For honor『始まりし9年戦争』   作:ペペロンチーノ伯爵

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最終話『紡がれた戦火の紐』

具足を沼に沈ませているにも関わらずその速度を保ったまま彼女は寺院の裏口から気配を消して侵入し、枯山水の広がる庭に足を踏み込むと、その動きが止まった。

 

「………白迅」

 

「……クヒュ……カゥ……………ヒグ………ゴボ………」

 

本来ならば白く美しい枯山水は赤黒く染まり、小さな血の池が流れていた。

そして枯山水の中央には一本の黄金の刀が突き立てられており、その下に突き刺さっていたのは身体の四肢と両目の眼球を失った白迅が『置かれており』まだ息がある。

 

「………………」

 

ホークは視線を切り替え、縁側の方に向けると、神風と思われる瀕死の大蛇の頭を膝に乗せる緑髪の少女と、その周りに集まって必死に手当する忍の巫女達がいた。

 

「………ッ!」

 

巫女の一人がこちらに気づき、懐から取り出した鎖鎌を構えて少女と大蛇を守るように睨み付けてくる。

雑魚を無視して私は白迅の元に歩み寄り、無様なその姿を見下す。

 

「やられたか白迅………」

 

「シュ………ッッ………ほ………ク………………コロ……シテ………カヒュ………ゴホゴホ!!!………ホーク………………」

 

「誰にやられた?あの大蛇とは思えんが………まさか巫女どもにやられたか?」

 

「お………オンナ………アノ………………バケモノ…………カゥ………ゴフ………」

 

「埒が空かんな、もういい」

 

ホークは左腕を通した盾と一緒に持っていたロングソードを右手に持ち、彼女なりの慈悲と情けをもって白迅に止めを刺した。

 

「良くやった白迅……あとは私がやろう」

(白迅のこの傷……大蛇の技によるものでも、忍の技でも無いな………)

 

辺りに転がる白迅の滅多切りにされた腕や脚とは裏腹に白迅自身の身体に致命的な損傷は見つからない、つまり白迅は戦いながら拷問のように綺麗に生かされ、瀕死まで痛め付けられたに違いない。

 

「………………」

 

ホークは巫女達の間に見える少女の事を鋭く睨み付ける。

そしてその視線に山風も気が付く。

 

「そこの少女の皮を被った獣………」

 

「………?」

 

「なぜコイツを殺してやらなかった?なぜ弄ぶようなことをした?」

 

「???………あそんでないよ………?だって、死んだら悲しいよ?だから……痛くしたの………でも、その人ずっと殺すって酷いこと言い続けて五月蝿いから……静かになるまで痛くしたの………死んでなかったよ?貴女が殺したんでしょ………きっと悲しいのに………」

 

「ッッ………………貴様………………!」

 

直後に冷静になり、ホークは右手のロングソードを強く握り締める。

そしてゆっくりと、縁側に座る無垢な表情をした血塗れの怪物を睨み付けながら歩み寄り、目の前の巫女達が鎖鎌を回し始めた瞬間。

 

「間に合ったか!!」

 

聞きなれた十兵衛の声が枯山水の庭に響く。

 

「神風!やはりやられたか………爺と巫女達は神風を帝に運んでくれ!」

 

「………なんだこの状況は……白迅とやらはあそこに転がっておるが………なんと凄惨な……神風がやったのか?いやだがあれは……」

 

到着した亜由は事の惨劇を見て困惑するが、十兵衛は亜由よりも一歩前に出てホークに野太刀を構える。

 

「十兵衛………貴様か」

 

「構えろ亜由、事はあやつを退けてからだ」

 

「…………よかろう」

 

構える二人を見ながら盾を前に、剣をその後ろに振り下ろして自然体に構え、ホークは自分の頭の中から山風の事を消した。

目の前の事と関係ない雑念は無駄な動きを生む。

 

「気を入れろよ亜由、あやつ、ホークは強いぞ」

 

「であろうな、見るからに恐ろしい眼をしている」

 

「ハッ………貴様なんぞに私の実力の底が分かるのか?冗談がうまいな十兵衛」

 

 

ウルブズのブラックプリオール

ー≪ホーク≫ー

 

 

「私は貴様らが思っている数十倍は強いぞ?」

 

ロングソードを振り抜き、二人に突貫するホークは目先に立つ亜由にターゲットを合わせてその懐に踏み込む。

亜由はホークが繰り出してきたタックルを躱し、追撃せず様子見に距離を取る。

 

「………ほう、バカではないか」

 

「あれだけの啖呵を切っておいて簡単に反撃されるようなアホでもなかろう?」

 

「…ふん」

 

刹那、意識外から突き出された十兵衛のガード崩しを退け、二人を視界に入れようと後ろに下がるが二人はバラバラに別れて亜由はホークの死角に入り込む。

 

「………行くぞ亜由、ワシに合わせろ」

 

「ほう?老いぼれめがちゃんと動けるのか?」

 

亜由の挑発を鼻で笑いながら十兵衛は正面に捉えたホークに斬り込む。

 

 

ー≪金剛の構え≫ー

 

 

素早く振り込まれた弱攻撃を盾で弾き返そうとするが、十兵衛だけが持つ独自の踏み込みと構えによって繰り出される強く重々しい一撃は弾かれず、受けた者の気力すら削っていく。

 

「ッッ………面白い!」

 

二撃目の強攻撃を受け流した所で攻勢に出ようと剣を持ち上げたその瞬間。

背後から殴り込んで来た亜由の野太刀の柄をステップで躱し、亜由に振り向くが既に死角へ回り込まれ、目障りな十兵衛の刃がホークの盾を打ち付ける。

 

「フフッ!良いぞ!!もっと踊れ!!」

 

盾を水平に構えて大きく振り抜く。

だが二人はこれを回避、十兵衛がステップを踏みながら野太刀を横に振り抜こうと力を込める。

 

 

ー≪烈風≫ー

 

 

「………(いち)!」

 

「………ん?」

 

ホークはパリィに備えてタイミングを合わせたが、通常よりも十兵衛の振り込みは遅く、そのステップ距離は更に伸びる。

 

「………()!!」

 

「っ………」

 

更に力を込め、ステップは継続して伸び続けてホークを中心に一周した。

そして第三段階までの増幅に到達した十兵衛の野太刀は弧炎を纏い、一瞬立ち止まってから大きく素早く横凪ぎに振り抜いた。

 

(さん)!!せりぃヤ!!!!!」

 

「舐めるなよ!!!」

 

初見であろうとも反応出来ないほどではない、ホークは十兵衛の攻撃方向に合わせて盾を振り付けようとしたその時、自分の思考の中に大事な事が抜けていることに気が付いた。

 

(………帝の剣聖は何処だ!?)

「………ッッ!!!」

 

十兵衛のムーブに集中していたことが仇となった、完全に見逃していた視界の隅から突き抜けてきた柄はホークの身体を叩き上げ、ガードを崩した。

 

「戯けが!甘いわ!!!」

 

「ガフッッ………!!!!」

 

十兵衛の烈風の一撃を腹部に受けたホークに追い撃ちを掛けるべく懐に踏み込んだ亜由が野太刀を振り上げると、ホークは既に盾を下に流しながら亜由へとうちこもうとしている。

振り上げる野太刀を引っ込め、タックルを躱そうと片足を上げたその時、亜由の視界が弾け飛び、身体は地面を跳ねて転がった。

 

「………ハァッッ………!?!?」

(今………一体何が………何も分からなかったぞ………!?)

 

「亜由!!!」

 

「久しぶりに血を流したぞ………良いだろう。そろそろ行くぞ………烏合の衆どもが!!」

 

弧炎を纏い、右から左へと大降りの横凪ぎを繰り出したホークの攻撃を左に躱して再び烈風の択を投げようとしたが。

 

 

ー≪テンペスト・ストライク≫ー

 

 

横凪ぎを躱そうとステップを踏み込んだ十兵衛にソフトフェイントで体勢を立て直し、十兵衛と同じ方向にステップを踏んだホークのスピードは異常なほど素早く、あっという間に十兵衛の目の前に現れて盾を振り上げ、その顔を弾き飛ばした。

そして復帰した亜由に視線を向け、タックルを押し付けようと踏み込み、それを避けようとステップを掻いた亜由に合わせてステップし、亜由の顔面を弾き飛ばす。

 

「おいおい怠けてるのか?帝も大したことないな」

 

「クソ………ぬぅ!」

 

ホークのテンペスト・ストライクは一種のスペリオルブロックと同じであるが、相手の攻撃に合わせるのではなく、相手の回避行動に合わせて同じ方向にステップを踏むことでその者の気力を全て奪い取るほどのシールドバッシュを繰り出す事ができるカウンター技である。

 

「まだじゃ………ホークよ」

 

「よせ十兵衛、貴様のような老いぼれに私は殺せんぞ?」

 

「立て亜由……」

 

「言われなくとも………!」

 

「はぁ………分からないのか………」

 

駆け出してくる二人に溜め息を付き、ホークは兜の奥でニヤリと嗤った。

十兵衛の右弱攻撃をパリィ、追撃を止めようとする亜由からの柄殴りを見切って姿勢を低く下げて前のめりに足を進めてきた亜由の身体を引っくり返して地面に転がせ、大振りの斬り込みを振り抜く。

 

「グッッ……!!」

 

肩を切り裂かれた亜由は激痛に顔を歪ませ、歯軋りを立てて痛みを磨り潰す。

だがホークの攻撃は止まず、亜由に踏み込んでタックルを打ち込んでくる。

 

「ッ!!」

 

「ぬ!アホウが!!避けるな亜由!!!!」

 

十兵衛にも劣らぬ反応速度を有しているからこそ、亜由は地面を蹴り払って後ろに飛んでしまった。

タックルをソフトフェイントしたホークが亜由のステップに合わして追いかけ、成す術もなく亜由はテンペスト・ストライクを食らって地面に叩き付けられる。

亜由を助けようと斬りかかってくる十兵衛の攻撃を難なくパリィして弾き飛ばし、素早い振り抜きで十兵衛の身体を斬りつけてタックルを繰り出す。

 

「ぬぐッッぅ!」

(今度は素で出しおった!)

 

タックルの直撃を受けた十兵衛の身体に一刀入れて再びタックルを打ち込もうと踏み込む。

だがそれでも十兵衛は動かなかった、その誘いに受けるわけがないと、彼は動かなかった。

 

「ッッ!!」

 

「雑魚が!!!」

 

そして、ホークから繰り出されたタックルがもう一度十兵衛の身体を打ち付ける。

 

「十兵衛ぇ!!!」

 

気力が回復した亜由が背後に迫り、行動に移す前に先読みして素早く亜由に振り返って盾を突き出し、ガードを崩した。

そして今度は十兵衛に振り返って盾を水平にした横凪ぎのタックルを繰り出したが十兵衛はこれをステップで回避してしまう。

 

「ッッ………っ?」

(来ない……?あの攻撃は流石の奴も止められないのか?)

 

盾を振り抜いたホークは身体の軌道を変えて亜由に向かって吸い付くような横凪ぎの攻撃を繰り出そうと剣を振り構えた。

 

「む!」

 

パリィ、フェイント、全てに備えて身構える亜由の行動に合わせて十兵衛が烈風の択に持ち込もうと再びステップを踏み込んだその瞬間、亜由に斬りかかる寸前のホークは攻撃モーションをピタリと止め、死角で第二段階のステップを踏み込んだ十兵衛の位置をしっかりと把握して彼のステップに合わせて振り返り、テンペスト・ストライクのカウンターを合わせて枯山水の地面を震えさせるほどの勢いで十兵衛を叩き付けた。

 

「ぬ……がッッ!」

(なんという判断力……もしもワシが力を込めずそのまま振り抜いたらどうするつもりだ……!)

 

地面に叩き付けた十兵衛に素早い切り下ろしを繰り出そうとしたホークの攻撃に合わせて兜割りを繰り出す為に、前のめりに地面を蹴った亜由は再び視界が暗転し、地面に激突する。

 

「ハ………グフ………ッッ!」

(こいつ……弱も回避で止められるのか……!)

 

「………分かっているんだろ?」

 

「ッッ………」

 

「貴様らでは私は殺せない、そうして地べたに這いつくばっているのが良い証拠だ」

 

十兵衛と亜由はゆっくりと起き上がり、血を吐き捨ててフラフラと野太刀を構える。

 

「フン………やはり烏合の衆だったか、もう少し身体が暖まるかと思ったが、これでは冷えきってしまうな」

 

盾を剣を打ち付け、十兵衛に視線を合わせて再び攻め込もうとしたその時。

 

「そこまでだ」

 

「………貴様は」

 

「ッ………」

 

「………………ウルバルト様」

 

三人の視線の先にはグランドマスターの右腕であるロウブリンガーのウルバルトが立っており、ポールアックスの柄を地面に刺しながら三人を見渡していた。

 

「ホーク、お前にはあくまで偵察を命令していたはずだ」

 

不自然に浮いている左足の下には白迅が転がっており、その死体を蹴り飛ばした。

 

「白迅の死亡を確認したならさっさと戻ってこい、雑魚を相手にしている暇はない筈だぞホーク」

 

「は、申し訳ありません」

 

「グランドマスターからの命令だ、北の大陸でヴァイキングどもが動きを見せてる、他のウルブズと一緒に向かえ」

 

「………コイツらは……」

 

「放っておけ、しばらく用はない」

 

「………分かりました」

 

ホークは大人しく剣を収め、ウルバルトの隣に着く。

 

「命拾いしたな貴様ら、次会うときはもう少し私を楽しませてくれ」

 

「………っ」

 

待て、とは言えなかった、既に十兵衛も私も限界に近い、あの女一人でここまで苦戦しているというのに、そこのロウブリンガーまで混じったとなればいよいよ勝機はなくなるだろう。

寺院を去っていく二人の姿が御沼の濃い霧に消えた瞬間、私は地面に膝を付いた。

 

「………ッー」

 

「くたびれたか亜由?」

 

「………あぁ、流石に、余裕は吐けぬな……」

 

ホーク自身が持つブラックプリオールとしてのポテンシャルはもちろん、特殊ムーブのテンペスト・ストライクはかなり厄介であり、強制的にこちらの機動力を無効化してくる。

それにきっとホークはテンペスト・ストライクだけではなく、他のムーブも保有していることだろう。

 

「ひとまず戻るぞ十兵衛、神風の容態が気になる」

(ウルブズ、まさか奴等がこれほどとは……)

 

「あぁ、そうだな……」

 

 

~帝の城~

ー≪城塞内部・帝の間≫ー

 

 

二人は疲弊した足取りで帝の間に戻ると、入り口を警備していた彩月と峯月の二人の奥で神風が治療を受けていた。

 

「亜由様、十兵衛様、ご無事でしたか」

 

「何とかな……神風の様子はどうだ?」

 

「非常に危険な状態です、今は紅葉様、そして大熊様がお側に、清十郎様はまだ任務から帰って来ておりません……」

 

「………………そうか、十兵衛、頼みがある」

 

「なんだ?」

 

「これを、何とか出来るか?」

 

「………」

 

亜由が十兵衛に差し出したのは神風が使っていた忠義の刃だったが、金鉦の黄金は失われ、黒と緋に侵食されてその面影は消えている。

 

「先ほどからこの汚れが取れん、なんとか出来ないか?」

 

「………………やってみよう」

 

十兵衛と別れ、亜由は大量の布が敷かれた床に寝かせられている神風に近寄る。

 

「紅葉………神風は?」

 

「血が止まりません……母から治癒の心得は教わっておりましたが……どんなに手を尽くしてもこれだけの血を止めることは出来ません………」

 

「何か手はないのか?」

 

「………申し訳ありません」

 

こうして話している間にも、神風の全身から溢れ出ている血は布の許容量を超えて木の床に染み込み始める。

 

「正直に申し上げると……もう……………神風は持たないかと……」

 

仮面を外している紅葉の可憐な顔は悔し涙に濡れ、苦行の表情をしている。

 

「………………そうか……ならば………………致し方あるまいか」

 

《むぅ!おい山風!ここから先には行けぬと何度言えば分かるのだ!いい加減にー》

 

襖を破壊しながら転がり落ちて来た大熊は腰を擦りながらその横を通り抜ける山風に手を伸ばす。

 

「なんちゅう馬鹿力じゃあの小娘……!俺を押し飛ばしおってからに………」

 

山風は色々と初対面の面子に少しビクつきながらも神風の側まで近付いてきた。

 

「……………」

(あの大熊を押し飛ばしただと………?こんなにも小さな、子供だというのに………?)

 

「や、山風ちゃん、見たら駄目ですよ!」

 

「………兄さん」

 

意識はなく、体温と血を失い続ける神風の頬に両手を添え、その顔を覗き込む。

 

「おい小娘、神風の状況を分かっておるのか?さっさと離れよ」

 

「………まだ」

 

「あ………?」

 

顔を近付け、閉じられた彼の瞼を大きく見開いた己の目でじっと見つめる。

そして独り言の様にぼそぼそと喋り始めた。

 

「………まだ死んじゃだめ……兄さんにはまだやることが残ってる……それまでは何があっても死んじゃだめ……死んだら全てから逃げてしまう、それは許されないの………だから、起きて………………深淵が、彼が待ってる、兄さんを、待ってるから」

 

「………………おい、さっきから何をー」

 

「ッッ!!!!!」

 

突如目を覚ました神風が山風を押し飛ばして身体を打ち付ける起こした。

だがその様子は普通ではない、身体は黒い周忌を帯び、漆黒に染まった白目、美しい蒼の輪眼は禍々しく光っている。

 

「………神風?」

 

「………大丈夫なのですか?」

 

「っ………亜由様、紅葉………………山風」

 

「大丈夫……?」

 

「あぁ……不思議と………何ともない」

 

「何ともない!?だって貴方はあれだけの傷を………??」

 

紅葉が再び神風の身体を診察するが、傷は綺麗に消え去り、流れ続けて止まらなかった血は床に広がった血痕すら綺麗さっぱり消えていた。

 

「え………?」

 

「………………」

(この小娘が神風に何かを囁いてからこやつが起きた………なんなのだこの娘は?)

 

「亜由様っ」

 

「……なんだ?」

 

「あの後からは何が?」

 

「………白迅はお主が殺ったのか?」

 

「白迅……?いいや、拙者はむしろあやつに………」

 

「そうか、それ以上はいい。とにかく白迅は死んだ、その事実だけでいい。それ以上は頭が蒸発する」

 

その時、任務に出ていた清十郎が帰って来た。

 

「亜由様は戻られているか!?ッうぉ、起きたのか神風!!」

 

「清十郎、事は急を要する、成果はあったのか?」

 

「は、亜由様。探りを入れた所、ウルブズは七人、グランドマスターと呼ばれる者が一人、その右腕及び左腕が一人ずつ、確認した限りではありますが少なくとも十人以上で構成されていることがわかりました」

 

「なるほど………情報源は?」

 

「調査中に接触してきたアイアンリージョンのナイト達です」

 

「アイアンリージョンだと?あのウォーデンか?」

 

「いいえ、ブロウと名乗るロウブリンガーでした、ウォーデンは現在、アイアンリージョンのグランドマスターウォーデンとしての責務を全うしているとか」

 

「そうか………………分かった、合戦の準備だ」

 

「合戦?」

 

「そうだ、もう一度、かの二勢力を集め、会合を開く、そしてウルブズどもを駆逐し、そのグランドマスターとやらを引きずり出すのだ!」

 

身体を起こし、立ち上がった神風が壁に手を付いて体勢を整える。

 

「ならば亜由様、まずはヴァイキングの地に向かうべきです、現在ヴァイキングの大陸はウルブズの軍勢に制圧されているという噂があります、先に彼らを助けるべきでは?」

 

「ナイトの地でも侍の賊どもが侵略の限りを尽くしているとそのロウブリンガーからの情報があります」

 

「………いいや、あの者共ならば自力で取り戻すだろう、むしろ我々が介入すれば、それは屈辱に変わる」

 

「…………」

 

「それにだ神風、己の大陸すらろくに取り戻せぬ者共の助けなどクソの役にも立たぬ、分かったな?」

 

「ハハ、確かに、彼らならば容易く取り戻すでしょうな」

 

亜由は帝の座に座り、その場の六人に号令を出した。

 

「われわれ侍は刻を待つ!ナイト、そしてヴァイキングの各豪傑が集まるまでここで合戦の準備を整える!!!」

 

帝は再び戦の火刃を突き立てた、混沌を消し、狼の時代の中で生き残る為に。




これにて≪帝の神風≫及び侍のエピソードは終了です、残り二勢力のエピソードをお楽しみに!ではいつも通りムーブセット紹介になります。


~ムーブセット紹介~

剣聖
ー≪十兵衛≫ー

ー『烈風(れっぷう)』ー
ステップ強攻撃を3段階まで溜める事が出来る。
1段階目:通常ステップ強攻撃。
2段階目:阻止不能付与。
3段階目:ガード不能付与、15F
尚、烈風の持続中は段階ごとに拡張回避、烈風発動中、もしくは次段階到達時の回避に対するガード崩しは無効。


ブラック・プリオール
ー≪ホーク≫ー

パッシブ
全てのムーブセットを回避行動でソフトフェイント可能。


ー『テンペスト・ストライク』ー

相手プレイヤーの回避に対するスペリオルブロック。
相手プレイヤーと同方向にステップを踏むことで自動的に始動、発動成功時に相手プレイヤーのスタミナを全て消費させ、強攻撃又弱攻撃が確定。
戦技、もしくは反撃によるパッシブスタンスも無力化する。
尚、反撃ゲージに影響は与えない。
テンペスト・ストライク発動中は阻止不能・ガード不能を付与、ホーク専用のパッシブ戦技によりテンペスト・ストライク成功時に体力50回復・10秒間シールド100追加
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