「S.H.I.T……くそったれ!!」
朝起きると同時にベッドから滑って落ちる。
タンスの角に小指をぶつける。
お気に入りの新車のバイクが故障する。
「このバイク気に入ってたのに…こりゃバイト代は修理費で消えるな…トホホ」
朝起きて学校に行くまでに既に幾多もの小さな不幸が陽一をボコボコにしていた。
「今日もハードラックな1日になりそうだ…やっぱ最近ツイてないぜ。そうは思わないかホワイト」
にゃーご
「そっかー俺猫語わかんねーから日本語でおk」
しゃー
「ヤメロォ⁉︎制服を爪で引っ掻くのはヤメロォ!!」
訳あって親から仕送りを送ってもらいながら一人暮らしをしている陽一は住んでいるアパートで飼っている白猫のホワイトに愚痴を言うが返ってくるのは猫語と乱れ引っ掻きだけだった。
「さて、バイクが使えねぇから歩くしかねぇな…まぁそれでも余裕で着くけどな」
のんびりと朝食を作りそれを黙々と食べ、ホワイトに餌をあげて準備を整えた後、陽一は学校へと向かう…彼の通う学校、四方田高校は住んでいるアパートから徒歩だとしても5分程で着くので余程爆睡して寝坊しない限りはそう簡単には遅刻はしない。
「さて、今日のハードラックを吹っ飛ばすイカした曲でも聞きながら登校するかな!」
ヘッドホンを装備し陽気なジャズを聞きながら余裕で学校に着き授業を受ける。
四方田高校は丁度真ん中辺りの偏差値であり野球では甲子園常連校とされる程の強豪校だ。
「はぁー授業終わった。昼飯の時間だ…やっぱ腹減るなぁ」
「陽一、購買部で新しいメニューが発売されたらしいぜ?行こうぜ」
「お、マジで?この前の新メニューも当たりだったから期待出来そうだぜ」
「おーい陽一、授業寝ちまってたからノート貸してくれよー」
「はぁー?お前この前赤点取っちまったんだから自力でやれよー」
「なぁ陽一!今日の放課後部活の助っ人に来てくれよー」
「えー?勘弁してくれよこの前も助っ人行ったじゃんか…それに今日は俺バイトの日なんだ。他当たってくれ」
陽一はそれなりに勉強ができて、運動もかなり得意だ。
そして何より高いコミュ力故に彼は学校の人気者であった。
「よっしゃ、んじゃ購買部行こ……」
「ん?どうした陽一」
「いや、なんか…耳鳴りが…」
そんな人気者の陽一はハードラックな出来事とは別にほぼ毎日くる耳鳴りに悩まされていた。
「いきなりなんだよお前、ここ最近それ多いぞ?なんか病気なんじゃね?」
「病気とかマジでS.H.I.Tなんだが…すまん、ちょっと先行っててくれ」
「お、おぅ…」
一応病院に行って診察してもらった事があったのだが原因は分からずじまいであり、治したくても治せないので陽一は本当に頭を抱えていた。
「あーちくしょう…やっぱり今日もハードラックだぜ…」
結局購買部の新メニューにはありつけず、仕方なく買ったクリームパンと飲むヨーグルトで昼飯を済ませた後、その後も耳鳴りに頭を悩ませながらも学校は終わり陽一はバイトをして家に帰る。
「バイト先でハードラックな目に遭わなかっただけマシな1日だったな…ただいまホワイト」
にゃーご
家に帰るとホワイトが足元にすり寄って来るのでそれを持ち上げると家の中に入る。
「やっぱり耳鳴りがキツイな…しかもそれと関係あるのかは知らねぇがへんな『卵』まで見えるようになっちまった」
ホワイトに新しい餌を与えながら部屋の隅を見る…その視線の先には緑の模様が入った不気味な『卵』があった。
うにゃん
「やっぱりホワイトにも見えないのか…大家さんにも、ダチにも見えないこの『卵』…一体何なんだろうな?」
首を傾げるホワイトの頭を撫でながら陽一は考える…『卵』が見えるようになってから家に帰るとずっとその『卵』の事を考える。
「考えても仕方ねぇか…ホワイト、ちょっと買い物行って来るぜ」
うにゃあ
だがその答えが出てくる事は無く気付けば夕飯の時間を過ぎていたので近くのスーパーで食材を買いに向かう。
「今夜の気分は回鍋肉っと」
「…………」
「なぁアンタ…さっきから何で俺の後を付いてくるんだい?」
「………………」
食材を買ってスーパーから出た帰り道、陽一はその帰り道で何者かに尾行されていた。
決して相手の尾行が下手だった訳ではない…寧ろ尾行は完璧で、それに気付けた理由は頭を悩ませる耳鳴りに明らかな違和感を感じたからだ。
「可愛い女の子が尾行してくるなんてロマンスを感じる…と言いたいけどよ……悪いが怪し過ぎるぜ」
「………………」
尾行していた白とピンクのワンピースと白いウエスタンハットが特徴の女の子は腰に手を添えてじっと陽一を見つめていた。
「チッ、だんまりかよ…」
「一緒に来てもらうわ」
「は?今何つった?」
「二度同じ事を言わせないでくれる?一度でいい事を二度言わなければいけないって事は頭が悪い証拠よ」
ウエスタンハットの女の子の言い方に若干カチンと来そうになった陽一だが、次の瞬間そんな思考は彼方に吹っ飛ばされる。
メギャン
「なっ……」
陽一は困惑した…明らかに何も無い所から変わった形の拳銃が女の子の手から現れたからだ。
「貴方に許される答えは『はい』か『YES』…それ以外の答えは『認めない』ッ! !」
はじめまして、霞大福です。
ジョジョの第5部アニメ化でテンションがハイになった結果出来上がったものです。
基本的に主人公である荻野陽一が何かの組織に狙われたり町のトラブルに巻き込まれたりする主人公超ハードラック作品です。
ゆっくり投稿していくのでよろしくお願いします。