人間やろうと思えばどんな環境でも生きていける   作:憲彦

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いつの間にか出ていたアンケート機能。実験がてらこの小説で使ってみましょうかね。


第13話

スライムが狩ってきた鹿をチマチマと食べながら、何もない時間を過ごしていた。

 

「なぁ、資材届くのって今日じゃなかったか?」

 

「そう言えばそうだな……忘れてたわ。普通に飯作ろうとしてたわ」

 

「記憶を無くすほどの時間は経ってないだろ……」

 

27日と言う中途半端な日数だった故、忘れてしまうのにも無理はない。しかし直輝は完全に頭の中から資材到着が消えていた様で、現に作った挽き肉をこねて何かを作ろうとしている真っ最中なのだ。

 

「つーか何作ろうとしてんだよ?」

 

「コロッケ。揚げ物が食べたい気分でな。卵とパン粉と小麦粉出してくれ」

 

「あ~っと……パン粉ないぞ」

 

「え?切れてたか?」

 

「すっからかん」

 

「えぇ……メニューをハンバーガーに変えるか。野菜あるしパンもあるし」

 

棚から丸い形をした厚めのパンを取り出し、冷蔵庫に詰めておいた野菜もいくつか取り出していい感じに包丁で切っていく。後は作った具材をパンに挟めて少し圧力をかけ形を成形すれば完成。なのだが

 

「ヤベ……作りすぎた……」

 

テーブルの上に大量に並べられたハンバーガー。数にして20個と言う所だ。それが並べられていた。サイズは日本に置かれている基本的なサイズではなく、そこそこ大きい。そのせいか余計に多く感じてしまう。更にそれだけではなくハンバーガーの付け合わせでお馴染みのフライドポテトまである。1人と1匹では当然食べきれる様な量ではない。

 

「流石に、俺でもこんなにな食えんぞ。精々4つって所だ……」

 

「俺は2つあれば十分だよ」

 

「まぁこうなる予感はしてたけどな。5つ超えた辺りからヤベェ気はしてたよ。作りすぎる気はしてたよ」

 

「じゃあ何で止めないんだよ」

 

「声かけたけど聞こえてなかったろ」

 

どうやら、作ることに没頭していてスライムの声が届いていなかった様だ。しかしこの量は不味い。食べきれない上に日持ちする食品と言う訳ではない。残れば廃棄するしないが、それは余りにも勿体ない。この世界では1日1日の生活が気を抜けないレベルで厳しい物がある。食品はその1つだ。作った量が多いと言うことは、使った食材も多いと言うこと。これは数日後にかなり大きなダメージとなって帰ってくる。一口たりとも無駄にするわけには行かないのだ。

 

「よし。売るか」

 

棚に入れてあるバスケットを2つ取り出し、自分達の食べる分以外を詰め込んでいく。片方をスライムに持たせルーカスの働く道具屋へ、直輝はフリザのいる冒険者ギルドへ向かっていく。

 

「おい。昼飯の配達だ」

 

「え?頼んでないけど?」

 

「俺の相方が作りすぎたんだ。察しろよ。家に溢れかえってんだよ」

 

「あぁ。そう言うこと……まぁ、ちょうど小腹が空いてたし良いか」

 

小腹を満たすと言う量ではないが、1つ取り出して口へと運んでいく。

 

「お、ウメェなこれ。ガツガツいける」

 

「付け合わせのポテトもあるぞ」

 

「おう。貰うわ」

 

バスケットから1つ。また1つと取り出して食べ進めていく。8つ程詰め込んできたのだが、ルーカス1人で4つも消費してくれた。

 

「いやぁ~美味かった!サンキュー。これ代金な」

 

「おい。まだ4つ残ってるぞ」

 

「流石にこれ以上は食えねぇわ。そこら辺歩いてれば買ってくれるのがいるかもよ」

 

その後、確かにルーカスの言うように買ってくれる人が居た。が、売り切れたのは1時間後だった。そして冒険者ギルドに向かった直輝はと言うと……

 

「しまった……この冒険者ギルド、冒険者ほとんど集まらないんだった」

 

「当たってるだけに腹立ちますね。事実なので否定はできませんけど。で?本日の予定は?冒険ですか?クエストの受付ですか?」

 

「まさか。これだ。作りすぎて困ってんだよ。ハンバーガー」

 

「ハンバーガー?サンドイッチみたいな物ですか?」

 

「まぁそんなところだ。買ってくれ。昼飯として」

 

「美味しかったら払います」

 

不味いものに金は払いたくない。当然と言えば当然の反応である。見たこともない料理ならなおのこと。1つ取り出して観察し、一口かじりとる。

 

「…………」

 

「ん?どうした?」

 

一口食べると一旦皿の上に残りを置いて、裏へと回っていく。そして金貨を5枚ほど置いた。

 

「お釣りはいりません。全部買います」

 

「俺の分もあるんだよ。1セット残しとけ」

 

「チッ…仕方ないですね。じゃあ残りは置いといてください」

 

恨めしそうに直輝を睨みながらハンバーガーをかじっていく。直輝も1つ手にとって食べる。初めてな上に感覚で作ったため味が心配だったが、意外にも店に出てくるような味になっていて安心した。

 

「感覚で作ったが、意外にもどうにかなるもんだな~。コーラがあれば最高なんだが」

 

「コーラ?」

 

「あぁ。黒い炭酸飲料な」

 

「エールみたいな物ですか?」

 

「いや。酒じゃねーよ。まぁエールみたいな苦味はあるけど、どちらかと言えば甘い方だし、ジュースだな」

 

「あれかな?ちょっと待ってて下さい」

 

受付の中にある地下の倉庫につづく扉を開けて中に入っていく。そして中で何やらガサゴソ音を立てながら何かを探している。

 

「スゲー音と埃……」

 

ガダン!バキッ!

 

(手伝ってやりたいが……こればっかりはな~)

 

汗を流しながらフリザの入っていった倉庫の入り口を眺めている。手伝うべきか悩んでいるが、入ったらただでは済まない事が簡単に想像できてしまう故に入れない。

 

「あった。よっと」

 

大きい樽を持って地下室からフリザが出てきた。片腕には樽を乗せる為の台座も持っている。

 

「1番大きいので申し訳ないですけど、多分コーラってこれですかね?」

 

「何リットル入ってるんだよ……」

 

「さぁ?この大きさなら大ジョッキ200杯分と聞いたことはありますが」

 

(大ジョッキってたしか800ミリリットル入るんだよな……それが200だから160リットル。それが入る樽だから約50キロ。総重量、約210キロ……それを片腕で担いでもう片方の手で台座を持ってくるとか……どんな腕力してんだよ)

 

「いつも酒を運んでくれている業者がいるんですけど、間違ってこれを大量に持ってきてしまいまして。困ってたので買い取ったんです。でも人気が無くてずっと地下倉庫においてたんですよね~」

 

「大丈夫なのか?それ」

 

「まぁ、地下倉庫は昔使ってた酒蔵ですし、問題は無いかと思います。樽に隙間もありませんので」

 

保存状態が不安だが、栓を抜いてジョッキに注いでいく。プシュッと言う炭酸飲料ではお馴染みの音が響き泡を立てながら注がれた。

 

「うん。問題ないみたいですね」

 

「何年前に入ったんだ?」

 

「10年くらい前じゃないですか?覚えてませんね」

 

「大丈夫か?」

 

「飲めば分かりますよ」

 

恐る恐るジョッキに口を付けて飲み込む。10年くらい前から保存されてたと言われるコーラの様な飲み物。腹を下す可能性もある飲み物。なのだが

 

「全然問題ねぇ……味も悪くないし炭酸も強い……苦味が少し強いがこっちの方が好きだな」

 

「まぁ保存はしっかりしてましたから。一応軽く時間停止の魔法もかけてましたし(半年前に切れてましたけど)あと20樽程残ってますけど、持っていきますか?」

 

「あぁ、貰っていく」

 

「じゃあ工事が終わったら地下室の倉庫に持っていきますね。そろそろ終わるはずですので」

 

直輝はコーラを手に入れた。その後、工事終了と同時にフリザがコーラ樽を全部新しくできた地下室の倉庫に入れてくれた。




次回もお楽しみに。感想等もよろしくお願いします!

アンケートを設置したので、合わせてお願いします。結果によって次回内容が変化します。

次回のルート

  • 洞窟で採掘
  • 初めてのクエスト
  • フリザと王国訪問
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