双頭の骸、虚圏に立つ   作:ハンバーグ男爵

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知らない内にBLEACHのSSめっちゃ増えてるぅ…嬉しいゾ
はあ…雛森救われてる作品多くてしゅき…




……藍染ってこんな奴だっけ?て思いながら書いた、キャラ崩壊注意な
…いつもの事やんな




十三話 戦争前夜

「くそっ…くそっ……!

あのちっこい隊長、今度会ったら絶対捻り切って殺してやる……ッッッ!」

 

「あぅ…ルピさん落ち着いて……」

 

「落ち着いてられるかよ!

腕凍らされて斬られたんだぞ!?もう元には戻らねえんだよ!」

 

「無くなったものはしょうがないですし……ぁ、ピザ食べます…?」

 

「食べる(半ギレ)!」

 

声を荒らげながらピザを1切れマルちゃんに食べさせて貰うルピ、その隣には皿に盛られた大盛りの麻婆豆腐をガツガツ食べるヤミーもいるよ。

さっき現世から虚圏に帰ってきて、私の宮で二次会をやってる。

こんな事もあろうかと、ルドボーン君に料理を教えて私たちが出ている間に色々作って貰っておいたのだ。なお渋ったグリムジョーと、序でにその場に居たウルキオラは引っ張って連れてきた。

 

「……なぜ俺まで…」

 

「犬に噛まれたと思って諦めろ、此奴に捕まったお前が悪ぃ。」

 

半ば諦め半分でそばにあったタンドリーチキンを掴み取り、豪快に齧るグリムジョーを見ながら、上品にスパゲッティを食べるウルキオラ。

 

他にもシャルロッテ、ハリベル、スンスン達三人娘もこの場に来てる。ダーリンにも声を掛けてみたんだけど無視された、辛い。

 

 

どうやら藍染君の企みは無事成功したらしい。ウルキオラは接触を終え、私達は囮の役を演じきった。あとは明日、彼女が自分から此処へやって来るのを待つだけだ。

心理に多重の檻ねえ、藍染君もいやらしい事を次々と思い浮かぶもんだよ。流石エロメガネ…最近メガネ捨てたから只のエロ野郎か。

 

「藍染様をザエルアポロの様な扱いにするのは止めろジェーン・ドゥ。」

 

あっザエルアポロはいいんだ…

 

 

 

 

ぴんぽーん ぴんぽーん

 

 

 

食事を続けていたら宮のインターホンが鳴った、霊圧を探ってみる……噂をすればザエルアポロ(HENTAI)のお出ましだ。

ルドボーン君、宜しく。

 

「畏まりました。」

 

少しすると少しやつれたザエルアポロがルドボーンに連れられてやって来た。

 

「ザエルアポロ様、此方をどうぞ。」

 

「ああ濡れタオルか、すまないね…

お前に頼まれていた代物が今しがた完成したぞ、ジェーン・ドゥ。

……ていうかなんだこの騒がしさは…フゴァッ!?」

 

呆れた表情でそう呟くザエルアポロの口に取り敢えずマカロンぶっこんで黙らせておく。疲れた時は甘いもん食えって、ばっちゃが言ってた。

 

ご苦労さんザエルアポロ、取り敢えずその数日ラボに引き篭もってタンスの奥にしまい込んだ古着みたいに汚い身なりを直しておいでよ。お風呂貸したげるからさ。

 

「……ングッ…誰が古着だ!

…普段なら断るところだが、今回ばかりは()()()()()でこの天才にも少しばかり疲労が溜まっていてね、有難く使わせてもらうよ……」

 

素直じゃねえザエルアポロは渋々ルドボーン君に案内されて部屋の奥へと入っていく。

 

「ジェーン・ドゥ。ザエルアポロに何を開発させていた?

藍染様から報告はなかったが……」

 

そんな怖い顔(無表情)するなよウルキオラ。黙ってやってるわけじゃないし、藍染君からも「好きにするといい」(声真似)って言質貰ってるからセーフセーフ。

 

「……そうか、藍染様に害せぬ物ならそれでいい。

だが…何故こんな事をする、ジェーン・ドゥ。

破面に食事は不要だ。風呂も、休眠も、お前が過去に催した余興の数々も、時間を浪費するだけの無駄な行為だ。

なのに何故貴様は俺達に無駄を強要するのか、俺には理解できない。」

 

 

……………ポエムかな?

 

 

「ポエムじゃない、真面目な話だ。」

 

あーもーそーいう心無いですアピールはいいから、今は黙って飯を食いなさいよ効率厨め。

そこに座ってパスタ食ってるってことは、『無駄』とは思っていても『嫌』じゃないんでしょ。

 

「元より俺に好き嫌いなどない。」

 

味は?美味しい?

 

「ミートソースの程よい酸味と塩気が麺によく馴染んでいる。」

 

そうじゃなくて、美味しいか不味いかで聞いてんの。

 

「……………分からない。」

 

あっそ。

まー途中で食べるのを止めないって事は、そういう事だよ。

 

「どういう事だ。」

 

さあー?自分で考えな。

 

少し首を傾げたウルキオラはまたつるつるパスタを啜りだす。

 

「おーいジェーン!麻婆が切れたぞ!

新しいのくれ!」

 

ヤミーのデカい声が私の所まで届いた。

あのヤローさっきお代わりで大皿注文したのにまだ食うか!アレ結構辛く作ったし、後で腹下しても知らんぞ。

ルドボーン君の分身達が厨房と客間を行ったり来たり走り回る、ホント便利な能力だな髑髏兵団(カラベラス)

 

ルピもいい加減機嫌直しなよ、腕の1本くらいトレパドーラ発動すればどうにでもなるじゃん。

 

「斬られたのが気に入らないんだ!

あのクソガキ…覚えてろよ……!!」

 

そんな文句タラタラなルピ君にはホレ、ジェーンお姉さん特製レアチーズケーキの試作品をくれてやろう。美味しいゾ?

 

「私が食べさせてあげますから…はい、あーん…」

 

「ケーキひとつでイライラが収まるわけ(パクッ)……美味しい。何コレ。」

 

ルピちょろくね?

 

「ルピばっかズリぃぞ、俺にも寄越せよ。」

 

まあまあ落ち着けヤミー、こいつの完成品は今度の十刃集会で皆にお披露目してやるからさ。

 

「ホントか!?絶対だぞ?」

 

ホントだぞー美味過ぎて(プラス)になっちゃっても知らないからな。

 

「……ヤミー、興奮し過ぎだ。はしたないぞ。皿を置け。」

 

完っ全にヤミーの保護者みたいになってんなウルキオラの奴……

 

 

 

 

 

『……ジェーン、聞こえるかい?』

 

 

 

 

 

ッ!?!?!?!?

 

うわびっくりした!!

突然の耳を舐めるようなねっとり藍染ボイスにびくっと身体を震わせてしまった。でも周りの連中には聞こえて無いみたいだし、私にしか届いていないようだ。

あはは、ホラーかよ。頭の中に直接藍染君の声が聞こえた気がした、末期かな…

 

『末期では無いしホラーでもない。

縛道の一種だ、君のみに語り掛けている。』

 

本当に藍染君だった。こ、こいつ直接脳内に…っ!?

縛道ってのは死神が使う便利技の1つだ。どうやらアーロニーロの認識同調みたいに特定の相手に念波的な何かを飛ばせるらしい。死神って便利な技持ってんのね。

ボスから突然の呼び出しである、カツアゲかな?

 

『カツアゲではないよ。』

 

アカンこの状態だと心読まれる、変な事考えないようにしよう…

 

『……覗き野郎はストレート過ぎないかい?』

 

ヤダナーソンナコトオモウワケナイジャナイデスカーアハハハハ

 

『まあいい、本題に入ろう。

直接会って話したい事がある、今から私の所まで来れるかい?』

 

最近よく呼び出しくらうな…まあいいけど。

 

じゃあルドボーン君、あと宜しく。

呼び出しくらったんでちょっくら藍染君トコに顔出して来るよ。

アイツら、騒ぐだけ騒いだら大人しく帰ってくから付き合ってあげて。シャルロッテにはお土産渡したげてね。

なんかあったらマルちゃんは最優先で保護すること。

 

「承知致しました、行ってらっしゃいませ。」

 

どうせヨン様紅茶しか飲んでないだろうから、余ってたお茶菓子幾つか見繕って持って行ってやるか。

私ってば気遣いの出来るいい女。

 

『……本気でそう思っているのだから君は面白い。』

 

心を読むなァ!

 

 

 

☆☆☆☆☆

 

 

 

 

 

ジェーン・ドゥ、という破面がいる。

 

背丈は女性破面にしては大柄で、ベージュの髪と深紫の瞳が印象的。特筆すべきはその身に宿した始祖の霊圧と、破面化により発現した空間移動能力。「虚圏内なら何処へでも一瞬で移動可能」という馬鹿げたスキルと、「虚圏で初めて黒腔を開いた虚」という事実に基づく黒腔の絶対支配権。藍染様曰く、「虚圏の番人」のような力を持つ破面。

戦力という面で奴を見るなら、たった一人で我々十刃と戦っても、条件次第ではあるが此方を一方的に嬲り殺せる程度には戦闘力が高い。

近接攻撃もさる事ながら、真に恐るべきは奴の帰刃(レスレクシオン)だ。

ジェーン・ドゥの持つ真の力の解放…詳細には明かされていないが、藍染様の厳命により虚夜宮内での斬魄刀所持すら認められていない事が奴の危険性を表している。

 

そして、奴を最も最大にして最恐たらしめる要素が、『性格』だ。

奴は普通の虚とは違う。俺の今まで見てきた虚は料理もしないし、現世に買い物へも行かないし、無限にクッキーを出せない。それらは全て虚にとって無駄であり、意味の無い行為だからだ。大虚という『個』を失った存在から進化した我々は、互いに喰らい合い、他を蹴落としながら成長し続けるしかない。それが虚の全てだった。

だが奴はどうだ。極力戦いを避け、無駄な余興に勤しみ、まるで人間かのように振る舞う。奴曰く、「やりたい事やって何が悪い」だそうだ。その言葉に深い意味は無い、ただ奴は自分の思うがままに振舞っているだけだった。

しかし、いつしかそれが他の十刃にも伝播したのか?

ヤミーは「寝るよりパワーが溜まる」と言ってしょっちゅうジェーン・ドゥの料理をせがむようになったし、先日の一件でグリムジョーは心做しか落ち着きを取り戻し、冷静な判断が下せるようになった。(その事を奴は「やっと中学校卒業して高校生になれたね!」と屈託のない笑顔で褒め称えていたが…褒めていたのか?)

長年の友人と呼称されるザエルアポロ、アーロニーロ、ハリベルは勿論の事、最近は妙に大人しいバラガン等も、奴の影響を受け、変わりつつある。

それは意識の改革、奴曰く「心に余裕を持つ」という事らしい。俺には理解出来ない。

 

藍染様から「彼女の余興には極力付き合うように」との命令を受けている為、過去に奴が行った、『女破面が布の薄い服を着て衆人観衆のもとプールに浮かべられた足場でハチマキを奪い合う謎の大会』の解説と実況も務めたし、『とにかく限界まで食事を食わされる選手権』では次々出されるわんこそばをヤミーと競い合いながら平らげた。更に最近行われた『指定された24時間以内に笑う度、尻を鋼鉄のハリセンでシバかれる謎の会』では藍染様のご指名通りパーソナリティ兼進行役をジェーン・ドゥと共に完遂した。

多くの破面が参加し、泣いて、笑って、時折むせかえって、表情を変えていく中、何故皆がそうなっていたのか俺には分からない。

 

……だが、奴の本質は掴めてきた。

 

『依存』

 

藍染様はジェーン・ドゥの死の形をそう例えていた。

虚が持たざる物を与え変化を促す始祖の虚、その先にあるのは進化か、それとも堕落か……兎に角奴が及ぼす影響は計り知れん。

だが、ここで1つ疑問が浮かんでくる。アーロニーロに並ぶ知己であるザエルアポロ・グランツ曰く、「目的の為なら手段を選ばないイカれた奴」であるジェーン・ドゥの本当の『目的』とは一体何なのか。

 

見定めなければならない。

 

藍染様のご命令通り、これからも経過観察が望まれる。

そして何か不都合があった場合……

 

 

 

 

 

 

俺の手で、始末を付けなければ

 

 

 

 

 

 

☆☆☆☆☆

 

 

 

 

「やあ、ジェーン。来てくれたね。」

 

「なんの用さ、藍染君。」

 

いつものように空間転移を使い、突然私の部屋に現れるジェーン・ドゥ。

その表情は明るくもなく、暗くもなく、『あーまためんどい上司に仕事当てつけられるー』とでも言いたそうな複雑な面持ちだ。

 

「まずは陽動の指揮、御苦労だった。

ウルキオラは予定通り井上織姫と接触、無事『楔』を打ち込んだだろう。君には現世時間の明日、ウルキオラと共に彼女を迎えに行ってほしい。」

 

「まーた私タクシー扱いですか、へいへい分かりましたよっと。

んで、崩玉サンの具合はどうよ?」

 

「滞り無い、とだけ言っておこう。」

 

「ふーん。いつも通り、結局全部藍染君の思惑通りって訳ね。

あ、お茶菓子持ってきたけど食べる?」

 

「頂こう。」

 

そう言ってジェーンは慣れた手つきで紅茶を淹れ、カップに注ぐ。指を鳴らせば皿に乗せられた色とりどりのマカロンが机を彩った。

味もお墨付きだ、彼女の料理と菓子作りの腕は破面でも群を抜いている。

 

……本当に奇異な虚だ。

言動、生活、思考、全てに於いて通常の虚とは掛け離れ、多くの破面が抱く力への渇望や、闘争心を微塵も表に出さない。『自分のやりたい事だけ』を目標とし、障害を排除する時だけは、本来の残虐性を垣間見ることが出来るだろう。

性格はおちゃらけ、しかし責任はきちんと果たす。更に戦闘しか能のない破面を争い以外で懐柔し従える統率力は素直に評価すべきだろうが、普段抱えてくるトラブルが時折頭を悩ませる。

そんな「虚らしからぬ虚」、彼女が虚圏最古の骸とは…涅マユリ等ならどんな手を使っても彼女を手に入れ解剖し、骨の髄まで調べ尽くす事だろうな。もっとも、彼がジェーン・ドゥという虚(制御装置の無い核爆弾)を御しきればの話だが。

 

「でさー。ルピが腕無くしてイライラしてるから、なんとかしてやりたいなって。

破面になると再生能力失うんでしょ?」

 

「ふむ、それも井上織姫が此方へ来た折に対処しよう。

彼女の力は優秀だ、瀞霊廷がわざわざ気に掛ける程度にはね。人質としても、囮としても十二分に役割を果たしてくれるだろう。」

 

そうすれば、彼と彼等の仲間達、それに連鎖して護廷十三隊隊長格数名の戦力が外界と隔離された此処(虚圏)へとやって来るのは容易に予想出来るからね。

 

「そんでこっちで死神達をO★MO★TE★NA★SIすりゃいいのね、OK把握。」

 

「君の言うそれには不気味さしか感じないが、それでいい。殺す気でやらないと護廷十三隊は落ちないからね。」

 

彼女は他の十刃との関係も良好だ。

友好関係は勿論の事、破面に新たなアイデアを与え、進化を促している。これも彼女の思考の向きが虚のそれとは掛け離れているからだろう。

#9、アーロニーロは彼女と出会い、自身のコンプレックスを克服し喰虚の多様性に気付いた。

#2、バラガンも過去に彼女に諭され、王としての気質をより一層深める事に成功し、自身の能力の弱点を自覚すると共に、過去に私、ギン、要で行った虚圏侵攻の際にはこの私に手傷を負わせるほどの実力を得ている。

彼女が探し当てた#1、コヨーテ・スターク・リリネット・ジンジャーバックは抑えきれなかった霊圧を制御しようと努力し、近日それを成し遂げ更なる進化を得た。()()()()()()()、とても興味深いね。

他の者達もジェーンと接触し、多くが知的に成長し、破面としてより高みへ上りつつある。

これは崩玉でもなし得なかった事だ。

『創造』の更に上のレベル、『成長』だ。彼女は無自覚だろうが、これ程の成果を出してくれたのには感謝している。

 

 

「まーた悪い事企んでる、酷い悪人面だよ藍染君。」

 

「君に言われたくないね。」

 

「おうコラ表出ろ。」

 

他愛ない会話で致死レベルの霊圧が漏れ出すのにももう慣れた。

 

「計画は既に始まっている。

死神達が此処へ来るのも時間の問題だろう、その前にお互いの意思を確認しておきたくてね。」

 

「確認するもなにも、最初に話した時から変わらないよ。

私は私の為だけに、君は君の為だけに動く。お互いどうしようもなく身勝手で、我儘で、独善的な悪巧みだ。」

 

ニヤニヤ笑いながら皿から摘んだマカロンを手で転がして、ぱくりと頬張るジェーン。

 

「強いて言うなら、せめて私と君が殺し合いにならないように舞台を回すんだね。

いや、その前に後ろから刺されるかも。藍染君敵多いし。」

 

「……彼がどうやって食らいついて来るのか、正直に言うと興味があってね。」

 

「好奇心は猫を殺すって言葉知らない?」

 

「私は猫ほど大人しくはない。」

 

「確かに、藍染君が猫は無いわー。ヒグマとかじゃね?」

 

「もう少し愛嬌のある動物は居なかったのか…」

 

流石にヒグマは酷いと思うんだが。

ああ、本当に、虚圏を拠点において正解だったと、今では自分の慧眼に感心しているよ。

戦略的拠点としての利点もさる事ながら、この数ヶ月は実に有意義な時間を過ごせた。

崩玉の覚醒実験もさる事ながら、彼女との出会いは、日々に潤いを与えてくれた。

こうして2人向き合って紅茶を啜り、茶菓子を摘みながら他愛もない会話を楽しむ。

そんなぬるま湯のような時間にずっと浸っていたいと、何度も思った。しかし……

 

 

「私は前に進まねばならない。」

 

「……そかそか。

そこまで嫌なんだね、その『霊王』ってのが。現世の街一つ消し飛ばしても足りないくらい。」

 

「……まあね。」

 

あんなモノが世界を留めている今が許せない、私は私を制する物を打倒する。

その為の永きに渡る護廷十三隊への潜入、虚圏への転居、破面の完成、そして王鍵の創造だ。

 

 

私は私のやりたいようにする

 

 

「君の受け売りだがね。」

 

「いい目ぇしてんじゃん、藍染君。

やっぱキミは面白い死神だよ。」

 

満足そうにジェーンは微笑んで、また1つマカロンを口へ放り込んだ。

 

詰まるところ、私と彼女は似ているのだ。

「やりたいようにやる」。そしてそれだけの力が私達には有る。常人離れした霊圧、卓越した斬拳走鬼、有り余る己の力を現す斬魄刀。それら全ての要素をもって、目標達成までの足掛かりとする。

差異があるとすれば、生まれ育った環境の違い程度か。

彼女はこの虚圏で理解された、しかし私は尸魂界で終ぞ理解される事はなく、故に偽りの笑顔で仮面を作り、ほかの者を全て駒として利用した。

 

 

受け入れられた彼女が妬ましくないと言えば嘘になる、か。

心の何処かで私はきっと、私と対等になれる存在が欲しかった。

それが無理ならせめて……

 

 

「どうしたむっつりスケベ、じっとこっち見て。」

 

「………いや、なんでもない。

君とこうして話すのは不思議と嫌じゃない、と思っただけさ。」

 

「あ、デレ藍染だ珍しい。いつもはエロ藍染なのに。」

 

「…………」

 

 

本当にシリアスの続かない奴だ。

もはやツッコミ返す気も無くなったので黙ってマカロンを1つ摘んだ。うん、美味い。

 

 

 

 

 

 

 

 

 









動きがない?もうすぐ虚圏荒れて死ぬほど戦闘シーン書くから気にすんなし

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