異世界に侍よ、来たれり!   作:マシンクーガー

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第二話:冒険者ギルドにようこそ!

王都ラダマントゥスーーードミル大陸南方に位置する最大国家、ここエリュシオン王国は、過ごしやすい気候と美しい湖、善政をしく国王のおかげで比較的平和な国。

エリュシオン王国の主要な産業は繊維業

 

「賑やかな都だ、安土城の城下町を思い出す。」

 

光は王都北区(居住区)を歩いていたり、王都西区(商業区)で質の良い木材“エボニー”とアイアン、火薬、金、うるしを購入する。そして購入した道具を持ち帰り、宿屋『ミルトン』で休憩する。

 

「これを…こうして。」

 

光は職業スキルの[鍛冶スキル:LV10][木工スキル:LV10][錬金術スキル:LV10]を駆使し、雷魔法と火魔法[ファイアトーチ][プラズマイド]でアイアンを溶解しつつ、乾燥した坩堝に液体金を鋳造する。硬化間に光は木材を切り分け、形を生成していく。そしてもう一つ溶かした液体金を取り出し、研磨しつつ、火薬を入れ、鉛玉及び、中口怪弾丸を作り出した。硬化したアイアンを形成したエボニーを漆で接着して行き、うるしの塗料を付与していく。

 

「できた!」

 

光は出来た試作物を試しに平原にて木材を的にする。光がスキルを駆使して完成したのは、かつて旧世の世界で使われた武器『鉄砲』と呼ばれるが、推進文明の『小銃』。その二つの特性を組み合わせた光しか扱えない『小砲 “緋花”』の試し射ちをしてみる。銃床と台カブを握る光は火薬と鉛玉を入れた小砲の先目当で的に狙いを定める。

 

「…………」

 

光は用心金に指を通し、引き金を近づける。集中力と台尻に体重をかけ、引き金を引いた。火縄の金具が火薬が入っている火皿に作動し、火薬に着火した。銃口から鉛玉が飛び出し、的のど真ん中どころか、的ごと壊してしまった。

 

「あ……」

 

的を壊した事に火薬が多い事に気付き、調整していく。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

小砲の調整し終えた光はギルドへと着く。

ギルドは町の中央近くにあり、そこそこの賑わいをみせていた。ギルドの一階は飲食店になっており、思ったよりも明るい雰囲気であった。カウンターへ向かうと、受付のお姉さんがにこやかに微笑んでくれた。

 

「あの、ギルド登録をお願いしたい。初めてだが、頼めるか?」

 

「はーい 利用登録お願いしますねー♡」

 

ギルドの受付嬢はカウンターにギルドの利用企画書とカード登録の用紙の内容を説明する。

 

「(何という桃胸…)」

 

光は受付嬢の巨乳を見て頰を赤らめる。そして登録完了した光はボードに添付されている依頼書を見る。

 

「字は読めないが、このスカウターのお陰で助かった。」

 

・{依頼主:アルト村村長}

 

「ゴブリンが出ているのか……」

 

光は討伐依頼である“ゴブリン退治”をやるのであった。

 

 

 

 

依頼主の場所へ向かう為、馬を馬借し、アルト村に着く。アルト村ではここ数日前にゴブリンに悩まされているとのこと、そして放っておけば、女性は連れさらわれ、死よりも恐ろしい扱いをされると。それを聞いた光はゴブリンの住む洞窟に入る。

洞窟内は薄暗く、たいまつの火をつけ、奥へと進んでいく。

 

「(何だこの臭い…)」

 

先に進むと、光は衝撃な光景を見る。それは無数の人骨、大勢の少女達の姿がそこに捨てられたかのように生まれた姿のままで横たわっていた。

 

「……下郎!」

 

光はマジックバッグに収納していた小砲を取り出し、鉛玉と火薬を入れる。丁度そこに、三匹のゴブリンが偵察として光に襲い掛かろうとする。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ゴブリンの巣窟、沢山のゴブリンとその中にゴブリンロードと呼ばれるゴブリンの上位種がいた。彼らは数時間前、アルト村の女性達を攫い、種族を増やすために他種族の雌をその苗床とする。主に普人種や獣人種を複数人数攫い、廻し、孕ませ、生ませる。ゴブリンの子は着床から出産まで1ヵ月、新生児が成体になるまでも1ヵ月と、成長速度が恐ろしく早い。

この繁殖速度で、一度巣穴を作り雌を囲えば、驚くほどのスピードで繁殖し、周囲へ害悪を振り撒く。

その為、はぐれゴブリンや巣分けして新しい巣穴を作るために移動してるゴブリングループが発見された場合、速やかに排除しなければいけない。

ゴブリンロードは呑気に檻の中にいる攫った女性達を見る。その中に綺麗な銀色のロングヘアーをしたエルフの美少女と彼女と同じ銀色のツインテールをした小さなエルフの少女を守ろうとしていた。ゴブリンロードはエルフの美少女の方を見て、牢の前に立つ。ゴブリンロードは牢の扉を開け、エルフの少女の足を掴み上げる。

 

「お姉ちゃん!」

 

ゴブリンロードはエルフの少女の張りのある豊満な胸や腰、尻を見て舌を出そうとした直後、出入り口から煙と爆発音が鳴ら出てくる。

 

『?』

 

ゴブリン達は何が起こったのか様子を見ようとしたその時、一発の銃声と共に、煙の中から鉛玉が飛んで来た。鉛玉はそのままゴブリンの眉間を貫く。

 

『!?』

 

何が起こったのか、ゴブリンが突然倒れ、さらに銃声が鳴ると同時にゴブリンの二匹の頭が吹き飛ぶ。

 

『!?』

 

ゴブリンロードは一体何が起こっているのか混乱する。すると出入り口から足音が聞こえてくる。

 

「……[身体強化][脚力強化][忍耐強化]。」

 

光は自身の体に強化魔法を発動し、鞘から時雨を抜刀する。煙から鎧を身に付けた光が飛び出し、残っているゴブリンの首を切る。ゴブリンロードはそれに驚き、玉座に置いてある大剣を持ち、光はゴブリンロードの構えに呆れ、助言を呟く。

 

「脇が開いているぞ」

 

光はスキルを発動し、『凰雅新陰流 旋風』を放つ。肉眼では見えない程の速さがゴブリンロードの両腕を斬撃した。大剣を持っていた両腕が転がり落ち、ゴブリンロードは腕から噴き出す血を見て悲鳴を上げる。

 

『グワァァァッ!!!』

 

光は倒れ込んだゴブリンロードの隙をつき、小砲にライフル弾を装填していく。

 

「女子達は……返して貰うぞ。」

 

小砲の銃口を眉間に付け、引き金を引いた。ライフル弾が銃口から射ち出され、ゴブリンロードの頭を貫く。すると先の戦闘でゴブリンによって隙を突かれていたのか、銃声の音響に面具が割れる。

 

「あ……」

 

割れた面具が地面に落ち、光は拾う。

 

「さっきの怒りで面具が壊れた……大御神様に新しい物を頼まないと。」

 

松明の灯りが冒険者の素顔を照らす。それはこの世とは思えないほどの美しい男性であり、エルフの男性にも怠らない程でもあった。そんな中、銀色のツインテールのエルフ美少女が光の顔を見て一目惚れをする。

 

「……」

 

「ん?……何?」

 

光はエルフの少女に問う。

 

「あ、いえ。」

 

「そうだ…これ。」

 

光はマジックバッグから沢山の毛布を取り出し、エルフに渡す。

 

「皆んなに渡して……」

 

「はい…(なんて綺麗な人間の男…)」

 

彼女はそう思い、皆んなに毛布を渡し、馬車で連れ帰るのであった。

 

 

 

 

無事に村の女性達を連れ帰った光は村長から感謝されていた。

 

「ありがとうございます。貴方様のおかげでこの村は平和になります。」

 

「拙者は依頼の通りにやったまでです。それに…彼女達の人生と悲しみも晴らす事も出来ましたし。」

 

光はそう言うと、財布から金貨四十枚を村長に渡す。

 

「た、旅のお方!何を!?」

 

「この村の再建の為の資金に使ってください。私はこれから行かなければならい場所もあります…」

 

「そそそ!そんな!こんな大金貰い受けられません!」

 

「村の住民を守る為に、また犠牲者や悲しみを増やすのですか?」

 

「…………分かりました、有り難く貰い受けましょう。最後に一つ、貴方様の名前は?」

 

「……名乗るほどの者ではありません。只の旅をする武士に御座る。」

 

光はそう名乗り、ギルドに報告しに王国へと戻る。

 

「(さっき助けたエルフの少女、綺麗であったなぁ……)」

 

 

 

 

 

 

 

ギルドに報告し、宿場の一階にある酒場で酒を飲んでいると……。

 

「此処、良いか?」

 

「……?」

 

光は座って来た冒険者の服装に驚く。それは旧世の衣服の様な和装であり、腰には大きな太刀を身に付けた女性であったからだ。

 

「(和を模した鎧に衣服……まさか、この世界にも似たような東の国があると言うのか!?)」

 

「私は桜花(オウカ)。このエリュシオン王国より東の果てにある州『アーリクス小大陸』の洋上に浮かぶ島国『トキワ』から来た。」

 

光はスカウターでトキワと言う国を調べ、旧世で自分の住んでいた里で誤魔化す。

 

「拙者は凰雅光、『隠れ里 ヒライ』の生き残りだ。」

 

「ほぉ、ヒライと言う隠れ里から此処へ旅しに来たと。」

 

「えぇ。」

 

「そこで、(ミツル)殿に頼みがある。」

 

桜花は襟の中からある旗を見せる。九つの頭を持つ龍が口を開き、赤色、青色、黄色、緑色、空色、紫色、白、黒、灰の御魂を加えていた。

 

「我等のギルド『九頭龍の(アギト)』に入らぬか?」

 

桜花と名乗る女性は光をギルド《九頭龍の顎》と言う団体にスカウトするのであった。


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