我、深海棲艦ニ転生ス!   作:☆桜椛★

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我、海軍大将ト交戦ス!

ヲ級side…

 

 

「や、やりやがったぁぁぁぁぁ!!

 

「女が、天竜人に逆らったぞ!!」

 

「早く逃げろ!!海軍大将が来るぞぉぉぉぉ!!」

 

 

少し遅れて私が天竜人に逆らった上に、吹き飛ばした事を理解した周囲の住民は騒ぎ出し、海賊達は島から脱出する為に走り出した。天竜人のSPや兵士達は慌てて吹き飛ばされた天竜人を追いかけ、電伝虫を取り出して海軍大将を呼んだ。

すぐに海軍大将がやって来てしまうがそんな事知った事か!そもそも人の顔や体をジロジロ見た上に奴隷になれなんて言うゴミは消し飛ばしても構わないだろう!あんな屑に砲弾ぶち込んだ程度でやって来る海軍なんて、1人残らず返り討ちにしてくれるわ!!

 

 

「良シ!海軍大将なんテ気にせズニ何か食べニ行こウカ」

 

「ム?逃ゲタリシナクテイイノカ?海軍大将トヤラガ来ルノダロウ?」

 

「なんかモウどうでも良くなッタ!」

 

 

天竜人の言う事に逆らった時点でもう海軍は私…いや、私達を指名手配をするだろう。そうなれば海軍は勿論、懸賞金狙いの賞金稼ぎや海賊達に狙われる様になる。それに今更後悔しても何にもならないからな。

 

 

「ソウイエバ、換金出来タンデスヨネ?幾ラニナッタノデスカ?」

 

「フフフ♪ソレガネェ?4億ベリー ニモナッタノヨォ♪」

 

「「「4億ゥ!!?」」」

 

「………?ヨンオク?」

 

 

防空棲姫の口にした金額を聞いて、4億ベリーがどれ程の金額かいまいち理解しきれていなくて首をコテンと傾げるホッポ以外の深海棲艦は驚愕を露わにした。それもそうだろう。なんせ私だって4億ベリーなんて大金に化けるとは思ってもみなかったからな。

 

 

「本当カ!?ソ、ソレナラ食ベニ行ッテモ問題無イナ!ナラ私ハ ステーキ ガ食ベタイノダガ…」

 

「私ハ ハンバーグ ガ食ベタイナ。空母水鬼ハドウスル?」

 

「私?私ハ……出来レバ ケーキ ヲ食ベタイデスネ」

 

「私ハ パスタ料理カナァ?レ級ト ホッポ ハァ?」

 

「レ?私ハ オ姉チャン ト食ベタイ!」

 

「ワタシモ……オネエチャン トガイイ」

 

 

4億ベリーもあると知って、みんなそれぞれ食べたい物を挙げていった。レ級とホッポは可愛い事を言ってくれる。そうと決まればレストランでも見つけないといけないな。

 

 

「マァ、取り敢えズ今はレストランを探ソウ。海軍が来たラ、返り討チニしてもイイ」

 

「………ヲ級ガ言ウ、海軍大将トヤラハ、強イノカ?」

 

「私は一度モ会っタ事ハ無いガ、“海軍最高戦力”ト言われテいル」

 

 

私の話を聞いて戦艦棲姫と飛行場姫、そして防空棲姫はニヤァァ♪と笑みを浮かべ、殺気を漏らした。深海棲艦はその殆どが好戦的な性格で、深海鎮守府でもよく互いに演習(殺)をよくやっているのだ。

 

 

「マ、来たラの話ダ。今は早くレストランを探ソウ」

 

「フム……ソウダナ。良シ、行コウ!」

 

 

私達はスッカリ静かになった町中を堂々と歩き出し、まだ開いているレストランを探し始めた。

 

 

 

 

 

 

数時間後…

 

 

オイ!ナンデ繁華街ノ全テノ レストラン ガ閉店シテルノサ!?私達深海棲艦ヘノ嫌ガラセカ!?

 

 

繁華街をどれだけ探しても開いているレストランが見つからない為、飛行場姫が近くに転がっていた石ころを力一杯蹴り飛ばした。石は猛スピードで飛んで行くどころか、蹴られた瞬間木っ端微塵になった。どうやら私達が天竜人に逆らい、海軍大将がやって来ると知ってみんな店を閉めたらしい。

やっぱり砲撃して吹き飛ばすのはやり過ぎ…ではないな。うん。

 

 

「確カニ、流石ニ人間達ハ大袈裟過ギデハナイカ?マルデ ゴーストタウン デハナイカ」

 

「ソウデスネ。ドウシマスカ ヲ級?」

 

 

空母水鬼は私に聞いて来た。そうだなぁ…これだけ探しても見つからないなら、もういっそ鎮守府に戻ってみんなのリクエストに応えるか?でもそれだと時間が掛かるんだよな。しかしこのまま町中を歩き回るのは時間の無駄だし………仕方ない。

 

 

「もう鎮守府ニ戻るしカ無いだろウ。この島ニ居るだケ時間の無d……ッ!!?」

 

 

私が話して居ると、突然私達目掛けて何かが飛来して来た。私はみんなの前に出てステッキを地面に突き刺し、バリアを張った。飛来物は全てバリアに防がれ、それによって飛来物の正体が分かった。

 

 

「コレハ………マグマ(・・・) カ?」

 

「ほう?随分と奇妙な能力を持っとるようじゃのう。わしらが来るまで島に残っとるっちゅうたあ、ええ度胸じゃのう!」

 

 

ドロドロとした赤い溶岩がバリアを滑って地面に落ちると、私達の正面に大勢の海兵達を引き連れた海軍帽を被り、赤いスーツを着用した大柄な海兵が歩いて来た。その赤いスーツの海兵の両手はボコボコと泡を立てる赤いマグマとなっており、私達を睨み付けていた。

彼の名は《サカズキ》。“マグマグの実”のマグマ人間にして、『徹底的な正義』を掲げる海軍の最高戦力。通称、海軍大将“赤犬”である。

 

 

「いきなりマグマを飛ばしテ来るトハ、随分物騒ナ挨拶ダナ」

 

「貴様等の様な『悪』には丁度ええじゃろう。上からは貴様等を見つけ次第死刑にせいと言われちょる。天竜人の1人を殺害したんじゃ、こうなる事ぐらい分かっとったじゃろう。覚悟せい!!」

 

 

あ、やっぱりあの屑死んじゃったのか。まぁ私の砲撃喰らって人の形残して吹き飛んだだけでも凄いと思うがな。

私がそう思っていると、サカズキは溶岩の塊をこちらに向けて放って来た。放たれた溶岩は巨大な犬の顔となり、その口を大きく開けて私達を喰らおうと迫って来る。

 

 

犬噛紅蓮(いぬがみぐれん)”!!!

 

 

迫り来る溶岩の犬は私のバリアに食らい付き、食い破ろうとする。だがこんな物では私のバリアは破れない。溶岩の犬は徐々に力を失って行き、遂にはドロリと形を崩して地面に落ちた。目を見開くサカズキを睨みながら、私は戦艦棲姫達に指示を出した。

 

 

「全艦、戦闘開始。さっさト蹴散らしテ鎮守府ニ戻ル」

 

「!!了解シタ。サァ、久々ノ戦闘ダ!楽シクヤロウデハナイカ!!!」

 

 

戦艦棲姫達は一斉に自身の艤装を展開し、それぞれ行動を開始した。

飛行場姫の座る飛行甲板が背後から伸び、右側に88㎜高射砲を頭に乗せた船首を模した深海棲艦特有の意匠が施されたものがある玉座の様な艤装と、空母水鬼の座る空母の船首に口が付いたようなものに飛行甲板や砲塔が装備された艤装の飛行甲板から多数の艦載機が発艦し、サカズキの背後に待機している海兵達に銃撃と爆撃を始めた。放たれた弾丸の雨と、投下された爆弾の爆発によって海兵達は次々と地に伏して行く。

 

 

ドゴゴゴゴォォン!!!ドゴゴゴォォォン!!!

「「「「「ぐわぁぁぁぁ!!?」」」」」

 

「「「「「ぎゃぁぁぁぁぁ!!!」」」」

 

「ッ!!?お前等ァ!!」

 

「フフフフ♪コノ程度?モット、攻メテ来イ!」

 

「私ハ正直、争イハアマリ好キデハナイノデスガ……襲ッテ来ルノナラバ、手加減…シナイヨッ!」

 

「おどれ等ァ!!流星火山(りゅうせいかざん)”!!

 

 

サカズキは空に向けてマグマの塊を多数発射した。艦載機を墜とそうとしているのかも知れないが、そんなスピードでは艦載機を捉えることは出来ない。しかし少しすると先程外れたマグマの塊が巨大な拳の形となって降り注いで来た。これによって空を飛んでいた艦載機が何機か被弾し、墜落して爆発した。

 

 

「アララ?墜チテシマッタカ。デモ、ヨク見レバ回避ハ簡単ダナ」

 

「アレハ邪魔ネェ……全砲門、砲撃開始ィ!!」

ドガガガガァァァァン!!!!

 

 

防空棲姫の跨る背後から4つの目の部分が2門の高射砲の様なもので出来た船首に歯が剥き出しの口が付いたようなものが伸びた艤装から放たれた砲弾が、降り注ぐマグマの拳を全て撃ち墜とした。

流石は防空棲姫だな。防空(・・)の名は伊達じゃない。攻撃したサカズキもまさか全て撃ち墜とされるとは思っていなかったのか、驚愕を露わにしている。そんな隙だらけのサカズキに、戦艦棲姫が背後に立つまるで獰猛な巨人の怪物の様な艤装の両肩部分に搭載された三連装砲による砲撃を行った。放たれた3発の砲弾に気付いてサカズキは体をマグマに変えて受け流そうとしたが、悪魔の実の効果を無視してダメージを与える砲弾はサカズキに見事命中し、背後の海兵ごと吹き飛ばした。

 

 

「…?思ッタヨリ遥カニ弱イ。ヲ級、コレガ本当ニ海軍最高戦力カ?」

 

「サァ?私も話ニ聞いタだけだかラナ。多分この人間モ自然(ロギア)系悪魔の実ノ能力者なんじゃナイカ?」

 

「アァ、アノ自分デ砲弾ヲ躱ソウトシナイ連中ダッケ?ナラ納得ダナ」

 

「フッフフ♪ネェ痛イ?痛イ?海軍大将ォ?ソレガ“ホント”ヨ。アッハハハハ♪」

 

 

吹き飛ばされて建物に激突し、血を流しながら倒れているサカズキに、防空棲姫は楽しそうに笑いながら話し掛けている。

防空棲姫って、自分が傷付くと滅茶苦茶ぶちキレるけど、相手が傷付くと滅茶苦茶上機嫌になるんだよなぁ。というか、私とレ級とホッポ何もしてないのにもう海軍ほぼ全滅してんだけど?

 

 

「グッ!!…ハァ…ハァ……おどれ等ァ…今、何しよった…?」

 

「ム?ナンダ、マダ生キテタノカ?思ッタヨリ丈夫ダナ」

 

 

サカズキは血をダラダラと流しながらもフラフラと立ち上がった。しかしその顔は完全に驚愕に染まっていた。よほどロギアの自分に砲弾によるダメージを受けた事が信じられないのだろう。

 

 

「おどれ等のそれ(・・)は…!悪魔の実の能力じゃないんか!?」

 

「私達はハそんな物ヲ食べてイナイ。これ等ハそうだナ……種族特有の能力ト言った所カ?」

 

「種族……じゃとぉ?ハァ…ハァ…おどれ等は人間じゃないとでも言うんか!!」

 

 

サカズキはそう叫びながらまたもやマグマの塊を私に向けて放って来るが、全てバリアに防がれる。このバリアは許容量を超えると破られてしまうのだが、まだ戦艦棲姫の砲撃の方が強い為、まだまだ余裕がある。

てか、ダメージは受けていないが滅茶苦茶暑い。マグマの所為で気温が上がりまくってるみたいだな。

 

 

「ハァ…暑いナ。というカ、周りノ建物がマグマの所為デ燃え盛ッテるんだガ…そこら辺ハ海軍トしてどうなんダ?」

 

「そがな事より、今はおどれ等を処刑するのが最優先じゃ!!」

 

「………そうカ。全艦砲撃用意!」

 

 

私の号令に従って戦艦棲姫達がサカズキに砲口を向ける。サカズキも片腕をマグマにして拳を握り締めた。マグマは段々大きくなり、巨大な拳を作り出した。

 

 

「全主砲、一斉射……撃テェェー!!!

ドゴゴゴゴゴゴゴゴゴォォォォン!!!!!

 

大噴火(だいふんか)”ァ!!!

 

 

深海棲艦7名の一斉射撃による砲弾と、大将赤犬の放った巨大なマグマの拳はほぼ同時に放たれ、空中で激突した。


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