望まぬ身体を得た少女   作:先詠む人

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就職活動終わりまして、卒業論文も提出しましたので書きかけていたこれとかそう言った物を完成させて投稿していこうと思います。


報告書 検体R-00について

報告書

 

これは先日回収した検体R-00とW-01についての報告書のうちのR-00についてのものである。

 

検体R-00(自称安藤麗奈)

 

検体R-00は先日違法宗教団体「深海(ふかみ)の光」を信仰する白石幸三元軍曹が所有していた研究所に官憲両面から立ち入り捜査に入った際、破壊された調整槽のすぐそばで何も着用せずに周囲に敵意をまき散らしている所を発見された。白石元軍曹は件の団体に機密情報、及び貴重な深海棲艦のサンプルを流していたことが先月発覚したため、既に〇〇鑑別所内にて銃殺刑に処されている。

 

検体R-00、及びW-01に関する情報は、第一級機密事項に該当するように元帥によって指示されている。

 

検体R-00(自称安藤麗奈)が名乗っている安藤麗奈という少女についてだが、彼女が話している内容は彼女と一緒に同研究所にて保護された6名の少女たちの話と一致している部分が多く、保護された少女たちに面通しを行ったところ雰囲気は違うが安藤麗奈本人で間違いないということだった。

しかし、安藤麗奈という少女を含めて保護された少女たち全員の戸籍謄本、及び学歴等のそれらすべてが消去されているため、彼女たちが名乗っている名前を含めてれっきとした日本国民であるということを証明する術はない。

そのため、今報告書では研究所内で彼女につけられていたドッグタグに書かれていた検体名で記載する。

 

検体R-00は先月29日未明に発生した高津孤児院強盗放火事件の際に深海の光に誘拐され、そのまま白石元軍曹の所持していた研究所にて今月4日まで身体検査を兼ねて監禁されていたと少女たちから聞いた話から見ても思われる。

生存していた職員の話から該当事件の際に誘拐されたとされているのは保母役の職員を合わせて15名。うち9名が少女だった。検体R-00もその中の一人で間違いないと生存した職員から確認はとれている。

 

検体R-00の話によると、誘拐されてからしばらくの間はベッドに固定されたまま動けないようにされ、体のあちこちを切り裂かれたという。

身体を麻酔なしで切り裂かれる痛みで何度か意識を失ったり戻したりしているうちに気が付くと何かしらの液体を一杯に詰め込まれた透明の容器の中に酸素吸入器をつけた状態で入れられていたらしい。

検体R-00はその中から出ようと暴れたそうだが、容器越しにそれを見ていた白衣を着た男がすぐ近くの機械を操作すると同時に容器の下から出てきたアームによって下腹部を固定、そのまま激痛とともに膜を破られ、下から何かを体内に流し込まれたらしい。

 

(補足)

後の調査で、件の破壊された容器の下部分から検体R-00が言っていたアームらしきものが引きちぎられた状態のものを発見。技術班に解析をしてもらったところ、R-00の血液サンプルと同じDNAの血液と白石元軍曹によって持ち出された深海棲艦のサンプルのうちの血液に該当するDNAの血液が発見された。

同じ装置と、血液が検体R-00によって破壊された調整槽の横に並んでいた8個の下部からも発見されたため、深海の光はこの調整槽を用いて人間を深海棲艦、もしくはその近縁種に改造し、自らの兵として扱おうとしていたのではないだろうかと科学班は推測している。

また、女性医師に依頼して彼女の話が本当か確かめてもらったところ確かに膜が破られており、さらに女性器に深い傷が刻まれているということも判明した。

 

検体R-00は体内にその何かを流し込まれると同時に体中が痒くなり、体中をかきむしりたい欲求に狩られたがかきむしる前に意識を消失させられた。

その後、無性に何かによって自分が奪われることに恐怖を感じて覚醒した時には既に我々が救助した後W-01や保護した少女たちの必死の懇願に従って拘束し、軍病院に搬送したタイミングだったそうだ。

そこから推測するに恐らく我々が研究所に踏み込んだ際、我々に敵意と生体艤装の砲口を向けていた時彼女は意識がなく、本能で動いていたと考えられる。

深海の光は実験もかねて検体R-00に深海棲艦の血を入れたらしく、聴取によると後ろ手に拘束された検体W-01の目の前で体が変化していったらしい。

その姿は最終的に検体W-01が艦娘雲龍として活動していた際に遭遇し、艦娘を引退することにつながったレ級そのものになったため、実験が成功と判断した深海の光たちはその場に居た検体W-01を含めた8名を装置に強制的に挿入。検体R-00の隣の調整槽に入れられた検体W-01が入った調整槽から装置を起動。しかし、検体W-01の隣に入れられた少女が職員による装置の起動中に死亡。そのまま流れるように起動させられていた装置が連鎖的に停止し、最終的に3名の少女が死亡する形で装置が停止した。

その時検体W-01もまた意識不明になっており、体中の細胞が深海棲艦ヲ級のものと同様のものに置き換えられていたたためかその後何が起きたのか把握していない。

 

装置の謎の故障が発生してから数分後に我々軍の憲兵部隊が研究所に突入。その結果、R-00たちを保護することに成功したが、暴れていたR-00を取り押させる際に負傷者が発生した。

 

 

病院で検査しながら調査したデータによると現在R-00の体は9割が深海棲艦のものと置き換えられており、残りの1割は脳髄の一部である。(別紙データ1を参照)

その結果彼女は深海棲艦たちが所持している生体艤装を手足のように扱うことができるが、普段は人として生きたいと言っていることもあってか生体艤装を体内にどういう手段を用いてなのか自身も把握できていないようだが格納している。しかし、身の危険などの際に反射的に艤装が展開され、場合によってはR-00の意思を無視して砲撃を放つことがあるため要監視である。

 

検査の際に採取した血液サンプルを深海棲艦のものと見比べると98%一致しており、彼女が事実上人間と同じ意識を持った深海棲艦、もしくは人間の意識が宿った深海棲艦と考える方がよいとされるため、彼女の取り扱いは以下のように分けて考えるべきである。

 

1.彼女が将来的に我々人類に牙をむく前に殺処分をする。

 

2.彼女が我々に牙をむくことが無いように徹底的に管理し、何もできないようにする。

 

3.彼女を艦娘と同列に扱い、ほどほどの自由を与えると同時に監視を行う。

 

上記の3つに分けて対処を考えるべきであろう。

 

 

 




多分、本当はこんな感じで報告書って書かないと思いますけどそれは堪忍してください。

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