真剣で私にD×Dに恋しなさい!S改 完結 作:ダーク・シリウス
蒼天の中央区のとある建物の中。東西南北、それぞれの区の王とその部下たち、
一誠とオーフィス板垣兄弟姉妹が集まって中華風のルームの中で食事をしていた。
「そろそろ蒼天も祭りの時期になるな」
「今回は前回より間違いなく盛り上がるわ。なんせ、あの塔が完成するんだもの」
「早く完成させるでぇ!そんで、さっさと月面にコロニーを作る!」
「同時に国の警備も怠らないようにしなくては」
「また侵略してくる恐れもあるからね。警戒しなくてはなりません」
「まったく、この国に侵略してくる国はバカだわね。
自分の首を絞めているってことを知らないのかしら」
「知っていたらしないんじゃないかしら?」
「にゃー!また来たら鈴々が追い返すのだ!絶対に許さないのだ!」
「男は捕獲しておけ、竜兵にプレゼントするからな」
「ハハッ、そいつは嬉しいぜ。食べ放題になるじゃないか」
「ゲスね」
「全くだわ」
「ははは・・・・・」
食事をしながらも賑やかに雑談する。それが蒼天に住む一誠たちの当たり前の日常である。
「そう言えば、天和達の方はどうだ?オーディションは受かったと聞いたぞ」
「順調です」
「うん!みーんな、私たちのファンになってくれているの!」
「ちぃ達の魅力に何ともない奴なんていないわよ」
「そうか。その調子なら一年以内に有名なアイドルとして世間に注目されるな」
自分の家族が注目される日は遠からずなるだろう、と一誠は嬉しく思い笑みを浮かべた。
「蒼天の夏祭り、何時も通りお願いするぞ」
「まっかせなさい!」
「はい、蒼天に住む人達の活気を絶えさせません」
「そうそう、私達の歌を聞いて幸せになってくれることが私達の夢なんだからねー。
だから、私たちを応援してくれる人達に目一杯頑張っちゃうんだから」
「桃香、華淋、雪蓮、他の皆も頼むぞ」
そう頼めば、他の面々が笑みを浮かべ頷く。
「(そうだ、夏祭り・・・・・あいつらを誘うか)」
―――川神学園―――
―――体育祭。天気は快晴で川神学園は何の心配もなく運動会が開催された。
現在は1年生の競技が行われている。
―――1年借り物競走
グラウンドを駆ける黛由紀江は途中で設置されている机に近づき置いてある紙を拾って
借りる内容を確認する。
『友達』
「はうう・・・・・なんてシビアな借り物なんでしょうか・・・・・」
『まゆっちまゆっち。松風という友達がいるじゃないかぁ!』
「あっ、そうか、そうですよね!」
『それじゃあ、堂々と1位に直行だぜぇ!』
「はい!黛由紀江、行きます!」
手に持ってストラップを握りしめ、黛由紀江はゴールに向かって駆けた。
「マロが審査するでおじゃる。見せてみぃ」
「はい、どうぞ!」
「友達・・・・・どれなのじゃ?」
「これです!」
と、携帯ストラップを見せた途端、
「ふざけておるのか!?」
「何故にお怒りを!?」
と、1年生の競技が終わると次々とプログラムが始まり消化されていく。
教師徒競争では、F担当の小島梅子が堂々の1位に。
―――そして、FクラスとSクラスの戦いの時が火蓋を切った。
『さぁ、川神戦役の始まりだ!アナウンスはお昼の放送でお馴染、川神百代と』
『解説は俺、飛び入りでお送りする事に成ったSクラスの兵藤一誠だ』
会場を埋め尽くす生徒達が一斉に沸き立った。
「うおぉー!遂に因縁の対決だぜ!」
「2-Fろくでなし集団と2-Sエリート集団の戦いだぁ!」
「ハンパなく楽しみだぜー!最高ぉーですよー!」
『百代、場は盛り上がっているな?』
『というか、どうして俺が解説をする事に?』
『良いじゃないか。キャップたちの使命があるまで私と一緒に開設をしてくれよ』
『あー、そうかい。それでは、川神学園の学長である川神鉄心さん。
川神戦役の説明をお願いします』
「ふぉふぉふぉ。よかろう、それでは川神戦役の説明にはいる!
勝負は5回!きっちり5回勝負じゃ。くじで引いた種目で戦ってもらうぞぃ。
そして、この箱の中に5回勝負する為に様々な種目が書かれてある紙をわしが引く」
川神鉄心が今回の目玉である川神戦役の説明をする。1回戦のテーマは『運動神経』、
参加人数は1名、2回戦のテーマは『可憐』、参加人数は2名。
3回戦のテーマは『美』、参加人数は1名。
4回戦のテーマは『知力&遊び心』、
参加人数は1名。5回戦のテーマは『知力&武力』、参加人数は5名。
1勝負終るごとに、相手の生徒を指名して指名された生徒はその瞬間からクラス替え。
鉄心が説明を言い終わると一回戦のくじを引いた。
「でおった!超・的当てじゃ!さぁ1名選べ!」
―――Fクラス
「的当てなら此処は当然、京の出番だろう」
「うん、確かに私だね。でも、Sクラスには与一がいるよ?
それに私が出る事は分かっていると思う」
「それは向こうも京が出てくる事は分かっているだろうさ。
あっちだって弓の達人は那須与一位しかいない」
「そうだぜ、京。頑張れよ!」
「うん、私の弓で一誠のハートを撃ち抜いて見せる」
―――Sクラス
「与一、お前の出番だ!行ってくれ!」
「ああ?何で俺が出ないと行けねぇんだよ?断わる。
他にも弓が出来る奴がいるんだろう?そいつを出してやれば良いじゃんか」
「我等の中で弓の腕が立つ者は与一しかおらんのだ。
しかもFクラスにはお前と同じ天下五弓の椎名京がいる。あれに対抗できるのはお前しかいない」
「頼む!与一、お前しかいないんだ!」
「けっ、面倒な事はごめんだ。嫌だね」
ガシッ・・・・・!
「与一・・・・・」
「あ、姉御・・・・・・?」
「―――つべこべ言わずに行って来い!」
武蔵坊弁慶に後ろから首を掴まれ、那須与一は思いきり上空に放り投げられた。
「ああああああああああああああああああああああああああああああっ!?」
ドオオオオオオオオオオンッ!
「・・・・・大丈夫?」
「・・・・・そう見えるのならてめぇは今すぐ眼科に行きやがれ」
Fクラスから椎名京。Sクラスから空から降ってきた那須与一が選出。
『やっぱりこのメンバーだったな』
『どちらも天下五弓と称されているほど弓の腕が立つ。
一誠、お前はどっちが勝利すると思う?』
『さぁ・・・・・五分五分と言ったところだな。後は本人のやる気次第か?
Fクラスの椎名京はやる気が見られるが対してSクラスの那須与一は全くやる気が無いようだ』
「先により多くの的を撃ち抜いた方が勝ちの的当てじゃ。じゃが、ただの的当てではない。
―――兵藤一誠!よろしく頼むぞぃ!」
『はいはい、頼まれたよ』
一誠が徐に立ち上がり椎名京と那須与一に近づき金色の錫杖を発現して手に取った。
「さてと」
シャランッ。
錫杖を上に翳したその瞬間、金色の閃光が発生して辺りを眩しく照らす。
閃光が収まると京と与一の傍に弓矢が置かれていて
上空には飛んでいる大量の扇子が存在していた。
「超・的当ては空に飛んでいる21の扇子を撃ち落とす事だ。
だが、数が減るほど扇子の動きが速く成るから頑張ってくれ」
「・・・・・一誠、今のはどうやってやったの?」
「ひ・み・つ」
金色の錫杖が音もなく消失した。一誠は用が済んだと川神百代の隣に瞬時で移動して座った。
椎名京と那須与一は弓矢を持って開始宣言を待った。
「それでは、はじめぃ!」
バッ!
椎名京と那須与一は素早く矢を弦に番えて宙に移動する扇子に狙いを定めて矢を放った。
その瞬間、他の扇子の動きは少し速くなった。
「(あの程度の動きなら全然いける)」
「(ちっ、こんな面倒くせぇことをさっさと終らせよう)」
それぞれ心に呟きながら扇子を射続ける。扇子の数が10にも満たなくなると常人の目では
捉える事が不可能な速さに成った。しかし、片や天下五弓、片や英雄のクローンと同時に
天下五弓の名を持つ2人にとってはスローモーションで扇子を見るような速度だ。
タイミングと扇子の軌道を把握して射続けていくと扇子は残り一つとなった。
最後の1つとなった扇子は―――姿形も見えないぐらいの速度となった。
「は、はやっ!?速くて扇子がどこにあるか分からないわ!」
「もう全部、撃ち落としたんじゃねぇのか!?」
「いや、まだ一つは残っておるよ。まだ20の扇子しか落ちておらんからのぅ」
『ああ、学長の言う通りだ。現在、那須与一と椎名京が撃ち落とした扇子の数はそれぞれ10だ』
『つまり、最後の扇子を撃ち落とせばその時点でSかFの勝利と成るんだな?』
『そういうことだ』
『しかし、見続けると疲れるな。あの二人も相当、疲弊していると思うぞ?』
『ま、やる気次第で勝てるさ』
一誠は、那須与一と椎名京と見詰めながら解説する。
当の2人は常人では見れない速度で動き回る扇子を目で追いかけながら射るタイミングを計る。
「(動きが速い上に軌道が読めない・・・・・停まった瞬間でも撃ち落とせるんだけど
そんな動作がする気配が全くない。矢の数もそんなにないから無駄撃ちはできない)」
「(あー、やってらんねぇ。ここでリタイアしてもいいんだけど姉御にまた折檻されたら
堪ったもんじゃねぇ・・・・・)」
頬に冷汗を流しながら目を酷使して2人は扇子を見詰める。ふと、一誠から声を掛けられた。
『お前等、一瞬だけ扇子の動きを止めてやる。それが最後のチャンスだと思え』
『いいのか?そんな事をして』
『そんなに時間を掛けていられない。次の競技があるんだからよ』
パチンと一誠が指を鳴らした同時に扇子が那須与一と椎名京の真上に停まった。
「いま!」
「七代地獄への誘い!」
2人の矢は同士に真上に浮く扇子に向かう。―――そして、2人の矢は扇子に直撃した。
『2人同時・・・・・』
『微妙だなぁ・・・・・学長、傍にいた学長の判断に任せる』
「うむ。よかろう。椎名京と那須与一の矢が先に扇子を撃ち抜いたのは―――極わずかな差じゃが、
那須与一の矢が扇子を撃ち抜いた。よってこの競技の勝者は2-S那須与一じゃ!」
「「「「「「「「「「おおおおおおおおおおおおっ!!!!!」」」」」」」」」」
場は歓喜に包まれた。2-Sは喜び2-Fはショックを受けた。
「ふぅー、姉御のお仕置きから何とか免れたか」
「まあ、まだまだ勝負はあるしまだ負けた訳じゃないからね」
それぞれのクラスメートがいる場所に戻る2人。
「与一、良く頑張ってくれた!義経は嬉しいぞ!」
「これで負けたら確実にお仕置きしていたところだったね」
「フハハハ!初戦にしては中々の勝負だった!」
「お見事でした☆」
「あー、どうでもいいから寝かせてくれや。目が疲れた」
「うむ。あずみ、直ぐに用意をするのだ」
「お任せください、英雄さまぁあああああああああああああっ!」
一方、Fクラスは―――、
「皆、ごめんね」
「なに、次で勝てばいいんだ。京は良くやった」
「私でもあれは無理な勝負だった。見事だ」
「凄かったわね!って、京、どうしたの?」
「目を使い過ぎちゃって疲れたの。悪いけど目を休ませたいから寝るね」
「やっぱり、かなり大変なんだな。ああ、ゆっくり休んでいてくれ」
那須与一と椎名京は扇子を追い掛ける余りに最大限に視力を使って勝負をしていた。
脳にも負担が掛かるのは必然的で2人は軽く頭痛が起きていた。
「さぁ、S組!誰を指名するか選べ!」
川神鉄心がS組に問い掛ける。S組が指名したFクラスの生徒は―――
「兵藤一誠さんです」
葵冬馬の言葉によって一誠はSクラスになった。
『おっ、Sクラスは一誠を指名したか』
『案の定、やっぱり俺を引き抜いたな。このまま開設させてもらうぞ』
「さぁ!2戦目に突入するぞい!テーマ可憐!
種目は何が出るのか何が出るのか・・・・・これじゃあ!女装化と男装化対決!」
『どっちもあまり経験が出来ない種目だな。さて、SとFから誰が出るかな?』
―――Sクラス
「男装はともかく女装をする男性を誰にしますか?」
「これは葵君が似合いそうですねっ☆」
「私は女性も男性もいけますが、それは男として。自分自身がスイッチヒッターではありません」
「妙なこだわりがあるみたいじゃのう」
「一誠さんにしてもらいたいところですよ」
「「「「「(・・・・・興味ある・・・・・)」」」」」
「しょうがないなぁ。ハリー・ポッチャリに似ている僕が行くよ」
「男は・・・・・まあ、決まりました。残りは男装する女性です。
(せめて、男装で勝たなければ無理でしょうね)」
Sクラスの男子が自ら買って出た。マルギッテ・エーベルバッハは
その男子を見てこの勝負は危ういと感じた。
「ここは義経さんにお任せしましょう」
「よ、義経が!?」
「ふむ・・・・・確かに義経ならばいけそうだな。あずみ、義経をより男らしく仕上げるのだ」
「はい!畏まりました!」
「ま、待ってくれ!義経は―――」
「義経、ここで更に勝たないと一誠さんが取られちゃうよ?」
「い、一誠さんが・・・・・」
「この勝負は一誠を懸けた勝負でもあるんだ。義経、お願い」
「・・・・・分かった。義経は頑張る!」
敬愛している一誠の為、一人の乙女がやる気を出したのだった。
―――Fクラス
「こ、これは誰が行くんだろうね」
「おいおい、愚問だろうがモロよぉ」
「え?」
「こういう時にお前がいるんだろう?な?」
「えええ?ぼ、僕じゃ勝てないよ!」
「いや!俺様が言うのもなんだがいける!」
「なんでよ」
「俺様、中学の時とかたまにモロノ肌とか見ると女っぽくてムラムラしてたからな」
「聞かなければ良かった!」
「教師が口を出す事ではないがな。私も師岡はいけると思うぞ、うん」
「そんな先生まで!」
『卓也ー、俺もお前なら出来ると思っているぞー』
「一誠さんまで!?というか、よく聞こえたね!?」
「うんうん。お兄様も言うんだからモロならいけるよ」
「それで、男装をしてもらうのは誰にする?モロは決まったとして」
「僕は出るとは一言も言っていないよ!?」
「諦めろ、モロ。これも一誠さんを取り戻す為だ。と、うーん、ここはワン子に出てもらうか?」
「私?」
「ワン子しかマシな奴がいない」
あー、委員長じゃまずダメだ。スイーツも男装には不向きだ。羽黒が出たら即、負けちまうな。
板垣兄弟姉妹も微妙だ。ガクトの言う通り、お前達2人なら他の女よりまだマシな方だ」
「・・・・・しょーがないわね。多分似合わないと思うけどやってやろうじゃないの!」
「おう!サンキューな!」
笑みを浮かべて川神一子に感謝の言葉を送る。こうしてSとFクラスから出る生徒が決まった。
『では、私がルールを説明する。一時間で女装&男装しろ。観衆達に審査員に成ってもらい、
どちらが可憐な女子と男性か決着をつける。選手は女装化と男装化する人間のみだ。
メイクアップさせる人間は選手と数えない。クラスの人間なら良いぞ』
「ん!それじゃあアタシ達に任せて!」
「さぁ、モロ。こっちだ!」
「なんかクリス、気合入っているね・・・・・」
『この一時間は小休止とする。待つ間のアトラクションとして―――兵藤一誠に何かしてもらう!』
『・・・・・はい?』
一誠は自分に指を指しながら川神百代を見ると、良い笑顔で川神百代は頷いた。
『いってこい!』
『・・・・・マジかよ。・・・・・じゃあ、その代わりに―――』
『えっ?』
川神百代に顔を近づけた。―――そして、川神百代の唇に自分の額を押しつけた。
『やるからにはそれなりの報酬を貰うぞ?』
「・・・・・」
呆然とする川神百代に笑みながら一誠はグラウンドの中央に移動した。
「・・・・・さてと」
そう言ったその直後、一誠が一瞬で両手に扇子を持って着物を着込んだ状態になった。
「俺の踊りを皆に見てもらおうか。代々兵藤家に伝わる踊りを・・・・・」
バッ!と扇子を開いて一誠はどこからともかく流れる音楽の中で踊り始めた。
―――1時間後
観衆達は一誠の踊りに魅入られていた。力強く、しかし風のように舞い、
どこからか舞い落ちる桜吹雪の中を踊る一誠に・・・・・。
「(一誠さん・・・・・)」
「(なんて素晴らしい踊り・・・・・)」
「(ふぉふぉふぉ。素晴らしい踊りじゃ。何時までも見てみたいと思わせるのう)」
「(本当にお前は凄いんだな・・・・・惚れ直したぞ)」
「(先輩・・・・・!)」
徐に扇子を上に投げ放ったその瞬間、ブワッ!と桜が巻き上がって一誠はその一瞬に元の恰好に
着替え直していた。
「ご静観をどうもありがとうございました」
深々と頭を下げた。一拍して周りから拍手喝采が送られた。
一誠はスタスタと川神百代の隣に戻って席に座る。
『では、一時間が経ったので女装と男装した選手を登場してもらおう。まずは2-Sの女装』
と、一誠が次に進める。そして2-Sの生徒が出てきたが・・・・・会場のリアクションが
低かった。
「くっ、女子達の化粧の方向性でまとまらなかったんだ!」
『はいはい、言い訳は後ほど。次は男装した生徒だ』
男装してきた義経が現れた。同時に観衆達の反応は高かった。
「ううう・・・・・ど、どうであろうか」
『うん、格好良いと可愛いが絶妙に良い感じで出ているな』
『女装をした男子生徒よりも高評価!さて、次は2-Fの女装&男装した生徒の入場だ!』
一拍して、男装してきた林沖が現れた。川神一子の姿を見てギャラリーは感嘆する声を上げた。
『へぇ、いい線をいっているじゃないか?』
『ああ、抱きしめたいぐらいだ!続いては女装をした生徒の入場!』
と、進めるが一向に現れなかった。しかし少しして女装してきた卓也が現れた。
「恥ずかしいなぁ、やっぱり」
―――刹那。
「「「「「「「「「「おおおおおおおおおおおおおおおっ!!!!!」」」」」」」」」」
『大歓声ッ!文句なくF組勝利!』
『まさか・・・・・あそこまであいつが変わるとは俺も驚いた・・・・・』
観衆達から歓声が。師岡卓也は身体を跳ね上がらすが未知なる高揚感に戸惑いながら
川神一子と共にFクラスに戻った。
「さぁ、選ぶがいいF組!誰を指名する!」
「当然、一誠さんだぜ!」
「お兄様、おかえりなさーい!」
『おおっと、F組は兵藤一誠を選んだぞぉ!』
『ははは、俺は人気者だなー』
―――Sクラス
「皆・・・・・すまない、義経の不甲斐なさに一誠さんが・・・・・」
「大丈夫、まだまだ勝負はある」
「それどころか俄然に燃えて来ました」
「うむ!必ずや義兄上を我がS組に戻すぞ!」
「そうだー!一誠を取り戻すんだー!」
「F組の奴等に良い気にさせてはならんのじゃ!次の勝利で兵藤を引き抜くのじゃ!」
「おや、不死川さんが張り切っていますね」
「ま、良いんじゃね?やる気が無いよりはマシだ。―――俺も張り切らせてもらうぜ」
「さぁ!3戦目に突入するぞぃ!テーマは美じゃ!」
と鉄心は「どれどれ・・・・」と箱の中に手を突っ込んで一拍、
「これじゃ!水着コンテストォォォォォッ!」
「「「「「「「「「「うおおおおおおおおおおおおおおおおおっ!」」」」」」」」」」
観衆は大歓声を湧く。
「ディスティニードローがきたよ!」
「モロはディスティニーって言葉好きだね」
「さあ!出す選手を選ぶがいい!」
―――Sクラス
「ここはマルギッテさんか弁慶さんがいいでしょう」
「トーマ、僕はー?」
「今後の為にユキはもう少し待ってください」
「トーマがそう言うならー」
「・・・・・それじゃ、私が行こうか」
「弁慶?」
「一誠さんを取り戻すためにも一肌脱ぐしかない」
Sクラスからは弁慶が出る事に成った。
―――Fクラス
「ここはクリス!お前が行くんだ!」
「わ、私が!?」
「京はもう参加できないからな。ワン子が仮に出れたとしても色々と小さいからダメだ」
ゲシッ!
「小さくて悪かったわね!これから大きくなるのよ!」
「ごはぁっ!?」
身体的特徴を言われ川神一子が島津岳人の腹部に回し蹴りをした。
「ねぇ、ここは私が行った方が良いんじゃないかな?」
「スイーツか・・・・・むぅ、大和どうする・・・・・?」
「いや・・・・・ここは・・・・・辰子に出てもらおう」
「ん~?」
当の本人は立ったまま寝ていた。
「どうして?」
「この中で巨乳だからだ!そして、男は巨乳に弱い!」
「あー、ガクトが言うなら納得だね」
結局、Fクラスから板垣辰子が出る事に成り、武蔵坊弁慶と板垣辰子が水着に着替えるまで
再び小休止となった。
―――数分後
「「「「「「「「「「うおおおおおおおおおおおおおおおっ!?」」」」」」」」」」
サンダルを履いた水着姿の武蔵坊弁慶と板垣辰子がグラウンドに現れた。
観衆から歓喜の歓声が湧いて2人の水着姿に興奮していた。
「では、どちらか美しいのかポーズをしてもらい解説と実況の2人に決めてもらおうかのぅ」
『了解。では、二人ともポーズをしてもらおう。なるべく美しくにな?』
一誠がそう言うと武蔵坊弁慶が両手を上にあげて全身を見せびらかすようなポーズをした。
対して板垣辰子は―――ボーっと佇んでいただけだった。
二人のポーズの判定の結果、武蔵坊弁慶が勝利した。
「勝者、武蔵坊弁慶!さぁ、S組よ。誰を指名するか選ぶがいい!」
「フハハハハ!言うまでもないわ!義兄上―――兵藤一誠奪還だ!」
『・・・・・なんだろう、この体育祭。俺の争奪戦となっちゃいないか?』
『人気者は辛いなー♪」
―――Sクラス―――
「よし、一誠を取り返したぞ」
「フハハハハ!あずみ、このまま行くぞ!」
「かしこまりました、英雄さまぁ!」
「一誠さんを守り切る!」
「おー!一誠は僕たちのものだー!」
「悪いが、このまま勝たせてもらうぜ?」
「はい、私は誰であろうと負ける訳にはいきませんからね」
一誠を想う者達が奮起する。そんなSクラスにFクラスの士気は下がっていった。
「それでは第4戦!テーマは知力&遊び心。勝負方法は・・・・・神経衰弱!」
―――Sクラス
「トランプ・・・・・ふふっ、大和君と何時ぞやトランプで対決しましたね」
「というと?」
「ええ、私が出ましょう。知力なら負けません」
「トーマ、頑張ってねー!」
「我が友、トーマよ。しっかりな」
「葵君、頑張って!」
―――Fクラス
「神経衰弱か・・・・・」
「あれって記憶力と運だよね」
「運・・・・・運なら俺たちに豪運の持ち主がいる!」
「キャップ!貴方が出なさいよ!お兄様が奪われたんだから!」
「しょうがねーなー。俺は最後に出たかったんだが・・・一誠さんをまた取り戻してやるぜ!」
「頑張るのだぞ、キャップ!」
「おう!任せな!」
川神鉄心の集合の掛け声に冬葵馬と風間翔一がグラウンドに置かれたテーブルと席に近づく。
「やはり、貴方が来ましたか」
「ああ、この勝負に勝って一誠さんを引き抜かせてもらうぜ」
「運だけ生き残れるとは思わないでくださいよ?」
「俺は俺だ!俺の生き方は俺が決める!」
「それでは両者、最初にトランプを捲る者を決めよ」
「お前からでいいぜ」
「・・・・・いいのですか?」
「どちらにしろ、トランプを捲るのは変わりないからよ」
風間翔一の言葉に葵冬馬はしばらく考えた後、首を縦に振って肯定した。
「分かりました。では、先に捲らせてもらいます。
(学長がいる手前で小細工はできませんね・・・・・)」
「では、葵冬馬よ。カードを捲るがいい!」
川神鉄心の催促に1枚のトランプを冬馬は手に取って―――捲った。
―――数分後、
「―――勝者、風間翔一!」
「よっしゃああああああああああああああああああっ!」
「「「「「「「「「「うおおおおおおおおおおおおおっ!」」」」」」」」」」
「・・・・・流石に豪運の持ち主との勝負は無謀でしたね」
苦笑を浮かべる葵冬馬。トーマの手元に少しだけ束ねられたトランプのカードがあったが
対して風間翔一の手元には見事なまでに同じスートを捲りあげた多く束ねられたカードが
置かれていた。
「さぁ、F組は誰を指名するのかな?」
「それは勿論、我等が一誠さんだ!」
『はぁ・・・・・またか』
またしても指名され一誠は苦笑を浮かべていた。
「さぁ!2勝2杯の好勝負!いよいよこの5戦目で決着じゃ!」
『―――その5戦目の勝負、俺が考えたもので実施してくれないか?』
「むっ・・・・・?」
不意に一誠が川神鉄心にそう提案を投げ掛けた。突然の一誠の提案に川神百代や観衆、
S組とF組のメンバー達が騒然としだす。
「兵藤、おぬしが考えたものとは一体どういうものじゃ?」
『なに、簡単なゲームさ。チェスをするんだ』
「チェスじゃと・・・・・?」
『だが、ただのチェスではないぞ?―――人間がチェスの駒と成って相手と競うんだ』
一誠の言葉に鉄心だけではなく。全校生徒や教師までもが目を大きく見開いた。
その後、一誠が考えた勝負の説明が始まった。「王」、「女王」、「戦車」、「僧侶」、
「騎士」、「兵士」の6種類の駒に役割があるチェスの特性を取り入れた
勝負―――自らチェスの駒として戦場に立ち対戦相手の駒と戦う勝負。「兵士」の駒は
相手の重要な場所、つまりは本陣に辿りつけば「王」以外の「女王」「戦車」
「僧侶」「騎士」の駒に「プロモーション」できると。
「チェスと変わらないですね」
「だけど俺達がチェスの駒としてF組と戦うとしたら他の駒の特性は何だろうな」
さらに一誠は他の駒の特性を説明する。「戦車」の駒の特性は防御力と攻撃力重視。
攻撃力が上がると同時に防御力が上がる駒。「騎士」の駒の特性はスピード、
つまりは速さを重視した駒。
「翔一だったら間違いなく選びそうだ」
「どうでしょう、『王』の駒を選ぶ可能性もありますよ」
「僧侶」の駒の特性は魔法を駆使する事が出来る駒。
「へぇ、それは凄いな」
「魔法を使えるようになるの?」
「魔法少女に成りたかったっていう人にとっては夢が叶いますね」
「女王」の駒の特性は「兵士」と「騎士」と「僧侶」と「戦車」、全ての力を兼ね備える駒。
「最強の駒と言えるでしょうね」
「あの駒を選んだモモ先輩は鬼に金棒だぜ?絶対に負ける」
最後に残った「王」の駒の特性は―――特にないと一誠は言った。
「「「「「「「「「「ないのかよ!?」」」」」」」」」」
『まあ、「王」はそのチームの象徴と成る存在だ。「王」を取られた時点で敗北だ。
もう一度言うがチェスは「王」、「女王」、「戦車」、「僧侶」、「騎士」、「兵士」の
6種類の駒、計16の駒で相手と戦う。鉄心、どうだ?俺の考えた勝負は』
「ふむ・・・・・中々面白そうじゃが・・・・・それをする準備はないぞい?
その勝負をする場所も決めておらんしのぅ」
『それなら大丈夫。こっちで既に準備をしているから後は誰がこの勝負に参加するか、
どの駒に成るか決めればいいだけだ』
「準備が良いのぅ・・・・・もしや、最初からそうするつもりでいたのか?」
『勿論!あっ、4回戦まで参加した奴等も参加もしていいぞ。
―――というかだな、4回戦までの勝負は俺にとって茶番に過ぎないものだったからな。
本気でSクラスとFクラスと決着をつけたいのならこの勝負で全力を出して戦い白黒ハッキリと
すればいい』
不敵の笑みを浮かべる一誠の言葉にSとFのクラスメートは沈黙した。
―――Sクラス。
「さて、一誠さんが考えた勝負・・・・・確かに今までの勝負は茶番にしか過ぎないもの
だったかもしれません。私達があの勝負で納得するとは思えませんからね」
「義兄上は面白い勝負を提案してくれる。自ら駒として戦場に立つとは・・・・・」
「義経達も参加しても良いと言ってくれた。義経はこの勝負をして見たいと思う」
「2勝2敗・・・・・これが最後の勝負だと思うとかなり面白いな」
「戦場を駆けれるなら私は参加したい」
「英雄さまをお守りするのは私の務めです!」
「ウェーイ!僕も参加するー!」
「では、我とあずみ、我が友トーマに準とユキ、マルギッテと義経、弁慶、与一、心、
後はS組選り抜きのスポーツ選手でいいだろう」
九鬼英雄の選抜の声に葵冬馬達は首を頷いた。
―――Fクラス
「良いタイミングで軍師が戻ってきてくれて良かったぜ」
「『王』って当然、一誠さんよね?」
「おうよ!あの人がお前等のリーダーだからな!」
「Sクラスの『王』は絶対に九鬼だよね」
「お互い誰が『王』になることが分かりやす過ぎるぜ」
「大和。誰を一誠さんが考えた勝負に出すんだ?」
「一誠さんとオーフィス、俺、キャップ、岳人、モロ、ワン子、クリス、京は当然として。
板垣兄弟姉妹も参加させるつもりだ。・・・・できればまゆっちやモモ先輩も
参加してもらいたいところだが無理―――」
『それと助っ人が欲しい場合は指定された人数まで呼んでも良いぞ』
一誠から付け加えられたその言葉を聞いて―――。
「姉さんとまゆっちを今すぐ呼べぇぇぇええええええええええええ!」
「風の如く連れて来てやるぜぇ!」
「ヒュームと信長、清楚を呼んでくるのだ!」
「お任せ下さいませ、英雄さまぁ!」
ドヒュン!と、忍足あずみと風間翔一は直江大和と九鬼英雄の指示に探し人を
求めて自分のクラスからいなくなったのであった。