我、深海棲艦ニ転生ス!   作:☆桜椛★

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我、仲間ト成リ行キデ海賊ヲ撃破スル?

偉大なる航路(グランドライン)前半のとある海、そこに《メシウマシ島》と呼ばれる新鮮でそのまま食べても美味しい食材が豊富な島があった。街は毎日客寄せの声や主婦達の世間話、子供達の笑い声や怪しい大人達の取引会話や女性にナンパチャラ男の悲鳴などが聞こえ、賑やかな様子だった。

しかし、それも1時間程前までの話だ。今は街のあちこちで銃声や誰かの悲鳴が聞こえ、港とその周辺では火事が起きていた。現在、ここメシウマシ島は1つの海賊団に襲撃されていた。普段なら海賊が襲って来た方向の反対側にある海軍支部から海兵達が武装してやって来て、海賊達を逮捕したりして騒ぎはすぐに収まるのだが、その海兵達は皆海賊達によって返り討ちにされた。

だが、それも仕方がない事だった。今回この島に襲撃して来たのは懸賞金1億4800万ベリーという億越え賞金首である“自然汚染”の《ベネット・ガイラー》率いる《セイキマツ海賊団》だからである。

 

 

「ヒャッハァァァァ!!どうした海軍!歯応えがねーぞ!!」

 

「海軍兵士がなんぼのもんじゃーい!!」

 

「いよっしゃぁぁぁぁぁあ!金品全部いただくぜぇぇぇぇ!!」

 

 

モヒカン頭の男達が銃を空に向けて乱射しながら街中を走り回っていた。彼等がセイキマツ海賊団の船員達である。

 

 

「あん?オイ!あれ見ろよ!!」

 

「どうした兄弟?……お?おぉ!?」

 

 

暴れ回っていた船員の1人があるものを見つけ、近くにいる仲間達に知らせた。仲間達もなんだなんだとその方向を見ると、2人の美少女が手に持った紙を見ながらキョロキョロと辺りを見回していた。1人は黒いレインコートを着用し、開いたチャックの隙間からは黒いビキニが見える紫色の瞳をした女の子。そしてもう1人は所々に黒い装飾が付いた純白のワンピースにミトンの手袋を着用し、雪の様に真っ白な肌に紅い瞳、白髪の頭には黒い小さな角の様なものがある可愛らしい女の子だった。

 

 

「なんだ?あのガキ共?もしかして迷子か?」

 

「しかし可愛らしい容姿してんじゃねーか。おい、あのガキ攫ってヒューマンショップに売らねぇか?」

 

「お!そりゃいい!行くぞお前等!手伝え!!」

 

「「「「「ヒャッハー!!」」」」」

 

 

無駄にハイテンションに返事をしてそれぞれ自分の得物を手に持って少女達の所に歩み寄って行った。少女達は近付いて来る海賊達に目もくれず、手に持った小さな紙を見ながら話をしていた。

 

 

「アレ〜?オカシイナ?地図ダト、コノ辺リノ筈ナノニ」

 

「?ミチ……マヨッタ?」

 

「ソウカモ。ソレニ、周リ燃エテルシ……オ姉チャンノトコ行ッタ方ガ良イカナァ?」

 

「デモ…オツカイ、マダオワッテナイ」

 

 

ウ〜〜ンと少女達が悩んでいる間に、海賊達は彼女達の周りを完全包囲し、1番初めに彼女達を見つけたモヒカン頭の…全員モヒカンだったな。じゃあモヒカン1号がニヤニヤしながら彼女達に話し掛けた。

 

 

「よぉ、嬢ちゃん。ちょっといいか?」

 

「レ?オジサン、誰?」

 

「オォ…トサカ。カラアゲ?」

 

「誰が鶏じゃゴラァ!?……じゃなかった、お嬢ちゃん達?何か探し物か?」

 

 

白いワンピースの少女に思わず怒鳴ってしまったが、すぐにハッとした様子で顔を笑顔に戻した。だが、怒りは隠しきれておらず、その笑顔は引き攣っている。

 

 

「ウン、実ハオ姉チャンカラ、御使イ頼マレタンダケド…オ店ガ見付カラナイ」

 

「(御使い?海賊が襲撃してる街でか?俺様がいうのもなんだが、クレイジーな奴がいたもんだ)そうか。なら、俺様達とお店探さないか?」

 

「サガス…カラアゲト?」

 

「テメェ!クソガキ!俺様をおちょくってんのか!?」

 

 

不思議そうにコテンと可愛らしく首を傾げる白いワンピースの少女にモヒカン1号は青筋を浮かべて怒鳴った。だが怒鳴られた本人は只々キョトンとモヒカン1号を見上げるだけで、表情を変える事はなかった。

 

 

「おい、もういいだろ?さっさとガキ共攫って金品の回収に向かおうぜ」

 

「レ?オジサン達、人攫イナノカ?」

 

「フハハハ!聞いて泣き喚け!俺様達は懸賞金1億4800万ベリーの賞金首!“自然汚染”のベネット・ガイラー様率いるセイキマツ海賊団の海賊よぉ!!」

 

 

少女達にピストルやガトリングガン、サーベルなどを向け、モヒカン1号は胸を張って自分達の自己紹介をした。これで後はこの2人を攫ってヒューマンショップに売り、自分達はお金が大量に手に入る。

………そう、思っていた。

 

 

「ヘェ?海賊ナンダァ?海賊ナラ、良インダヨネ?」

 

「ウン。オネエチャン、イッテタ。カイゾク二オソワレタラ…シズメテイイッテ」

 

 

突如彼女達から今まで感じた事がない程の強い殺気が溢れ出した。その殺気に海賊達はギョッとして彼女達から距離を取る。するとレインコートの少女の腰辺りから黒い装甲と筒の付いた尻尾が生え、ワンピースの少女にはワンピースの中後ろ辺りから赤黒い機械の様な蛇?が出現した。しかしただの蛇ではなく、左側の蛇の小さ目の口からクレーンが出て、右側の大きめの頭には口だけでなく、目の部分に2本の筒、左側に取っ手、右側に中央に白い線が書かれた板が付いていた。海賊達が驚いていると、レインコートの少女はニヤァァ♪と笑って尻尾の先を海賊達が集まっている方向に向けた。

 

 

レ!!

ドドドォォン!!!!!

 

「シズンデッ!!!」

ドガァァンッ!!

 

「え!?ちょ!待っ!!」

 

「「「「「ぎゃぁぁぁぁぁぁあ!!!」」」」」

 

 

数分後、彼女達を包囲していた海賊達は皆血を流して地に伏し、周囲の建物は倒壊し、道は穴だらけになっていた。海賊達を倒した少女達はお互いにハイタッチしてはしゃいでいる。すると、遠くの方から女性の声が聞こえて来た。

 

 

レ級〜〜!!ホッポ〜〜!!

 

「レ!オ姉チャンノ声ダ!」

 

「オネエチャン♪」

 

 

その声を聞いた瞬間2人の顔は嬉しそうな表情になり、声のした方へ向かって走り出した。その場に合わない可愛らしい光景を、物陰で顔を蒼くしながら1人のモヒカン頭が見ていた。

 

 

 

 

 

 

ヲ級side…

 

 

私がレ級を建造してから約3ヶ月。今日私はレ級とこの3ヶ月で建造された深海棲艦達の内2人の計4人でメシウマシ島に食料を買いに来ている。島の住民が増えたからね。え?時間飛び過ぎ?気にしたらダメだと思うよ。

で、島に食料を買いに来たまではいいんだけど、いきなり海賊達が島に襲撃して来たから、今は別れて買い物をしている2人を捜している最中である。

 

 

レ級〜〜!!ホッポ〜〜!!

 

「ヲ級オ姉チャン!!」

 

「オネエチャン!」

 

 

2人が頼んだお肉屋さんがある港の近くで2人の名前を呼んでいると、笑顔を浮かべたレ級と、白いワンピースにミトンの手袋を着た女の子…2週間前に建造されたばかりの姫級、《北方棲姫(ほっぽうせいき)》がこちらに向かって走って来た。私は抱き着いてくる2人を優しく受け止めた。

 

 

「レ級!ホッポ!良かっタ。やっト見つカッタ」

 

「レレ〜♪」

 

「………♪」

 

 

レ級と北方棲姫…通称“ホッポ”は嬉しそうかな顔をしている。因みにこの3ヶ月で喋り方を練習した為、私の口調は普通の人の発音に近くなっている。これで他の深海棲艦達と少しは見分けが付くと思う。……って、私は誰に対して話しているんだ?

 

 

「オヤ?ドウヤラ、レ級 ト ホッポ様ハ、見付カッタヨウデスネ」

 

 

私がそう思っていると、背後から女性に声を掛けられた。振り返ると、そこには私達と同じ人型の深海棲艦がゆっくりと歩み寄って来ていた。

黒いミディアムヘアーに深海棲艦特有の白い肌。黒い装飾が付いたショート丈のタンクトップの様な服を着用し、下半身は機械の塊の様になっている。顔に右目部分にだけ穴がある白い仮面を付けた彼女は《雷巡チ級》。今回私とレ級、そしてホッポと一緒に買い物を手伝ってくれている重雷装巡洋艦だ。

彼女は下半身は完全に機械なのだが、なんか陸上では少し浮いて滑る様に移動出来るのでちょっと面白そうとか思ったりした。

 

 

「エェ、一緒に捜しテもらって済まナイワネ。チ級」

 

「イエイエ!ヲ級()ノ為ナラバ…」

 

 

チ級は慌てた様子で気にしないで欲しいと言って来たが、私は少し顔が引き攣る感じがした。何故か建造された深海棲艦達は、私と姫級と鬼級を様付けで呼ぶんだよな。

姫級や鬼級はなんとなく分かるが、最初は何故私も様付けなのか分からなかったので直接聞いてみた所、彼女達からしたら私が『ヲ級の姿をした姫級だからですよ?』と不思議そうな顔で言われたんだけどどういうこと?

その事が私の今1番の謎だったりする。

 

 

「ア!オ姉チャン、オ肉屋サンナカッタカラ、オ肉買エナカッタ」

 

「アァ、今この島ニ海賊が襲撃しテ来テイるからナ。今日ハもう帰るゾ」

 

「カラアゲナラ…レキュウトワタシガ、シズメテキタ」

 

ハ?唐揚げヲ沈めタ?

 

 

えっへん!と可愛らしく胸を張るホッポに私が疑問符を浮かべていると、ホッポ達が走って来た方向から1人のモヒカン頭で筋肉隆々の大男が歩いて来た。

………ん?

 

 

(モヒカン…トサカ…鶏……あぁ、成る程)

 

「おいそこのデカい帽子被った女!今変な事考えたな!?」

 

 

唐揚…モヒカン男は物凄い形相で怒鳴って来た。私口に出してなかったよな?

 

 

「何者ダ?我々ニ何カ用カ?」

 

「アァ!?惚けんじゃねぇ!そこのガキ2人が俺様の子分をボコボコにしたって事は分かってんだ!!」

 

「レ?モシカシテ、サッキノ海賊ノ事カ?」

 

 

何?という事は、この火炎放射器を持たせたら似合いそうな大男は今島を襲撃している海賊達の船長か?

すると大男はニヤリと笑いながら名乗り出した。

 

 

「そうだ!俺様はセイキマツ海賊団の船長!懸賞金1億4800万の賞金首、ベネット・ガイラー様だ!殺られた子分の落とし前を付けてやる!」

 

 

ベネットがそう言うと、ベネットの腕が灰色に近い色をしたヘドロに変化し、その塊を私の方へ弾丸な速度で放った。おそらくアレは悪魔の実の能力だろう。

私はレ級達の前に出るとステッキを地面に突き刺した。すると放たれたヘドロは私の少し前でバリアの様なものに防がれた。コレはいつの間にか使えるようになったもので、姫級や鬼級も使える物だ。因みにホッポも使える。

……もしかして、私がヲ級の姿をした姫級って言われる理由ってコレか?

 

 

「ッ!?テメェも能力者か!」

 

「私は悪魔の実ハ食べていナイ。お前ハ能力者ダナ?」

 

「そーだ!俺様は“ヘドヘドの実”のヘドロ人間!ロギアの俺様にはどんな攻撃も効かねぇn《ドゴォン!!》ガハァ!!?」

 

 

自慢そうに両手を広げて自分の食べた悪魔の実を暴露するベネットが突然爆発して吹き飛ばされ、建物を貫通して消えて行った。私とレ級とホッポが隣を見ると、左手だけ艤装を展開して砲撃していた。

 

 

「チ級…責めテ最後まで言ワセテやればいいノニ」

 

「海賊デ攻撃シテキタナラバ敵デス」

 

 

チ級は左手を上に向けながら当然の様に言った。どうやら私達の攻撃はこの世界でいう《海楼石(かいろうせき)》と同じ効果を持っているらしく、物理攻撃も普通に通用する。深海棲艦だからだろうか?

 

 

「ハァ……今日ハもう帰るゾ。次いでダかラ港ノ海賊船も沈めテ帰ろう」

 

「「ハ〜〜イ♪」」

 

「了解シマシタ」

 

 

その後、港に停泊していた海賊船を乗組員ごとチ級の魚雷で沈め、私達は島を後にした。その後、遅れてやって来た海軍の応援によって残党は皆逮捕された。

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