真剣で私にD×Dに恋しなさい!S改 完結 作:ダーク・シリウス
―――HR 2−S
それは突然の事だった。2−Sクラスの担任の宇佐美巨人が教室に入室しHRが始まった。
「あー、お前等。報告があるぞ。今回の体育祭は通常の体育祭と水上体育祭を
2日連続でやる事に成った」
「なんじゃと?2日連続とはどういう事なのじゃ」
「オジサンも知らん。急に学長がそんな風に変更したんだよ」
「大方、義経達を楽しませようと魂胆じゃね?」
「義経達を?」
「けっ、体育祭なんてやってられっかよ。俺を狙う組織が潜んでいるかもしれねぇのによ」
「それにしても・・・・・ふむ、通常体育祭と水上体育祭か、まぁ良かろう。許すのじゃ」
「何故オジサンが許されなきゃいかんのだ」
「九鬼。高貴な家柄である此方に提案があるのじゃ」
「世界に冠たる九鬼財閥の後継者である我が聞こう。なんだ?庶民A」
「此方は選民で庶民ではないのじゃ!体育祭。2−Fとサシウマで決闘せぬか?
『川神戦役』で生意気なクラスを破壊するのじゃ」
「フハハハ!川神戦役とは面白い趣向よな。で、我らが勝利した暁にはだれを指名する?」
「当然、一誠さんに決まっているじゃないですか。ああ、大和君も捨てがたいですね」
「ふむ。まさしく道理であるな」
「あの面妖な輩をこのクラスに引き込もうとは葵君らしくないのぉ」
「そうですか?私は一誠さんを心から敬愛していますから当然のことだと思いますが」
「我も我が友トーマと同じ意見だ庶民A」
「じゃから此方は庶民ではないのじゃ!」
「一誠をこのクラスに入れたら、楽しくなりそうだねー」
「それとオーフィスの奴も一緒に引き込もうぜ。あの二人は何時も一緒にいるからな」
「そうですね。片方がいないと物足りなく感じるでしょう」
「フハハハハ!義兄上はこのSクラスに相応な人間で間違いないのだ。
必ず我らSクラスが勝たねばな!」
―――数日後―――
「運動会での、軍の割り振りが出ているぞ。F組は青龍軍。S組は白虎軍・・・見事敵同士だ」
「体育祭は玄武、白虎、朱雀、青龍の4軍に分かれて点数を競う。
まぁ赤組青組と考えれば早かろう。では、どうやってその4軍を振り分けるかといえば
くじ引きだ。つまり毎回結果が違う訳だな。以上、解説キャラの気分を味わってみた」
制服の下に萌えキャラのイラストがあるTシャツを着込んでいる眼鏡を掛けた
男子生徒が説明口調で体育祭のことを述べた。Fクラスの担当教師である小島梅子が言い続ける。
「そこで、S組から体育祭で決闘の申し出が来たぞ。
川神戦役でサシウマ勝負したい・・・・・とな」
「ぬぅっ・・・・・川神戦役、まさか実際していたとは」
「質問。川神戦役とは何だ?」
「あー、一誠さんは知らないんだな」
「川神戦役はね、全部で5回勝負。勝つ毎に相手クラスのメンバーを指名できるの。
その時点で、指名された人は相手クラスに編入されちゃうんだ・・・・・強制クラス替え」
「なんだと。シビアなルールの闘いなのだな。5回負ければ5人Sクラスに編入させられるのか」
「Sクラスでは奴隷の様な扱いを受けるだろうね」
「ん?嫌なクラスだな。そんなところに英雄様たちがいるのか?」
「うん、私たちを見下すSクラスの生徒たちの方が多いの」
「英雄達は俺達を見下しはしないけどな」
「俺なんて『ヒーローは二人もいらぬ!』とか言われてライバル視されているぜ?」
「まあ、当然だね。二人とも似ているところあるし」
「子供の時なんて巨大段ボールの秘密基地を巡って喧嘩もしたほどだ」
「雨で濡れて全壊しちゃったがな」
「あの時はショックだったわー。思わず泣いちゃったもん」
と、川神一子がそう言うと教卓の方から「私語は慎め」と窘めの声が聞こえた。
「そう言うわけだ。体育祭になったらSクラスと切磋琢磨をする。
お前たち、相手を倒す勢いで勝つんだ。良いな」
『はいっ!』
―――昼休み―――
「ほー、お前らんとこのクラスは川神戦役をするんだ」
「ああ、そうなった。負けるつもりはないけどな」
「私達も学年を超えて川神戦役が出来ればなー、一誠や大和達、
義経ちゃん達も3年に編入できるのに」
「おいおい、一年早く卒業してしまうじゃないか」
「ふふっ、一緒に卒業するのも悪くないかもしれないよ?」
「・・・・・まあ、その分は早く蒼天の政治や色んなことに集中できていいかもしれないな」
屋上で何時ものように一誠達は昼食をしていた。
「ふーん?一誠って卒業したら蒼天に籠るのか?」
「籠るって・・・・・まあ、あいつらと一緒に色々としたり、
バカをやったり、騒いだりあいつらが死ぬまでそうやって生きていくさ」
「あいつらが死ぬまでって・・・・・まるで一誠さんを残して死ぬような言い草ですね」
「だって、俺は他の人間とは違うし」
「ほら」と金色の翼を生やして言う一誠。自嘲気味に笑むそんな一誠に疑問が湧く。
「一誠さんって本当に人間なんですよね?」
「流れる血も赤いぞー」
「というか、一誠さんは誰かと結婚しないの?」
「・・・・・」
その指摘に思わず一誠が沈黙した。
遠い目でジッと空を見上げ、「さぁな・・・・・」としか答えなかった。
「俺が誰かと結婚なんて考えもしなかった。
好意は向けられるが、俺はそれに応えていいのか分からない」
「分からないって・・・・・」
「俺の立場がそうさせている。だから、悩んでいるんだよなこれが」
頬を掻き苦笑を浮かべる一誠だった。一誠の立場とは一体?
蒼天の中央区を統べる王ではないのか?直江大和達一行の中でさらに疑問が湧く。
「マルギッテにも言われたが、俺は本当に人間かなんて言われたしな」
「マルギッテさんが?」
「まあ、人とは違う力を有している俺にそう思われてもしょうがない。
お前らだって気にはしているだろ?」
そう言われて直江大和達は沈黙で返した。確かに、一誠の事はあまり知らない。特に裏の方が。
「怖がれるぐらいなら黙っておく。それでも怖がられるなら存在自体を消す。
まあ、後者はともかく前者はそうしている。お前らの場合、怖がることを知らなさそうだからな」
「俺達が一体何に怖がるというんですか?」
「んー、俺?」
『アンタ(お前)かいッ!』
周りから突っ込まれる。今さら一誠を怖がるなんて有り得ないとばかり溜息を吐く面々。
「お兄様を怖がるなんて・・・・・ねぇ?」
「うん、ないと思うよ」
「一誠に対して怖いのはお仕置きぐらいだな」
「よし、やってやろうか?手始めにお前のその前髪を整えてやる」
「勘弁してくれ!」
涙目になって一誠から遠ざかる川神百代。
「・・・・・羨ましいです」
「信長?」
「私も川神戦没ができたら先輩を私の傍にいさせれるのに」
「いや、お前の場合は高校卒業したら蒼天に住むことになっているんだが?」
「あっ、そうでしたね。うふふ、早く卒業したいです」
不満そうな顔が一変して花が開いたような笑顔になる織田信長。―――そんな時だった。
一誠達がいる屋上に影が生まれた。全員が空に顔を上げれば―――。
蒼天にいる一匹のドラゴンがいた。前回のサマエルとは違う凶暴そうで獰猛そうなドラゴン。
直江大和達が絶句して驚愕している中、一誠は首を傾げ尋ねた。
「ゾラード、どうした?」
「私よ一誠」
と、ゾラードと呼ばれたドラゴンの手から一つの影が舞い降りた。
桃色の長髪を花の髪飾りで結び、青い瞳、口元に泣き黒子、
露出が高い赤いチャイナドレスで褐色肌の体に身に包む女性が一誠の前に現れた。
「・・・・・おい、どうしてお前がいるんだよ」
「抜け出しちゃった♪」
「・・・・・」
刹那。ガシッ!と女性の顔面を鷲掴みにしてギリギリと力を強めながら口を開く。
「南区の王とあろうものが正式な理由もなく
俺の前に現れるなんていい度胸しているじゃないかぁ?」
「ちょっ、一誠!痛い!痛いわ!マジで痛い!頭が割れるぅぅぅぅぅっ!?」
『では、我は戻ります』
女性を連れてきたドラゴンが用は済んだとばかり、日本海へと向かって飛んで行った。
「あ、あの・・・・・一誠さん?そのヒトは・・・・・・」
「あ?ああ・・・・・このバカは蒼天の南区の王。雪蓮だ」
「ちょっと!バカってないでしょう!?」
「お前、帰ったら俺と冥琳の説教を受けてもらうからな」
「ヒッ!?」
雪蓮と自己紹介された彼女が悲鳴を上げる。
こんな人が南区の王なんて・・・・・と直江大和達の雪蓮に対する第一印象だった。
「はぁ・・・ゾラードも行っちゃったし、しょうがない。
雪蓮、学校が終わるまで俺の傍にいてもらうぞ」
「ううう・・・・・分かったわよ」
いたた・・・・・と一誠に掴まれた顔を擦る雪蓮は直江大和達を見渡す。
「あら、川神百代と織田信長じゃない」
「あっ、お前は・・・・・・」
「モモ先輩、知っているの?」
「ああ、蒼天に侵入した時にちょっとな」
「はぁーい、お久しぶりね。元気そうでなによりだわ♪」
一誠の背後から抱きついて朗らかに笑いヒラヒラと手を振りと挨拶すると、
「ねね、お兄様」
「どうした?」
「雪蓮さんって強い?」
「まあ、凪と同じで鍛えているからな。強いんじゃないか?」
「じゃないかじゃなくて強いわよ。これでも一誠に扱かれている身なんですもの」
「あんなの序の口だぞ。もっと地獄の鍛え方をしてやろうか?」
そう言われ、途端に青ざめる雪蓮。どんな鍛え方をしているのか気になる発言をする一誠だが、
川神一子は雪蓮に向かってあることを言った。
「じゃあ、私と勝負をしてください!」
―――グラウンド―――
『今より第一グラウンドで交流戦が行います。内容は武器有りの戦闘。
見学者は第一グラウンドに―――』
グラウンドに現物人達が集まる。本人達の希望があれば見学の不可にもできるが。
全校生徒が面白がって集まってくるのでお祭り騒ぎだ。
「うわ!誰だよあのヒト、チョー美人!」
「綺麗だ・・・・・ヤバい、俺・・・・・見惚れたぜ!
「転入生かな?でも、歳上のようにも見えるが・・・・・・」
ギャラリーも色めき立つ。
「二人とも前へ出て名乗るがいい」
立会人の川神鉄心が促す。
「二年F組、川神一子!」
決闘をする一人、川神一子が名乗りを上げるとギャラリーから歓声が湧く。
「蒼天の雪蓮よ」
悠然と名乗るもう一人の決闘者、雪蓮が名乗りを上げればさらにギャラリーから歓声が湧く。
「ワシの立ち会いのもと、決闘を許可する。勝負がつくまで、何が遭っても止めぬ。
が、勝負がついたにもかかわらず攻撃を行おうとすればワシが介入させてもらう。よいな?」
「承知したわ!」
「分かったわ」
了承と返事をした二人に川神鉄心は頷いた。
「では、尋常に―――始めいっ!!!!」
決闘の開始宣言が告げられた。レプリカの長刀と剣を手にしている二人が構える。
「さーて、一誠や身内以外の人と戦うのは初めてだからワクワクするわ♪
あなた、川神百代の妹なら、強いのよね?」
「私は色々とお姉さまのようになるために目指しているわ!だから、絶対に負けない!」
「あれ?話が通じていないわね・・・・・?まあいいや、戦ってみれば分かることだし?」
雪蓮の剣に赤いオーラが纏いだした。
「いくわよ?」
そう言って徐に剣を振るった。すると、剣から赤い斬撃が放たれて川神一子に襲った。
「うわっ!?」
鋭い斬撃、本能的に防げれないと察し、横に飛び込めば―――。
川神一子がいた場所の地面が深く傷跡を残した。
「へぇ、初見なはずなんだろうけど、避けるなんて凄いじゃない」
「ちょっ!それはなんなの!?飛び道具は反則よ!」
「あら、飛び道具じゃないわよ?これは私自身の気。武器に自身の気を流して纏わせるの。
『気功剣』と一誠が呼称しているわ」
軽く地面に降れば、それだけで地面が綺麗に斬れた。
「一誠に鍛えられた者は大抵、気を扱えるようになってこんな感じに気を操ったり武器に
気を纏わせることができる。凪も川神百代と勝負した時に気を使ったはずよ?」
「・・・・・っ!」
確かにそうだった。と川神一子は思った。拳に気を纏って雷へと具現化して
川神百代と戦った傷らだけの少女、凪を思い出した。
「さぁ、ドンドンいくわよ」
戦意の籠った瞳にギラリと鈍い光が発した。―――雪蓮は蒼天一の戦闘狂なのであった。
「うわぁ・・・・・一方的な状況になっちゃってるよ」
「つーか、強過ぎじゃね?」
「流石、一誠さんが鍛えているだけあるね。ワン子が手も足も出ないよ」
ギャラリーの中に直江大和達もいた。雪蓮が赤い斬撃を放ち続け、
一向に雪蓮に近づけない川神一子の様子にどこか納得している面持ちで呟いていた。
「当然だろう。一子に負けたら、もう一度一から鍛え直してやるつもりだ」
「しかし、先輩が強くした人たちって皆、気を扱えれるのですか?」
「全員ってわけじゃないがな。根っから戦いに向いている奴しかできない。
まあ、それでもできない奴もいるが」
「じゃあよ。俺様も一誠さんに鍛えてもあったら気を扱えるのか?」
「地獄の修行をしないとできないぞ?」
「うげ・・・・・一瞬、鍛えてもらおうかなっと思ったけどやっぱ止めた」
「そうか、それは残念だな。強くなったら女性たちに―――モテるのにな」
「・・・・・っ!?」
意地の悪い笑みを浮かべた一誠に対して「モテる」という言葉に島津岳人の中で色々と葛藤を
し始めた。―――しばらくして、
「俺様を―――!」
ドッガアァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアンッ!
川神一子と雪蓮、二人の決闘の決着が付いた。
「勝者、雪蓮!」
『うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおっ!』
ギャラリーから歓声が湧く。が、戦っていた雪蓮の表情はどこかつまらなさそうだった。
倒れている川神一子に一言も告げず、一誠に向かって歩を進め出す。
「対して強くなかったわね」
開口一番にそう言った。一誠はただ溜息を吐く。
「一子も弱くはない。お前が強いだけさ」
「そう?なら、今度は川神百代と戦ってみたいわねー♪」
「それはまた今度な。ほら、教室に戻るぞ」
「はーい」
「蒼天に戻ったら説教が待っているからな」
「・・・・・」
天国から地獄に落とされた気分で雪蓮は自分の行動に後悔したのであった。