そんな感じで色々あったけどよぉ! 俺はこうやって執筆し、投稿したじゃねえか!だからノーカウントだ、ノーカウント!俺は悪くねえ!
※ GAミッション風のあらすじはネタです
10/10 獣狩りの散弾銃のテキストを後書きに追加しました。
作戦を説明する。
今回の雇い主はカルデア。目標は亜種特異点セイレムの排除、及び特異点のコアとなる聖杯の回収ないしは破壊だ。今回も例によって特異点の詳細は判明していない。
だがこの特異点は今までのものよりも異常らしくてな。今現在アメリカのマサチューセッツ州エセックス郡に展開されているんだが、おかしなことに中身は17世紀後半の街並みになっているらしい。
従って、今回はあちらさんの司令部から随分と奇抜な作戦初期計画が提示されている。要はカルデアらしさってやつだが、まあ聞いてくれ。
レイシフトで特異点に到着したらカルデアのマスターに従い、マスター率いる劇団の団員を装ってもらう。現地の人間から浮かないようにするための策ってやつらしい。
だが困ったことにその後の具体的な計画は今の段階では存在しない。あちらでの調査が進み次第、新たな作戦をマスター及び所長代理殿が立案するとのことだ。ま、簡単な話、臨機応変に対応するってことだろうよ。
ああ、それと言い忘れていたが今回の作戦には僚騎が随伴する。どれもカルデアのサーヴァントだ。実力は保証するぜ。
長々と続けたが、最終的にあんたのすることは単純だ。獣を見つけ、追い詰め、縊り殺す。今までとそう変わりはしないだろう?
こんなところか。
正直、今の段階では脅威度の判別がつかない危険な任務ではある。が、見返りは莫大だ。あんたほどの腕があるならそう悪い話ではないと思うぜ。
連絡を待ってる。
[ミッションを受諾しますか?]
ーYesー ーNoー
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時刻は夜明け前。無事セイレム近郊の森林にレイシフトしたカルデア御一行は村の中心部に向かおうと森の中を歩いていた。
「…さすがはロビンフッド。夜目が利き、天体運行の知識に優れ、気配を探る術すら一流とは」
「世辞か? よしてくだせえよ。褒めたって何も出やしねえ」
「世辞などではないとも。貴公ほどの名はないが私とて狩人の端くれ。気配を探る術や夜目程度なら習得してある。だがその天体を見て時刻を推察する技術や、即座に周りの地形を把握する技術などは私にはできん。
…貴公の話を聞いているだけでも実に勉強になる」
同じ狩人だからだろうか。ロビンフッドと月の狩人はすっかり意気投合したようで、先程から周囲を警戒しつつ話していた。
「ま、こんなもんは慣れですよ、慣れ。昔からこういう小手先だけの陳腐な技術が得意でしてね。役に立ちそうなモンは片っ端から習得したんですわ」
飄々と肩をすくめながら自分を卑下するロビンフッド。
「クク、貴公、そういった小手先の技が窮地を救うことを知った上で言うかね」
どうもこの食えない古狩人はなかなか良い性格をしているらしい、と狩人はニヒルな笑みを浮かべる。
「…狩人さんとロビンさん、やはりおふたりとも狩りに携わる方だからでしょうか。あんなに早く打ち解けるなんて」
「うん。ロビン、サンソン先生と相性悪そうだったからちょっと心配してたけど……狩人とロビンは大丈夫そうだね」
そんな男二人を見て、マシュと立香はホッとする。ロビンと狩人との仲は悪くなさそうだ、と一安心したのだ。
何故そんな小学校の先生のような心配をしているのか。それは仲が悪い組み合わせがこの場に1組すでに存在しているからである。
話題の渦中の人物であるロビンフッドと少し離れた場所で歩いているサンソンは非常に気性の相性が悪いらしく、つい先程までは軽い口論すらしていたほどである。
その諍いはマタ・ハリが場を仲裁することで解決したが、どちらも引く様子はない。水と油というやつだろう。
それゆえに、これ以上仲が悪い組み合わせができてもかなわん、と立香とマシュはオロオロしていた、というわけだ。
「ーー待った、ストップだ。灯が見えた。ありゃ…焚き火か?」
「あら、もうセイレム村についたの?」
マタ・ハリがロビンに問う。
「いや…どうもそう言う感じじゃねえな。畑もねえし人家ってわけじゃなさそうだ」
「少々騒ぎ声も聞こえる。おそらく、少なくとも五匹以上は何かがいる」
狩人がロビンに続き情報を付け足す。
「………みんな、静かに近づこう。…現地の人だといいけど」
マスターである立香が指示を出す。他の者も異論はないようで、軽く首肯することで立香の呼びかけに答えた。
ゆっくりと近づくカルデア御一行。狩人が茂みからちらりと覗いてみると、少女たちが焚き火を囲んでいるのが目に入ってきた。
「ーーホワイトアッシュの枝は持った? これは魔法の杖よ! 扉を叩くわ!
大地を三回、見えない扉を三回!
ーーこれは、まさか。
狩人の頭の中の瞳が蠢く。
啓蒙だ、啓蒙に属するものだーーと、そう直感でわかってしまったのだ。
ーー否、まだ決めつけるのは時期尚早か。
脳内でぐちゃりぐちゃりと奔り回る智慧を抑えつつ、続きを聞くために耳を澄ます。
「扉の先は外の世界へ通じているの! そうしたら私たちの前に聖霊が現れて、お告げを下さるわ!」
「どんなお告げなの? アビー?」
アビーと呼ばれた綺麗なブロンドの少女が至極真面目な顔で、熱に浮かされたように続ける。
「それはあなたの望む未来、私たちが待ち焦がれる誰か。ここではない何処か…私たちの知らない遠い遠い世界へーー」
ーークク、ククク……まさか…まさかまさかまさか! おお! まさか異世界にもいるか、見えぬ神、外なる宇宙の神が! ああ、いいなぁ。いい。それはいい……実に、実に実にいい……
なにやらサンソンやロビンがいる方が騒がしいが、そんなことは狩人の耳には入ってこない。
瞳が疼くのだ。更なる智慧を。更なる啓蒙を。そして更なる血と虐を。
心地よい、実に心地よい疼きを抑え、チェシャ猫をだいぶ邪悪にしたような笑みを浮かべる。
と、そんな風にトリップをしていると、辺りからこれまた懐かしい臭いが漂ってくる。
ーーおお、おお! 獣までいるか。素晴らしい、素晴らしいなぁ、この世界は! 選り取り見取りじゃあないか…クク…クックックックック……。
獣が少女が囲む篝火をさらに取り囲んでいたのである。やはりヤーナムのそれとは違うが、獣であることに、獲物であることに変わりはない。
マスターたちも遅れて気づいたようで、少女に飛びかからんとする獣の鼻先にロビンが矢を射つ。
だが狩人の方がマスターたちよりも早く動き出していた。ロビンの矢が獣に刺さる前にその命を刈ったのである。
「マスター! ここは本職たる私に任せてくれないか! 貴公らは少女を助け、宥めてくれ!」
「わかった! 気をつけて!」
なんと理解のある狩りの主人だろうと再度笑みを浮かべる狩人。
右手にはノコギリ鉈、左手には獣狩りの散弾銃。いつもの装備を懐から出し、銃を獣に向ける。
「獣狩りの夜の始まりだ」
そう言うや否や、狩人は引き金を引き、食いちぎらんと空中で牙を剥く獣の口内に水銀弾を叩き込むのだった。
ノコギリとはなにか。木を切る道具である。
木を切るのに切れ味は要らず、木を効率よく切るためには邪魔な繊維を削らねばならない。そのため、ノコギリの刀身には小さな刃がずらりと並んでいるのだ。全ては堅い繊維を削り、引き裂き、抉るために。
だが、こんな「切る」より「削る」ことに特化した道具で、「殺す」より作業をするための道具で生物に切りかかればどうなるか。
十中八九、治りにくく痛みが激しい切り傷ができる。神経も肉も全て削られるためだ。
ゆえに、この「ノコギリ」というものを獣狩りに用いようとするのは至極真っ当な結論であると言えよう。悍ましい獣を殺すのだ。痛みも恐怖も倍々にしてくれてやらねば。
獣にはノコギリを。このことはヤーナムの狩人にとって、1+1=2と同等に常識なのだ。
「そらァッ!」
右上から袈裟懸けに振り下ろし、そのままの勢いで二、三と斬撃を続ける。四撃目で変形機構を使い、ノコギリから鉈へと変えて脳天を叩き潰すように振り下ろす。
「次ィッ!」
ノコギリに戻しながら吼え、同じように繰り返す。一、二、三。がしゃんと変形し、フィニッシュへ。
血を削り、肉を削ぐ。返り血が身体中を染め上げる。
普通の感性ならば不快に感じるそれは、狩人にとっては快感にしかならない。
ーーああ、まだだ。もっと、もっと血を浴びたい。もっと愚かな獣を縊り殺したい。
血を。血を。血が欲しいのだと猛り狂う。
そして動くものはどんどんと減り、地面に落ちている惨たらしく絶命した「生物だったもの」の残骸は増えていき、ついには生きている獣はいなくなった。
狩りの対象がいなくなり少々落ち着いた狩人は、こんなものか、とさすがに弱々しい獣に軽く落胆する。
ーーヤーナム大橋の罹患者の獣を見習え罹患者の獣を。まったく、あいつらのせいで何度狩人の夢に送られたことか…。しかもよく考えたらアレ倒さなくても回り道できるルートあったし……ああ、まずい。思い出すだけで腹が立ってくる。
そんな雑念を吹き飛ばすかのように駆け寄ってくるマスターにぼそりと告げる。
「…さて、私は周囲の見張りに行ってくる。いないとは思うが、逃げた獣がいても困るからな」
そう言うや否や、ヤーナムステップを駆使し、薄暗闇の中へ溶けていく狩人。
それは興奮収まらぬ顔を見られまいと思ったがゆえの行動であった。そして幸いなことに、その顔をマスターが見ることはなかったのだった。
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「……マタ・ハリ」
「…ええ。しかと見たわ」
「…あれは、彼の本性なのか? 邪悪な笑みを浮かべ、殺戮に酔い痴れるのが、彼の本性と?」
「…まだわからないわ。でもーー」
「ーーああ、わかっている。彼は危険だ。マスターはああ言っていたが、我々が彼を警戒しなくてはならない…!」
狩人が笑いながら獣を殺し尽くしていたのを目撃したのだ、この二人は。
なんと、なんと悍ましく、恐ろしいのだろう。あのサーヴァント・フォーリナーたる月の狩人は、危険人物やもしれぬと気を引き締める。
そして、それを、狩人の狩りを目撃したのはマタ・ハリとシャルル・アンリ・サンソンだけではなかった。
「に、逃げ…な…きゃ…。逃げ…なきゃ…!」
目を潤ませ、声を殺し、ガタガタと震える少女ーーラヴィニア・ウェイトリー。彼女も見てしまったのだ、あの疎ましい狩りを。悍ましい狂祭を。
恐ろしい、今まで見てきた何よりも恐ろしい。なんだあれは、人なのか、と。あれこそが悪魔なのではないか、と。彼女は恐怖する。
かくして狩人は知らずして幼気な少女一人にトラウマを植え付けた。
やはり狩人の業とは、かくも深いものである。
《獣狩りの散弾銃》
狩人が獣狩りに用いる、工房製の銃
獣狩りの銃は特別製で、水銀に自らの血を混ぜ、これを弾丸とすることで獣への威力を確保している
また、衝撃により獣のはやい動きに対処する部分も大きく、特に散弾を用いるこの銃は当てやすく効果が高い