真剣で私にD×Dに恋しなさい!S改 完結   作:ダーク・シリウス

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Episode10

 

翌日。

 

―――川神学園―――

 

「昨日の一誠さん・・・・・凄かったな」

 

「ああ・・・・・まさか・・・・天使だったなんて驚いたぜ」

 

「でも、一誠さんが凄い理由が分かった気がするよ」

 

「ドラゴンも家族だって言うほどだからな。本人も凄くじゃないと」

 

「一誠・・・・・素敵だったね・・・・・流石は私の大好きな人だよ」

 

「確かに美しかったな。特に髪がキラキラ輝いていたぞ」

 

「そうねー。天使って皆金髪なのかしら?」

 

川神一子がそう言ったその瞬間。彼女の頭にポンと手を乗せる人物がいた。

 

「別に全員が全員、金髪じゃないぞ?」

 

「ふぇ?」

 

「よっ、おはよう」

 

その人物は直江大和達が話題にしている兵藤一誠だった。

肩に当然のように乗っている黒髪の少女、オーフィスに、板垣兄弟姉妹が立っていた。

 

「い、いいい一誠さん!?」

 

「なに驚いているんだ?」

 

「あれ・・・・・天使じゃない?もしかして幻覚?」

 

バサッ!

 

「これのことか?」

 

もう隠す必要もないとばかり、金色の翼を見せびらかす一誠。

その瞬間、板垣辰子が翼に抱きついた。

 

「うーん・・・・・温かい・・・・・」

 

「って、辰子は何の迷いも躊躇もなく俺に抱きついてくるのな」

 

「てめぇはてめぇだろう?なら、何に怯えていなきゃなんねぇんだよ」

 

「・・・・・竜兵が真面目なことを言うなんてね」

 

「アミ姉ぇ・・・・・」

 

心外とばかりに落ち込む竜兵だった。

 

「・・・・・一誠さん、あなたは一体何者なんですか?」

 

「・・・・・」

 

一誠は一瞬だけ沈黙した。しかし、徐に口の端を吊り上げた。

 

「俺のことを知りたいならもう少し、大人になってからだな」

 

「そう言って、蒼天にいるあいつらにしつこく追及されたよな?」

 

「しかも、鬼ごっこして捕まえれたら教えるとか言って結局捕まえられなかったしね」

 

「こいつ、誰にも教える気はないんだぜ?」

 

ゴンッ!

 

「~~~~っ!」

 

「天、俺に対してこいつとか言うな」

 

板垣天使の頭に金色の翼でチョップのように叩きつけた。

その痛みはその場で蹲って痛みに耐えるほどだった。

 

「うわ・・・・・痛そう」

 

「僕たちの中で最初にあんなふうにされるのはガクトだね」

 

「おいモロ。そいつはどういうことだよ」

 

「自分の胸に手を当ててみたら?」

 

「・・・・・分からん!」

 

「・・・・・しょーもない」

 

ガラッ・・・・・!

 

「兵藤はいるか?」

 

教室にこのクラスの担当教師の小島梅子が現れた。

一誠の名を呼び、教室に探し人がいると分かり―――。

 

「兵藤、今すぐ私と指導室へ来い」

 

「・・・・・俺、何かしたっけ?」

 

『・・・・・』

 

学校の風紀を乱した覚えのないのに指導室行きへと、

一誠は直江大和達に問うが無言で返されたのだった。

 

―――指導室―――

 

「単刀直入で言う。お前は天使なのか?」

 

「・・・・・」

 

指導室に連れられ、すぐさま尋問された。

しかし、小島梅子だけじゃなく、川神鉄心と体育教師のルーまでもがいた。

 

「俺が天使だと肯定して、『はいそうですか』と納得してくれるのか?」

 

「生徒のことを知らないでいる教師でいたくはない。ただ、それだけだ。

お前と・・・・お前の肩にいるオーフィスも含めてだ」

 

「ふーん、そう。まあ・・・・・天使かそうじゃないかと言われたらNOだ」

 

「・・・・・どういうことだ?」

 

「俺は九鬼財閥の秘密裏に生まれた人工生命体だっていえば意外と納得できるんじゃないか?」

 

「な・・・・・っ!」

 

「嘘だけどな」

 

一誠は朗らかに言う。が、小島梅子がギロリと鋭く睨んだので苦笑した。

 

「大人をからかうもんじゃないぞ・・・・・」

 

「いや、俺も実際に大人なんだけど?因みに川神鉄心より年上だと自負する」

 

「なら、お主はジジイじゃな?」

 

「しばくぞ」

 

笑っているが目が笑っていなかった。小島梅子は溜息を吐き、再度問う。

 

「天使ではないのならばお前は一体何者なんだ」

 

「兵藤一誠。それ以上でもそれ以下でもなんでもないただの人間さ」

 

「・・・・・」

 

「俺のことを知ってもお前たちがどうこうできる訳じゃあない。

というか、期待すらしていないしな」

 

「話は終わりだ」と一誠は立ち上がり指導室から出ようとするが、腕に鞭が巻かれた。

 

「待て、話は終わっていない」

 

「・・・・・」

 

次の瞬間、ボッ!と一誠の腕を拘束する鞭が燃え始めて、焼き消えた。

 

「俺を拘束するなら、俺を殺す気でやらないと。

そんじょそこらの一般生徒と一緒にされては困るな」

 

扉を開き、廊下へと出た。

 

「御苦労さまです」

 

「・・・・・何のようだクラウディオ」

 

生徒指導室の外に九鬼家従者部隊3位、クラウディオ・ネエロがいた。

 

「いえいえ、あなたと少しだけお話がしたく参ったのです」

 

「あの力に関しては答える義理はないぞ」

 

「確認だけです。昔、揚羽様と英雄様をお救いした時に使った不思議な力は

あのような力なのですね?」

 

「・・・・・」

 

一誠は敢えて無言で答えた。沈黙は是也。

クラウディオ・ネエロも肯定と受け取ったのか、首を縦に振った。

 

「なるほど、そういうわけですか」

 

「まっ、揚羽を助けるようなことはもうないさ。英雄はともかく」

 

「もう一度、九鬼家従者に戻りませんかね?九鬼家従者部隊第1位の席は

まだ空いたままなんですよ」

 

「あずみにその席を譲ってやれ。まだまだ半人前だろうが、

俺の後釜になれる奴は彼女しかいない」

 

それだけ言って一誠は音もなく姿を暗ました。

 

―――2-S―――

 

「私、一誠さんに見惚れました」

 

「開口一番に何言っているんだ若」

 

「だって見たでしょう?一誠さんのあの姿を。

神々しい姿に私・・・・・心からあのヒトを・・・・・」

 

「・・・・・ヤバい、こいつなんとかしないと・・・・・」

 

「本当に綺麗だったねー」

 

「一誠さん、あんな姿になれるなんて義経は驚いた」

 

「義経の気持ちは皆の気持ちだよ。私も、少なからず驚いたし」

 

一誠と交流している葵冬馬達が各々と一誠のことを語る。

九鬼英雄以外は―――。黙りこむ九鬼英雄に不思議と感じたのか、葵冬馬が話しかけた。

 

「英雄?さっきから黙っていますけどどうしました?」

 

「うむ?ああ・・・・・一誠のあの姿を見たのは久し振りだと思ってな」

 

「・・・・・というと?」

 

「我はあの姿を一度だけ見たことがある。姉上共々な」

 

「・・・・・マジかよ?」

 

「嘘は言わん」

 

優越感を浸って九鬼英雄は笑みを浮かべる。

そんな笑みを浮かべる九鬼英雄に心の中で少し羨ましいと思った面々であった。

 

「・・・・・」

 

葵冬馬達の話を密かに盗聴している赤い長髪に軍服を身に包んだ眼帯の女性。

 

「(兵藤一誠・・・・・)」

 

彼女が何を思っているのか、周りは気付きもしないでいた。

 

―――屋上―――

 

バサッ!

 

「今日は翼を照らすにはいい日だな」

 

教室に戻らず、貯水槽の上で六対十二枚の金色の翼を広げて太陽の光を浴びせていた。

 

「快適」

 

胡坐を掻いている一誠の脚に座っているオーフィスがポツリと呟く。

 

「一誠、珍しい」

 

「何がだ?」

 

「その力、使わないと言った。なのにどうして?」

 

「ああ・・・・・昔を思い出したせいだな」

 

「寂しい?」

 

そう問われ、オーフィスの頭を撫で始めた一誠は言った。

 

「お前がいて、ゾラードたちがいて、他の奴らもいる。寂しいなんて思う暇はないさ」

 

「ん、我もイッセーがいて寂しくない」

 

「そうか。―――で、何時までそこで隠れているつもりだ?」

 

徐に尻目で誰かに話しかけた。

 

「―――ありゃりゃ、バレちゃってたか」

 

「流石に気付かれると思ったがな」

 

「・・・・・」

 

ヒョコッと貯水槽に顔を出す三つの顔。

 

「そう視線を向けられたら、誰だって気付く」

 

「じゃあ、百代ちゃんの所為だねん」

 

「私かよ?燕だって獲物を狙う鷹のような目をしていたじゃないか」

 

「それじゃ、百代ちゃんはライオンの目だね」

 

と、雑談し始めるのは川神百代と松永燕だった。

もう一人は葉桜清楚だった。その三人に一誠は口を開いた。

 

「俺はサボりだけど、お前らは?」

 

「「サボり」」

 

「わ、私も・・・・・一誠さんとお話がしたくて」

 

「・・・・・あの清楚がサボりなんてな。悪い子だ」

 

そう言うが一誠は笑みを浮かべていた。

立ち上がって貯水槽から降り―――三人の前で空間に穴を開いてその穴の中に手を突っ込んでは、

丸めたブルーシートを取り出して下に敷くと腰を下ろした。

すぐに三人も一誠に近寄って靴を脱いでシートに乗り出した。

 

「一誠さん、今のどうやって?」

 

「俺の力としか言えないな」

 

「炎を纏って火の鳥になるし、天使になるし・・・一誠は不思議な力を持っているんだな」

 

「ははは、そうだな」

 

「・・・・・ところで、その翼は本物か?」

 

「ああ、本物だぞ」

 

「ちょっと、触っても良いか?」

 

川神百代の願いに一誠は翼を百代に近づけさせた。そうすることで川神百代が金色の翼を触れた。

 

「おお・・・・・干し立ての布団のようにふわふわして・・・・・その上、温かいぞ」

 

「太陽の光を吸収しているからな。そう思って感じるのは当然だろう」

 

「・・・一誠さん、私も触って良い?」

 

「私も!」

 

翼に触れる川神百代に羨ましく葉桜清楚と松永燕も願って、

一誠の許しを得れば二人もそれぞれ突き出された翼を触れて堪能するのだった。

 

―――昼休み―――

 

2-F

 

「結局、一誠さんはサボったな」

 

「まあ、一度ぐらいいいんじゃない?大和だってサボるんだしさ」

 

「んじゃ、屋上に行こうぜ」

 

「って、一誠さんを放っておいて?」

 

「んー、屋上にいそうな感じするんだよなー」

 

「キャップの予感は当たるから・・・・・もしかしたら本当にいるかもね」

 

午前の授業は終わり、直江大和達は各々と弁当を持って屋上へと赴く。

その途中、2-Sの九鬼英雄たちと合流する。

 

「一誠さんは?」

 

「キャップが言うには屋上にいるんじゃないかって」

 

「なるほどな。なら、屋上に行くとしようぜ」

 

「つーか・・・・・マルギッテさんも?」

 

島津岳人の呟きにマルギッテと呼ばれた軍服を身に包む赤い長髪の女性は言った。

 

「彼に興味がある。私も同行させてもらうと思いなさい」

 

「まあ・・・・・別に良いけど」

 

「ほら、早く屋上に行きましょうよ」

 

川神一子の催促に一行は足を屋上へと運ぶ。階段を上って屋上に繋がる扉へと触れて開け放った。

 

ガチャッ・・・・・。

 

屋上に現れる一行の目に、ブルーシートの上に乗っている一誠が飛び込んできた。

背中に六対十二枚の金色の翼を生やしての状態で。

 

「い・・・っせいさん?」

 

「ん、来たな」

 

一誠が横目で直江大和達一行を捉えた。

 

「もしかして・・・・・ずっとそうやっていたんですか?」

 

「まあな、三人が寝ちゃったし」

 

「三人?」

 

気になる発言だったため、全員が一誠の前に回り込むと―――。

 

「「「・・・・・」」」

 

川神百代、松永燕、葉桜清楚が金色の翼を背に敷いて寝ていた。

 

「お姉さま!?」

 

「先輩達・・・・・何時の間にいたんだ?」

 

「取り敢えず、起こすぞ」

 

―――バチッ!

 

三人の頭に一瞬だけ電気が迸った。それに呼応して三人の目がゆっくりと開いた。

 

「んぁ・・・・・」

 

「ありゃ・・・・・何時の間にか寝ちゃったのねん」

 

「・・・・・」

 

「おはよう、昼飯の時間だぞ」

 

徐に体を起こす三人にそう言うと、改めて直江大和達の存在に気付いた三人。

 

「おー、弟じゃないか・・・・・美しいお姉さんの寝顔を見たんだ。

私の教室に行って弁当を取ってこい」

 

「・・・・・横暴な命令だ」

 

「ごめんねー?私のもお願いしちゃうよん」

 

「・・・・・これでよしっと」

 

松永燕も直江大和にお願いしていると、葉桜清楚は誰かに連絡をしていた。

 

「清楚、誰に連絡したんだ?」

 

「信長ちゃんですよ」

 

「そうか」と姉の願いを忠実に従って弁当を取りに行った直江大和を尻目に頷いた一誠だった。

翼を仕舞って亜空間から五重箱を取り出したところで―――。

 

『いやいや、ちょっと待って下さい』

 

周りから突っ込まれた。

 

「何だよ?」

 

「色々と突っ込むところがあり過ぎます!」

 

「気にしたら負けだぞ?」

 

『負けても良いです!ですから、どうやって五重箱を取り出したのかもう一度見せてください!』

 

異口同音で殆どの皆が一誠にそう言うが、一誠は溜息を吐いた。

 

「却下。面倒くさい」

 

「えー!」

 

拒否の言葉を発したら、不満そうに漏らす川神一子。

 

「俺の力は見せもんじゃない。この翼は別として」

 

「そう言えば一誠、私を放っておいて信長と二人で戦った結果はどうなったんだ?」

 

「当然、俺が勝った。いやー、久々に本気を出せて大満足だよ」

 

そう言って朗らかに笑みを浮かべた一誠は徐に後ろを振り向いた。

 

「お前も前に進めたはずだ」

 

「―――ええ、そうですね」

 

一誠の後ろに織田信長が佇んでいた。手に二つの布が巻かれた何かを持って。

 

「信長ちゃん」

 

「はい、先輩。弁当を持ってきました」

 

「ありがとう」

 

葉桜清楚に弁当を渡したその直後、直江大和も姿を現す。

 

「さてと・・・・・」

 

不意に織田信長が一誠に振り返った。足を一誠に運んで傍によると、

 

「失礼します」

 

ストンと胡坐を掻く一誠の脚の上に乗っかった。

 

「「ああー!?」」

 

「・・・・・どうした?」

 

椎名京と榊原小雪の悲鳴の叫びを聞き流して、

自分の脚の上に座る織田信長に問うた答えを耳に入れる。

 

「私、色々と吹っ切れました」

 

「吹っ切れた?」

 

「―――自分がしたいことをして、素直になろうと昨日の戦いで思い、感じました。

ですので・・・・・」

 

そこで口を閉じて、また口を開いた。一誠と対面になるように体の向きを変えてから。

 

「これから毎日、先輩に甘えます。大好きです、私の先輩♪」

 

『んな―――っ!?』

 

織田信長の背中と腰辺りにドラゴンの翼と尾が生えて、一誠を包んだ。

決して放さないとばかりに。

その上、腕を一誠の首の後ろに回しては徐に顔を

近づけて―――自分の唇を一誠の唇と重ねたのだった。その瞬間。

屋上に再び悲鳴が上がったのであった。

 

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