真剣で私にD×Dに恋しなさい!S改 完結 作:ダーク・シリウス
百代たちが蒼天に侵入してからというものの、自分たちを捕縛しようと蒼天の警備員たちが
探す気配をしないことに不気味にも感じた頃、敢えてそうさせているのか百代たちは何の障害も、
問題もなく一誠がいるであろう中央区に存在するとある建物に辿り着いた。百代や信長、
気を扱うに長けているメンバーが一誠の気を頼りに目の前の建物まできたのだった。
「前回来た場所の表・・・・・?」
「にしても、小さくねぇか?」
「だが、一誠の気はここから感じる」
「じゃあ、ここにお兄さまがいるんだね」
一行の胸の奥に秘めた思いを一誠にぶつける。
そのために蒼天にとって犯罪を犯してまで国外侵入をしたのである。緊張を張り詰め、
建物の中へと侵入する。建物に侵入した百代たちを出迎えたのは、なんと―――金色の世界だった。
「黄金!?」
「うわ・・・・ピカピカ」
「ちょっと待って。いくらなんでもこれは―――」
師岡卓也が危機感を覚えた時。ズン、と大きな足音が聞こえた。
一行はその音の方へ振り向けば、動く黄金の人型が多数視線を向けていた。
「黄金の人形・・・・・!?」
刹那。黄金の人型たちが一斉に百代たちの方へ駆けだした。
「川神流、星殺し!」
が、川神百代の必殺技の前では呆気なく破れた。全身の半分以上も失い、崩れ落ちたのだった。
「呆気ない」
「というか・・・・・ここどこなのよ?蒼天の町に私たちはいたじゃない」
川神一子の疑問は皆の気持ち。それには一行も首を傾げた。しかし、その疑問を応えてくれる。
『―――ここは蒼天の上空に浮かぶ浮遊大陸の一つですよ』
空から降ってきた巨大な金色のドラゴンが。
「金ぴかのドラゴンッ!」
『あなたたちを主に会わすわけにはまいりません』
開口一番にそう言われ、葉桜清楚が食って掛かる。
「どうして!私たちは一誠さんと話がしたいだけよ!」
『主がそう願っているからです。ならば、その願いを我らが叶えるまでです』
我ら?と、思った一行の矢先、金色のドラゴンの他にも巨大なドラゴンたちが現れ出す。
『それでも主に会いたいのであれば、我らに力を見せてもらいましょう。あなたたちの力を』
川神百代たちは目を大きく見開く。ドラゴンと戦ったことがある者は少ないく逆に多い。
自分の力でドラゴンの体に傷つけれるとは不可能に近い。それは四天王クラスではない限りでだ。
『グハハハハ!死んでも恨むなよぉっ!』
最初に動きだしたのは浅黒い鱗に覆われた巨人型のドラゴン。
ギラギラと殺意が秘めた双眸で巨大な拳を振り下ろしてきた。
「はあああああああああっ!」
織田信長が拳を龍化にして巨人型のドラゴン、グレンデルの拳とぶつけ合う。
拳から伝わる感触に狂喜と歓喜
が混じった笑みを浮かべ出すグレンデル。
『いいねぇいいねぇ!お前、殺し甲斐があるじゃん!他の奴らも皆殺しだ!』
「そうはさせるかっ!」
川神百代は空を蹴り、グレンデルの顔面に拳を突き付けた。硬い感触、これが一般人の拳だったら
逆に拳を痛めつけていたに違いない。川神百代の一撃は様々な有名な武道家や格闘家を一撃で
倒してきた。しかし、今回の相手はドラゴン。
『グハハハハッ!この痛みは最高だぁっ!』
逆にグレンデルは嬉々としてダメージを受け、
川神百代へ拳を振ったが空を蹴って距離を置かれたので空振りする。
「嵐脚ッ!」
九鬼揚羽が爆発的な脚力で鎌風を呼び起こし、鎌風は真っ直ぐ鋭利な真空刃として
グレンデルの体に直撃する。
それでも、苦痛を感じる事より喜びの方が上回っているグレンデルだった。
『そうそう、もっと攻撃して来いッ!まだまだ殺し合いは
始まったばっかりなんだからよォ!』
「っ・・・一誠はどうやってこんなドラゴンを、ドラゴンたちを手懐けておるのだ・・・!」
恐れ戦く九鬼揚羽。四天王クラスとはいえ、確実にドラゴンと戦えるのは川神百代と
織田信長ぐらいだろう。
一誠から技を伝授してくれたからと言っても所詮は人間を留まらせるだけの技。
化け物染みた技など今の九鬼揚羽には無い。そんな時、奇妙なことを言い出すグレンデル。
『この世界はちったぁ楽しいぜっ!なんたって責めてきた人間どもを
殺して良いってあいつが言うんだからよォッ!』
「この世界?」
まるで違う世界から来たような言い方にも感じる。
『おら、もっと殺すか殺されるか、互いを潰し合う死合をしようぜ!
この世界の川神百代ぉっ!』
腹を膨張させ、口から巨大な火炎球を吐きだした。
その先に、一ヶ所に集まっている直江大和達の方だ。
「言っている事とやっていることが違っているじゃないかっ!」
仲間を、家族を守るため火炎球の前に移動し、
極太のエネルギー砲を放って火炎球を吹き飛ばしたその直後。巨大な体にも拘わらず俊敏の動きで
川神百代の背後にグレンデルが音もなく現れて真上から拳を振り下ろした。
ドッゴオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオンッ!
『グハハハハハッ!ペチャンコになりやがれ!』
続いて足で何度も踏み続けた。普通の人間ならば、これだけで死亡が確定。
足で川神百代がいるであろう場所に踏み続けていると、足から大爆発が発生した。
爆風で足が一瞬だけ浮いて足と地面の間から影が出てきた。
「こ、この野郎・・・・・かなり痛かったぞ」
白い制服の至るところに血が滲ませていた。顔にも頭から血を流していた痕がある。
細胞を活性化させて回復させる技を使用したと見受けれる。
「はぁっ!」
燕の如く、俊敏な速度や動きをする織田信長がグレンデルの顎の下から拳を打ち上げた。
上半身がのけ反り、後ろに倒れるかと思えば、足に力を籠めて踏ん張り、
のけ反った上半身を前へ戻すだけじゃなく、織田信長に頭突きまでした。
「ぐっ!」
『ハッハーッ!良いパンチだなぁっ!伊達にあいつの血を受け継いでいるわけじゃないな!
でもよぉ?言っておくが、俺はしぶといぜ?体の半分が吹き飛んでも、
首だけになっても俺は戦い続けるからなぁっ!』
その異常なしぶとさに直江大和達は畏怖の念を抱いた。そんな相手をどうやって倒せれるんだと、
誰もが心の底から思った。
「ド、ドラゴンって怖いわ・・・・・!あんなの、どうやって勝てばいいのよ・・・・・!」
「そもそも、ドラゴン相手に俺様たちが勝てるわけねぇ!
一誠さんのような化け物染みた奴じゃなきゃ無理だろう!」
「蒼天・・・・・このドラゴンたちの存在で数十年のも間、完全に侵略されなかったわけだな」
各々と口にすると金色のドラゴンが目を輝かせた。直江大和達の目の前に魔方陣が出現した。
『死にたくなければその魔方陣に入りなさい。
直接、あなた方の学園に繋げておりますので帰りますよ』
「なっ、本当かよ」
『ただし、その魔方陣に入った瞬間、主と再会は難しくなるでしょう。
今度は蒼天全体を結界で囲み、鳥一匹でも侵入を許さないようにしますからね』
そう言われ、全員は目を丸くした。織田信長が言っていた
金色の結界が今回張られていなかったのは、自分たちが訪れてくることを
予想していたから結界を張らなかった、と知的の直江大和と葵冬馬が予想した。
『選択を与えます。死を望みますか?生を望みますか?生を望むのであれば
主と再会はいつか必ず訪れるでしょうが、
死を選べば確実に二度と主と再会を果たせなくなりますが―――あなた方はどちらを選びます?』
その選択はある意味、今まで生きてきた人生の中で究極の選択肢だったかもしれない。
「・・・・・どうする?大和」
「生を選べば一誠さんとはいつか必ず会えるって言っているぜ・・・・・」
「流石に死ぬのは勘弁・・・・・それで一誠と会えなくなるなら尚更」
この場の雰囲気が生に執着していることに肌で感じ取れる。しかし、一人だけ違った。
「私は生も選ばず、死も選びません」
織田信長が真っ直ぐそう言い切った。自分の信念を曲げないとばかりに、グレンデルを見据える。
背中に生えているドラゴンの翼が刃物状に変え―――。
「私は私を邪魔するものを倒して先輩のもとへ行きます!」
グレンデルへと飛行する。グレンデルも織田信長を殴ろうと拳を突き出した。
しかし、標的が小さく俊敏な動きをする織田信長に当たらず、懐まで接近を許してしまい―――。
「はぁっ!」
浅黒い首を鋭利な翼で一閃―――!
『・・・・・』
尻目で織田信長へ目線を向ける。沈黙が場を支配する。
しかし、グレンデルが口の端を吊り上げて哄笑しだした。
『グハハハハハッ!』
「・・・・・」
浅かったか?織田信長はグレンデルに振り返る。
『―――認めてやんよ。お前はあいつの血を受け継いでいる人間だ。
俺をこんな風にしたんだからな』
ズッ、とグレンデルの首が横にずれて地に沈んだ。首から下までの体はその場で倒れる。
『おい、誰か俺の頭を持って体とくっ付けてくれや』
普通の生命体なら絶命しているはず。それなのにグレンデルが平然と言葉を口にしていたことに
直江大和達は再び恐れ戦く。グレンデルにそう言われ、呆れと溜息と共に介護しようと
二体のドラゴンが動きだす。
『・・・・・』
その最中、金色のドラゴンが目を輝かせた。織田信長の全身が光に包まれる。
『あなたは合格です。主のもとへ転送しましょう』
「えっ?他の皆さんは・・・・・」
『主と共に歩む覚悟がない者に会わせる訳にはいきません。
これは私の独断で、後で主に飽きられるでしょうが』
金色のドラゴンが苦笑を浮かべる。光に包まれている織田信長は―――光と共に弾けた。
そして、織田信長一人だけどこかに転送された。とある生活感がある部屋だった。
人が暮らすに必要な生活用品が全て揃っていて、
「すぅ・・・・・すぅ・・・・・」
「―――――っ!」
ドキッ!と織田信長の胸が、心が高鳴った。
―――一誠がベッドでオーフィスと共に寝ているからだ。(オーフィスは一誠の腹の上)。
蒼天の王の一人として多忙な時間の合間に休憩と兼ねて寝ているのか、
織田信長の存在に全く気付かず静かな寝息を立てて寝ていた。
これでも一誠の背後を取ったことがあるため、気付かれずに近づくことが密かな自慢。
そっと、音を立てず、寝ている一誠の寝顔を見詰める。
「(か、可愛い・・・・・)」
きっと一誠の寝顔を見たのは自分が初めてかもしれない。
そう思うと優越感が湧いて、何時までもじっとこのままの時間が続けばいと思った。
慈しみが籠った瞳で寝ている一誠を眺め続けることしばらくして、
「・・・・・オーフィスがお腹の上で寝ている」
ならば、一誠の左右は当然空いている。言わば、最後の特等席とも等しい光景。
思わずゴクリと唾を飲み込んで、体を動かした。
「(私も・・・・・先輩と一緒に・・・・・)」
本来の目的をすっかりどこかへ追いやって、目の前の羨ましい光景に自分も混ざろうとした。
ブオンッ!
「っ!?」
敵意と殺意が籠った一撃が、織田信長の背後から襲った。
翼で交差するようにその一撃を防いで尻目で背後を見た。
「貴様・・・・・無断で一誠さまの部屋に上がり込んでいるとはいい度胸ではないか」
「あなたは・・・・・」
「―――私の至高の一時を邪魔する者は容赦しない!
一誠さまの寝顔を見ていいのはこの私だけだ!」
「―――――」
艶のある黒髪をポニーテールのようにサイドで結んでいる少女―――愛紗がずれた言葉をハッキリと
告げた時、自分の中でカチリと何かのスイッチが入った。
「ズルイです。私も先輩の寝顔を見たいどころか一緒に寝たいです」
「それも許さん。一誠さまとの添い寝は誰もが体験したいことだ。
わ、私だって・・・・・本当なら毎日して欲しいぐらいなんだぞ」
「・・・・・取り敢えず、武器しまったらどうです?先輩が起きてしまいますよ」
「安心しろ。一誠さまは親しい者以外近づかなければ起きないのだ。
逆に親しいものが傍にいても寝続ける」
彼女の言い分が正しいのであれば、いまでも一誠は眠り続けていると言うことになる。
その証拠とばかり、徐に愛紗が一誠に近づき、頭を触れだした。
「一誠さまはとても敏感な方だ。常に回りを警戒しておられる。
寝ている時が唯一、警戒を解いて自然体でいてくれるのだよ」
「・・・・・」
「自分の命を、私たちの命を脅かす敵は傍にいると、以前そう仰ってくれた。
それは人だけ限らずこの世界、自然もそうだ。
だから、一誠さまは私たちより警戒心が凄まじく強い」
愛おしそうに一誠の頬も添えて撫でる。その表情は恋する乙女のようだと
織田信長は思ったほどだ。
「お前は一誠さまに会いに来たのだな?」
「・・・・・はい」
「ならば、しばらく私とここにいてもらうぞ。一誠さまが起きるまでだ」
それは・・・・・先輩の寝顔を共に見ようと暗に言っているのでは?と思っていれば、
愛紗は一誠が寝ているベッドの右側に移動して、あろうことかベッドに潜り込んだ。
「私も日々の仕事や主のフォローで疲れた・・・・・一誠さまと寝ることが何よりの疲労回復だ」
「・・・・・」
少しして、愛紗が寝息を立てだした。何気に一誠と密着して。その光景がとても羨ましく、
織田信長も自分の欲求を叶えるために―――一誠の左側に潜り込んだのだった。
―――○●○―――
「・・・・・体が動かん?」
一誠がようやく目を覚ました時、左右に目を配った。
右に愛紗、左に織田信長が腕に抱きついて目を瞑って寝ていた。
「・・・・・愛紗はともかく、信長がいるのは何故だ」
あの後、作戦を変えて守護龍たちに差し向けたはずだがな・・・・・と呟く。
あまりに強大な力の前でひれ伏して日本に帰らす手順だった。
そう一誠は体を起こそうにも腹にオーフィスが今でもうつ伏せで寝息を立てて寝ている。
「しょーもない」
強引に体を起こす一誠。ずるりと一誠の腕を抱えていた愛紗と織田信長の体か
らすり抜けた拍子で、ようやく二人は目を覚ました。
「・・・・・あ」
「寝顔、可愛かったぞ?」
「~~~~~っ」
愛紗が耳や首筋まで顔を赤く染めた。自分の寝顔を見られるのはまだ慣れていない様子。
首を左に向けて織田信長に問う。
「信長、久し振りだな」
「はい、先輩。ようやく会えました」
「だが、どうやってこの部屋に侵入した?」
「巨人型のドラゴンの首を両断したら、金色のドラゴンが『合格です』と言って、
ここに転送してくれました」
素直に答えた彼女の口から呆れた事実を知り、溜息を吐いた一誠であった。
腹の上に寝ていたオーフィスは体勢を立て直してまた眠る。
「で、俺に会いに来た理由は?」
「先輩と話をするため、説得するためです。先輩、学校に戻ってきてください。
今でも尚、他の皆がドラゴンと戦っております」
「悪いが今は無理だな。王としての仕事がまだ終わっていないんだ。
それにいつ襲撃してくるか分からないもんだから、報告をされてからじゃ全てが遅い。
俺はここで留まる。学校にはいかない」
「先輩が人を殺したとしても私は平気です」
「お前がそうでも他の奴ら全員がそうじゃないのは理解しているはずだぞ。
でも、そんな理由で俺は学校に行きたがっていないわけじゃない。
会えなくたって、連絡手段はあるんだ。それで俺と交流すればいいだけの話しだ」
徐に愛紗の頭を撫でる。頭を撫でられている愛紗は気恥ずかしそうに、
でも、嬉しそうな表情をする。
「俺は自分が言ったことを曲げないつもりだ。言っておくが嫌いだからじゃないんだぞ?
やることが終えたらまた会いに行くつもりだ。約束する」
「・・・・・」
それでも不満そうな顔を浮かべる織田信長だった。一誠の言うことは信じるつもりでいるが、
それでも学校に来て欲しいと切に思う。そんな織田信長に真剣な表情で口を開く一誠。
「―――ドラゴンの力は他の力も呼び寄せる」
「え・・・・・?」
「いずれ、俺みたいな・・・・・いや、そこまでいないか。強大な敵が向こうからやってくる。
そのための対抗手段を整える必要もある」
手の平に魔方陣を展開した。魔方陣から立体映像が浮かび、どこかの国の風景が映し出される。
「この国がいずれ俺たちの国、蒼天へ侵略してくると踏んでいる。その時になったら
確実に戦争が起こるだろう」
「・・・・・っ!」
「そうなれば俺も出なければならない。蒼天から死者が出ないようにな」
と、別の魔方陣が一誠の耳元に出現した。一誠は聞き耳を立てて
「分かった」と呟けば魔方陣が消失した。
「百代たちは敗北して川神学園に送ったと報告された」
「・・・・・そうですか」
少なからず残念さを覚える織田信長に苦笑を浮かべる一誠。
「しょうがないさ。相手がドラゴンだ。ドラゴンに勝てるのは同じドラゴンか古の英雄だ」