ある駆逐艦の話   作:蕎麦屋

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ぼくらはみんな生きている〜生きているから歌うんだ〜

ぼくらはみんな生きている〜生きているからかなしいんだ〜

手のひらを太陽にすかしてみれば〜

まっかに流れるぼくの血潮〜

ミミズだって、オケラだって、アメンボだって〜

みんな、みんな生きているんだ〜

友だちなんだ〜


いい歌でしょ、私この歌が一番好き!
でも提督は一番嫌いな曲だって・・
提督の前で歌ってると怒るの・・
でもね、いつか、絶対、ぜーったいに一番好きな曲だって提督に言わせてやるんだから♪




二羽

[If you want to be happy, be]

 

 

 

 

『・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

私は草原を歩いていた。天空の「青」、空に浮かぶ「白」、草原の「緑」、太陽の「赤」それ以外にはなにも無い光景が何百キロも続いている。心地よい風が草原の草を揺らしていた。なんとも美しい眺めだ。

私はしばらく歩きそして仰向けに寝そべってみた。とても気持ちがいい、嫌な気分も生まれない。

できるならずっとこうしていたいくらいだ。風にあおられながら私は目をつむった・・・。

 

 

「あらら、ここは何処かしら。」

 

 

突然誰かの声が聞こえた。私は目を開けて起き上がり周りを見渡した・・・なにも無い・・・ただ一面草原が広がっているだけだ・・。

 

「まいったわねぇ~。」

 

また聞こえた。今度はハッキリと、しかし相変わらずなにも無い景色・・。次第に不安になってくる・・。どこを見ても誰もいないのに・・。

 

?「もしもし~ちょっとお尋ねしたいのですが~」

 

曙「えっ?」

 

後ろから声が聞こえた。思わず後ろを見る。しかし誰もいない・・。

 

?「こっち、こっち~」

 

声がさっきと違う方向から聞こえた。そっちに振り向くと・・

 

 

目の前に逆さまの顔が現れた。

?「ハロー」

 

曙「うわぁっ!!」

 

壮大に驚いて何歩か大またで後ずさり 、しりもちをついた。そこにいたのは、逆さまの体制で宙に浮いている女の子だった。やけにニヤニヤしている。

 

?「驚かすつもりはなかったんだけどなぁ~まぁいいや」

 

そういいながら逆さで宙に浮いていた体を反転させ、足を地面に置いた。

 

?「はぁ~やっぱり地面に足がつくっていいわ~。」

 

曙「・・・・・・。」

 

?「ん?いつまで、そこで腰を抜かしてるのさ、さあ手を貸すから。」

 

そういって私に手を差し伸べた。

 

曙「あ、ありがと・・。」

 

彼女の手をつかみ、すこしよろめきながらもなんとか立つことができた。何者なんだ?そう質問しようとしたら彼女から尋ねられた。

 

?「さてと、あんたここがどこなのか知ってる?」

 

曙「え?」

 

?「みたところ、草原しかないのだけど。」

 

曙「・・ここは・・。」

 

曙「・・・私の・・夢・・のなか。」

 

?「夢・・・・ここが。」そう言いながらあたりを見渡した。。

 

彼女はまわりをしばらく見てからニヤリとした。

そして彼女はまた話し出した。

 

?「なるほどここは貴方の夢の中か・・。にしても・・・なぁ~んにもない夢ね。」

 

曙「え・・・。」

 

曙「・・わ・・悪かったわね!何にもない夢で!」

 

?「まぁまぁ落ち着いて。そうね、せめて海があってもいいんじゃない?」

 

そういって彼女は目をつぶった。そして目を開けたと思ったら、ニヤリとしてまた私に話してきた。

 

?「後ろを見てごらん、海の出来上がり~。」

 

曙「・・・なにいってんのよ。海なんてあるわけ・・・」クル

 

曙「・・・・・・え!?」

 

後ろを見たら一面海が広がっていた。ついさっきまで草原しかなかったはずだ。

 

?「ハーッハッハッハ!!驚いたでしょ?それじゃもう一つ、向こうを見てみ、今からあそこに城が建つわよ。」

 

そう言って、海の方向を指差した。私はその方向を見た。するとさっきまでなにも無かったのにいきなり城がたった。西洋の美しい城だった。私は呆然としていた。彼女は笑っていた。

 

?「アーッハッハッハ!なるほど、確かにここは夢の中に違いない。おもしろいこともあるものね。」

 

曙「・・・・・・どうやってやったの?」

 

?「ん?あれ?なぁ~にただ目をつむって、頭の中で想像しただけよ。夢の中だからねぇ~想像したものをそのまま作り出せるもの。あなたも何か想像してみなさい、たとえば・・船とか。」

 

私は言われるがままに目をつむり、船を頭の中に想像してみた。そして目を開けると、海の上に浮かんでいる船があった。私がついさっき想像してた船だ。

船の上にはウサギ、ペンギン、猫などかわいらしい動物が乗っていた。それも私が想像したものだ。

 

あ・・少し恥ずかしい・・・・・

 

?「へぇ~あれが貴方の想像した船か~フフフ可愛らしい夢ね~。」

 

曙「う・うっさい!!てかそもそも・・あんた何者?さっきから私の夢の中で好き勝手して!」

 

?「ん~そうか、まだ自己紹介がまだだったわね。・・・それじゃまずはいいもん見せてあげる。そら!!」

 

そういうがいなや突然彼女のまわりに・・・

 

艤装がドーンとでてきた。

 

曙「!?」

 

曙「えっ!?ちょっ!・・・あなた・・まさか・・。」

 

?「そう!私は艦娘、あなたと同じ存在!!」

 

曙「艦・・娘!?」

 

?「フフフ、私は貴方のことが気に入った。決めた!しばらく貴方の夢の中にいることにするわ。」

 

曙「は・・・・え?」

 

?「ではひとまずおやすみ!また夢で会いましょう!!」

 

そう言いって彼女は高らかに笑っていた。

 

曙「ちょっちょっとー!!勝手に話を進めんなぁー!!私はまだ許可してないわよ!勝手に夢の中にいられても困るってのー!!。」

 

曙「そもそも艦娘ってだけじゃ何者かわからないわよ!どこの艦娘でどこから来たのよ!!ちょっと聞けよ!!!」

 

艦娘?はただ高らかに笑っているだけであった。

 

曙「さっきから笑ってんじゃないわよ!!ちょっとぉぉぉぉぉ!!!・・・・・。」

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・』

 

ハッ!!!私は目を開けた。

 

 

目の前には潮の気持ちよさそうな寝顔があった。

あたりを見渡すと他にもぐっすりと寝ている人がいる。

それなりに大きな部屋に十人ほどの艦娘が眠っていた。皆昨日この鎮守府に来た人たちだ。その中に私と潮がいる。

 

まったくよくわからない夢を見た気がする・・・・あれ?どんな夢だったっけ?。

 

部屋にある時計を見たらまだ朝の四時だ。外はまだ暗い。

・・・・・・・・・・・・・・

なんだか外の空気を無性に吸いたくなった・・・。

私は起き上がって部屋の窓を開けた。

 

今は三月だ、まだ寒い。すぐ近くには海があり波の音が聞こえる。

私は大きく息を吸って海の匂いを満喫しながら窓から見える光景を見ていた。

窓からは重巡、軽巡洋艦の寮と空母の寮が見える。どちらも明かりはついていない。

外套のの明かりも薄暗くあまり役目を果たしていないようだ。

そんな景色を見ながら私は昨日のことを思い返してみた。

 

昨日は色々と忙しかった。鎮守府の広場に集合し、その広場に着任した艦娘が集まって、私と潮もその集まりに入って待機していた。

しばらくして、そこに白い軍服を着た中年の男が来た。私たちは艦の種類順に並ばされた。

 

男は「私はここで副司令官をやっているものである。」と軽く自己紹介をした後すぐに着任した艦娘の点呼をとった。

 

今回この鎮守府に着任した艦娘は重巡洋艦一名、軽巡洋艦三名、駆逐艦一一名、以上計十五名だと男が言っていた。

そしてすぐ解散し、各寮へと移動となった。軽巡艦の寮を通り越してしばらく歩いて見えてきたのが駆逐艦寮だった。

 

見た目は・・・結構ボロい建物だった。重軽巡寮の建物はコンクリートで作られていた。それに比べ駆逐艦寮は4階建ての木造建築で築70年以上経ったような建物だった。建物の中もあまり綺麗とは言えない感じ・・。窓ガラスも所々割れていた。

少しがっかりした。

 

その後、大きな部屋に案内された。荷物を置いて、しばらくの自由時間がありその後、食堂へ移動し食事を取った。メニューは・・・忘れた。大してうまくなかった気がする。

そして駆逐寮の専用の浴場で汗を流し、部屋に戻った後、軍人らしき人から駆逐艦寮のルールや明日の予定について説明があった。どうやら明日の朝、食堂で小艦隊の編成を行うらしい。説明が終わると布団を敷いて午後十時には消灯した。

 

そして今に至る。

 

曙「ハァ~」

 

窓の眺めを見ながら一つ溜息。

今日から本格的に艦娘としての生活が始まる・・・・。

私はしばらくぼーっと外の眺めを見ていた。

 

ヒュ~

 

気づけば冷たい風が吹いていた。風は部屋の中に侵入しカーテンを揺らす。

ブルッ

身震いをした。だいぶ体が冷えてきた。これ以上窓を開けっぱなしにすると眠ってる人たちに迷惑だ。

窓を閉めて私は自分の布団に入った。起床時間までまだ時間はある。私は二度寝をすることにした。

 

zzzzzzzzzzzzz

 

「オネイチャン!!」

 

zzzzzzzzzzzzz

 

潮「もう、お姉ちゃん!!起きて!」

 

曙「・・・・ん?」

 

潮の声で目を開けたが、まだ眠気がある・・。

 

潮「早く起きて!食堂集合だよ!みんなもう着替えて食堂行っちゃったよ!。」

 

潮が制服に着替えながら私に言っていた。私の布団の近くには私の制服があった。潮が用意してくれたのだろう。

 

曙「はいはい今起きるわよ、よっこらしょ。」

 

そう言って起き上がった。部屋には私と潮しか居なかった。他の人は食堂に行ったのだろう。確か集合時間は七時だったはず。今の時間は・・・・・

 

六時五十分・・・・・・

 

曙「うわっやばぁ!!」

 

私はすぐさま着替え始めた。潮はすでに着替えを終えて待っている。

 

潮「お姉ちゃん!!早く早く!!!」

 

曙「潮、あんた先に食堂行ってて!食堂の場所分かるでしょ?」

 

潮「う・・うん」

 

曙「私間に合いそうにないから先に行ってあたしの席取っといて!」

 

潮「じゃぁ・・先に行ってるよ。お姉ちゃんも早く来てね!」

 

そう言って潮は食堂へ向かった。私も早く着替えないと・・・。

 

ドタバタドタバタ

 

数分後、なんとか準備ができた・・・。

今の時間は・・・五十五分・・・ギリギリか、走って行けば間に合う。

私は急いで部屋を出て食堂へ向かった。寮と食堂はそこまで離れていない。とにかく走って向かった。

 

階段を下りて一階に来た、後は外に出て真直ぐ行けば食堂だ。玄関が見えた、玄関まで走り外に出たその時・・・・

 

ドカッ!!!

 

曙「うわっ!」

私は何かとぶつかりそのままずっこけた。

 

曙「いった~・・」

 

?「ん・・大丈夫か?ほら、手貸すぞ。」

 

私とぶつかった何かはそう言って手を出していた。その何かはぶつかっても転んでないようだ。

一方、私はずっこけてしまったことに恥じていた。

そしいて思わず暴言を吐いた・・。

 

曙「五月蠅いわねぇ!自分で立てるわよ!クソが!」

 

そう言って立ち上がって何かの方を見た。

 

黒のブレザーと赤いネクタイ、黒タイツを着ており、上着を少しだらしなく着ている。

おそらく私と同じ艦娘だ。なんか、煙草の匂いがする・・・・。

その艦娘は少し不機嫌な顔をして言った。

 

艦娘?「おいおい、ぶつかってきたのはそっちだぞ、その言い方はないんじゃないか?」

 

そう言われ、ハッとした・・やってしまった・・おそらく先輩だろうその人物に謝らなくては・・・。

 

曙「あ・・・その・・すいません・・・。」

 

艦娘?「・・・次から気をつけろよ。」

 

曙「いえ・・その・・ぶつかっておいてあんな事を・・。」

 

艦娘?「まぁまぁ・・ん?そういえばなんでそんなに急いでたんだ?」

 

曙「え・・・・あー!早く食堂に行かないと!!」

 

とっさに食堂へと向かった。

そしてその場に置いて行かれた艦娘は呆然と立ち尽くして曙が走っていった方をみていた。

 

艦娘?「・・・変なやつ。」

 

その艦娘はそう呟いた。

 

 

 

 

ハァハァ・・・ハァハァ

私は食堂に着いた。五十九分、なんとか間に合った。さっきから走っていたので息が絶え絶えである。

しかし食堂前には軍服の人が点呼を取っており、相当ご立腹であった。

 

軍人「貴様が最後だ、五分前には集合すことが厳守である!それを守れないのか!!初日から失望させるようなことはするな!!!食いしばれ。」

 

次の瞬間、私は殴られた。

 

軍人「二度とこんなまねはするな。以上!はやく食事を済ませろ。」

 

軍人の怒鳴り声が響き、私は涙目になり痛みに耐えていた。

痛みが治まり、なんとか食堂に入り、周りを見渡した。中々広い食堂である。

食堂の端っこに集まって座っている人たちがいた。全員朝食をとっている。そこには潮もいた。

私はすぐにそこに向かった。

潮も私に気づいて手を振っていた。

 

潮「お姉ちゃん~こっちこっち~」

 

曙「ハァ~最悪・・・。」

 

そう言って潮が取っておいてくれた席に座り一息ついた。そして、席に置いてあった冷えた朝食を食べ始めた。

 

潮「も~心配したよ~。それにどうしたの?そのアザ。」

 

曙「ゴメン、ちょっと色々とトラブって。」

 

潮「トラブったって・・・大丈夫だったの?」

 

曙「う・・うん、まぁ大したことじゃないから。」

 

潮「ふーん。」

 

さっき、殴られたことと同時に私がぶつかった艦娘に暴言を吐いてしまったことを思いだした。こんど会ったら改めて謝るか。

 

潮「ところでお姉ちゃん!今日から本格的に艦娘になるための特訓が始まるね!!」

 

潮「駆逐艦の先輩と行動するんだって!やさしい先輩だったらいいね♪」

 

曙「まぁ、そうね、口うるさい先輩じゃなきゃいいわね。」

 

朝食を食べながら潮と話していた。周りでも色々と雑談をしている艦娘がいた。みな私と同じで昨日着任した艦娘達だ。

そして数十分後、ほとんど食べ終わった頃に、私たちのとこに白い軍服を着た男が現れた。後ろには駆逐艦の先輩方がいた。

 

 

男「本日より諸君は駆逐艦としての訓練及び特訓を始める。そのため駆逐艦の先輩方が教育指導艦として諸君の指導を行う。指導艦一人に二人の新人、三人一組という艦隊編成だ。今日からの生活もすべて一緒に行動することになる。ではこれより、呼ばれた者は、その場で返事をしなさい。」

 

男「まず・・・駆逐艦弥生!・・駆逐艦谷風!・・以上二名は指導艦叢雲が指導を行う。」

 

弥生、谷風「ハイ!!」

 

男「次は・・・・駆逐艦・・・・

 

白い軍服の男は次々と艦娘の名前を呼んでいた。呼ばれた艦娘は立ち上がりしっかりと返事をしていた。そして・・・・

 

男「次・・・・・駆逐艦潮!・・駆逐艦朝雲!・・」

 

何組か呼ばれた後、潮が呼ばれた。

 

「以上二名は指導艦漣が指導を行う!」  潮、朝雲「ハイ!!」

 

潮とはしばらく離れ離れになるか・・・・。

 

男「次・・・駆逐艦村雨・・・駆逐艦曙・・・」  

 

最後で私が呼ばれた・・。もう一人の艦娘は村雨という子だ。

 

男「以上二名は指導艦若葉が指導を行う。」 村雨、曙「ハイ!!」

 

私を指導するのは若葉という艦娘らしい。いったいどんな艦娘なのだろうか?

 

男「以上六組の艦隊である!これから二十四時間、毎日この艦隊で鎮守府での生活を行うこととなる。新人諸君のこれからの頑張りに期待する。指導艦の諸君は新人に十分な指導を望む。準備ができ次第すぐに指導を始めるように!ではこれにて失礼する。」

 

白い軍服の男はそう言ってすぐに食堂を出た。

 

 

その後、先輩と新人などで食堂は賑わい始めた。お互いに自己紹介していた。すでに先輩と打ち解けている新人もいる。潮も指導艦と仲良く話していた。潮は大丈夫そうだな。

 

 

ところで、私の指導官担当の先輩はまだ見当たらない。

 

次々と指導艦と新人が移動を開始した。これから演習などをするのだろう。

私も早く行きたいのだが・・・。

 

 

?「君が曙さんかい?」

 

後ろから声が聞こえた。ようやく私の指導艦が来たみたいだ。

私は声の方向に体を向けて敬礼した。

 

曙「ハイ!!駆逐艦 曙 です。本日よりよろしくお願いします!!」

 

私はしっかりと挨拶した。最初が肝心なのだ、印象良くしとけば好感を持ってくれるだろう。

 

そんなことを思って先輩の方を見ていたが・・・。

 

どうも見覚えがあった、黒のブレザーと赤いネクタイ、黒タイツを着ており、上着を少しだらしなく着ていた。

いや、見覚えがあるどころではない。ついさっき会ったばかりだ。私は冷や汗をかいた。そうだ!寮の外で私がぶつかった・・・・・・。

 

 

 

 

若葉「今日からあんたの指導艦になった若葉だ、よろしく。」

 

 

 

 

 

 

 

to be continued




ありがとうございました。

また会いましょう。
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