不器用な復讐者(リメイク版)   作:粗茶Returnees

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レポート作成とゼミ合宿があるので、次の更新が2週間後ぐらいになると思います。m(_ _)m


4話

「六課の訓練設備って便利だよなー。羨ましいわー」

 

「疾斗はいつも無人世界でサバイバルですものね」

 

「そのおかげか、疾斗の生存力は高くなったな」

 

「…相変わらず変なことしてるんだね」

 

「変なことって失礼だな。管理局が俺を厄介者(危険人物)扱いしなかったらもっと生活が安定するし、鍛錬用の設備もふやせるんだぞ?」

 

「それは…ごめんね、疾斗。母さんや兄さんが色々と手を尽くそうとしてくれてはいるんだけど」

 

「わりぃわりぃ。別に謝ってほしかったわけじゃないから。リンディさんやクロノのおかげでまだ動きやすい状況になってるのは、理解してるしさ」

 

 

 なのはがシャーリィと2人で訓練場の設定をしているのを眺めながらフェイトとそんな会話をする。…クロノやリンディさんのおかげで動きやすいのは事実だ。融通を効かせてくれてるし、直接仕事をくれたりする。シオン関連なら確実に混ざれるようになってるのもあの2人のおかげだしな。

 

 

「あの…厄介者扱いってなんでですか?」

 

「ん?気になるか?スバル」

 

「は、はい。隊長たちと仲がよくて、リンディ総督やクロノ提督ともお知り合いなのに、そんな扱いされるのが気になって」

 

「スバル…あんたよくそんなストレートに聞けるわね…」

 

「え、でもティアも気になるでしょ?」

 

「そりゃあ氣にならないといえば嘘だけど…」

 

 

 仲がいいんだな。たしか訓練校時代からのコンビだったか?連携力も高いしお互いを信頼してるって聞いてるけど、その通りっぽいな。

 

 

「さっきも言った管理局とは思想が違うことだな。思想は人それぞれで自由にしていいんだが、組織となると方向性は統一したいだろ?和を乱す厄介者はいらないってわけだ。シオンとタメをはる実力があるって評価されてることも関係してるな。アレ並みの人間が敵とも味方とも言えない立場にいる。な?厄介だろ?」

 

「た、たしかに」

 

「…他にも理由はあるんですか?」

 

「…へぇー。ティアナはいい嗅覚してるな」

 

「ありがとうございます。…ということは」

 

「正解だ。ただ、これは教える気はないな。…お前らも管理局の闇の面に目をつけられたくはないだろ?」

 

「「!?」」

 

「話は終わりっと。模擬戦始めれるようだしな」

 

 

 ティアナやスバルもいずれは管理局の裏事情を嫌でも知るようになるだろうが、それでも今は知らなくていい。自分の身を守れる地位も実力もないからな。

 リインフォースは隊長陣と一緒に見学するらしい。というかそうじゃないとオーバーキルだからな。俺はリアラと一緒に訓練場にランダムで転移した。こういう訓練もアリだろ。

 

 

「疾斗、どう戦いますか?」

 

「相手の動きを見ながら強襲かな。勝負には卑怯というものが無いってことから教えるとしよう」

 

「…意地悪な人ですね」

 

「そうか?」

 

「純粋な頃のあなたが懐かしいです」

 

「…それは悪かったな」

 

「ふふっ、冗談ですよ。根は変わってませんから、だから私はあなたの側に居続けるのです」

 

「ありがとう、リアラ」

 

「はい♪」

 

『ゴホン、模擬戦をスタートさせるからね?』

 

「おう!いつでもいいぞ」

 

「始めてください」

 

『うん!それじゃあ……スタート!』

 

 

 さっそく新人たちに仕掛けに行こうと思ったらリアラに腕を引っ張られた。振り向くと眼前にリアラの顔が迫っていて…

 

『なにしてるの!?』

 

「ふふっ、エネルギーの補給です♪」

 

「それじゃ、リアラ行くぞー」

 

『2人とも終わったらO☆HA☆NA☆SHIなの!!』

 

『なのは落ち着いて』

 

 

 …なのははフェイトとリインフォースになんとかしてもらうとしよう。不可抗力もいいところだったわけだし。…それはともかく、

 

 

「リアラ動きづらいんだけど?」

 

「疾斗なら無問題ですよね?」

 

「…俺なんかやらかしたっけ?」

 

「どうでしょうね」

 

(なんかやっちゃってたんだろうなー)

 

 

 腕を絡めて抱きついてくるリアラに頭を悩ませながら、場所を移動し続ける。意識を切り替えて気配を察知し、相手には悟られないようにする。訓練場は、大量のビルに囲まれてるようなフィールドになっているため、途中からは建物内に隠れながら接近することにした。

 

 

「向こうも4人で固まりながら移動を繰り返してるな」

 

「1箇所に留まってても仕方ないですからね」

 

「そうだな。…そろそろ戦闘モードに入ってほしいんだけど?」

 

「疾斗なら大丈夫です」

 

「…リアラを抱えながら戦えと?」

 

「あの子達の動き次第ですね」

 

「まじかぁ。…せめて刀は出してくれね?」

 

「それぐらいは…あ、ならもう一度」

 

「…今日はやけに甘えるな」

 

 

 瞳を閉じているリアラに顔を近づけてキスをする。リアラはそれで満足してくれたようで、俺の武器である刀を取り出してくれた。俺は右手に刀を持ち、左手でリアラを抱えて仕掛けることにした。

 

 

「…いったいどこに隠れてるのよ」

 

「全然場所を掴めないねー」

 

「フリードも分からないみたいですし」

 

「…っ!」

 

「お、エリオは気づけたみたいだな」

 

「「「!?」」」

 

「すぐに全滅はやめてくれよ?」

 

 

 バックステップでエリオから距離を取り、着地するとトップスピードで斬りかかりに行く。エリオに仕掛けると見せかけて直前で軌道を変えてスバルを蹴飛ばしに行く。スバルは咄嗟に両手をクロスさせて防御したが、踏ん張りが効かずに後方へと飛ばされる。一瞬そっちに目が行ったティアナに斬りかかるが、ティアナはシールドを間に合わせて防御に成功。…案外反応は悪くないな。

 

 

「はぁぁぁっ!!」

 

「…遅いぞ」

 

 

 エリオが仕掛けてくるが、俺からしたら遅すぎる。刀を横薙ぎにしてエリオの槍を弾き、返す刀で体を斬りつける。

 

 

「ガハッ…」

 

「スピードタイプはこれぐらい対処できるようにならないとな。っとブレスか」

 

 

 エリオが吹き飛ばされると同時にフリードのブレスが放たれた。俺はそれを躱し、追撃に放たれたティアナの銃弾も迎撃した。

 

 

「…ふむふむ、最低ラインはクリアしてくれたか」

 

「人1人抱えてなんて動きするのよ…」

 

「試されてるね。…けど、仕切り直しだよ!ティアナ!」

 

「分かってるわよ!エリオ、キャロ!訓練どおりフォーメーションで行くわよ!」

 

「「はい!」」

 

 

 リアラを抱えながら戦ってることへのツッコミはないのか。余裕がないのか、実力差を理解しているのか。後者なら褒めたいとこだな。

 

 

「さてと、リアラ」

 

「そうですね。最低ラインをクリアしたご褒美にいいものを見せてあげましょう」

 

「「"シンクロ"」」

 

 

 リアラと手を繋ぎ、意識を集中させる。右手の刀は光の粒となり一旦リアラの元へと還る。そしてリアラは蒼白い光に包まれ、その光が俺をも包み込む。光が収まった頃には右手に刀が戻り、今度は左手にも刀がある。代わりにリアラの姿はなくなった。…まぁ俺の中にいるのだが。

 

 

「…瞳の色が変わった?」

 

「リアラさんが消えましたね」

 

「…今のは」

 

「3人とも詮索は後!こっちから仕掛けるわよ!」

 

 

 さてと、一通り動きを見させてもらったら圧倒させてもらうとしよう。

 

 

〜〜〜〜〜

 

 

「みんな疾斗くんとの模擬戦はどうだった?」

 

「…なんか、凄かったです」

 

「スバル…あんた…初等部の子みたいな発言してるわよ。…実力差があり過ぎましたけど、その中でもできることを身につけないとって思いました」

 

「さすがティアナだね」

 

「エリオとキャロはどう思った?この中でシオンと疾斗と戦ったのは2人なわけだけど」

 

「…どっちも特別な動きはしてなかったと思います」

 

「え、そうなの?シオンは分かんないけど、疾斗さんめちゃくちゃ速かったと思うんだけど」

 

「スバルさんの言う通りすっごい速かったんですけど、でも体の動きとかは基本的なものだったと思います」

 

 

 シオンさんもそうだ。あの時は遊ばれてるような感じだったけど、それでもシオンさんの動きは基本的なものだった。僕ら相手にその必要がないってことかもしれないけど、基本の動きであれだけのことができるってことでもある。

 

 

「なのは隊長、疾斗さんって何者なんですか?結局魔法使ってなかったんですけど」

 

「あ~、まぁ変人かな。私やフェイト隊長でも疾斗くんが魔法使うとこなんて滅多に見たことないからね」

 

「失礼ですけど…たしかに変人ですね」

 

「そういえば今疾斗さんは何してるんですか?」

 

「はやてと話があるみたいだよ。真面目な話みたいだから、私やなのはでも教えてもらえないかも」

 

「そ、そうなんですか…」

 

『大丈夫だよエリオ。後で疾斗と話す時間は作ってあげるから』

 

『え、はい。ありがとうございます!』

 

 

〜〜〜〜〜

 

 

「なんやなんや〜。なのはちゃんの次はあたしなんか〜?このハーレム男め」

 

「そんなの狙ってないから。…はやて、六課ができた経緯の本当の理由を教えてくれ」

 

「…検討はついとるんやろ?」

 

「"予言"だろ?カリムの。俺はその内容を教えてほしい」

 

「内容な〜。…まだ2人には言ってないけど、今度なのはちゃんとフェイトちゃんと一緒にカリムに会いに行くつもりなんや。その時に同行してもらうってことでいいか?」

 

「…まぁそれでいいや。リインフォースはその時ヴァルケンリッターと一緒にいてくれ」

 

「わかった」

 

「私は何と言われようと疾斗の側にいますからね」

 

「わかってるよ。一緒に行くぞ」

 

「はい♪」

 

 

 目の前ではやてがあからさまにため息をついていたのだが、司令ともなると疲労が多いのかな。性格からして気苦労も耐えないだろうしな。

 

 

「…まるで自分らは関係あらへんみたいな顔しとんな」

 

「ん?俺たちも入ってるのか?」

 

「リインフォースはともかくとして、疾斗くんのことを小耳に挟む度に胃が痛なるわ」

 

「おかしなことはしてないはずだけどな」

 

「現場の局員たちはともかく、上の人らは手柄がどうのとかで煩いったらあらへん」

 

「それはお疲れ様としか言いようがないな」

 

「そんでもって当の本人はというと、パートナーとすぐにイチャつくし」

 

「イチャついてるか?」

 

「…リアラちゃんも大変やな」

 

「ふふふっ、それも込みで好きですし、楽しいですよ」

 

「…ソウデッカー」

 

 

 その後はやてとは、シオン、アリシア対策の話を進め、俺たちが六課にいる間どういう立場で動きべきなのか、どれぐらいは自由にしていいのか、そんなとこを話した。

 

 

「主、私たちの宿泊場所はどうなるのですか?」

 

「あ、せやったせやった。リインフォースはあたしのとこで寝泊まりしてもらうつもりや。疾斗くんには余ってる部屋を使ってもらうで。リアラちゃんは「疾斗と同じ部屋ですね」いや、ちゃう「ありがとうございます」…もう好きにし」

 

 

 リアラと同じ部屋で寝るのとか今さら気にしてもな。昔はしょっちゅう母さんの企みで一緒にされてたし、はやても母さんと手を組んだことあったしな。

 

 

「疾斗、フェイトがエリオと話してほしいとのことです」

 

「エリオ?…あー、色々と(・・・)話がありそうだな」

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