見滝原中学校、昼休みの屋上。
鹿目まどかと美樹さやかは、設置されたベンチに腰掛けたまま、揃ってぼんやりと青空を見上げていた。
「…………」
「…………」
雲は薄く、流れは早い。
眺めているとまるで時の流れにに取り残されてしまったようで、言いしれぬ物悲しさが去来する。
互いに言葉はなく、しかし心は通じていた。
二人が胸裏に浮かべているもの――それはつい先日まで共に過ごしていた、大好きな先輩の事だった。
「……マミさん、本当に居なくなっちゃったんだね」
ぽつり。まどかの小さな呟きに、さやかの肩が小さく跳ねる。
巴マミ――中学校の一年上の先輩にして、この街を護っていたベテランの魔法少女。
まどかとさやかは彼女に魔女から助けられた事を皮切りに、魔法少女見習いとしてその後を付いて回っていたのだ。
彼女達の目に映る巴マミとは、強く、心優しく、それでいて包容力に溢れた、心の底から尊敬できる人物だった。
当然、そんな彼女に強い憧れを持つまでそう時間はかからない。
共に過ごした時間は短かったが、いつの日か彼女に相応しい魔法少女となり、肩を並べて戦いたいとまで思うようにもなっていた。
……だが、それも今や叶わぬ夢。
マミはまどか達の目の前で魔女に喰われ、無残な最期を遂げてしまった。
「私、何かの間違いだと思ってた。怪我はしたけど、無事で……少ししたら、帰って来てくれるかも、って……」
「……あたしもそうだよ。信じられなくってさ、今日の朝学校から言われて、やっと、何か――」
魔法少女というファンシーな単語に、まだ僅かな希望を持っていたのだろう。
しかし現実には奇跡は起きず、マミの死は覆る事はない。
朝礼で教師の口からマミの行方不明について告げられた事で、今更ながら理解したのだ。
二人の心中は、日の暖かさに反し酷く冷え込んでいた。
「……私達、これからどうしたら良いのかな」
「あたしだってわかんないよ。でも……」
人を襲う魔女の存在は、魔法少女と自分達しか認識していない。
この街を人知れず護っていたマミが居なくなった以上、これを放っておけばどうなるか――そんな事は考えるまでもなかった。
怖い。魔女に頭を砕かれたマミの死に際が、改めて二人の脳裏をよぎり――。
「……そう、いえば。キュゥべえって今、どうしてんのかな」
その恐怖から逃げるように、さやかはふと湧いた疑問をそのまま口にした。
「え?」
「や、朝から……っていうか昨日? おととい? そのくらいからあんまり顔見てない気がするからさ……」
思えばマミが死んだ少し後から、その姿を見る頻度が少なくなっている。
現に今も傍らには居らず、周囲を見回してもあの白いモキュモキュは見当たらない。
まどかが家に置いてきているのかとも思ったが、そういえばとでも言いたげな表情を見る限りは違うようだ。
「……きっと、キュゥべえもショックだったんじゃないかな。マミさんとは長い付き合いだったみたいだし」
「どこかで傷心癒やしてるって? 何かキャラに合わないような……あ、もしかして転校生がまた……!」
「さ、流石にそれは無いんじゃないかな……?」
まどかはそう言いつつも、言葉尻を淀ませる。
転校生こと暁美ほむらと最初に出会った時、キュゥべえを傷つけていた事を思い出したのだ。
おまけに今日は朝から休みのようで学校にも来ておらず、怪しくはあった。
とはいえ、キュゥべえは完全に失踪した訳でも無い。テレパシーで助けを呼ばれた事もなく、ほむらに追いかけ回されているという線は薄いだろう。
……多分。
「うーん、じゃあまどかの言う通りナイーブになってんのかな。想像つかないけど」
「きっとそうだよ。辛いのは私達だけじゃないんだ……」
自分達よりも小さな存在が、同じくマミを失った悲しみに耐えている――。
……そう考えると、恐怖に押し潰されそうだった気持ちがほんの少しだけ上を向く。
しっかりしなければならないと、そう思った。
「っと、そろそろ昼休み終わっちゃうよ。戻ろっか、教室」
「……うん」
未だ恐怖は消えず、進むべき道も定まらない。しかし、目前に漂う霧は少しだけ薄くなったような気がした。
さやかも同じ気持ちのようだ。僅かながらに元気が戻ったように見える彼女に促され、まどかは屋上を後にして――。
(……ほむらちゃんにも、色々相談したいなぁ)
ふと、ほむらに会いたくなった。
不思議な部分は多いが、魔法少女としては経験豊富に違いなく、本当は絶対いい子でもある筈なのに。
……しかし、今それを提案した所で、きっと良い結果にはならないだろう。
ちらりとさやかの背を見やり、まどかの眉がハの字に下がった。
*
「へっくち」
昼下がり、何処とも知らぬビルの上。
高所から街を見下ろしていたほむらは、可愛らしいクシャミを漏らした。
(誰かに褒められたのかしら)
一褒められニ憎まれ。三に惚れられ四に風邪を引く。
きっとまどかが頑張る自分を褒めてくれたに違いない。おそらく違うとは分かっているが、そう思った方が気分は上がる。
ほむらは二発目をしないよう鼻と口を抑え、愛しの彼女の褒詞を想像しつつ時を止め。ビルの端を蹴り出し、再び見滝原の空を舞った。
そうして捜索するのは、街に潜んでいる憎きインキュベーターの姿だ。
(さて、どこに居るのか……)
ここ数日、ほむらはインキュベーターの姿を見ていなかった。
これまでの時間軸であれば、彼らは己の知らぬ魔法少女である自分に付き纏い、事あるごとにその素性を確かめようとしていた。
しかし現状その様子は無く、あの苛立つ赤目や癇に障る声も無し。
当初は清々したと歓迎していたが……それから数日経っても顔を見ない事に嫌な予感を覚え、改めて奴らの動向を調べる事にしたのだ。
……居たら居たで極めて鬱陶しいのに、居なければ不安になるとは何とはた迷惑な生物か。
奴らがクシャミをするのなら、常に二回である事だろう。死ね。
(近いのは……高架下か、自然公園近くの路地裏辺りかしら)
色褪せた世界。風の抵抗をすり抜け、冷静に目的地を定めた。
インキュベーターは普段、極力同じ場所に二匹以上が揃わないよう注意している節がある。
統一意思を持った群体である事が関係しているのか、それとも魔法少女に与える印象の問題か。いずれにしろ、その方が『効率的』と判断したが故だろう。
しかし魔女や自分のような敵対的な魔法少女に身体を壊された場合に備え、交代要員となる身体を街のあちこちに配置している。
ほむらはこれまでの経験から、インキュベーターが好む隠れ場所の傾向を大体把握しているのだが――。
(……やはり、いない)
まるでネズミの大移動。
以前の時間軸ならば確実に潜んでいた場所には影も形も無く、他の可能性のありそうな場所でもその姿を見つける事はできなかった。
「居なくなった――というよりは、私を避けていると見た方が良いかしら」
そうして全ての心当たりを周ったものの、不発に終わり。最後に訪れた薄汚れた廃屋の中で、ほむらは形の良い顎に指を添えた。
一体、奴らは何を企んでいるのか。
自分と接触を絶つ事は、奴らにとっての得ではない。
以前の時間軸で何匹もの身体を殺しても粘り強く接触を試みて来た辺り、それは確かな筈だ。
そしてこの時間軸では、精々まどかとの接触前に彼女の付近をうろついていた個体を数匹撃ち殺した程度。身体を殺される事を恐れるには、まだ被害が少なすぎる。
おそらく、数千・数万単位の大量虐殺でも繰り広げない限りは「もったいない」の一言で済ますのではなかろうか。
(では、何故?)
この時間軸での行動を思い出し原因を探るが、やはり心当たりは無い。
強いて言えば、例のレーザー銃に端を発した一連の行動は、他の時間軸では行った事の無いものだったが――現状に関係しているとはとても思えず。
……現状に至る因果が、紐解けない。
「……こうしていても時間のムダ、か」
頭を振り、思考を打ち切る。
元よりあんな宇宙生物の思考回路を理解しろ、という方が無茶なのかもしれない。
それに、インキュベーターの姿が見えない事は確かに不安ではあるが、悪い事ばかりでは無いのだ。
奴の顔を見ないで済むという事もあるが、こうまで自分を避けていると言うのならば、動き回る事でその行動を抑制できる可能性もある。
(極論、常にまどかの側に居れば良い虫よけになるわよね、これ)
浮かぶのは渦巻き模様の蚊取り線香。『ほむら』と書かれた豚の陶器に入れられ、ゆらゆら紫煙を上げている。
ほむらはそんな下らない妄想に自嘲の溜息を吐くと、魔法少女の姿を解除。大きく髪をかき上げ外に出た。
そうして廃屋の扉が軋む音を背に携帯電話を見れば、午後3時を回っている。もうそろそろ、学校も終わる頃合いだ。
(……まどかは、休んだ私を心配してくれているかしら)
そうだったら、どれほど嬉しい事だろう。
いつの間にか服に付いていた埃を払いつつ、ほむらはまどかに思いを馳せて。
「……っ」
――突然、澱んだ魔力がほむらの全身を駆け抜けた。
どうやら、この付近で魔女の結界が顕現したらしい。
無論、放って置く選択肢は無く。
ほむらは瞬時に再び魔法少女の装いを纏うと、慣れた様子でその反応の元へと駆け出したのだった。
……そして、その少し後。
ほむらの気配が完全に消えた事を確認したように、廃屋の影からひょっこりと白い影が顔を出す。
それは紅い双眸でほむらの走り去った方角をじっと見つめると、やがてその反対方向へと静かに走り出し。
逃げるように、人々の雑踏の中へと消え失せた。
*
学校の授業が全て終わり、迎えた放課後。
まどかに手を振って別れたさやかは一人、最寄りのCDショップへと訪れていた。
「う~ん……どれが良いかなーっと」
クラシックと書かれたパネルの下、大量に並べられたCDケースを見比べる。
といっても、さやかにクラシックに関する知識はあまり無い。
とある理由から多少は勉強しているものの、曲を聞いて「ああ何か聞いたことあるなー」とぼんやり記憶が擽られる程度。
当然ながら題名だけ見てもどのような曲か判別出来ず、抽象的な文字列だらけの陳列棚に目が横滑る。
「アイネ・クライネ・ナハトムジーク……? んー……女騎士二人とイケメン男騎士の三角関係と見た!」
こんなもんである。
ともあれ、携帯や店員の力も借りてオススメ品を数枚購入し、店を出る。
合計1800円。女子中学生には少しばかり痛い出費だが――送る相手の事を考えれば屁でもない。
(……恭介、喜んでくれるといいな)
上条恭介。さやかが密かに片想いする、幼馴染の少年だ。
将来を有望視される天才ヴァイオリニストであった彼は、不慮の事故により大怪我を負い、市内の病院に入院している。
特に腕の損傷が酷く、看護師の話す内容を盗み聞きした限りでは、相当に難しい怪我であるらしい。
その事は本人には未だ知らされていないようだが――今の時点でも、恭介の心中は察するに余りあった。
さやかはそんな彼を少しでも元気づけてあげたいと、彼の好きなクラシックCDを差し入れとして、結構な頻度で見舞いに行っているのだ。
……加えて、さやか自身もマミの件がある。
人の死を間近で感じたせいか、無性に恋する少年に会いたくて堪らなかった。
「……うーん。ちょっと、ずるいかもなー……」
ポツリと呟き、頬を掻く。
何となく、居心地の悪さが胸に燻った。
病院の面会時間は、午後一時から七時までの六時間。
学校が四時前に終わる事を考えても、それなりに余裕がある時間設定にも思えるが――しかし、か弱き女子中学生であるさやかには、厳守しなければならない門限という悪法がある。
少しでも早く面会し、長く恭介と過ごす為。ここ最近は、息を切らせて受付に駆け込むさやかの姿が連日目撃されていた。
「ぜぇ、ぜぇ……す、すいませーん、面会おねがいしまーすっ」
「はーい、じゃあこちらに記入をお願いします。……毎日想われて、彼氏くんも幸せね」
「だああ、そ、そんなんじゃないですって! それじゃっ!」
流石に毎日こんな具合であれば、顔見知りとなった受付嬢からからかいの一つも受ける。
「そう」見られている事に嬉しいやら恥ずかしいやら。さやかは赤くなった頬を抑えつ、微笑ましげな視線から逃げるようにエレベーターへと乗り込んだ。
(やっぱ、何回来ても綺麗だなぁ)
恭介の病室は建物の上層、街を見下ろせる場所にある。
設備も最新のものが設けられた個室であり、それだけでも彼の怪我の重さが伺えるだろう。
階層全体が質素ではあるが静謐とした雰囲気を纏い、何となく落ち着かない。
足取りも自然と遅くなり、コツコツとした硬い靴音がいやに響いた。
「さて……お?」
そうして見えた恭介の病室。ドアノブを握り、意気揚々と開け放とうとした所――ふと、中から漏れ出ている事に気がついた。
声の感じからすると、年のいった男性のようだ。
担当の医師だろうか。割って入るのも憚られ、さやかはひとまずドアノブから手を離し、様子を窺う事にして――。
『――だから、君はもう……ヴァイオリンを弾く事は、出来ない』
――そんな声を、拾った。
「……え?」
思わず声が漏れたが、気づかれなかったようだ。
恭介の声も混じり、扉の中の会話は続く。
『……どうしようも、ないんですか』
『……すまない。神経が深く傷ついていて……現代の医療技術では』
『そんな……そん、な……』
「――……」
……薄々、察してはいた。
しかしどこか楽観的に見ていた事は確かであり、上手く現実を受け入れられない。
続いて聞こえる涙に濡れた恭介の声に、ただただ呆然と立ち尽くす事しか出来ず。
「――ん? 君は……」
「……ぇ? あ……」
どれ程そうしていたのだろうか。いつの間にか、話は終わっていたらしい。
はたと我に返った時には既に病室の扉は開かれ、退出した医師が軽く驚いた顔でこちらを見つめていた。
何とも言えない気まずさに、互いにしばし動きが止まり――医師はすぐに視線を外すと、会釈を残し去っていく。
「…………」
ゆっくりと、病室の扉を引いた。
最早見慣れた、清潔感のある個室。
その窓際に位置するベッドに、深く俯く少年の姿がある。恋い焦がれる、恭介だ。
「……えっと、お、おっすー」
「…………さやか」
おずおずと声を掛けるも、返る声は暗い。
いつもの心が安らぐような柔らかい声音は、完全に失われていた。
胸が痛み、さやかの目からも涙が溢れそうになるものの――腹に力を込めて堪え。代わりに空元気を絞り出す。
「あ、あのさ。その……あたし、お見舞いに恭介の――」
「――帰って、くれないか」
しかし、その努力もすぐに無に帰した。
「ごめん。今は……ダメなんだ。何も、誰も……話したくない」
「…………」
「……頼む……頼むよ……」
ぽたぽたと、項垂れたまま、強く握られた恭介の拳に水滴が落ちる。
……後にはただ、声にならない嗚咽が静かに響き。
CDの入ったさやかの鞄が、ずしりとその重みを増した気がした。
*
「…………」
とぼとぼと、病院帰りの道を行く。
あの後、結局さやかは恭介に何も言う事が出来なかった。
促されるままに病室を後にして、お見舞いのCDも渡せず終い。
気の利いた励ましをしたり、或いは抱きしめたり。彼にしてあげられる事は山程あった筈なのに――頭が全く働かなかった。
(……これじゃ、幼馴染失格だよ)
これで恭介が好きだと、よく言えたものだ。
肝心な所で必要な勇気が出せなかった自分に自嘲し、溜息を吐く。
「……辛いのは、私達だけじゃない、かぁ……」
重い足を引きずる内、ふと思い出し、呟いた。
屋上でまどかの放ったその一言が、今更ながら深く刺さる。
これ以上無い程に身につまされ、自然と視線が下を向き、
「――やぁ、さやか」
「っ! キュゥべえ……?」
丁度そこに白い獣の姿を認め、肩が跳ねた。最近行方不明となっていたキュゥべえだ。
その顔には相も変わらず意図の読めない笑みが張り付き、特に怪我や病気の様子も無い様子。
顔を見せない事に少々の不安を抱いていたさやかは、ホッと小さく安堵した。
「びっくりした~……っていうか久しぶりじゃん。今までどうしてたのよ、もー転校生に捕まったかと」
「ごめん、心配させてしまったようだね。ちょっと色々あって、街を回ってたんだ」
特に悪びれた様子もなく、淡々とそう告げる。
……マミの件で、傷心旅行にでも行ってきたのだろうか。
とてもそんな殊勝な性格には見えないが、こんなのでも皆と同じく辛さは抱えているのだろう。
きっと、表に出にくいだけなのだ。
「……まぁ、何ともないなら良けどさ。後でまどかの所にも顔出してやんなよね」
「うん、それは勿論さ。……ああ、それとその転校生――暁美ほむらだけど、さっき走っていくのを見たよ」
「え……だ、大丈夫だったの、それ?」
「すぐに隠れてやり過ごしたからね。どうやら、街中に出現した魔女を退治しに向かったようだ」
――それを聞いた瞬間、さやかの胸を何かが焦がした。
「……魔女、出たんだ」
「ああ、でも暁美ほむらなら対処は容易いと思うよ。この前の一件を見る限り、彼女の魔法少女としての実力は相当なものだ」
「…………」
問題ないと頷くキュゥべえだったが、さやかは納得できていなかった。
あの嫌な転校生が、魔女と戦い、マミのように街を護っている――。
実際の思惑はどうであれ、そのような構図となっている事自体に、どうしようもない反発心を感じてしまう。
「……キュゥべえはさ、それでいいの? あいつが……転校生がマミさんの代わりやってんの」
「……、まぁ、現状では彼女以外に魔女と戦える者が居ないのは確かだからね。街の平和には、繋がっているんじゃないかな」
そう告げるキュゥべえに含むものを感じたのは、ほむらを嫌う心が見せた錯覚だったのだろうか。
少なくとも、さやかにそう見えたのは確かだった。
目の奥に光がちらつき、やがては小さな炎となって。小さな胸の内を更に酷く焦げ付かせていく。
――俯き、涙を流す恭介に何もしてあげられなかった自分の姿が浮かび、強く目を瞑る。
「……ねぇキュゥべえ。もし……あたしが魔法少女になるって言ったら――マミさんを生き返らせる事って出来る……?」
「言いにくいけど、君の素質では無理だ。生物を生き返らせるなんて大それた願いを叶えられるのは、それこそまどかくらいしか居ないよ」
「……そっか」
悔しさは感じなかった。しかし、喜んでもいなかった。その筈だ。
さやかは両の拳を握り締め、ゆっくりと閉じていた瞳を開く。
その奥には、確固たる決意の炎がゆらりと揺らめき――熱に浮かされるまま、己の意思を告げたのだ。
「――キュゥべえ。あたしね、魔法少女になるよ――」
……それを聞いたキュゥべえの顔は、やはり笑みのまま変わらない。
ただ、無垢に光る紅い瞳が、くにゃりと薄く伸びていた。
『鹿目まどか』
みんな大好きまどかちゃん。世界一芯の強い女の子。
さやかと幼馴染という事は恭介とも幼馴染という事になるけど、あんまり親しい印象無い気がする。
いろはちゃんの一挙手一投足を見つめてたんだって。お風呂とかも覗いてたのかしら。
『美樹さやか』
みんな大好きさやかちゃん。誰だ助六って言った奴。
上条大好きウーマン1号。こんな健気な可愛い子に靡かないなんてどうかしてるぜ。
本編以外での活躍が凄い。
『上条恭介』
みんな大……好き? 好きだよね……? 良い子だもん、きっと……。
ヴァイオリン好きすぎて、まだ女の子に意識が向かないだけなんだ……。
何か制作陣からも散々な言われようだけど、結構好きだよ……。
『暁美ほむら』
多分ほむらならどっかの周に1ヶ月間不眠不休でキュゥべえ殲滅に動いた時期もあると思う(個人的な想像)。
『白いモキュモキュ』
だから小さいキュゥべえの選択肢に何の意味があるってんだい!?