真剣で私にD×Dに恋しなさい!S改 完結 作:ダーク・シリウス
「そうら、飛んでけぇー!」
「「おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおっ!」」
今日もまた、空に飛んでいく風間翔一と川神百代。
俺のところに来る度、これをしてから遊ぶという習慣になってしまっている。
「あの二人はあのことぐらいで大はしゃぎするなんて子供だな」
「お前も子供だろう?というか、もう一度やってやろうか?」
「・・・・・」
直江大和は沈黙した。その沈黙に俺はいやらしく笑みを浮かべる。
こいつ、一度やってみらた涙目で恐くなかったと強がったからなー。
「―――旅人さぁーん!」
「お、戻ったな」
上空から落ちてくる二人を受け止めた。
「はー、今日も風になった気分で楽しいなー」
「いつか、自分で飛んでみたいもんだな」
「(月歩を習得すればできるぞ)」
川神百代の発言に心の中で可能性を述べた。
「さて、今日はどうする?」
「駄菓子屋に行きたいぜ!ピックリマンのキラを手に入れたい!」
「それだったらカードの位置に法則がある。新品の箱にしようぜ」
「私は野球のウルトラレアカードが欲しいな」
「おう!俺に任せておけ!旅人さんとオーフィスも行こうぜ!」
「はいはい、分かっているよ」
「ん、我はアイスを所望する」
俺達は何時も通り、遊んでいた。しかし、今回はちょっと違ったようだった。
こっちをジッと少女が一人、木の影から見詰めているのだった。
「(仲間になりたいのか・・・・・?というか、どっかで見覚えがあるな・・・・・)」
「お、なんだお前。俺達と一緒に遊ぶか?」
「え・・・・・」
風間翔一も気付いていたようで、誘っていた。
誰にでも爽やかに手を差し伸べるその性格は好きだな。
「うんっ!」
少女は風間翔一の手を取った。
「旅人さん!こいつも仲間に入れようぜぇ!」
「お、新入りか?しかも女の子か」
「なんだ、嫉妬か?」
「違う、嬉しいだけだ」
川神百代は腕を組んでそう言った。
で、風間翔一が連れてきた女の子の名前は岡本一子だった。
まさか、あのワン子の幼少の頃と出会うなんてな。
これは、百代が昔語ってくれた物語のようになるかもしれないか・・・・・。
―――駄菓子屋
「さーて、選ぶぞぉ!」
「私の野球のカードも選んでくれ」
「ああ、それなら俺が選んでやるよ」
「それじゃ、お願いする」
岡本一子を仲間に入れて駄菓子屋に辿り着く。
「百代はどこの野球が好きなんだ?」
「ギガンツだ。皆、情熱的な選手が一杯だから好きだ」
「なるほど、俺と一緒だな」
駄菓子屋に並べられている野球のカードが入っている袋を勘で次々と手にする。
「オーフィス、アイスを一つだけ買ってやるから持ってきて」
「わかった」
トコトコとアイスが販売している場所へ赴いて行った。その間に選んだ袋を川神百代に渡す。
「はい、これだ」
「ありがとう、信じて買ってみる」
「当たったら信じてくれよ」
「うん、そうする」
百代が駄菓子屋の店長のおじさんのところへ行った。
丁度すれ違うようにオーフィスがアイスを持ってきた。
そのアイスを受け取って俺も購入する。
しばらくして駄菓子屋から出た俺達は、邪魔にならないところで各々と封を開けた。
封を開け、中身を取り出して風間翔一達の表情は・・・?
「よっしゃー!ウルトラレアカードゲットだぜ!」
「おお、私が欲しかったカードがこうも勢揃いで手に入ったぞ・・・・・!」
嬉しそうに目をキラキラと輝かす。良かったな、さて岡本一子はどうだ?
さっきアイスを買ったようだけど・・・。
「ううう・・・・・外れだったわ」
「イッセー、我のが当たった」
おお、流石は最強の龍神。運も最強ってことか?いや、大袈裟だな。
「じゃ、それをおじさんに見せてもらってきな」
そう言うとオーフィスは駄菓子屋へ向かった。
「これからどうする?」
「川神院に近いし、寄って行くとしようか」
「私の家にか?遊ぶ物はないぞ?」
「たまにはのんびりするのも悪くはないだろう?」
「ふむ・・・確かにそうだな」
オーフィスが帰ってきた。肩に乗せて、俺達は川神院へ赴いた。
―――川神院
「ん?客か?」
川神百代が川神鉄心と話している男を見て首を傾げた。
「じじい」
「む?おお、モモか。それに旅人も」
それから風間翔一と直江大和、岡本一子を見て首を縦に振った。
「家に遊びに来たのじゃな?」
「ああ、そうだ。で、いいか?」
「構わんよ」
川神鉄心が了承する。川神百代は家の中を案内すると俺達を家の中に案内する。
「待て」
「ん?」
男が制止した。川神百代に先行くようお願いして俺とオーフィスだけ残った。
「なんだ?」
「お前から発するそのオーラ・・・・・ただ者ではないな?」
「・・・・・で?」
「―――少し、俺と勝負してもらおうか」
ザッ、と男・・・・・いや金髪の老執事が臨戦態勢になった。
「おいおい、積極的だな。初対面の俺に戦おうだなんて、戦闘狂か?」
「俺はそんな赤子ではない。お前の力を見せろと言っているだけだ」
「・・・老人と戦うようなことはしたくはない。でも、見逃してはくれないんだろう?」
俺の問いに返ってきたのは・・・・・。
「むん!」
鋭い蹴りだった。その蹴りを紙一重で避けて―――。
「ふん!」
「っ!?」
ドッガアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアンッ!
老執事の懐に飛び込んで思いっきり蹴り飛ばせば、老執事は壁にぶつかって立ち籠る煙で
見えなくなった。
「ほう・・・・・あのヒュームを蹴り飛ばすとはな」
感心したように呟く鉄心だが、俺はとっくの昔に知っている。
―――九鬼家従者部隊零番隊のヒューム・ヘルシング。
それが今さっき吹っ飛ばした老執事の名だ。
ガラッ・・・・・。
濛々と立ち籠る煙から音が聞こえた。そっちに視線を向ければ、
老執事がユラリと煙の中から歩いてくる。
「・・・・・」
ギロッ!と俺とを睨んできた。・・・逆鱗でも触れたか?
「赤子が・・・・・調子に乗るなよ」
「俺が赤子なら、お前はミジンコだな」
「―――――」
殺意が、執事からハッキリと伝わった。次の瞬間、姿が見えなくなった。
「ん」
駒のように回転して強く拳を握って振り回せば、老執事の横顔に当たって吹っ飛んだ。
「・・・・・はっ」
―――刹那。
ドゴッ!バキッ!ガッ!ゴッ!ドンッ!グシャッ!
物凄い高速の動きで執事の全身に打撃を撃ち続けた。老執事は俺に反応する暇もなく、
手も足も出せずに攻撃され続けていた。
「(速い・・・!?あのヒュームがこうも一方的にやられるとは・・・・・!
旅人・・・・・まだまだ力を隠していたのか・・・・・)」
「こいつで最後!」
ドッゴオオオオオオオオオオオオオオオオオンッ!
超アッパーカットを執事の顎の下から打ち上げた。一拍して、老執事は地面に倒れた。
「―――ふぅ、良い運動したなぁ・・・老人相手に大人げないけど自己防衛だし、
しょうがないかな?」
首の関節を鳴らして遅いから見に来ていた川神百代達の方へ近づいた。
「旅人・・・・・強かったんだな、やっぱり」
「お前も強くなれるさ」
「なに・・・・・?」
「お前も将来は強くなれる。その時まで俺は楽しみにしているぞ」
と、不敵の笑みを浮かべた。
∞ ∞ ∞
―――???
「・・・・・戻ったぞ」
「おかえ・・・・・」
「・・・・・どうした」
「ヒューム。川神院に行っただけでどうしてそんなにボロボロになっているのですか?」
「・・・・・」
聞くな、と言わんばかりに雰囲気を漂わせ、金髪の老執事ことヒュームは、
銀髪の老執事の質問には答えず、スタスタと廊下を歩いて行った。銀髪の老執事、
クラウディオ・ネエロはヒュームの隣に歩く。
「以前、膨大な闘気を感じたため、あなたは川神院に訪れに行ったはず。
それなのにどうしてそこまで怪我を負い、服が汚れているのです?
もしや、その闘気の持ち主と戦ったのですか?」
「・・・・・」
余計な詮索はするな、と思いながらもヒュームは沈黙を貫いた。
しかし、それが逆に間違いだった。
沈黙は是也、クラウディオは意外そうにヒュームを見つめた。
「(全身の打撲痕を見れば、一方的に攻撃を受けたようですな・・・・・。
これはもしかすると)」
予想を確信にと、クラウディオはポツリと呟いた。
「ヒューム、負けたんですね?」
「・・・・・っ」
ギロリ、とヒュームはクラウディオを睨んだ。あのプライドが高く、
九鬼家従者部隊0位の称号を持つ男が名の知れぬ者に敗北した。
睨んできたことで間違いなく、この男は負けたのだと理解した。
「(ふふふっ、これは良い事を知りました。私も後日、川神院に赴いてその者の素性を調べ、
九鬼家に勧誘してみましょう。もしかしたら世に埋もれている原石・・・・・
いや、世界に一つだけしか無い最も希少価値の存在であるかもしれませんね)」
―――翌日。
「今日も飛んでけー!」
「「おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおっ!」」
空高く飛んでいく風間翔一と川神百代。
「わー、二人があんなに高く飛んでいるわー」
「あの二人は子供なんだ。あんなにはしゃいで―――」
「ついでにお前も飛んでけー」
「い、いやあああああああああああああああああああああああああああああああああっ!?」
ブオンッ!と思いっきり投げ飛ばしたら、キラリン!と直江大和は星になった。
そんな事をした俺に岡本一子が話しかけてきた。
「旅人さん、どうしてそんなに凄いのー?」
「ん?努力の賜物だ。俺は小さい頃から強くなろうと努力して来たんだ。だから凄いんだ」
「そうなんだー。私も努力すれば凄くなれる?」
と、純粋な気持ちで俺を見上げながら岡本一子が質問してきた。
「人によって得意不得意がある。それは自分や他の人には分からない」
「ふーん」
川神百代と風間翔一を受け止めながらそう言う。
「でもま、今は子供は子供らしく思いっきり遊んで楽しめ。それが一番だ」
「うん、分かったわ」
で、涙目になって落ちてきた直江大和を受け止めた。
「大和、どうして泣いているんだよ?」
「な、泣いて・・・・・ない」
「もしかして、高いところにいるのが怖くなったか?男としてそれはだらしないぞ」
「う、うるさい・・・・・俺は高いところにいても平気だ」
「だったら、もう一度やってやろうか?」
「もう止めてくれ!お願いだから!」
必死になって否定した直江大和に俺達は笑った。
「さてと、今日は何して遊ぶか?
「俺、ボール持ってきたんだ!だからサッカーをしようぜ!」
「六人いるから3:3になって別れよう」
「じゃあ、俺とオーフィス、一子でいいな?」
「ああ、いいぜ!旅人さんを負かしてやる!」
楽しみだなぁ、と言って俺はテントの中に潜った。
二つの小さなサッカーのゴールポストを持ってくるためだ。
「よし、持ってきたぞ」
「さっすが!準備が良いぜ旅人さん!」
秘密基地から離れたところに置き、それから別れてサッカーを始める。
「オーフィス、軽く蹴ってくれよ?」
「力加減、難しい。でも、頑張る」
「頑張ったら頭を撫でるからな」
「我、頑張る」
ありゃ、逆効果だったか・・・・・?気合が入っているぞ。
「それじゃ、試合開始!」
俺がやったらつまらないんで、ゴールキーパーに専念する。
アタッカーはあの二人に任せよう。
「それ!」
風間翔一が直江大和にパスをすれば、
オーフィスがカットして俺の指示道りに後ろで走っている岡本一子にパスをした。
「わわ!」
「いく」
「う、うん!」
なんとかボールを蹴って相手のゴールへ走って行く。当然妨害もある。
「行かせるか!」
「行かせない」
川神百代という存在だ。でも、オーフィスがその存在を邪魔する。
突然現れたオーフィスに目を丸くするが、気を取り直して岡本一子の方へ行こうとする。
「一子!そっから思いっきり蹴っちゃえ!」
「うん!」
まだ、ゴールまで半分もあるが風間翔一と直江大和が挟み打ちしようとしているから、
それしか方法がないだろう。
今の岡本一子は器用にボールを蹴りながら避けるという事は難しいはず。
ならば、思いっきり蹴ってすれば、二人は一瞬だけ体を止める。
その間、ボールはオーフィスに任せれば取り敢えずは一勝だ。
「いっけぇー!」
ボールは空高く蹴りあげられた。弧を描くようにボールはゴールへと向かっていく。
「俺が止めてやるぜ!」
ダッ!とボールへ駆け走る風間翔一。
・・・・・でも、それより早くオーフィスが先回りして風間翔一の前に佇んだ。
「おわ!?何時の間に!」
「ここから先は行かせない」
そうこうしている内にボールは俺の予想を超えて、風間翔一達のゴールポストに入った。
「やったぁー!」
自分が入れたんだと、大はしゃぎする岡本一子。それからオーフィスに駆け寄って、
ありがとう!と感謝する。当の本人は頷いてトコトコとこっちに来た。
「我、頑張った」
「ああ、よく頑張ったな」
約束通りに黒い髪を撫でる。オーフィスは嬉しそうに目を細めて、俺の手の感触を味わう。
「旅人さん!私も私も!」
「はいはい」
岡本一子の頭にも撫でれば、わふぅ~と気持ちよさそうに顔を緩めた。
「むむむ、意外と強いな・・・・・」
「オーフィスが何時の間にか目の前に現れるから、邪魔ができねえよ」
「旅人さんはゴールキーパーに専念している。
だから、オーフィスには二人で邪魔して、もう一人は一子に向かう方法で行こう」
「分かった」
「おう!」
・・・・・いやー、悪くない作戦だけど、相手が悪いぞお前ら?
と思ったがもう一度ゲームする。直江大和の作戦道り、
オーフィスに直江大和と川神百代が向かい、風間翔一がボールを蹴っている岡本一子に迫る。
「よっしゃ!大和の作戦通りだぜ!」
「我、邪魔する」
「って、なぁあああああああああ!?」
確かに二人によって邪魔されていたはずのオーフィスが目の前に現れたことで、
驚きの声音を発する風間翔一。岡本一子はその間にボールを蹴って進んでいく。
「ここから先は行かせない!」
「オーフィスの奴、結構早いな!」
川神百代と直江大和が岡本一子に接近する。
「オーフィスちゃん!」
「ん」
ボールをオーフィスにパスする。足で受け止めて、ボールを上に蹴り上げて自分も飛び―――。
空中で蹴った。ボールは物凄い勢いでゴールポストの中へと入った。
「わぁーい!また勝ったわー!」
「ぶい」
「つ、つえ・・・・・」
「事実上、三対二なのに、数ではこっちが勝っているのに、負けている・・・・・」
「大和、どうにかならないか?」
「・・・・・」
ふふふ、悩め悩め・・・どっちにしろ、
オーフィスをどうにかしない限りは岡本一子に指一本も触れられないぞ?
「さてと、サッカーを続けようか」
笑みを浮かべて、風間翔一達に訊ねた俺だった。
まあ、その後の結果は岡本一子がオーフィスに守られながら
相手のゴールポストに入れたことによって俺達のチームの勝利となった。