変わらない日常は普通の女の子によって   作:mintear

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4話はとうとうつぐみちゃんが出ます。
晴くんと初対面で100パーセント敬語のつぐみちゃん
これから関係性ができれば、アフターグローの幼馴染達へのような話し方になっていくでしょう。
僕も甘々なタメ口トーク書きたいのですw
ではどうぞ!!


1杯の珈琲と不安と

ずーさんとの話から早翌日、ずーさんと俺は町近くの病院に足を運んでいた。

病院のお世話になることがあまりない俺にとっては、白い

コンクリートの建物は別世界のような印象を与える。

ずーさんが受付に話を通し、僕らは病室まで案内される。

ドアを開けて、ずーさんは奥のベットに横になっている、如何にも優しそうな雰囲気を纏った男性に話しかける。

 

「マスター久しぶりです。全く、心配したんですから」

 

「いやー悪いね。こんなとこまで足を運んでもらって。そして彼が?」

 

「初めまして、月島晴と言います。ええとなんとお呼びすれば…」

 

「まあ、店長なりマスターなり好きに呼んでくれていいよ。そして早速なんだけど、珈琲入れるのが得意みたいだね。」

 

「じゃあマスターと。確かに珈琲を入れることについては趣味の範囲としては、得意だと思います。ですが店に出すものとして大丈夫かと言われると不安です。」

 

嘘をつく訳にもいかないので僕は、正直に答えた。

するとずーさんがハッとした顔をして、マスターに

問いかけた。

 

「ひとまずさ、味を見れば判断できるんだろ?じゃあ晴の珈琲を実際飲んでみればいいんじゃないか。」

 

「…確かにな。じゃあ早速ここでという訳にも行かんからな。どうしたら良いものか。」

 

マスターは、唸った様子で策を考えているようだった。

そして案が浮かんだのか。俺に1つの提言をしたのだった。

 

ーーーーーーーーーーーーーーー

場所は再度変わって、商店街通り。

商店街の十字路の角にある、店の前に立っていた。

『羽沢喫茶店』とドアの頭上大きく書いてある。

俺はこうなった経緯を思い出した。

『うちの娘に味を審査して貰おう。あの娘が美味しいといえば、それは店に出せるレベルということだし。

うんそうしよう!! 娘には連絡しておくよ。』

『マスターがそういうならそれでいいんでしょう。

あ!!?いけね、店の仕込みやんなきゃ行けねえ時間だ。晴、商店街まで送ってやるから1人で行ってこい。』

 

そんな急展開でここまで来てしまったのだ。

大丈夫なのか、こんなトントンと話を進めてしまってもと感じながら、不安にかられる。

ひとまず、その店長の娘さんとやらに会う必要があるので店内に入ろうと思った。

しかし、店のドアを見るとCLOSEとなっている。

まあそりゃそうだわな。だがここで引き下がる訳にも

行かないし、俺はドアノブを捻り開けようとする。

だがドアは開くことがなかった。

ええー、どうしたらいいんだよ。とこれからどうするかを考えようとした時に

 

「あのー、すいません今日は臨時休業日なんです。」

 

と後ろから声を掛けられる。

振り返ると、茶色いショートの髪型、

僕が通ってる学校の制服を着た女の子が申し訳なさそうな顔をして僕にしていた。

 

「いや、今日は客としてきたんじゃないんです。ここのマスターさんの娘さんに用があって」

 

「え?私がその娘ですけど、もしかして月島 晴さんって

貴方のことですか?」

 

「え?貴方がマスターの娘さんなんですか。」

 

「はい、ひとまずここでは何ですよね。そこの鍵開けますね。」

 

娘さんは、学生バッグから鍵を取り出し、店のドアに

歩み寄って錠を外す。

 

「どうぞ中に入ってください。」

 

俺は、彼女について行き、店の中に入った。

 

 

ーーーーーーーーーー

店内は、木製のフローリングで椅子やテーブル、棚なども木で出来ており、如何にも落ち着ける空間と言える感じだった。娘さんが電気をつけると、テーブルが光を反射しており、手入れも細かくしているんだと思われる。

清潔感があり、雰囲気もいい、ゆっくり過ごすには良い空間だと思う。

 

「挨拶が遅れましたね。私、羽沢つぐみって言います。

お父さん、ここのマスターの娘でお手伝いとかやってるんです。」

 

「ああ、月島 晴です。今日はよろしくお願いします。

後その制服、羽丘のですよね。驚きました同じ学校の方だったなんて。でも今日は土曜ですよね。部活でもやってるんですか?」

 

「同じ学校の人だったんですね!!いや、生徒会に入ってて今日は、ちょっとやることがあったんです。そしたら、お父さんから急に『 今から、月島晴君っていうバリスタ候補が来るから、味を確かめてやってくれ』って電話が来たんですよ。他の人に仕事お願いして、慌てて帰ってきちゃいました。」

 

羽沢さんは苦笑しながら、僕に説明してくれた。

生徒会をやって、実家のお手伝い…そしてこの

笑顔…純粋な心の持ち主と素人が見ても

わかるレベル。

真面目な良い子だなぁと思った。

 

「生徒会なんて凄いですね…。そんな大事な時にすいません、バタバタさせてしまって。」

 

「いえいえ…大したことじゃないです。良いんですよ。むしろ、こっちはお礼を言いたい位なんです。羽沢喫茶店の救世主が現れたって思ってるんですから!!」

 

「救世主って…まだ確定してないですから。

じゃあ早速なんですけど、珈琲の味見てもらっていいですか?」

救世主という言葉にこしょばゆくなった俺は、本題に

切り替えるように話を進めた。

 

「わかりました。じゃあ、そこのカウンターの向こうに

珈琲の豆や機材は揃ってますから、早速作ってもらっちゃいましょうか。」

 

羽沢さんに誘導され、カウンターの中に入る。

中には、コーヒー豆の入った瓶を始め、ドリッパー

、サイフォンだのエスプレッソマシンそれにコーヒーに必要な機材が全部揃っていた。

自分も沢山持っている方だとは思うが、比べ物にならないレベルだった。

 

「道具は大丈夫そうですか?」

 

「うん、大丈夫。というか凄いですね…。

全ての物の質が高いというか、驚いてます。」

瓶に入った豆も何処のものか、いつから使ってるのか、細かくラベルが貼ってあり、豆のツヤを見ても上質な物を使っているとはっきり分かる。

店内の清掃も行き届いている中、機材等も特に入念に

手入れしてる様子なので、コーヒーに余分な雑味が混ざる心配もなさそうだ。

 

「お父さんがいい珈琲を入れるには、過程に使うものは全て丁寧にするって言うのが口癖なんです。それで毎日、手が空いたらメンテナンスをしてるんです。」

 

「成程…じゃあお借りしますね。何を作ればいいですか?」

 

「今日は紙フィルターでドリップしてみてください。豆は好きなよう、ブレンドもしてもいいってお父さんから言われてますね。」

 

「わかりました。少し時間をください。」

 

僕はまず、豆の選定をすることにした。

この羽沢喫茶店では20種類の豆を使っているらしい。

多分だが、エスプレッソ用とかアメリカン、カフェオレ用などで分けて使っているのだろう。

吟味している内に一種の豆を見つけた。

…そうか…これをベースにすれば飲みやすいブレンドになるな。

設計図は完成した。後はいつも通りやるだけだ。

 

「羽沢さん。今から珈琲淹れますね。」

 

俺は、コーヒーミルで豆を砕くことから始めた。

 

ーーーーーーーーーーーー

『珈琲の味は豆で決まる。』

この世界は、有名な言葉だ。

なら誰が入れても豆次第なのか?

違う。

どんな美味しい食材も手を入れる人次第で

美味しかったり、不味かったりする。

珈琲も当然同じだ。豆が味を決めるなら

その味を極限に引き出すのが、バリスタというもの

なんだろう。僕はバリスタじゃないけど、美味しい

珈琲を毎日飲む為、淹れ方を勉強していた。

自分の為だけにやっていたことを初めて、

人に評価される。怖い…これでダメだったら

今までの僕はなんだったんだ…。

でも今の自分が何処まで出来るのかがわかる。

俺は、そんな気持ちを抱き、珈琲を入れていた。

 

ーーーーーーーー

「出来ました。」

 

羽沢さんに淹れたての珈琲を出す。

 

「いい匂いですね。見た感じ、淹れる様子はとても

手慣れてましたよね。いっぱい練習しないと、

あそこまで手際よくできないですよ。」

 

「まあ、中学の頃からやってました。

色々、図書館で調べて覚えた感じです。」

 

「そうなんですか。じゃあいただきますね」

 

羽沢さんは、コーヒーカップを手に取り、

口につけて飲んでいく。

胸がザワつく、僕の淹れたコーヒーは一体。

 

 

羽沢さんは面をくらったかのように驚いた表情で

僕を見た。あれこれやらかしたのか…。

珈琲を飲み、僕に向かって

 

「月島さん…これすごく美味しいです。

いや本当に凄いですよ。」

 

「やっぱ趣味で入れてたものですから…そりゃまず

……はい?」

 

「いや美味しいですよ!?口当たりが凄い良いんです。

酸味が少しあるけどまろやかな風味でちょうど良いんですよ。配合とかって何をメインにしたんですか?」

 

「ブラジルをベースに後はコロンビア、キリマンジャロを少々ですかね。羽沢さんの好みがわからないので飲みやすいのにしてみたんです。」

 

「成程。後、雑味が全くないんですよ。入れる時の様子を見てもきれいな淹れ方でしたし…月島さん。」

 

「は…はい」

 

「羽沢喫茶店でこの腕を貸してください。」

 

 

 

1杯の珈琲から生まれた関係。

人に評価されるというのは怖かったけど。

この子が良いと言ってくれた、

なら頑張ってみようかなと思えた。

単純かもしれないけど、少しやりたいこと

の未来に光がさした気がした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




さていかがでしたか。
月島君のコーヒー経験は主の知識をベースにしています。本当にコーヒーって奥深いんです。趣味がふんだんに盛り込まれていますが、上手く繋げていきますw
羽沢喫茶店でお手伝いすることになる晴くんですが
つぐみちゃんと関わっていくことはアフターグローの面々とも顔を合わすようになります。様々な出会いで成長していくであろう晴くんそして頑張るつぐみちゃんが今後どうなるか…続く!!
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