我、深海棲艦ニ転生ス!   作:☆桜椛★

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我、聖地マリージョア ヲ襲撃ス!

マリンフォードにある海軍本部の一室では、海軍の元帥センゴクが胃を痛めていた。原因は勿論、深海棲艦達だ。

あちこちの海軍支部を同時に襲撃し、その支部を中心に近海を縄張りにしている彼女達をどうにか捕らえようとセンゴクは今まで大勢の海兵と軍艦を出撃させた。だが襲撃した軍艦の90%は轟沈し、戻って来た軍艦も大破していていつ沈んでも可笑しくない状態だった。これだけでもセンゴクは胃に深刻なダメージを受けた。

更に追い討ちをかける様に1ヶ月程前に世界政府と協力して世界から存在を隠していたフォールジン島を襲撃され、奪われてしまった。これには天竜人が激怒し、彼女達を捕らえる為に再び世界政府共々大きな被害を受けた。

そして今センゴクは、医師に「胃の調子が改善するまで薬を飲んで仕事をしないで休むように」とドクターストップが掛けられており、仕事を休んでいるのである。これにはあのサボり屋なクザンやガープも同情し、せめてセンゴクが回復するまでは真面目に仕事をしようと思う程だった。

 

 

「イツツツ!……はぁ、彼女達の目的は、いったい何なのだ?」

 

 

センゴクは椅子に座ってぼんやりと窓の外に広がる海を眺めながら、深海棲艦について考えていた。彼が元帥に就任してから、これ程の胃痛に苦しめられたのは今回で何回目かだ。

ただでさえガープやクザンがサボった所為で増える仕事に自分の休み時間や睡眠時間を削りに削りまくっているのに、今回は天竜人が殺害され、海軍支部が落とされ、更には世界政府と協力して隠していたフォールジン島が奪われるという海軍始まって以来の大事件。

はっきり言って胃に穴が開いてもおかしくなかったとセンゴクは医師に言われた。

 

 

「……むぅ、そろそろ薬を飲む時間だな。全く、海軍元帥である私が胃痛に苦しめられるとは…」

 

 

センゴクは机に置かれていた薬袋から医師に渡された薬を取り出し、湯呑みにお茶を入れた。

すると、突然廊下から慌しい足音が近付いて来て、部屋の襖が開かれ、1人の海兵が入って来た。仕事は基本休んでいても、大事な報告だけは聞くようにしているのだ。

 

 

「せ、センゴク元帥!また深海棲艦が……!!」

 

「また何か事件を起こしたのか?すまんが私はもうちょっとやそっとの事ではもう驚かんぞ?取り敢えず報告はしろ」

 

 

慌てる海兵を殆ど表情を変えずに見ながらセンゴクは口に薬を放り込み、湯呑みのお茶で流し込む。どうやら本当に慣れてしまった様だ。

 

 

「深海棲艦の軍勢が1人の魚人と共に聖地マリージョアを襲撃!!マリージョアにいる奴隷達を次々と解放しています!マリージョア近海を巡航していた軍艦は、全て深海棲艦に奪われました!!」

 

「ブゥゥゥーーーッ!!?ゲッホ!ゴホゴホッ!!な、なんだとぉ!?すぐに大将達とガープを向かわせろ!!なんとしても奴等を…はう!?い、胃がぁぁぁ〜〜……」

 

センゴク元帥ぃぃぃぃぃぃぃぃ!!?

 

 

口に含んでいたお茶を凄まじい勢いで吹き出したセンゴクは、すぐ命令を出そうとしたが、命令の途中で突然襲い掛かって来た胃の痛みに耐えられず、医務室へと搬送されて行った。

因みに、医師の診察の結果、本当に胃に穴が開いてしまっていたらしい。

 

 

 

 

 

 

ヲ級side…

 

 

「建物ハ破壊してモいいガ、無人かどうかヲ確認してカラにシロ!!天竜人や兵士達は好きニして構わなイガ、奴隷達は見つケ次第全員解放しロ!!解放した元奴隷達にハ流れ弾1発当てるナ!!」

 

「「「「「了解!!!」」」」」

 

 

私の指示を受けて人型の深海棲艦達が次々と進んで行く。私達は現在、天竜人の住処である聖地マリージョアを襲撃していた。辺りは火の海と化し、道路には政府の役人や兵士、海兵達と数人の天竜人が血を流しながら倒れており、あちこちからライフルの銃声や深海棲艦達の砲撃音や爆撃音、そして兵士達などの怒号や悲鳴と解放された元奴隷達の歓喜の叫びが聞こえてくる。

解放された元奴隷達は奪った軍艦に乗せて、私達が占領した各島々まで輸送する予定だ。勿論全ての軍艦は私達深海棲艦が護衛する。近海を航行していた海軍から奪った軍艦は全部で20隻だが……これ足りるかどうか分からないなぁ?

私は重巡リ級と雷巡チ級達に誘導されて軍艦を停めてある港にお礼や歓喜の叫び声を上げながら走り去っていく解放された元奴隷達の集団を建物の屋根の上から見下ろしながら軍艦が足りるか不安になって来た。

すると、奴隷解放を命じていた戦艦タ級から通信が来た。

 

 

『コチラ戦艦タ級、少シイイダロウカ?』

 

「こちら空母ヲ級改flagship。どうしタ?何か問題デモ起きたカ?」

 

『サッキカラ集積地棲姫様ノ姿ガ見エナイノダガ……ソチラニ、イラッシャラナイダロウカ?』

 

「アァ〜〜………多分いつもノ収集癖が発動したんだロウ。ほっとけバ戻って来ルから自分の仕事ニ集中しロ」

 

 

このマリージョアには天竜人がコレクションとして各地から買い集めた珍しい物もあるだろう。おそらく集積地棲姫は奴隷解放作業中に偶然そのコレクションの保管庫か何かを見付けてしまったんだろうな。

 

 

『了解シタ。引キ続キ奴隷解放作業ヲ続ケル』

 

 

タ級はそう言い終わると通信を切った。全く、アイツはいったいこの忙しい時に何をやっているんだか。

 

 

 

 

 

 

一方その頃…

 

 

とある天竜人のコレクションルームにて、集積地棲姫は眼鏡の奥の目をキラキラとさせながら子供の様にはしゃいでいた。

 

 

「オォ!オォ〜!!…凄イ!!コンナニ、珍シイ物ガ…イッパイ♪」

 

 

彼女の前には様々な物が透明なガラスのケースに入れられ、綺麗に並べられていた。世界に2つと無い有名な鍛治師が打った銘刀、美しい装飾が施された槍、不思議な魅力を持った古びた本、何かの船の舵輪、更には珍しい形をした木の実…悪魔の実などなど。どれもこれも集積地棲姫にとっては宝物に見えた。

まじまじと観察した集積地棲姫は全部持って帰る事を決め、次々とガラスを割っては自分の艤装であるドラム缶の中に入れて行く。このドラム缶も幾らでも物を入れる事が出来るため、集積地棲姫は鼻歌を歌いながら作業を続けた。

 

 

「フン♪フン♪フフン♪……ウン?」

 

 

部屋のコレクションのだいたい半分をドラム缶に収納した所で、集積地棲姫はこの部屋に近付く多数の足音と誰かの声に気付いた。

折角の楽しい気分が台無しにされた感じがした集積地棲姫は、ギロッと部屋の出入り口を睨み付けた。そして無言で1本の魚雷を手に持ち、野球の投手の様な構えを取り………。

 

 

「ッ!?深海棲艦だ!ウッゼーヨ様のコレクションルームn「沈メオラァァァァ!!」…へ?」

 

 

扉を開けて入って来た黒いスーツを着た人間達に向かって投擲した。投げられた魚雷は綺麗な直線の軌道を描きながらまっすぐ彼等に飛んで行く。黒いスーツを着た人間達も投げられた物が何やらヤバい物だと本能的に察知して慌てて引き返そうとするが、時すでに遅し。魚雷の先端が先頭を走っていた男にコツンと当たった瞬間!

 

 

ドゴォォォォォン!!!

「「「「「ぎゃぁぁぁぁぁぁあ!!?」」」」」

 

「………フッ、邪魔者ハ滅ンダ。……サテ!回収♪回収♪」

 

 

魚雷は盛大に爆発して人間達を吹き飛ばし、それを見届けた集積地棲姫は再びコレクションの回収に戻った。

 

 

 

 

 

 

(………なんか天竜人の住居が爆発したな。あそこにはまだ深海棲艦達は送ってない筈だから、アレは集積地棲姫か)

 

 

私は遠くの方に建っている爆発した派手な装飾が施された天竜人の住居を呆れ顔で眺めていた。正直言ってこれだけの深海棲艦達は流石に過剰戦力過ぎたと思っている。

最初は集積地棲姫や中間棲姫達と話し合ってそれぞれの役割に必要な人数より10人程多く分配されるよう計算していたのだが、解放された元奴隷達の約4割が天竜人に復讐するために暴れ始め、思ったより簡単に敵を殲滅または退かせる事が出来た。というかちょっと流石に暴れ過ぎじゃないか?どんだけ天竜人は奴隷達に恨み買われていたんだ?

私が暴れ回る元奴隷達を苦笑いを浮かべながら見下ろしていると、奴隷解放をさせている深海棲艦から通信が入った。

 

 

『コチラ第3奴隷解放部隊隊長重巡リ級ッス!ナンカマダ突入シテナイ建物ガ爆発シタンスケド大丈夫ッスカ?』

 

「アァ、多分集積地棲姫の魚雷カ何かだろウ。気にせズ奴隷達の解放ヲ続けてくレ」

 

『了解ッス!ソレデハ……』

 

 

リ級はそう言って通信を切った。どうやら彼女達もちゃんと仕事をしてくれているようで安心した。今回私達は港と海軍や世界政府の船を奪取し、港を海軍から防衛する防衛側と、奴隷解放と解放された奴隷達を港へ誘導する奴隷解放側に別れて行動している。奴隷解放側は私と港湾棲姫、集積地棲姫、空母水鬼の4名。防衛側は残りの姫級と鬼級達がやっている。因みにタイガーは奴隷解放側ではあるが、別行動をとっている。

しばらくすると再び通信が入った。またリ級からだったが、今度はさっきの娘とは別の場所にいるリ級からだった。

 

 

『コチラ第11奴隷解放部隊隊長重巡リ級ッス!サッキカラギャーギャー煩イ天竜人ガイルンスケド、コレドウスルッスカ?』

 

「丁重に海ニでも投げ捨てテしまエ。天竜人ハとても偉い(笑)らしいカラ、笑顔で投げ捨てなサイ」

 

『了解ッス!ホォ〜ラ天竜人サン、チョット来ルッス!』

 

『は、離すんだえ〜!!わ、ワチキに何をする気だえぇ〜!?』

 

『サァ、鳥ニナッテ来ルッス!!』

 

『だええぇぇぇぇぇぇぇ(ぇぇぇぇ………)

 

 

繋ぎっ放しの通信から天竜人のものらしき悲鳴が聞こえ、離れた場所にある建物から人型っぽいものが崖の方へ向かって飛んで行くのが見えた。普通あんなに人間はぶっ飛びはしないのだが、この世界ではやってみたら案外出来るものなのだ。

その後リ級は自分達の仕事に戻ると告げて通信を切った。そしてその通信から約2時間後、ようやく殆どの建物を調べ尽くして奴隷達を解放した所で、港を防衛している中間棲姫から連絡が入った。

 

 

『……コチラ中間棲姫。…海軍ノ艦隊ガ、ヨウヤク来タワ』

 

「私は出来れバ来て欲しクなかったけどネ。人間達ヲ乗せた軍艦ハ、後何隻残っテイル?」

 

『……後、4隻ヨ。ドウスルノ?ヲ級』

 

 

中間棲姫は私にどうするか聞いてくるが、その声は通信越しからでも戦いたくてウズウズしているように聞こえた。

というか防衛側に向かわせた深海棲艦達はホッポを除いてほとんど全員戦闘をしたがっていた子ばかりだからそれも仕方ないか。

 

 

「ハァ……あまり殺すんじゃナイゾ?海軍本部の人間達ハいい人間モ多いカラナ」

 

『……了解シタワ。出来ルダケ人間ハ沈メナイヨウニ注意スルワネ』

 

 

中間棲姫は少し声を弾ませながら通信を切った。

・・・・やっちまったか?私……。

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