青の刀使~青い炎の輝き~   作:HaTaHaTadoon

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合宿編を投稿するつもりでしたが二話ほど間を空けたと思います。
もう少し可奈美たちと関係を深くしたいと思ったので。
楽しみにしていた方には深く謝罪します。
本当にすみませんでした。


第四話 刀使たちノ遠征(前編)

燐のことが世間に知られ学校では有名になっていた。

 

「燐はすごいねすっかり有名人だよ」

 

「へへ、まぁ俺はすごいからな」

 

燐は真と偶然会い食堂に向かいながら燐は自分を自画自賛する。

燐はこの前のインタビューでテレビや新聞に大きく採り上げられていた。

そんな燐は調子が良さそうだ。

 

「今日は珍しいねうちの制服なんて」

 

燐の今日の服装は美濃関の制服で赤いズボンで袖に赤い線、襟は赤く白い線が沿っている白い上着を着てボタンは閉めずに柿色のネクタイがだらんとしている。

所謂ブレザーという奴だ。

 

「そうだな。着ないのも勿体ないと思ってな」

 

クローゼットの中にしばらく放置していたからもあるが燐の正十字学園の制服をクリーニングに出したのもある。

それで美濃関の制服を着ることにしたのだ。

 

「あ!服部さんおはようございます」

 

「真かおはよう・・・ん?」

 

服部という男が真の隣にいる燐に気づいた。

 

「真の隣にいるのって奥村燐か」

 

「おお!俺のこと知ってるのか」

 

燐は服部の返しに自分の知名度がすごく上がったことに喜ぶ。

真が燐に服部を紹介する。

 

「この人は僕と同じ研師で先輩なんだ」

 

「服部達夫だ達夫で呼んでくれ」

 

「ああよろしくな達夫、俺も燐でいい」

 

「よろしく」

 

真が達夫を紹介し名前を言う。

燐と達夫はお互いに手をだし握手を交わす。

ぐ~

 

「朝飯早く食べにいこうぜ」

 

「そうだな真いくぞ」

 

「はい」

 

燐の空腹の音が聞こえ三人で食堂へ向かい始めた。

三人は食堂に着くと、それぞれ朝食をもらい空席に座り合掌し。いただきますと言い食べ始める。

 

「そういえば燐って今いくつなんだ俺新聞の見出し見ただけで詳しいことは分かってなくてな」

 

達夫は燐と普通に話していたが年上だったら失礼だと思い燐に聞く。

 

「俺は高校一年で15だ」

 

「えっ」

 

燐の歳を知った真は固まった。

そんな真を見た燐は不思議に思い硬直している真に聞く。

 

「どうした真?」

 

「すみませんでした!」

 

「おわ!どうした」

 

急に土下座して謝ってきた真に燐は驚く。

真の大声に周りの刀使たちが反応し燐たちに注目する。

 

「僕、今まで燐さんが年上だと知らずにタメ口を使ってしまい失礼しました!」

 

真は燐が年上と知り今までタメ口で話していたことを燐に謝罪する。

年上と知らずタメ口を使っただけで、そこまで謝るかと燐は思ったが別にタメ口でいいし知らなかったなら仕方がないとも思う。

 

「別に気にしてねぇよ」

 

「ですけど」

 

こいつは年上に敬語を使わないといけない呪いでもかかっているのか。

 

「敬語なんていらないだろ俺たち友達だろ」

 

「っ!」

 

燐の言葉に真が顔を上げる。

そこには、にっと笑う燐が目に映った。

燐の笑った顔を見た真は自分に付けていた重りが外れた気がした。

 

「それもそうだね友達に敬語はおかしいもんね」

 

真はそう言いながら立ち上がり燐の顔を見る。

 

「改めてよろしく燐」

 

「よろしくな真」

 

燐と真は軽い言葉使いで握手を交わした。

周りから拍手が巻き起こり朝からちょっとした騒ぎになった。

 

 

 

 

 

 

燐たちは朝食を食べ終え食堂を出る。

 

「じゃあ俺たちは授業があるから」

 

「そうか、それじゃあな」

 

「またね燐」

 

真と達夫は授業があるため燐と別れた。

 

 

二人と別れた燐は此処にいる必要はないので寮へ戻ろうと角を曲がる。

するといきなり衝撃を受け尻もちをつく。

 

「おい!どこ見てんだ・・・てっ可奈美か」

 

「ごめんなさい!・・・てっ燐さん!」

 

燐とぶつかったのは可奈美だった。

可奈美も燐と同じように尻もちをついていたようだ。

燐が可奈美を見るとスカートの中の白い布が見えた。

 

「きゃっ!」

 

「うぉわ!」

 

可奈美はスカートの中を隠す。

そして燐は目線を違う方向に逸らした。

 

「・・・」

 

「・・・」

 

気まずい

 

「・・・燐さん絶対見たよね」

 

可奈美の声のトーンがいつもより低い。

燐が見てしまったことが分かっているみたいだ。

嘘をついたら斬りかかりそうなので正直に言う。

 

「はい、見ました」

 

燐は正座になりいつも軽い言葉使いだが今は丁寧になっている。

可奈美は立ち上がり燐に寄って来る。

絶対ビンタが来ると覚悟し目を閉じ腹をくくる。

 

「いって!」

 

ビンタが来ると思っていたが、でこピンを燐はくらった。

燐はでこを抑えながら予想外の出来事に少し驚く。

 

「燐さんにはお世話になっていますからこのくらいにしときます」

 

可奈美は少し脹れて言う。

 

「すまん可奈美」

 

燐はまだ謝っていないことに気づき可奈美に謝罪の言葉を飛ばす。

 

「もういいです。それより燐さんついてきてください」

 

可奈美は燐の手を掴み引っ張っていく。

 

「おい、どこ行くんだ」

 

「いいから来てください」

 

可奈美は燐の問いに適当に返す。

そのまま引っ張っていく可奈美は止まり着いたところは学長室で中に入る。

 

「燐さんを連れてきました」

 

「可奈美さんありがとう」

 

学長室には舞衣と美炎もいた。

此処に連れてこられた理由がわからず学長に訊く。

 

「なんで此処に呼ばれたんだ?」

 

「燐さんと三人で遠征に行ってもらいます」

 

「遠征か、おもしろそうだな」

 

刀使からすれば遠出して荒魂を討伐するだけだが燐は遠征に行けることが楽しみになった。

 

「遠征っていつ行くんだ?」

 

「明日の一番の新幹線で行って来てください」

 

「明日!」

 

燐は遠征の楽しみが驚きに変わる。

急に明日の予定が決まり燐は焦り始める。

 

「明日って急すぎないか」

 

「前々から決まっていたので」

 

「可奈美たちは大丈夫なのかよ」

 

燐は可奈美たちに話を振り同意を求めたが

 

「私たちは燐さんが来る前から聞いてたし」

 

「準備も昨日で終わったたから大丈夫だよ」

 

「特に問題はありませんよ」

 

三人は準備万全の状態で、いつでも出発出来るようだ。

燐は今日、話を聞いたので準備もなにもできていないのだ。

 

「何も準備出来てない俺をなんで選んだんだ」

 

羽島学長に自分が選ばれた理由を求める燐。

 

「遠征の準備は、そんなに長居しないので大丈夫ですよ。それに燐さんは荒魂討伐での活躍があったからです」

 

自分の活躍で遠征に呼ばれたことが少し照れる。

 

「それじゃ頑張ってきてくださいね」

 

「「「「はい」」」」

 

燐たちは明日の遠征に向け気合を入れた。

 

 

 

 

 

 

今回の遠征は新潟県での荒魂討伐

ある温泉の近くの山で複数の荒魂が確認された

そのせいで観光に来た人や登山者などが恐れ温泉宿の客足が減り困っているらしい

温泉の宿主は荒魂を討伐できたら宿代を払わなくてもいいらしい

普通に泊まると結構お高いのに宿主はとても太っ腹だ

燐たちは新幹線に乗り名古屋へそして東京に向かいそこから新潟に向かった

乗り換えなどを挟み目的の駅まで4時間ほどたった

燐以外は宿に着く前からへとへとになっていた

 

「はぁ~疲れた」

 

「ほんとだね」

 

「お前らもう疲れたのか」

 

「燐さんは元気すぎだと思いますよ」

 

燐は子供の頃から力があり問題ばかり起こしていた。

その怪力や体力は今となってはいろいろと役に立っている。

 

「あとどれくらいあるの」

 

「まだまだだよ美炎ちゃん」

 

「まだあるの!」

 

美炎は舞衣の返しに驚きを見せる。

 

「大丈夫だよ美炎ちゃんここからはすぐ着くから」

 

それを聞いた美炎は安心し。ほっと息を吐く。

目的地の温泉は駅から徒歩で1時間30分歩くことになるのだが舞衣が車を用意してくれたらしい。

今の燐たちには1時間半も歩くのはきついものがあったため、ありがたいことだ。

 

「お待ちしていました。舞衣様とそのお友達様」

 

「誰だあんた」

 

「私は柳瀬家の執事、柴田と申します」

 

「ん?」

 

燐は目の前の黒い執事服を着た男は柳瀬家の執事と言う。

柳瀬ってあの大企業の柳瀬グループのことか。

少し前にテレビで燐は柳瀬グループについて知った。

なんでそんな所の執事がここにいるんだ?

そういえばこいつ舞衣のこと様付してたよな

燐はあることに気づき舞衣に恐る恐る訊く。

 

「ま、舞衣ってまさかあの柳瀬グループの」

 

「実は燐さんの思っている通りだと思います」

 

「マジか!」

 

舞衣があの柳瀬グループの人間だったとは。

グループのことを知った時は偶々同じ名字だと思っていた。

まさかこんなすごい人物といっしょにいたなんて

 

「では皆さんお乗り下さい」

 

「ありがとうございます柴田さん」

 

燐たちはリムジンに乗り目的の温泉に向かった。

窓の景色は町から段々と建物が減り田んぼが増えていき山が見えてきたあそこに荒魂がいるのだろう。

温泉には二十分くらいで到着した。

 

「やっと着いたか」

 

「着いた~」

 

「もうへとへとだよ」

 

燐たちは戦う前から疲れ切っていた。

 

「ありがとうございました柴田さん」

 

「いえいえ舞衣様のことですからそれでは」

 

舞衣は執事の柴田にお礼をして柴田はリムジンに乗り去って行った。

舞衣は車を見送り燐たちに向き直る。

 

「ちょっと早いかもしれないけどお昼にしよっか」

 

「よっしゃー飯だ!」

 

「やったー」

 

「お腹空いた」

 

燐たちは荒魂討伐前の腹ごしらえをすることにした。

中に入ると受付があった。

周りには人一人いなかった。

働いている人は何人かいたが少ない。

たぶん荒魂を恐れてこない人もいるのだろう。

 

「お待ちしていました。あなたたちが荒魂を討伐してくれる刀使ですね。よく来てくださいました。お部屋に案内しますね」

 

出迎えてくれたのは女将らしき人が燐たちに会釈し部屋に案内してくれた。

部屋は和室の二間の空間で机には食事の用意がされていた。

 

「お~うまそう食べていいのか」

 

「えぇもちろん腹が減っては戦は出来ぬといいますしね」

 

ということで

 

「「「「いただきます」」」」

 

燐たちは目の前のご馳走をどんどん減らしていく。

四人で談笑しながら食事していると

 

「燐さんお水いる?」

 

「燐さんこれおいしいよ」

 

「燐さんお行儀が悪いですよ」

 

燐は三人の自分に対する言葉使いが硬いことに気づく。

燐としては気楽に話して欲しいものだ。

 

「お前ら俺が二つ上だからってさん付けや敬語とかいらねぇよ。お前らの呼びやすいようにすればいいぞ」

 

「それじゃあ燐くん」

 

「私は燐って呼ぶね」

 

「そうさせてもらうね燐くん」

 

「おう!」

 

三人は燐に対してさん付けをやめ敬語からタメ口になり仲のいい友達のように見える。

燐たちは机の昼食を完食し少し休憩をしていた。

だがそれも終わりだ。

 

「休憩はお終いそろそろでるよ」

 

「分かったぜ」

 

「はーい」

 

「がんばるぞー」

 

四人は宿を出て近くの山に向かう。

出る時、女将さんが見送ってくれていた。

燐は大きく手を振り返して荒魂のいる山に向かった。

 

 

 

 

 

 

「ここからは手分けして探して見つけたら一人で戦わないで連絡して仲間と戦うこと」

 

舞衣の説明を聞き燐は東の方を進み探す。可奈美は西、美炎は北、舞衣は南を探す。

燐はスペクトラムファインダーを片手に山の中を進んで行く。

 

「全然反応がないな」

 

燐の探す東は荒魂のいる気配がない。

そろそろ飽きてきたのか燐の探すペースが遅くなっている。

燐が暇していると携帯が鳴る。

 

「お!やっときたか」

 

燐の真反対にいる可奈美の所に走って行く。

草叢を掻き分け進んで行く。

 

「えっ」

 

燐が着く頃にはもう討伐は完了していた。

 

「燐くん遅いよ」

 

さらに舞衣に怒られてしまう。

 

「次があるよ燐くん」

 

「なせばなるよ燐」

 

可奈美と美炎に慰められ探索を再開する。

 

次に荒魂が現れたのは可奈美と舞衣の間の南西辺りで反応があったみたいだ。

燐は今の場所からかなりの速さで向かうが

 

「なんで終わってんだ!」

 

燐はまたもや活躍できずに討伐が終わっていた。

 

「可奈美や舞衣は早く着くのは分かるががなんで美炎は俺より早いんだ」

 

「迅移があるからね」

 

「迅移?」

 

「迅移というのは御刀を媒介として通常の時間から逸して加速することなんだ」

 

燐は知らない単語を聞き美炎に問う。

美炎は燐に丁寧に説明してくれたおかげで早く着く理由がわかった。

 

「そうだ!」

 

燐は自分も早く移動できないかと考える。

そして一つの方法が見つかる。

 

「なぁクロ次荒魂が遠くに出たとき・・・」

 

燐はひたすら東で荒魂の反応がないかと歩き回る。

そこに連絡が入る。

今回は北西で反応があったみたいだ。

 

「クロ!」

 

「行くぞ燐!」

 

クロはいつもの倍以上にでかくなる。

そのでかくなったクロの背中に燐は乗り込む。

 

「行くぞ燐」

 

「行けー!」

 

燐を乗せたクロは飛び上がり連絡のあった場所に向かった。

そして一回目、二回目より格段に早く着いたが、

 

「反応にあった荒魂は小さかったからすぐ終わったよ」

 

可奈美が燐にそう告げて、太陽はもう沈みそうだった。

 

 

 

 

 

 

燐たちは夜の活動は危険ということで宿に帰ることにした。

夕食を食べ終え温泉に入っていた。

 

「いい湯だったな~」

 

一足先に出てきた可奈美が部屋に戻ろうとホールを通る。

可奈美が歩いているとホールの窓から燐の姿が見えた。

 

何してるんだろう

 

可奈美は外に出て燐に近寄る。

 

「おう、可奈美何かようか」

 

「ううん、燐くん何してるのかなって」

 

燐は可奈美に気づき体を向ける。

可奈美は燐がまだ風呂にも入らず何をしていたのか気になっていた。

 

「あそこに三つロウソクがあるだろ。両端のロウソクに同時に炎を点けるんだ」

 

「なんでそんなことしてるの」

 

「俺の炎のコントロールさ」

 

燐はシュラが考えた修行で炎のコントロールの練習をしていた。

 

「へぇーそれでどのくらい出来てるの」

 

「まぁ完璧ではないがそれなりにはできるようになったぜ」

 

燐の炎のコントロールは最初はだめだめでロウソクごと燃やしていた。

けど、しえみのおかげで自信が持てて大分操れるようになった。

 

「この前もしてたんだが上手くできなくてなロウソクもあんま使えなかったのもあるがな」

 

美濃関の方で一度この修行をしていたが調子が悪くさらにロウソクも数本しかなったため、あまり出来なかったのだ。

今はこの宿の女将から、いらないロウソクを貰い修行をして感覚を取り戻していた。

 

「燐くんが火を点けるところ見てみたいな」

 

「いいぜ。見てろよ」

 

可奈美が燐の修行を見てみたいようなので燐はオーケーを出しロウソクを見つめる。

そんな燐を見て可奈美もロウソクを見る。

綺麗な月の下、燐と可奈美は二人でロウソクを見ている。

そして、

 

「よし!上手く点いた」

 

「わぁきれ~」

 

燐が上手く両端のロウソクに青い炎を灯す。

その青い炎に可奈美は見入られる。

 

「こんなもんだな」

 

「すごいよ燐くんならすぐコントロールできると思う」

 

「へへっそう言ってくれると嬉しいな」

 

燐は可奈美から絶賛され照れて頭を掻く。

そんな燐に可奈美は水を差す。

 

「ねぇ燐くん早くお風呂に入らないと閉まっちゃうよ」

 

「そういえば、まだ風呂入ってなかった!」

 

燐は可奈美を置いて急いで風呂場へと向かって行った。

慌てる燐を見てくすっと笑う可奈美がそこにはいた。

 

 

 

 

 






この話に出てくる温泉は新潟にある実際にある温泉を使わせてもらってます。
書いていいかわからないので一応伏せときます。
五十〇温泉をモデルにしました。
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