていない。しかし、それは
世界を広げ過ぎた管理局はその対応に追われ続けるだろう。万年人手不足の組織だ。確実に手が回らなくなる。しかし、裏を返せば潜伏する犯罪者を一掃するチャンスでもある。現状では分の悪い賭けとしか言えないが。
「貴様……!」
「そうそう。俺はお前らと議論しようと思って来たわけじゃない。殺しに来たんだ。
「な、に? ぐっ、あぁぁ……がぁぁぁ!!」
「斬られているというのに脳はその痛みを感じ続ける。なかなかいい処刑だろ? その痛みを10年は感じ続けとけ。ま、数百年生きたお前たちからすれば短い期間だろうさ」
「……悪趣味だな」
「遅い登場だな。ヒーロー殿?」
次に聖王教会を襲撃しようとしたシオンの前に、今しがた駆けつけた疾斗が立ち塞がった。ここに来るまでの間に戦闘をしてきたのだろう。所々バリアジャケットに傷がついている。
「この場でやり合うのは気が引けるが、文句は言えないな。お前を外に出すわけにはいかない」
「そう言って何度失敗してきた?」
「
「……大和大雅。地上を捨ててきたか」
「俺の隊はそんなヤワじゃない。かつてのゼスト隊にも引けを取らないと自負している」
「ククッ。あの唯我独尊野郎の口からそんな言葉が出るとはな。良いことを教えてやろう。俺はまだ全てのカードを切ったわけじゃないぞ?」
「なに……!? この揺れは!?」
三人がいるビルだけではない。その時、ミッドチルダのほぼ全体が大きく揺れた。すぐさま大雅の隊から通信が入り、それによって大雅と疾斗は何が起きたのかを理解する。
──S級危険生物
そう称され、管理局も手を出さないようにしてきた生物たちがいる。住む次元世界の頂点に君臨し、外敵を許さない生物だ。大隊であろうと負ける程の猛者。
そんな存在が突如ミッドチルダの上空から降り立ったのだ。確認されている中でも特に警戒される生物の1種──ティアマト。
「お前……どうやってここに連れてきた!」
「簡単なことだ。アイツに勝ち、命令権を得た。ま、プライドの高い生物だから今回しか聞かないだろうけどな」
「空にはジェイルが飛ばしたゆりかご。海上にはナハトヴァール。そして地上にはティアマトか。ははっ、こりゃあ骨が折れるってもんじゃねぇな」
「笑ってる場合か! ティアマトは完全に無差別で攻撃するんだぞ! ……どれだけ被害が出るか……!」
「そこは止めるしかねぇわな。ナハトヴァールの方にはリインフォースが行ってくれてるが、アリシアもそこにいる。……ゆりかごは六課に任せるしかないから、大雅はティアマト担当だな」
「そうそう。ティアマトがいた世界の龍共も順次来るし、人型ガジェットも量産されてる。対応を間違えればそれでお前たちの負けだ」
「あー、俺がガジェット破壊に回んないといけないのか。とりあえず大雅は先に隊のとこに戻れ」
シオンが目の前にいながらも何もすることができない。出し抜こうとしても出し抜けない。そんな悔しさに体を震わす大雅だったが、己の役割を違えるわけにもいかず、すぐさま部屋を出ていった。
疾斗も外の対応に手を貸さねばならないのだが、シオンを野放しにすることが憚られた。目的は明白だ。外の騒動を全て陽動とし、復讐という名の殺人をする。それがシオンの目的であり、それ以外は考えていない。アリシアでさえそのために利用しているのだから。
「……どうしたもんかな」
「このアホ共の息のかかったものだけ殺す。そこだけは違える気はない。炙り出しは終わってるし、所在も掴んでる」
「だからって見逃すわけにもいかねぇんだわ。ってことでここで大人しくしてて」
シオンをアークで作った結界に閉じ込める。空間の固定化、と言える技だ。対象者が移動できる範囲、その者の世界を区切る。そんな結界である。並大抵の者ではその突破方法に検討もつかない代物だ。
「無駄だ」
しかしシオンはそれを容易く破壊する。理由は単純なもので、経験済みだからだ。リアラの前回の契約者は疾斗以上にアークを使いこなしていた。そんな者と何度も戦ってきたシオンに今さら同様の技は通用しない。せいぜい一瞬の足止め程度にしかならない。
「やっぱそうだよなー」
「諦めるんだな」
「断る! ……ってあれ? リインフォースから?」
【シオン。こっちもナハトから来てるわよ】
同じ戦場にいて敵対しているはずのリインフォースとナハトが同時にそれぞれ通信を繋げてきた。それは緊急性が高いということ示しており、シオンと疾斗はそれぞれから話しを聞いた。
そも、シオンに通信を繋げてきたのがアリシアではなくナハトなのだ。そのことからアリシアの身に何かが起きたことは明白だった。
「ナハト。アリシアはどうした?」
『ごめんなさい。ごめんなさいシオン……』
「謝らなくていい。何が起きてもおかしくないのが戦場だ。怒らないから俺の質問に一つずつ答えてくれるか?」
『はい……。アリシアが
──攫われました』
「……は? アリシアが? ……まさかオリヴィエか?」
『……はい。リインフォースと協力して戦ったのですが、オリヴィエはアリシアを執拗に狙ってて……、捕らえたらすぐに戦域を離脱していきました』
「……そうか。オリヴィエは俺にどこに来いと言っていた?」
『ゆりかごに……です』
「わかった。ありがとうナハト。ナハトはもう戦わなくていい。終わるまで逃げるか身を隠すかしていてくれ」
その指示にナハトは反発した。一緒にいて何もできなかった自分にも何か手伝わせてほしいと。このままでは終われないのだと。
それをシオンは承諾しなかった。これ以上嫌なことをさせられないからだ。幸いなことにリインフォースがナハトの護衛を買って出たことも要因だ。リインフォースの目的はアリシア、そしてナハトの戦闘を止めること。それを達成できた以上ナハトと戦う気はないとのことだ。
「やることは決まったな」
「手伝ってやりたいとこだが、お前らが放ったガジェットやらドラゴンやらの討伐がある」
「来ても足手まといだ。……行くぞレイシア」
【ええ。
「だな」
「さてさて、こっちもちゃっちゃと終わらせてからゆりかごに行きますかね。な、リアラ」
【はい。やることは山積みですから】
おそらくはジェイル・スカリエッティやナンバーズも予想していなかったオリヴィエの行動。良くも悪くもその行動がこの事件の転換点となるのだった。