八幡のちょっとリアルな大学生活。   作:23番

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こんにちは、お久しぶりです。
11月から、ということに一応なっています。
タイトルは今までと違うものにしたくて、取り敢えずこれにしました。

そもそも拙い文章力にも関わらず、書き方を変えたので読みづらさは増してるかもしれません。すみません。

沢山の感想ありがとうございます。誤字報告も助かってます。

受け入れづらい内容かもしれませんが、もしよろしければ読んで頂けると嬉しいです。
また、お手すきの際にどうぞ。



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 比企谷八幡は虚像に染まる。

 

 微睡の中、ゆっくりと瞼を持ち上げる。横を向いて寝ていたのだろう、白いシーツが視界の右側に広がっていた。その先には肩甲骨が浮き出た白い背中があった。耳を澄ませるとすうすうと寝息が聞こえてきた。

 起こさないように動き、ベッドから這い出る。何も身に付けていない自分の身体を見下ろし、横のソファに掛けられていたバスローブを手に取った。袖を通しながら部屋を見渡すが、時計はない。仕方なくガラステーブルに置いてある携帯を見る。夜中の三時だった。

 携帯を元の位置に戻そうとして、やめる。ベッドに視線を送る。乱れたシーツからは左足が覗き、装飾された爪が光った。指を動かし、携帯を横たわる彼女に向けた。画面には広角に処理されたベッド全体が映る。枕元に設置されたスイッチの類や小さな正方形、ティッシュ箱が生々しさを残して画になる。

 こんなにも無防備で。

 シャッターを切らず、電源ボタンを押してベッドに放り投げた。携帯が跳ねた先には黒いショーツが無造作に丸められていて、昨夜剥ぎ取った記憶が甦った。

 それを無視して風呂場に移動する。身体に残る液体が乾き、肌にこびりつくのが不快だった。ローブを脱ぎ、風呂へ続くドアを開けた。少し大きな音が鳴ったが、別に気を遣う事でもなかったと思い出す。

 蛇口を捻り、身体を流す。ぬるま湯が丁度良かった。熱くも冷たくもない、その程度がお似合いだった。

 

 風呂場を出ると、正面の洗面台の下に手を伸ばす。昨日使ったものではないタオルを取り出す為だ。さほど濡れていない頭を一撫でしてから身体を拭いた。鏡に映る自分を見て、顔をしかめる。

 これまた新品のバスローブを着て、リビングとも呼べる広い部屋に戻る。先ほどのソファに腰掛け中央に鎮座する大きなベッドを見ると寝室かもしれないなと思った。物音に気付いたのかベッドの彼女が動き始める。モゾモゾと動き、シーツが剥がれる。剥き出しとなった両足は白く細い。羞恥心もクソもない。陰部を隠そうともしない女に軽く嫌悪する。

 携帯が震えた。ベッドの上でブルブルと震えている。手を伸ばし画面を確認する。

『雪ノ下陽乃』

 そう表示された画面を確認して緑色のボタンをタップする。耳に当てるとベッドに転がる彼女を一瞥した。更に視線を持ち上げると巨大な鏡が置かれていて、自らの姿を映す。染まった自分を克明に、嘲笑いながら映し出す。

 携帯を握る手に力が入った。

 

 

 

 

***

 

 

 

 

 玉縄は呆然としながら、金髪に染まった比企谷と黒髪ボブの女生徒を見送った。並んで歩く二人の背中は暗く、白に近い金髪だけが痛々しく光っていた。

 

 教室に入ってきた比企谷を見て、玉縄は思わず絶句した。もちろん、大学には色々な学生がいて金髪など珍しくないが、まさか彼が染めるとは思わなかった。似たり寄ったりの人間の中で少しのアイデンティティを確立しようと必死に変化をつける気持ちも分からなくない。しかし彼の個性はそんなところではないと感じていた。

 比企谷ほど地味で強烈な個性を玉縄は見たことがなかった。

「どうしたんだい」と訊いたが、「別に」と言い残し見たことのない眼鏡をかけた。確かに髪を染める理由なんていくらでもあるし、いち友達が口出しすることではないが。

 髪は金髪で、フレームの細い眼鏡をかけた彼はもはや別人で、男から見ても整っていると言える顔をしていた。心なしか目元の隈も消えているように見えた。

 何より驚いたのは授業後だ、教室の右側の席にいた女子生徒が比企谷に話しかけてきた。肩にかからないくらいの黒髪ショートヘアで毛先が内に巻いている。一般的にはボブヘアというのだろうか。名前を意識したことはなかったが、いつも一人で授業を受けていてクールな女性という印象だった。常に周りを見渡している女子生徒の中では異彩を放っていて、少しいいなと思っていただけに玉縄は関係が気になった。

 席から少し離れた彼らに耳を澄ませながら教室を見渡すと、滅多に口を開かない二人に興味をもった数人の生徒が手持無沙汰に残っていた。

 教卓で生徒の質問に答える英語教師の声がうるさく、所々の単語しか聞き取れなかった。準備講座だとか、ツイッター、動画、御飯などと聞こえたが、会話の内容はついに聞き取れなかった。

 

 去っていく後ろ姿、黒髪ボブの彼女はショートパンツから細い脚を惜しげもなく披露していて、通り過ぎる男子生徒の視線を釘付けにしていた。かくいう玉縄もご多分に漏れず視線を剥がせずにいたが、この半年で聞きなれた笑い声が横を通り過ぎ、ハッとなる。奥の教室から戸部が出てきていたのだろう。玉縄は手を上げた。

「あっ、戸部君!」

「っべー! でさー、ん?」戸部は玉縄に気付くと周りの学生に手を合わせる。「ちょ、ごめんね先帰ってて!」少しの駆け足で戻ってくると玉縄の前で止まる。「玉縄君どしたの」

「あ、いや、ちょっと彼の様子が」玉縄は戸部の身体の奥を覗くようにする。

「彼?」戸部は廊下の先を振り返り、手を帽子の鍔に見立てて遠くを見る。

「あの金髪の!」指をさす。

「っべー。すげー金色じゃん!」戸部は言い、口笛を吹いた。「で、あいつがどしたの?」

「あれ比企谷君なんだよ!」

 玉縄が叫ぶと、戸部は目を丸くして再び廊下の先を見た。しかし既に角を曲がっていたのか、二人の姿はなかった。

 何か悪いことが起きているような、でも何が悪いのか分からない、そんなあの会議にも似た暗雲が胸に立ち込めるのを、玉縄は抑え込めなかった。

 

 

 

 

***

 

 

 

 

 

「ほあーーー! なんのおおおーーー!!」

「剣豪さんうるさいです」

「早く負けを認めてくださいよ」

 秦野と相模に横から、ついでに画面内でも詰め寄られ、材木座はしどろもどろに口と手を動かす。ボタンとレバーを操作し、二対一の状況を何とか脱しようともがく。

「ぬおおおおお、今こそ目覚めよ邪眼! 高速十六連撃いいいい!!」

 カチャカチャとボタンをならし、画面内の重戦士が剣を振る。ブンブンと唸るそれを秦野と相模の操作するキャラが颯爽と躱す。ついでにカウンターも喰らい、体力ゲージが三割を切った。

「剣豪さんが悪いんですよ」相模が性格悪そうに笑う。

「そうそう、コンピュータと組むから二人でかかってこいとか言うから」秦野も続けて笑った。

 騒がしいゲームセンター内は人の声を遮断する。叫び声に近い声量で声を発しないと届かない。一人で来る時は周りの会話も気にならず、逆に不干渉という妙な連帯感が漂う。

「ふはははは! 我の力は三割を切ってから跳ね上がるのだああああ!」

 材木座は自分を鼓舞するセリフを叫び、秦野と相模を一瞥した。するとその先に赤いチェックのプリーツスカートが見えた。視線を少し持ち上げると、プリクラを撮りに来た女子高生がこちらをドン引きといった表情で見ている。これだからプリクラとゲームコーナーを一緒に設置する店は!

「もらった!」秦野が叫ぶ。

「あ」材木座の操作するキャラが勢いよく吹っ飛び、画面端の見えない壁にぶつかった。体力が一割を切った。

「もう終わりですね剣豪さん。どうします? 十秒くらい攻撃させてあげましょうか」

 相模は眼鏡をクイッと上げ、挑発してくる。

「ぐぬぬ…」

 そこで微かに、材木座は胸ポケットでメロディが鳴っていることに気付いた。手を添えると確かに震えている。

「なんですか? 心臓でも捧げるんで…」材木座は秦野の追い打ちを手で制す。ポケットから携帯を取り出すと勢いよく立ち上がった。「すまぬ、緊急指令だ。今回はドローにしてやる!」

 そう言い残し、店外へと続く階段へ走る。背後では「うわセコっ!」「逃げたぞ!」と叫ぶ声がした。構わず走る。女子高生の横を通り過ぎるときに悲鳴が上がったのは気のせ、気のせいの筈…。

 

 店外へと出ると、夏も終わりの清々しい風が吹いていた。材木座はぜえぜえと吐き出す息を整え、携帯を耳に当てた。「我だ」

『材木座、今いいか』懐かしい声だ。

「ああ、グッドタイミングだ相棒」

『気持ち悪い、頼みがある』

「んんーー? その枕詞いるー? ねえ、いるー?」材木座はひとつ息を吐いた。長らく連絡してこなかったかつての同志からの頼み。八幡が人に頼みごとをするときは決まって追い詰められている時だと知っている。「けぷこんけぷこん、話してみよ、相棒」

『だからキモ…、いや、助かる。調べてほしいことがあるんだ』

「我にできることなら」材木座はかつて一緒になって苦難(体育)を乗り越えた相棒を馳せ、西の空に目を向けた。「弱者に手を差し伸べる我、超かっこいい」

 ふっ、と笑い。電話口からの軽口を待つ。が、応答がない。四秒、八秒、そろそろ口を開こうかというところでようやく聞こえてくる。

「……ありがとな」

「お、おっふ、いいいいってことよ」材木座の舌は戸惑いで事故を起こした。

 依頼内容を聴き終わり電話を切った。かっこいいからと持ち歩いている手帳に記した内容を確認する。難しいことだが、できることはしてやろうと思った。

「何してんすか剣豪さん」

 材木座は自分を呼ぶ声に振り返る。そこには秦野と相模が不思議そうな顔をして立っていた。手には箱に入ったお菓子があり、既に封は開けられていた。

「ふっ、久々の仕事だ」材木座はロングコートをはためかせ、二人に向けて手を伸ばす。「ついてこれるか!」

「え、なんですか」

「よく分かんないですけど、とりあえず嫌です」

 辛辣な物言いに材木座は肩を竦めるが、本当に久しぶりだった。材木座は腰を折る。

「八幡の頼みだ、我たちにしかできない」

 二人は顔を見合わせると、渋々と言った様子で頷いた。

「まあ、姉ちゃんがあれで収まったのはあの人のお陰だし…」相模が呟く。

「受験勉強ばっかで暇だったし…」秦野は言い訳をする。

 材木座は二人の言葉を聞き、腕を天に掲げる。

「よおおし! 剣豪将軍義輝と愉快な仲間たち! いくぞおおおー!」威勢よく足を踏み出した。

「やっぱやめようかな…」

「この人が司令塔かよ…」

 ぶつぶつと溢しながらも、二人は材木座の後ろをついていく。

 材木座は謂れのない不安を拭い、八幡の様子を思い浮かべる。もう一度手帳を開き、そっと『八幡のこと』と書き加えた。

 

 

 

 

***

 

 

 

 

「では、ペンを置いてください」

 試験官の声掛けでカチャカチャとペンを置く音が響き渡る。さざ波のように部屋を満たし、流れ出していった。一息吐き、一色は自分の答案用紙を眺める。環境問題に関する論述を求められたそれに一マスだけ残して書ききった。部屋を見渡す。

「解答を回収しますので机の右側に集めてください」

 後ろで足音がして試験官がもう一人いたことに気が付く。それだけ集中していたのか。

 オープンキャンパスで来たことはあったが、こうしてじっくりと教室、いや講義室と言うべきか、見渡すのは初めてで身体が変に硬くなる。最後列に身を置いて、回収していく試験官の後姿を見送る。由比ヶ浜から講義室に時計がないことは聞いていた為、机の上には安物だがシックな腕時計が置かれていた。

 現在、この講義室にいるのは指定校を受けた生徒で、揃いも揃って真面目な顔をしている。一色の亜麻色をした髪もこの場では少し浮いていた。

 せんぱいもこの講義室で受けていたかもと考える。少し胸が躍った。担任に無理を言ってせんぱいと同じ大学を目指してよかった。

「では、試験は以上になります。気を付けてお帰りください」

 一色はその言葉にすぐさま立ち上がり教室を去る。大仰な扉を開けると息苦しい空気から解放され、肩の力が抜けた。首を巡らせ大学の中心部に足を進める。鞄から携帯を取り出し電源を入れる。家のパソコンよりも数倍立ち上がりの早いそれを操作すると新規のメッセージが数件。急いでLINEを開くが『せんぱい』からのメッセージはない。歩く速度は気分に比例し、トボトボと遅くなった。

「はあ…」一色はため息をつく。

 いつの間にか一色の周りに人はいない。入試が行われる期間、大学生は休みだ。由比ヶ浜から訊いたのを一色は思い出す。

 せんぱいの事だから、家で存分に休んでるんだろうなあ。休みに休まないでどうすんだ、とか言いそうだし。

 一色は推薦入試の事を伝えていなかった。何より八幡の驚く顔が見たいと考えていた。ゆっくりと歩き、微かな可能性にかけて大学内を歩き回った。

 階段を降りると少し広い場所に出る。机と椅子が沢山置かれ、学生と思われる男子が数人、コンビニ弁当を広げていた。制服姿の一色を見ると何やらコソコソと話し始めたため、逃れるように角を折れる。

「きゃっ」人とぶつかった。軽く尻もちをついた。

「うおっ! っべー、大丈夫っすか」

「いたたた、すみません大丈…」聴いたことのある言葉遣いに顔を上げる。

「あれ? いろはすじゃね?」戸部が目を丸くしていた。

 一色は差し出された手を握ろうとして、止める。自分の志望している大学内に戸部の姿を確認して、まさかと思う。

「な、なんで戸部先輩がここに」いそいそと立ち上がり、スカートを直す。お尻をパンパンとはたいた。

「なんでって、ここに通ってるからだべ。いろはすこそなんでこんなところに? あ、分かったヒキタニ君に会いに来たんっしょ」

 一色は額に青筋が浮かぶのを認識しながら口角を上げた。

「あはは、試験受けに来たんですよ」お前じゃない、と思いながらキョロキョロと辺りを見渡すがせんぱいの姿は見えない。

「っべー、いろはすもこの大学入るん?」

「ええ、まあ」一色は無駄な雑談に辟易しながら、意を決して口を開いた。「せんぱいもこの大学にいるんですか?」

 阿保面で一色を見ていた戸部が目をパチクリとさせる。「え、俺? 俺はいるよ?」

「いや、戸部先輩じゃなくて」

「あー、ヒキタニ君ね! いるいる、おんなじ経済学部だもん」

 学部は知っている。同じところを受けた。

「へー、そうなんですね。で、今はどこにいるんですか?」

 一色はわざとらしく辺りを見渡す仕草をしたが、戸部の言葉にその努力は無駄になる。「へ? 今日は来てないと思うけど」

「そうですか…」

 半分察してはいたが、そう言われると少し凹んだ。なにより十月の中旬から途切れていた連絡が一色の胸を締め付ける。

「どうしたんいろはす」戸部が気遣わしそうに首を傾げる。

「いえ、なんでもないです」一色は踵を返そうとしたところで、一応聞いておこうと踏みとどまった。「あ、せんぱい元気ですか?」

 何か忙しい用事を抱えていたとしても、大学には来ているのだろう。どんな様子かくらいは確認してもいいのではないか。

「あー……」戸部が頭を掻く。

 かつての部活の先輩が言いづらそうに視線を逸らす。暗澹とした空気が一色の胸に立ち込めた。

「なんですか? 何かあったんですか?」

「いや、別に何も無いは無いんだけど…」戸部はっべー、っべーと言いながら何かを言おうか逡巡している様だった。それに対して一色が口を開こうとすると、すうっと息を吸い込んだのが分かった。一色は言葉を飲み込む。「……き、金髪になった」

「……は?」

 分からなかった。意味が分からなかった。そこら辺の男子学生が髪を染めるのとは訳が違った。一色の頭がパンクしそうになる頃、第二撃が放たれる。

「あとなんか、彼女ができたっぽい…」

「………は?」

 あなたの想い人は既に死んでいました。と言われた気がした。

 

 

 

 

***

 

 

 

 

「どういうことだ陽乃」

 平塚静はかつての教え子を睨みつける。その先にはショットグラスにしなやかな指先を突っ込み、カラカラと氷を撫でる雪ノ下陽乃の姿があった。

「んー? なんのこと?」

 抜いた指をちろりと舐め、赤い舌先が艶やかに光った。

「とぼけるな、私は陽乃と比企谷の事を信頼して応援したんだ」平塚静はテーブルを叩いて主張したくなる気持ちを抑えて言う。「どうして”比企谷の浮気を手伝う”ことになるんだ!」

 バーのカウンター。雪ノ下陽乃は赤いワンピースに身を包んで足を組んでいた。こんな話題がなければハリウッド女優かと指摘し、似合ってると心の底から言っているところだ。

「あはは、浮気じゃないよ。だって付き合ってないんだもの」陽乃は自虐的に笑う。

 その表情が痛々しく、自分の顔まで歪むのが分かった。グラスを撫でていた彼女の腕を掴む。そうでもしていないとこの叫ぶように輝く赤色を失ってしまいそうだった。

「そんなのは間違っている」平塚静は断言する。

「どうして? 何が?」陽乃はこちらを見ない。「あ、マスター同じのもらえる?」

 彼女の腕はこんなに細かっただろうか。握る掌を通して、骨、筋肉、皮膚の頼りなさが伝わってくる。元々握ったことなどないし、たかが数週間で変わるものでもないのだろうが。

「私と比企谷君に世界を教えてくれたのはしずちゃんだよ? それなのに私たちを否定するの?」

「違う。私が伝えたかったのはもっと、もっと…」

「もっと、なに?」陽乃の瞳は見開かれ、今にも雫が零れ落ちそうだった。

 あり方を教えたのは事実だ。歩み寄ってくれる人の存在を提示したのも私だ。しかし私はそんな歪な鍵穴を、認めたわけではなかった。

 いつの間にか掴んでいた手は離れ、雪ノ下陽乃の手はグラスに添えられていた。

「それにしても、比企谷はどうしてそんなことを…」歯を食いしばり、軽い自暴自棄に陥りながら発端を探す。

 カラン。

 オルゴールが流れる店内。その静かな空間で氷が鳴らした音は確かに響いた。それは怒りにも似た、蓋が外れてしまったような、そんな音色だった。

 陽乃の腕がひらめく。視界に捉えた時には振り抜かれていた。

 バチンッと大きな音を立て、左頬が弾かれる。

 脳がそれを認識するとともに、皮膚が沸騰を始める。「は…るの……?」

「あなたたちのせいじゃないっ!」甲高い声が店内に響く。

 陽乃の叫びに呼応するように蛍光灯が明滅した。暖色が包む店内で彼女の周りだけが酷く、冷たい。視界の端画マスターと客が硬直しているのが見えた。

 陽乃は小さなバッグから千円札を数枚取り出し、カウンターに叩きつけると椅子から跳ねるように降りる。踵を返したヒールがカツカツと鳴り、赤色は残像のように揺れた。

 悪い予感が的中したのか、平塚静は拳を握る。

 やはり離さなければよかったと震える視界が訴えてきた。

 

 

 

 

***

 

 

 

 

「雪ノ下達には内緒にしておいてくれ」

 そう言った兄の表情は憂いを帯びていて理由も目的も訊くことができなかった。頭を撫でる手がいつもより優しく、それが一層針を刺すようにチクチクと傷んだ。

 静まり返ったリビングで、ピチョン、と蛇口から垂れた水音が反響した。静けさに耳が痛くなる。ソファでくつろぐ小町は、握った携帯を見つめていた。着せ替えをしていないLINEの画面には、『雪ノ下雪乃』『結衣』『いろは』の名前が浮かび上がって見える。そのどれもが優しく存在しているのに、誰も求めてはいけなくて、指が震える。

 兄はバイトに行っていた。そういえばあんな髪色許されるのだろうか。バイト先が認めてくれなくて黒い髪に染め直して帰って来たりしないだろうか。実は金髪は小町の見間違いで、いつもの兄が帰ってこないだろうか。

 兄の表情を思い出すと、そんな儚い願望は無為に思えた。

 画面をスクロールすると『川崎沙希』『平塚静』『雪ノ下陽乃』という名前が出てくる。

 沙希さんは多分知らない。先生はお兄ちゃんの言う”雪ノ下達”に入るような気がする。陽乃さんは。陽乃さんは分からない。全然関係のない気もするし、すべてに関係しているのではないかという気もする。完璧超人な雪乃さんのお姉さん。抱き着いたりなんだりしたがいまいち分からない人だった。

「はあ……」温かい我が家で、自分のため息だけが流れる。この時間が小町はあまり好きじゃない。

 携帯の側面にあるボタンを押すと画面が消える。相談できる人がおらず、途方に暮れた。いっそ両親に相談しようとも考えたが、放任主義がいきすぎて放置主義にまで発展している我が家では期待もできない。

 本人の都合であれば期待も何もないのだが。

 十月の半ば、ある日を境に兄の様子が変わった。本質的なものは変わっていないように見えたが、何かを諦め、逆に何かを強く欲しているような状態だった。「お兄ちゃんの事好きか?」と聞かれた時は戸惑った。思わず「え、その質問は気持ち悪いよお兄ちゃん…」と引いてしまったがあれは正解だったのだろうか。いや、恐らく正解も不正解もないのだ。兄が求めている答えだったのか、その群には入っていたのか、それだけが気がかりだった。

 軽口も返ってこないあの瞬間を、もう少し繋ぎ止めるべきだったのか。

 時計を見る。まだ十時を過ぎたところで兄の帰宅はまだまだだ。まあ、帰ってきたところで聞くことはできないし、話してくれないことは分かっているが。

 そこで、携帯が震えた。震えてもがき、SOSを求めるように曲が流れる。表示された画面を覗くと『いろは』という文字が見える。

 取るべきか一瞬迷ったが、このタイミングには意味があるのではないか。そんな思いが沸き上がった。

 一度拳を握り、それから手を伸ばした。

 

 

 

 

***

 

 

 

 

 騒がしかった周辺が途端に静寂を帯びる。そんな雰囲気を葉山は感じていた。

 高校から使っているトレーニングシューズに足を突っ込み、靴紐を固く結ぶ。いつかのニュース番組でやっていた二重に結ぶ方法は中学時代で知った。コンコンとコンクリートの地面を叩き、グラウンドへと歩を進める。

 のんびり歩く葉山の横を友達連れのグループが追い越していく。葉山はそれを見渡し、少し頬が緩むのが分かった。比企谷の気持ちはこんな感じだったのだろうか。いや、彼の場合はもっと酷いか。そう思うと苦笑が洩れる。

 誰も彼もが群れる時代に孤独と生きる。そんな彼も一種の理想を求めていた。俺と同じように。そして彼はそれを手に入れているはずだ。喉から手が出るほど渇望したそれを、彼は自分を律しながら掴み取った。それは誰もが羨望を覚えるほどの美しいものであるはずなのに、誰もが気付いていない。誰も意識していない。

 すべての関係を断っていたにも関わらず、なぜ比企谷とは一緒にいてもいいと思ったのだろうか。酷い奴だから酷いことになっても大丈夫とでも思ったのだろうか。

 いや、既にその答えは知っている。

 俺は頼りたかったのだ。

 彼に助けてほしかったのだ。

 自分から絶望の淵に立ち、いっそ踏み外した方が楽なんじゃないかとまで考えていた。そんな勇気もないくせに。

 俺は怖かったのだ。比企谷に置いていかれることはもちろん、戸部にも。

 戸部が手を出そうとしたとき、誇らしい気持ちになった。そんなことができる人間はそういない。知っているだけでも一人だけ。例外もいたが、あの姉妹は別だろう。

 生まれた時からかけられている鎖を引き千切ることのできる人物。世間は時にそれをサイコパスと呼ぶのかもしれない。善や悪を超越した存在。良心のその先を垣間見ることのできる存在を。

 つまりこの茶番は俺の自作自演の駄作に過ぎない。俺が恐れたから。俺が俺のままであることを恐れたために始まってしまった茶番なのだ。それに巻き込まれた戸部は本当に何も悪くない。しかしそれで俺が満足したかと聞かれればそうではないとしか言いようがない。数段下がった位置から見上げる世界は眩しく、尊い。

 ただ何食わぬ顔でそこにいる自分を想像すると吐き気がする。要するに動けないのだ。壊れた歯車のように、前にも後ろにも進めず、停滞と言う波に揺られている。停滞は後退だ。周りが進む限り自分は後退していることと変わりない。地球にしがみついても、運ばれる先は以前と変わらぬこの場所だ。ひっくり返そうとも鏡に映そうとも変わらない。自分が変わらない限りは変わらない。そんな檻に俺は入ってしまったのだ。そして内側から鍵をかけた。親指と人差し指で、少しの力で、捻った。今もその錠は目の前で佇んでいる。

「早く集まれー!」

 既に時間だったのか、体育の講師は葉山とその後ろに向けて叫び声を上げている。木曜四限の体育、三限の講義が少し押してしまった為に間に合うか不安だったが、ギリギリアウトだったらしい。

 葉山は講師の視線を追って後ろを振り返る。葉山が出る頃の更衣室にはほとんど学生はおらず、ちんたら歩いていた為にそれにも追い抜かれていた。まだいたのだろうか。

 思わず足を止めていた。

 ゆっくりと歩いてくる金髪の学生に目を奪われた。そこで思い出す。十月の後半、二回ほど彼は休んでいた。前期も数回休んでいたので特に気にしていなかった。体育の二人組には苦労したが、幸い誘ってくれる人もいた。

 なんだそれ。

 そう思った。

 ギラギラと輝く髪色ではない、彼の顔、その皮膚の前に張り付いた不自然な笑顔だ。いや、不自然ではないのか。その証拠に二人の女子と連れたって歩いている。

 講師に気が付くと三人は小走りで向かってきた。「ごめんなさーい!」と歯を見せる女子二人に続き、比企谷も寄って来る。近くで見てもやはり知らない女子生徒だった。

 比企谷は横を通り過ぎてフェンスの近くに腰を下ろした。葉山は講師の目に留まらない程度にそれを追い、横に腰掛けた。

「比企谷、あの二人は誰だ」

 訊きながら、葉山は目を剥く。

「知らん」

 そう言う彼はいつもの彼で、覇気もなく、目の中は濁っていた。しかしその周りに隈は見えず、目を凝らしても腐っているとは言えなかった。

「何をしているんだ」

「あ?」

 やはりいつもの彼だった。ただ一点、主張の激しい髪色以外は。

「だから、何をしているって訊いているんだよ」語気が強くなるのが分かった。しかしそれを抑えることはできず、感情ばかりが先行する。「なんだその髪の色」

 比企谷は講師を見るでもなく虚空を見つめていたが、自嘲気味に笑うと口元を歪めた。「ああ、似合ってるだろ」

 どうして、と言おうとしたところで講師が威勢良く叫ぶ。「二人組でパス回しろー!」

 ゆっくりと立ち上がった比企谷がこちらを振り返る。「どうする?」

「やろう」葉山は即答した。

 ボールが入っているカゴに近づき、空気圧を確かめてからそれを手に取る。比企谷の位置を確認すると、密集した集団とは少し離れた所に移動していた。

 バスケットボールを扱うように手でドリブルし、数回弾ませたところで足で触る。勢いが吸収されたボールは地面と接触すると二度と跳ねなかった。つま先で優しく触れるようにドリブルし、比企谷に向けてパスを出す。最初は五メートルほどの至近距離でのパス回しだった。

 返ってきたボールを足裏で止め、少し強く蹴り返す。「いつ染めたんだ」

 比企谷は偶然だろうが上手く勢いを殺して足元に収めた。その動きがまた葉山を動揺させる。もっとかっこ悪くあれよ。

「十一月入ってからだな」比企谷は昨日の献立を離すように言う。こちらにボールを蹴った。

「どうして染めようと思ったんだ」

 会話のキャッチボールとよく言うが、こちらはパス交換だ。言葉と一緒にボールを発射する。

「何となくだな」

 比企谷は葉山の眼を見ない。後ろめたさからか興味がないからなのか。これまでの比企谷なら迷うことなく後者だが、今は分からない。

 葉山は堪えきれなくなり、口を開いた。

「俺の所為か」

 つま先で蹴ったボールは勢いが死んでいて、相手の元まで届かなかった。コロコロとあらぬ方向へ転がっていき、やがて止まった。比企谷はそのボールの行く末をただ黙って見つめていた。

「はっ」鼻で笑うその声に、葉山の意識は呼び戻された。向けた視線の先にはいつもの比企谷の表情があった。「自意識過剰だろ」

 その時だけは、彼の髪の毛は黒く、暗いように錯覚した。

「似合ってない…、似合ってないぞ、比企谷…」

 パス回しの終了を告げられ、走っていく彼の後ろ姿にぼそぼそと呟いた。

 届いているか分からない。届いているけど反応しないのかもしれない。ただ、いくら叫んでも届かないのではないか、そんな感覚だけはずっと残っていた。

 

 

 

 

***

 

 

 

 

 折本は千葉駅の構内を歩いていた。改札を抜け、待ち合わせの場所へと向かっていた。

 比企谷から誘われるとは思わなかった。まあ、この間のお礼というのが名目だから義理堅いと思うのが正しいのだろう。

 比企谷が倒れた時の事を思い出す。自分でもなんであんなことをしたのか分からない。もちろん遥と一緒にいる時間が苦痛ではあったが、それでも意識のない男性を膝枕するなど、それも外という人目にしかつかない場所で、彼氏にもするかどうか怪しい。いや、好きならするか。

 そこまで考えて折本は首を振る。余計な思考だったと頭を振る。顔を上げた時には既に指定された場所だった。

 建物を成す太い柱にもたれかかる。視線を巡らせるが比企谷はまだ来ていないらしい。サラリーマンが数人立っているのと、そのすぐ横の柱に本を読んでいる金髪の男性がいた。目を細めてみる。伏せられた顔には辛うじて眼鏡が確認できた、ああいった雰囲気の男性が本を手にしているイメージはなかったために意外に感じた。

 人間観察もそこそこに逆方向へと目を向けると薬局が目に入った。駅構内のテナントとして入っているささやかなものだが、急いでいる時などは助かっていた。店内に設置された大きな鏡がこちらを向いていた。

 折本は自分の姿を確認する。全身鏡のように映しだした服装は秋の初めにしては涼し気なものだった。そんな恰好じゃ寒いわよ、という母親の助言を無下にして履いた膝上のスカート。上は迷ったが、腕を出さない代わりに開襟の物を選んだ。学校でも露出の多い服装について少し訊かれたが、気分だよと答えた。遥のしつこい追及にはうんざりして殴ろうかと二、三回思った。

 彼氏がいるくせに他の男に媚を売る姿勢はいかがなものか。遥は”そういう”女子だった。バドミントンサークルの一件以来私の事を目の敵にしていたのは忘れていない。

「来てたんなら連絡しろよ」

 距離のある鏡で前髪を整えていたところに声を掛けられた。そのこと自体にはさほど驚かなかったが、振り返って見た彼の姿には思わず開いた口が塞がらなかった。

「え、え? ひ、比企谷?」口周りが硬直しているが何とか声を出す。

「じゃあ行くか」

 当の本人は生まれた時からこれですけど、と言った様子で背を向けた。その後姿を呼び止める。

「ちょちょちょ、ストップストップ!」

「なんだよ」

 首だけをこちらに向け、面倒くさそうな視線を送ってくる。しかしそこに以前の様な腐敗した雰囲気はなかった。目元が明るいからか。

「いやいや、何その頭。ウケるんだけど」

「いや、ウケねーから…」彼は足を止めない、しかしその歩幅は短く、こちらを気遣っているのが分かった。私の履いたものを知っての事だろうか。カツカツとかかとが鳴る。。

「え、なにどうしたの」折本は比企谷の顔を覗き込む。

「別になんでもねーよ、気分だ。気分」比企谷はその視線から逃れるように顔を逸らした。

「えー、何でもなくないでしょー!」

 折本は自分の声が高くなっていることに気が付いた。自然とテンションが上がっていたのだろう。それもそうだ、今の比企谷は贔屓目に見なくてもかっこいい。

「あーはいはい、少し歩くが大丈夫か?」比企谷の視線は私の足に向けられていた。

「あ、うん! 全然大丈夫!」

 イケメンに気を遣われて嬉しくない女子はいない。少なくとも私はそうだ。少しうるさい心臓と共に気になったことを尋ねることにした。

「そういえば眼鏡変えた? 前は違うのしてたよね」何の気なしに尋ねたことだが、比企谷の目元がピクリと動いたのを見逃さなかった。「あ、言いたくない事だったらいいんだけど」と付け加える。

 比企谷は肩を竦める。「ああ、ちょっと合わなくてな」

「そっか、あー、それも似合ってるよ」

 褒めるのってこんなにも難しいものだっただろうか。いつでも、どんな相手にも軽く褒め続けていたはずなのに。本音を伝えたからだろうか。なら私はいつから本音を言わなくなったのだろうか。

「さんきゅ」

 比企谷の反応は冷たかったが、今迄もそうだったかと思い出した。少し肩が触れる距離に詰める。

「どこに連れてってくれるの?」

 総武校の二人とは離れたと聞いていたからだろうか、なんとなく近づいても許される気がした。

 

 

 

 

***

 

 

 

 

 比企谷八幡は実像を染める。

 

 陽乃さんの顔が近づいてくる。そのまま唇を重ねると、目を閉じた。

 ホテルに入るなり貪るように彼女を求めた。身体に残る影を掻き消すように何度も何度もキスをした。俺が彼女の上に吐き出すことで終わるその行為は、とても情熱的で、人間的に冷めていた。

 ベッドの上。単なる肌の接触なんて表現はもうできないほどに舌を絡める。撫でて、突いて、口内を侵略する。攻撃したかと思えば、こんどは陽乃さんが侵入してきて犯される。そんなことを繰り返して、顔が離れた。彼女の指が動き、俺の瞼に触れる。

「どう? お風呂に入っても取れないでしょ」

 目元を覆うそれを彼女は撫でる。隠すために、覆うために、虚像であると証明するために施された化粧を、彼女は撫でる。

「はい…、大丈夫でした…」

「そっか、…よかった」

 そう言い、俺の頭を乳房に抱き寄せる。彼女の囁きは俺の耳によく響いた。メイクなんて落ちてしまえばいいのに、と響いている。それを押し込めるように俺も彼女を抱き締めた。

 愛なんて、そんな曖昧な感情に縋る日が来るなんて思いもしなかった。酸素がそこにあるように、愛がそこにあるとはだれにも分からない。それなのに、陽乃さんからは深い愛が感じられた。底の見えない木の洞のようにいくらでも堕ちる余地が残されていた。

 俺はそれを利用している。くだらない自己肯定の為に利用している。

「あれから、何人としたの…?」

 陽乃さんの声は沈んでいる。おそらく聞きたくは無いはずなのに、分からない状況に耐え切れないのだろう。俺にできる誠意は正直に答えることだけだった。

「…二人です」

 陽乃さんの大きな胸が心臓の鼓動で跳ねた。ドクンと響き、彼女の脳へと正常な血液を回そうと働いている。身体がイヤだと叫んでいるような、そんな気がした。

「…うん、そっか。……ありがとう」

 一層強く抱きしめられる。それは俺を罰しているのか、確かめているのか分からなかった。

「陽乃さん」空気を求め顔を上げる。そこには涙を流した彼女がいた。息を呑む。

「ごめん、ごめんなんでもないから」

 口を噤み耐えるように目を閉じる。また一筋、重力に従い、垂れた。彼女はそれを恥ずかしそうに手で拭う。

「陽乃さん」もう一度呼びかける。「もう一回しましょう」

 俺の言葉に一瞬目を見開いたが、嬉しそうに微笑み、目を伏せた。

 

 腰を振り、泣きながら喘ぐ彼女は美しく、永遠を体現しているような気がした。

 

 誰としようとも、陽乃さんの嬌声だけが身体に染み込んでいた。

 

 




最後まで読んでくださってありがとうございます。嬉しいです。

どんな反応があるのか怖いですが、感想を頂けると嬉しいです。

また書きます。もしよろしければ読んでください。

では、また。
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