真剣で私にD×Dに恋しなさい!S改 完結 作:ダーク・シリウス
体育祭二日目、川神市 川神湾で水上体育祭をするのだが・・・・・。川神学園二年F組に一誠と
オーフィスの姿がいない。一誠を慕う直江大和達は一誠がいないことに何ともいえない
気分になっていた。しかし―――。
「・・・・・あの一誠さん」
いや、正確にはいた。そう―――。
「その美少女と美女の人達は一体誰なんですか!?」
島津岳人が血の涙を流す程、一誠に問い詰めた。当の一誠は蒼天のメンバーと海水浴をしに
学校をボイコットしていたのだった。
「蒼天の東西南北の区の王とその部下だ」
「いやいやいや、どうしてその人達と一緒にあなたがここにいるんですか?」
「毎年この日ぐらいには、ここで海水浴をするんだ。今年も変わらずここで海水浴をするつもりで
きたんだ。悪いが学校の行事より、家族との交流、絆を深める方が大事でな。んで、サボった」
「なんちゅーフリーダムなヒトなんだろうか」
「俺は旅人だからな。つーか、翔一だってそうだろう」
「ドヤ顔で言わないでください。・・・・・まあ、キャップに関しては同意ですけど」
「ま、そう言うことだ。そっちはそっちで楽しめ」
話は終わりとばかり、一誠は蒼天のメンバーを少し離れた場所にまで引き連れて各々と
日除けのパラソルを素早く準備し、準備が終えればビーチボールを持って家族達とビーチバレーを
し始めた。その様子を見る直江大和達は、
「全員が女性って・・・・・あの人、ハーレムを築いていたんだな」
「本人は家族と言っているけどね」
「傍から見ればどう見たってハーレムだぞぉ・・・・・・っ!」
「ガクト、何時まで血の涙を流しているのよ」
「しかし、不謹慎ではないか?いくら家族との交流を深めるとはいえ、学校を休んだどころか、
堂々と私達の目の前で遊ぶとは」
「いいんじゃねーの?俺だったらバイトするけどな」
「キャップらしい発言だ」
―――Sクラス――
「何時ぞやの雪蓮という女性がいるな。ならば、あの者達が蒼天の・・・・・ということだな」
「美しい人達ばかり囲まれて一誠さん、羨ましいです」
「幼女が一人・・・・・幼女が二人・・・・・幼女が三人・・・・・」
「トーマ、このハゲが目を血走って壊れかけているのだー」
「元々壊れているんじゃなかったの?」
「こら、弁慶。失礼なことを言ったらダメだろう」
「・・・・・強そうな人達ばかりですね。何時か、手合わせを願いたいものです」
と、雑談したのだった。学園側の水上体育祭が行っている一方、一誠達は楽しそうに遊んでいた。
「イッセー、サンオイルを塗ってちょうだい♪」
「んじゃ、寝転がれ。塗ってやる」
「ありがと♪」
徐にパラソルの下に敷いたブルーシートに寝転がって、胸を覆うビキニを外して無防備に
褐色肌の背中を一誠に晒した。
そんな女性、雪蓮の背中にサンオイルの液体を塗りたくった両手で触れ、
背中全体に広げコーティングするのだった。
「一誠、今度は私も頼むわ」
「一誠さん、私もお願いしまーす♪」
「分かったよ。もう少しだけ待っていろ」
『・・・・・』
「お前らもだ」
二人の少女だけじゃなく、羨望の眼差しを向けてくる蒼天のメンバー苦笑いを浮かべ、
「これは時間が掛かるな」と思った一誠だった。それから時間を掛け、サンオイルを塗って欲しい
メンバーを塗り終えて、オーフィスが目隠しをして、スイカを割ろうとしていた。
ドッパァアアアアアアアアアアアアアアアアァンッ!
見事にスイカが割れた。真っ二つの砂浜の痕跡を作って。
それには一誠達は苦笑を浮かべるしかできなかった。昼頃になると、巨大なパラソルの下で、
各々と今日の為に作った弁当を大量に広げて―――。
「先輩、ご一緒に良いでしょうか?」
「おー、可愛い子ちゃんが一杯だ!」
「お邪魔しまーす!」
織田信長、川神百代、松永燕がやってきた。少し遅れて、直江大和達もやってくる。
「お久しぶりです。川神百代」
「おー、凪じゃないか。・・・・・どうやら強くなっているようだな?」
「はい、一誠さまに鍛えられているので」
「雪蓮!今度もう一度勝負しましょうよ!今度はアタシが勝つわ!」
「はいはい、また何時かね?」
「紫苑さん!どうですか、俺様の肉体美は!」
「あらあら、逞しく鍛えた肉体ですわね」
「(これは・・・・・もしかしたら脈ありか!?)
紫苑さん、もしよければ俺様と付き合って―――」
「ごめんなさい。私にはご主人様がおりますので」
「・・・・・ぬおおおおおおおおおおおおおおおおん・・・・・・」
と、色々と雑談して賑やかな昼食となった。
―――???―――
「・・・・・蒼天の重臣タチヲ肉眼デカクニン」
『了解。タダチニ作戦ヲ開始セヨ』
一誠達はすぐそこまで迫っている影にい気付かずに―――。
―――○●○―――
午後の水上体育祭の競技が始まった頃、蒼天のメンバーは午前に遊んだ疲れが出たようで、
何人か静かに寝ていた。まだ元気が良い者達は砂浜で城を作ったり、
パラソルの下で本を読んだり、仲間と雑談をしていた。
一誠はパラソルの下でオーフィスとのんびり寛いでいた。
「今年も前回と変わらず楽しかったな」
「そうですね。また来年も皆とこうして楽しく過ごしたいですね」
「ああ、そうだな」
隣にいる西区の王、桃香の言葉に頷く一誠はどこまでも続く青い空を見上げた。
「来年も・・・・・か」
「一誠さま?」
「来年もその二年後もずっと・・・・・変わらないよな」
「はい。勿論ですよ♪」
遠い目で空を見上げた一誠が発した言葉に桃香は笑顔を浮かべて頷いた。
が、一誠が言った言葉の裏には気付くことはなかった。
バラバラバラバラッ!
突如、青い空に無数の黒い物体が騒音を鳴り響かせて一誠達の前に現れた。
「な、なにっ!?」
「九鬼家の・・・・・ヘリ?いや、違うな。
―――こんな悪意や敵意を感じさせるような九鬼家の従者はいない」
黒いヘリコプターから武装を装備した黒ずくめが現れ―――砂浜で遊んでいた鈴々や瑠々に
銃を突き付けた。その行動に一誠の目が据わった。
「やろう、そう言うことか・・・・・」
「一誠!」
呼ばれて振り向けば黒ずくめに銃を突き付けられている蒼天のメンバー。
自分の得物を持ってきていないため、反撃するにも相手が銃ではいくら一誠に鍛えられているとは
いえ、こうも周りから銃を放たれては回避や対処が難しくなる。
ガチャッ。
一誠に向けて銃を突きつける中年の男性。他の黒ずくめとは威圧感が違うと、一誠は理解し、
隊長格なのだと認知した。
「さて、あそこにいる九鬼家の御曹司じゃなく俺達に直接これを向けてくるとは
どんな理由か聞かせてもらっても良いか?」
「蒼天ノ重臣ヲ我ガ国ニ招待デアル」
「招待、ねぇ・・・。それにしては物騒な物を装備し、尚且つ脅迫な出迎えとは恐れ入る。
お前達の国の挨拶のマナーにはな。それが流行なのか?」
「我ラト同行シテモラウ。サモナクバ、コノ場ノ者達ヲ皆殺シニスル」
「殺す?俺の家族をか?」
「―――先輩っ!」
織田信長が異変に気付きやってきた。武の心得がある者達も一緒に。
「来るな。こいつは俺達の国の問題だ」
「ですがっ!」
「今の俺は川神学園の生徒じゃない。蒼天の中央区を統べる王だ。―――黙ってみていろ」
「―――――っ」
そう言われて、拳を強く握りしめ、歯を食いしばる織田信長。
国と国の問題なら迂闊に自分は手を出せれない。一誠の言う通り、ここは見守るしかできない。
歯痒い思いで織田信長の視線は一誠と黒ずくめの一人を向けられる。
「おとーさん!」
「お兄ちゃん、そいつらの言うことを聞くのはダメなのだ!」
二人の黒ずくめに銃を突きつけられている鈴々と瑠々が叫ぶ。
「大人シクシテイロ!」
「うにゃっ!?」
「あう!」
背中から踏まれて砂浜に這いつくばる。自分の娘を呼ぶ紫苑の悲鳴と殺意と敵意を向ける
蒼天のメンバー達。
「おい、あんな扱い方をするな」
「スマナイ、彼ハ子供ガキライデネ。アアヤッテ、子供ヲイタブルノガ好キナノダ」
「いやっ!放して!」
「っ!?」
悲鳴が上がった。そっちに振り向くと、雪蓮と似た少女が背後から黒ずくめの一人に褐色肌で
豊満な胸を揉まれていた。
「隊長ォ、コノガキモ連レテイイッスカネ?」
「貴様・・・・・ッ!」
雪蓮が激しく瞳を鋭くさせて睨んだ。だが、首筋に銃を突きつけられ、
屈辱に満ちた表情を浮かべる。隊長格の中年男性は溜息を吐く。
「作戦ガ成功シタラ好キニシロ」
「ヘヘヘ、アザーッス。コンナ極上ノ女ヲ犯スノハ久々ダ。
オ前、ターップリト可愛ガッテヤルカラナ」
「ひっ!」
「ソノ前ニチョットダケ、味を堪能―――」
ドッ―――!
「ア?」
黒ずくめの一人の首が宙に舞った。
「アレ、ドウシテ俺ノ身体ガアソコニ?」
ガシッ!と首だけの黒ずくめの頭が誰かによって掴まれた。
「―――俺が斬ったからに決まっているだろうが」
次の瞬間、トマトを握り潰すような音が砂浜に響き渡った。
「ナッ―――!?」
その原因は、少女を辱めていた男にまで伸びた龍の腕の一誠だった。
「一誠・・・・・?」
「もーいいや。ただの脅迫だけなら、警察に突き出そうかと思ったけど・・・・・流石に
俺の家族に手を出すんなら―――殺すしか無いじゃないか」
一誠の瞳に光が無い。どこまでも黒く、常闇にいるかのような感覚を覚えさせる。
「オノレッ!」
一人の黒ずくめが一誠に向かって発砲した。
―――だが、一誠の姿が虚空に消え、銃弾が砂浜に直撃するだけだった。
「ド、ドコニ・・・・・!」
「―――ここだ」
ドッ!と銃弾を発砲した黒ずくめの腹から真紅の槍―――自分の血で濡れた一誠の腕が生えた。
「お前ら全員、この場で殺す。いいよな?死ぬ覚悟で銃を持って俺達に突き付けたんだ。
文句は言わせん」
「ガ・・・・・ハ・・・・・ッ!」
「さあ・・・・・楽しい狩りの始まりだ。狩るのが俺で、狩られるのはお前達だ。
精々、一分一秒まで生き延びろよ?」
―――それから、砂浜は地獄絵図、阿鼻叫喚と化となった。数が有利なはずの黒ずくめ達が一人、
また一人と一誠の手によって命を狩られる。蒼天のメンバーに銃を突き付ける者がいると、
一瞬で両目を抉られてそのままにされる。後に手足をもぎ取られて殺されたのだった。
「チ、チクショウ・・・・・ッ!」
一人の黒ずくめが―――自棄になったのか、源義経の方に向かって駆けた。
その手には安全ピンを抜いた手榴弾。
「アイツニ殺サレルグライナラバ、ダレカヲ道連レニシテヤル!」
「・・・・・・」
その様子を見ていた一誠が、フッと源義経の前に現れると、足元の影から黒い巨大な大蛇が現れて
黒ずくめの全身に巻き付け―――骨という骨を全て砕き、頭から丸呑みしたのだった。
ご丁寧に手榴弾を空に弾いて。
「義経、怪我はないな?」
「う、うん・・・・・大丈夫だ」
空が爆発音を響かせる中、隊長の中年男性を残して全員が死んだ。
「最期に言い残すことはあるか?」
そう隊長に言う一誠。赤く濡れた両手の先からポタポタと血が垂れる。
一人だけ取り残された隊長は死を悟った。どう足掻こうが、
目の前の化け物から逃れられることはできないと―――。
「―――殺セ」
「ふん、泣き喚くかと思ったらそれが最期の言葉か。―――つまらないな」
ドゴンッ!
深く隊長の腹部に拳を突き刺した。
「が、殺しはしない。お前から色々と聞かないといけないからな」
敢えて殺さず、生け捕りにした一誠。隊長が倒され、血塗れの一誠しか佇んでいなかった。
「お前ら、大丈夫か?」
「え、ええ・・・・・大丈夫よ」
「そうか、よかった。誰一人死ななくてさ」
パチンと指を弾いた一誠。一拍して、死んだ黒ずくめの全身が燃えだして、
あっという間に灰と化となった。
死体処理を終えると、気絶させた隊長を担いで蒼天のメンバーに告げた。
「家に帰るぞ」
虚空に穴が開いた。その穴には別の町の風景が映っていて、
それは直江大和達が一度だけ訪れたことがある中央区の建物だった。
「―――待て!」
蒼天のメンバーが穴の中に潜っていく最中、呼び止める声が掛かった。
その声に反応して一誠は振り向く。
「なんだ、クリス」
「お前・・・・・どうして人を殺した!何も・・・殺すことではないはずだ!」
「相手は俺達の国、蒼天を脅かす国の手先だぞ。しかも、俺の家族まで手を出した。
やられる前にやる、常識なことだろう?」
「お前ほどの実力者ならば、殺さずに生きたまま倒せたはずだ!なのに何故なのだ!」
「・・・・・」
クリスティアーネ・フリードリヒの問いに溜息を吐いた。そして口を開く。
「じゃあ、お前は自分の大切な者を殺されて何とも思わない薄情者か?」
「な、なに・・・!?」
「俺は大切な家族を守るために敵を殺した。それだけだ。敵に容赦をするつもりもないし、
する気もない。大切なモノを守るためなら何だってする。絶対だ」
黒ずくめ達を乗せていたヘリは空の向こうまで飛んで行った。―――そのヘリに手を突き出した。
「こうやってな」
手の平から膨大な質量で灼熱の炎が出てきた。奔流と化となり、
渦巻のように逃げるヘリに向かって行く。
その炎にヘリは飲みこまれ―――鉄が溶け、全てが燃え、跡形もなく消失したのだった。
「―――――!?」
「俺から逃げようなんて無理な話だって。逃げるぐらいなら襲いかかってくるなっつぅーの。
そう思わないか?マルギッテ」
「・・・・・っ」
急に話しを振られ、マルギッテ・エーベルバッハはどう答えようが分からない。
しかし、敵を容赦しないその気持ちは賛同すると沈黙で堪えたのだった。
その時、クリスティアーネ・フリードリヒは言った。
「お前は・・・・・正義じゃない」
「正義?俺が?」
「違う、お前は悪だ・・・・・お前は人の皮を被った悪魔だ。
人の命を軽々しく思っているようなお前を私は認めん!」
「・・・・・」
「いや、それ以前に人とは異なる力を有している。
狼男になったり、吸血鬼になったり・・・・・お前は人間じゃない!ただの化け物だ!」
そう言われ思わず自嘲の笑みを浮かべる。それについては同感だ。肯定だってする。
化け物と呼ばれるのは必然的であろう。と、
「ああ、そうだな。俺はただの人間じゃない。流れる血は赤いけど、
俺は他の奴らより異なる存在だ。それだけは確かだ。だがな―――それがどうした?」
「なに?」
「俺が他の人間に迷惑を掛けるようなことは一切したことはない。
力を隠していたのは使う機会がないのが大きな理由だ。
それに、俺が人と異なる力を有していることを知っても変わらず接してくれる存在に
何時か教えるつもりでもあった」
徐に直江大和達を見渡す。
「お前らはこんな俺をどう思っている?怖いか?
それとも、俺を化け物だと思っている?正直に言ってくれ」
『・・・・・』
「まっ、聞いたところで何にも変わらないか」
踵を返して、穴に潜ろうとする。そこで、足を停めた。
「今回の件で気付いた。俺達がいるとお前らに迷惑が掛かると、だから・・・・・」
尻目で直江大和達を見詰める。
「身勝手だが、今日限りで俺達は退学する」
『はっ!?』
「二度と会うことはない―――何て言わない。数年後ぐらいになればきっと会えるだろうしな。
それまでさようならだ」
それだけ言い残して、一誠は穴の中へ潜った。
絶句と呆然の状態の直江大和達に一人だけ残ったオーフィスが言った。
「じゃあね」