真剣で私にD×Dに恋しなさい!S改 完結 作:ダーク・シリウス
―――2-F
「あー、皆。突然だが、今日このクラスに編入生が入ってくることになった」
とある日のHR。2-Fの担当教師、小島梅子が担当するクラスの生徒達に衝撃の知らせを伝えた。
「はい、先生」
「なんだ、川神」
川神と呼ばれた赤毛のポニーテールの女子生徒、川神一子が挙手をしたまま口を開いた。
「また武士道プランの関係者ですか?」
「いや、関係ない者だ。だが・・・・・」
「はい?」
「ある意味、重要人物がこのクラスに編入する。
それも一歩間違えれば国際的な問題になる生徒がな」
小島梅子が何かに対して疲れたように溜息を吐いた。担任の教師の言動に一人の男子生徒、
直江大和が首を傾げる。
「国際的な問題になる人が編入してくるっていったいどういうことだ?」
「さあ、どこかの国の貴族とか王族の人が来るんじゃねーの?」
「マジで?うわー、緊張するじゃねぇーか」
「僕たちの接し方で国際問題になると思うと、敬遠しちゃうね」
直江大和の友人たち、風間翔一と島津岳人、師岡卓也も編入生について語り始める。
「まあ、話しはここまでにしよう。―――入ってくれ」
ドアに向かって促す小島梅子。
『・・・・・』
シーンと扉が開く様子もなく場は何とも彼といえない空気となった。
教室に入ってこない編入生に痺れを切らして小島梅子が歩を進めドアを開け放った。
―――その直後。
ドッスウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウンッ!
『っ―――――!?』
外から何かが落ちたような轟音が教室にまで轟いた。直江大和達は何事だ!?と驚いて、
窓にへばりついて外の光景を視界に映し視線を送った。
「な、なななななっ!?」
「ド、ドラゴン!?」
「嘘、マジで!?」
2-Fの生徒たちの目に飛び込んできた巨大な生物。
日本海にある大陸に生息しているはずの生物、ドラゴンが川神学園に姿を現した。
そのドラゴンはゆっくりと2-Fの教室に顔を近づけた。
そんなことされ、直江大和達は思わずドラゴンから感じる威圧感から逃げる感じで下がった。
様子を見ていると開いていた窓から数人の男女が教室に入ってきた。
青い長髪の少女とオレンジ色のツインテールの少女、
小豆色の女性とサングラスを額にかけ左腕に入れ墨がある鋭い目つきの男。
「あっ、お前ら!?」
「ん?・・・・・もしかして島津か?」
「まさか、天使!?」
「うぉい!ウチのことは天って呼べって何度言えば分かるんだゴラ!」
「あー、久し振りだねー」
「ふむ。見ない間に随分と成長したじゃないか」
四人の男女、長女の板垣亜巳。次女の板垣辰子
、末娘の板垣天使、板垣辰子と姉弟で板垣家の長男。
「え?お前たちが編入生ってやつなのか?」
「ああ、そうだぜ。けど、ウチらだけじゃないぜ?」
「はっ?どういうことだよ?」
久しく会った幼馴染達に怪訝な面持になる直江大和達。
カッ!外にいたドラゴンが一瞬の閃光を放った。
そして、光の奔流と化となって2-Fの教室の中に流れ込むように侵入した。
板垣兄弟姉妹の前に光が霧散して一人の男性と肩に載っかている少女が姿を現した。
「・・・・・え」
「―――よう、久し振りだな大和」
「た・・・・・旅人さんか?」
「おいおい、俺のことを忘れたのか?」
旅人呼ばれた男性は苦笑を浮かべたまま直江大和に近づき頭に手を置いて撫でまわし始める。
「大きくなったな。息災でなによりだ」
「ま、マジで・・・・・?本当に旅人さんかよ・・・・・?」
「お前も俺を信じられないものを見る目で見るなよ。あいつらもいるということは俺も一緒だ」
板垣兄弟姉妹と共に教卓に移動した佇んだ。
「あー、俺たちは蒼天からやってきた。俺は兵藤一誠。肩に乗っている少女はオーフィスだ」
「私は長女の板垣亜巳」
「ウチは末娘の板垣天使だ。ウチのことは天で呼べよ、ぜってーな!」
「私は次女の板垣辰子だよー。よろしくねー」
「俺は長男の板垣竜兵だ」
「「「「「「「よろしく」」」」」」
旅人こと兵藤一誠。一誠達が自己紹介をアッサリと終えた次の瞬間。
『旅人さああああん!』
直江大和を含め、複数の生徒達が一誠に抱きついた。
「旅人さん会いたかったよ!」
「久し振りじゃないか旅人さん!」
「久し振りだわぁ!」
「元気そうでなによりですよ」
「旅人さんが編入生だなんて驚いたぜ!」
「昔と何にも変わっていない。懐かしいな旅人さん」
と、一誠を囲んでワイワイと賑やかに一誠と再会の喜びを感じた。実に数年ぶりの再会であった。
ビシャンッ!
『・・・・・』
「あー、感動の再会に水を差したくなく申し訳ないが・・・・・次の授業が迫っているから
その辺にしてもらおうか?」
鞭を持った小島梅子が申し訳なさそうに一誠達に告げた。
―――○●○―――
―――休み時間―――
授業が終わり、授業の担当教師がいなくなればすぐに直江大和達は立ち上がって
一誠達に近づいた。一誠自身も直江大和達と対面するように体を向けた。
「改めて久し振りだな」
「ああ、本当に久しぶりだ。旅人さん」
「おっと、俺は兵藤一誠と名乗っている。因みに本名だからな。好きなように呼んでくれ」
「兵藤一誠・・・・・じゃあ、一誠さんと呼ばせてもらいます」
「アタシはお兄さま!」
「私はあなた―――!」
「いや、結婚してもいないのにその呼び方はダメだ」
「うー・・・・・じゃあ、一誠でいいや。でも、遠からずそんな関係になってみせるよ?」
得物を狙う瞳で一誠を見詰める椎名京。
見ない間におかしな成長をしているようだな、と一誠は思わず苦笑いする。
ガラッ!
教室の扉が開いた。教室に当然のように入ってくる生徒たちは真っ直ぐ直江大和達に近づく。
「大和よ。先ほどのドラゴンの件について聞きたいことが―――」
「おっ、英雄さまじゃないか。久し振りだな」
「・・・・・」
額に×の傷跡がある金色の服を身に包む男子。一誠が懐かしそうに笑みを浮かべた。
「・・・・・我は夢を見ているのか?目の前に旅人がおるぞ」
「現実で事実だ。受け入れろ英雄様」
「・・・・・誠なのだな?」
「誠でございますよ」
―――しばらくして英雄様と呼ばれた男子生徒、九鬼英雄が途端に哄笑した。
「久し振りではないか旅人!
よもや、この学校の生徒として我の前に現れたとは驚きであるぞ!」
「うわーい!旅人さんだぁっ!」
「おー、お久しぶりじゃないですか旅人さん。それにオーフィスも板垣の皆もさ」
「お久しぶりでございます。感動の再会に抱きしめていいですか?」
腰まで伸びた白い髪に赤い瞳の少女が一誠に抱きつき、
スキ-ンヘッドの男子生徒が笑みを浮かべ再会の挨拶をし、
褐色肌で眼鏡を掛けた男子生徒が嬉しそうに笑みを浮かべる。
「小雪に準に冬馬、それにあずみも久し振りだな」
「はい、お久しぶりです☆」
一人のメイドも一誠に挨拶をした。
「今でもお前らは一緒なのか?」
「無論だ。大和達は我の唯一無二の存在である。これも旅人のおかげと言えようぞ」
「あー、俺はいま兵藤一誠と名乗っている。因みに本名な。好きに呼んでくれ」
「じゃあ僕は一誠と呼ぶよ!」
「私は一誠さんと呼びますね。準も一緒ですよね?」
「勿論だ。俺たちより年上だしな。・・・・・昔と変わらない容姿なのが
気になるところだけどよ」
「では、我は義兄上と呼ぼうではないか!」
「・・・・・何故に義兄上なんだ英雄様よ」
九鬼英雄の発言に一誠が口元を引き攣らせた。
この話の流れ的にアレだろうと思いながらも問わずにはいられない。
「決まっておろう、お前は我の姉上と結婚をする予定である。
だからそう呼ぶのに何の問題もないはずだ」
「俺、何時の間に揚羽と結婚すると決まっているんだ?」
「いや、俺に振らんで下さいよ。俺だって知らないし」
直江大和が首を横に振って困った顔をしたのだった。
「じゃあ、お前に聞こうかヒューム」
一誠が誰かに向かって尋ねたその時、虚空から執事服を身に包んだ金髪の老人が姿を現した。
「気付いていたか」
「当然だ。で、予定のようだけど俺は揚羽と結婚なんてほんとか?」
「貴様、揚羽様では気に入らないというのではあるまいな?」
「俺の意志を無視して決められるのは困るってだけだよ。
確かに揚羽は魅力的な女性になっているけどさ」
「ふん、ならばつべこべ言わず揚羽様と結ばれろ」
「他人の指図を受ける気はない。―――また敗北の味を合わせようか?」
一誠が笑みを浮かべる。しかし、眼だけは笑っていなかった。
金髪の老人の執事、ヒューム・ヘルシングも同様、顔は笑っているが眼だけは笑っていなかった。
「ふん、相手の挑発に乗る者は赤子当然・・・・・」
「じゃあ、俺の勝ちってことでいいよな?
俺の申し出を断ったお前は逃げたという風に解釈するから」
「―――死にたいようだな貴様」
「―――俺、死ねないから死ぬのはお前の方だぞ?老いぼれ爺」
両者の目と目の間に火花が散った現象を直江大和達は見えた。
「あわわ、お兄さまが怖いわ・・・・・」
「一誠さんの実力・・・・・知ってみたいな」
「モモ先輩のように大胆に言いやがるぜ一誠さん。やっぱカッコいいな!」
「ああ、俺もそう思うぜ」
興味と期待と不安を胸に秘めて見守る直江大和達。そんな時だった。
「―――おー、やっぱりお前だったか一誠」
第三者の声が一誠に声を掛けた。
直江大和達も聞き覚えがある声だと振りかえって第三者の名前を言う。
「モモ先輩!」
「姉さん」
「よー、私の可愛い弟分とゆかいな仲間たち」
武人・川神百代その人だった。
「って、一誠?姉さん、一誠さんと会ったことがあるのか?」
「ああ、こいつとヒューム、それに揚羽とクラウディオ、
それに織田信長が俺が住んでいる蒼天に空から降ってきたんだ」
「・・・・・へ?蒼天・・・・・?」
「自己紹介の時俺は言ったぞ。『蒼天から来た』と、聞いていなかったのか?」
「そう言えば、そんなこと言っていたよーな」
「―――って、一誠さんは蒼天にいたの!?」
気付くの遅っ!心の中で自己紹介の時に言ったはずのことを
今さら驚く直江大和達に呆れる一誠であった。
「というか、モモ先輩!どーして俺たちに教えてくれなかったんですか!?
一人だけ一誠さんに会ってズルイっすよ!」
「いや、一誠に釘を刺されたからな。お前たちを驚かせたいって一誠が言うから」
「そう言うわけだ」
「・・・・・僕たちに驚かすその性格も変わっていませんね」
「はははっ、俺なんかよりお前たちの方が随分と変わっているさ」
「にしても、一誠さんがこのクラスに編入してくるなんて驚いたぜ。
てっきり頭が良いと思っていたんだけどよ」
「それについては事情があるんだよ」
「事情?」
「亜巳達の様子を見守るためとオーフィスが全く勉強ができない。
俺だけSに行ったらオーフィスもついてくる。だから俺はFに編入したんだ」
「けっ、ウチらをまだ子供だと思いやがって」
「全くだぜ、俺らだけでも平気だってのによ」
「天と竜兵の言動を目に余るところあるんだよ。特に竜兵、お前は俺の目の届くところに
いてもらわないと何仕出かすか分からない。目を放すとお前はすぐに男を喰らうんだからよ」
・・・・・はい?男を喰らう?一誠の言葉に直江大和達は信じられないものを見る目で
板垣竜兵を見た。一誠は溜息を吐いて説明した。
「こいつ、何時の間にかホモになっていたんだ。
俺の育て方が悪いのか、環境の変化でなってしまったのか、今でも分からない」
「ふん、別に問題ねぇーだろうが。
それに俺が男を喰らうようになったのは―――あんたの尻を見たからだ」
「・・・・・今日から一人で風呂に入ろう」
「くくくっ、何時かあんたを犯してみてぇーぜ」
ギラギラと欲情が籠った瞳を一誠に向ける板垣竜兵。
「・・・・・竜ちゃん?」
その時だった。板垣辰子が板垣竜兵に近づいた。
「た、タツ姉ぇ?」
「一誠さんに手を出したら、いくら竜ちゃんでも容赦しないよ・・・・・?
口を聞いてあげないよ!?」
威圧感を板垣竜兵に放つ板垣辰子の目は見開いて、緑色の瞳に怒りの炎が燃え上がっているのを
板垣竜兵は気付き、頬に冷や汗を浮かばせて首を縦に振った。
「わ、分かった!分かったから落ち着けタツ姉ぇっ!」
「・・・・・」
弟の言葉に怒りを抑え板垣辰子は、
椅子に座っている一誠と対面の形で腰を下ろしては寝息を立て始めた。
「って、おい辰子。寝るなって」
「「むー!」」
「京と小雪も不機嫌になるな」
「ははは、昔と変わらないね。こういう光景を見ていると昔に戻った感じがするよ」
「そうだな!いやー、一誠さんたちが俺たちと一緒に学校に通うなんて嬉しいぜ!
俺、何時もよりハイテンションになっちゃうぜ!」
そう言ってその場で全身から伝えるように宙返りをした風間翔一だった。
「そう言えば一誠さん。どうやって蒼天に住めたんだ?あそこ、ドラゴンがいたはずなんだけど」
「ん?俺なら普通には入れるぞ」
「・・・・・ドラゴン達に襲われませんか?
先日、九鬼家が巨大ロボットで蒼天に向かったそうですけど
呆気なくドラゴン達に破壊されたんですが」
いくら一誠さんでも大変でしょう?と感じで葵冬馬が尋ねた。
今の時代でドラゴンに敵う術はないのである。
核など使って戦えば各国から非難の声を浴び、粛清とばかり戦争になりかねないので
使えない状況。武神・川神百代も勝てやしないだろうと水面下で人々は思っている。
「いや、襲われないぞ。ドラゴン達は俺の家族だし」
「・・・・・家族?」
「百代達を連れ帰った時はドラゴンで送ったぞ?」
「ああ、とても貴重な体験で絶景だった。また乗せてもらえるか?」
「いいぞ。俺たちは蒼天に住んでいるし、帰る時一緒に蒼天までくれば乗れるぞ?」
「そうか、じゃあ放課後が楽しみだ」
川神百代がそう言うとチャイムが鳴りだした。
その鐘の音に反応して2-Fクラスじゃない葵冬馬達は、名残惜しそうに教室から出て行った。
「おい、辰子。起きろ」
「んー」
「・・・・・ダメだこりゃ」
―――○●○―――
―――昼休み―――
午前の授業はすべて終え、2-Fの生徒達は各々と弁当を取り出したり、
学食で食べる生徒は食堂へと向かった。そんな中、川神一子が一誠達に近づく。
「お兄さま、一緒にお昼食べましょ?」
「ああ、いいぞ。でも、屋上でいいか?」
「勿論!」
「お前らもどうだ?」
「あー、ウチらはウチらで食べるから良いぜ」
「そうか、じゃあ亜巳。こいつらを見張ってくれよ。
特に竜兵が良い男を見つけて喰らわないようにしてくれ」
「はいはい、わかっているよ」
「チッ」
「あー、私は一誠さんと一緒に行くよー」
と、板垣辰子が一誠の背中にしがみついた。一誠は気にしないで直江大和達と廊下へ出た。
「む?義兄上ではないか。どちらに行くのだ?」
出会い頭、九鬼英雄達と出くわす。
「ああ、屋上だ」
「なるほど、我らと同じ考えのようだな」
「―――た、旅人さん?」
「ん?」
二人の会話を遮って唖然と一誠を見詰めるポニーテールの少女。
一誠はその少女を見て「ああ」と懐かしそうに声を発した。
「久し振りだな義経と弁慶、それに与一」
「へぇ・・・・・本当に旅人さんなんだね。久し振り」
「マジかよ。あの話は本当だったんだな・・・・・」
ウェーブが掛かった背中にまで伸びた黒髪に錫杖を持って、
瓢箪も持っている女子生徒と灰色の髪に隻眼の男子生徒が一誠を凝視する。
「まあ、積もる話も俺から色々と訊きたいことが山ほどあるだろうし、屋上に行かないか?」
「そうであるな。では、皆の者。屋上へ凱旋である!」
「お前が仕切るのかよ!?」
「別に良いんじゃない?英雄君が言わないならキャップが良いそうだし」
「今回は出遅れたが今度は俺が言うぜ!」
「ほらね」
師岡卓也は苦笑する。一誠達は雑談をしつつ廊下を歩き続け、
途中で屋上に繋がる階段を上って、屋上へ辿り着いた。
「よー、遅かったじゃないか。待っていたぞー」
「ね、姉さん・・・・・呼んでいないのに先回りとは・・・・・・」
「ふふふっ、弟よ。お前とは長い付き合いなんだ。弟の考えていることは見え見えなんだぞ?」
「・・・・・俺、姉さんに一生叶わない」
「試験とかテストぐらいだろう?お前が勝てそうなものがあるとしたら」
「・・・・そうだな」
直江大和は納得した面持ちで手を叩いた。それから一行は各々と円陣を組んで座り出す。
因みに一誠の胡坐を掻いた足にオーフィス、背中に板垣辰子、
一誠の隣は椎名京と榊原小雪が陣取っている。
「見事に両手の花ですね一誠さん」
「オーフィスはともかく、俺に好意を抱かせた覚えはないんだけどな」
「出会った瞬間から好きでした」
「僕も好きだよウェーイ♪」
「うーん、一誠さんから感じる温もりが大好きだから一誠さんも好きだよぉ・・・・・」
と三人は一誠に好意の言葉を告げたのであった。
「ははは、そうか。―――それにしても、昔遊んでいた奴らが成長した姿を見ると、
不思議な気分になるな」
「旅人さん、先輩がいないよ?」
「ん?先輩?」
「葉桜清楚」
「ああ、そう言えばいなかったな。それと信長もな」
そう言って携帯を取り出して操作し始めた。
「一誠さん、何をしているんですか?」
「信長を呼び出している」
一拍して、一誠の前に音もなく黒い長髪の二人の少女が現れた。
「先輩、来ましたよ」
「おお、早いな。っと、それに清楚も連れてくるとは気が利いている」
「先輩の気をずっと感じていたので、分かっておりました。
ですので先輩も連れて行こうと前から考えていました」
そういう女子生徒、織田信長の隣に佇む黒髪に雛罌粟の髪飾りを付けている女子生徒は、
信じられない物を見る目で一誠を見据えた。一誠も手を上げて挨拶の言葉を発した。
「久し振りだな清楚。随分と義経と弁慶共々、綺麗になったじゃないか」
「あっ、は、はい・・・・・お久しぶりです。旅人さん」
「俺のことは一誠と呼んでいいよ」
「えっ、いいんですか?」
恐縮気味に尋ねる葉桜清楚の言葉に肯定と頷く。それから葉桜清楚は
「一誠さん」と呼ぶことが決まって、共に昼食を食べることになり、円の中に加わった。
「んじゃ、また改めて。お前ら、久し振りだな」
『お久しぶりです!』
尊敬、敬愛していた一誠に直江大和達は笑みを浮かべて異口同音で発したのだった。