「戦士長をあそこまでボコボコにするとはな……しかもほとんど不意打ちの爆破を受けたのに無傷とか……」
「レベル53万は伊達じゃねーな」
「今度魔王と全力で戦ってみて欲しいな。星が壊れない程度に」
「勇者が魔王討伐したみたいだしそれは無いだろ。じゃ、とっとと本編行くぞ~」
「あれ?魔法で帰れたなら行きも魔法で良かったんじゃないか?」
「この魔法は行ったことがある場所に飛んでいく物なんですが、道を覚えてないと使えないんですよね。最後に王国に行ったのは何百年も前ですから、道を完全に忘れてました」
「じゃあ4日後はこれで飛んでいくのか?」
「そうなりますね。馬車より速いのでこれで行きます」
軽い会話をしている間に町へ着いてしまった。馬車を使うより格段に速いのがよく分かる。
「あ。おーいフリザー!お前に客人が来てるぞ~!」
丁度町の上を通ったときだ。ルーカスが大声でフリザに客人が来ていることを伝えた。ギルドの中まで飛んでいくつもりだったが、話を聞くためにルーカスの側に降りることにした。
「私に客人なんて珍しいですね。どこの国からですか?」
「いやそれが、アンタの古い友人って言ってんだよ。あと旅をしていたって。昔はこの町に住んでたそうなんだが……正直覚えてなくて」
「誰でしょう?」
「取り敢えずギルドで待って貰ってるから、会いに行ってやってくれ」
それを伝えると、ルーカスは自分の店の方へと帰っていった。残されたフリザと直輝とスライムは唐突な来客に少し戸惑っている様子を見せている。
「アンタの客って誰だ?」
「誰でしょう……?そもそも昔この町に住んでたって言われても、どれくらい昔の話なのか」
「少なくとも今の住民が生きてない頃なら、結構絞れそうな気もするんだがな」
「ん~……私昔の知り合いとかは会わないと思い出せないタイプなんですよね~。会ってみない事には何とも言えませんよ」
フリザへの客だが、古い友人となれば興味が出てくる。直輝とスライムの2人もフリザと一緒にギルドへと向かっていった。
「フハハハハハ!ようやく来たか!久し振りだなフリザよ!ハハハハハ!!」
「……私のラガーが樽1個無くなってる?」
「済まないな。貴様が来るまで暇だったんで、酒を飲ませてもらっていた!中々に良い酒だったな!」
随分と大味な人間が出てきた。
「で?誰なの?このグラサンかけた如何にもな感じの人。パッと見ただの変態だけど……」
グラサンと言うよりも、舞踏会で着ける仮面、ドミノマスクに近いものだ。しかも服装もかなり特徴的だ。基本的にこの世界の住人でハッキリとした役割のある人間は「それ普段着か?」と質問したくなる格好をしているが、目の前の男はそれだけではなく、この世界でも滅多に見ないドミノマスクとマントを普通に着けている。普通に不審者である。
「ディック……貴方でしたか。直輝さん、紹介します。この男はディック。見ての通りの変態です」
「変態とは失礼だな~。私は自分の本能に従って生きているだけだ!それを変態だと言うのなら世界が間違っている!」
「あぁ……本当に変態だな」
「この男、魔眼持ちなんですよね……しかも全知全能で全てを見通すことのできるヤツ」
魔眼。特別な魔力を持つ眼球の事で、生来の特殊能力。基本的にはマジックアイを常時発動しており、そこに更に個別の能力が追加される。大体は敵の魔法を吸収し自身の力にしたり跳ね返したり、幻を見せたり解除したり等が可能。他人に眼の移植は可能。故に悲惨な最期を迎える者が多い。魔眼を持つ人間は総称して「魔眼持ち」と呼ばれている。
「元々は魔眼の力を使って怪我や病を治す善良な医者だったのですが、あることを切っ掛けに変態として目覚めました」
「あること?」
「この男の魔眼は先程も行った通り全知全能で全てを見通せます。文字通り全てを。なのでそれを利用して病気や怪我を治していたのですが、あるとき来た女性の患者が原因で……」
『あの~。診察に来た者なんですけども』
『アルドさんですね。お待ちしていました。事前の問診では数年前の怪我による筋肉や節々の痛みとお伺いしましたが、間違いはありませんか?』
『はい。そこそこ大きな怪我ではあったんですが、もう結構前の事ですけど、ここ1週間怪我をした箇所に痛みが出てきて……』
『分かりました。では服を脱いでベッドに横にうつ伏せになってください。触診しますので』
『よろしくお願いします』
『それでは始めます。力を抜いてください』
魔眼を使い、痛みを起こしていると思われる部位を探っていく。魔眼ならすぐ見つかるだろと言いたいが、見付けられたとしてもそれがどの程度の物なのかまでは判別できない。故に触診等が必要なのだ。
『ここら辺ですかね……』
『アッ!そ、そこは、ちょっと…///』
『し、失礼しました!(しまった…俺とした事が……これは診察だぞ。いかんいかん。平常心平常心)』
『ここはどうですか?』
『んっ!んんん……!あ、あの……そこ、弱いので、触るなら優しくお願いします///』
『ッ!?……アルドさん。失礼ですが現在交際相手はいますか?』
『へ?い、いえ。独身で誰とも交際していませんけど?』
『では今晩、私の家に来てください。そこでゆっくりと診察しましょう』
「とまぁ、以上の事があってから、コイツは医者としての仕事を全て放り投げて、魔眼を女遊びの為に使うようになりました」
「最低の屑野郎じゃねーかよ……」
「魔眼持ちって、もっと威厳のある存在の筈なんだけどな~……」
「それにコイツ、クエストや冒険をするわけでもなく、どこかに行っては女を手込めにしてるんですよね」
「手込めとは侵害だな~。私は相手との同意のもと行っている。旦那や恋人持ちには手を出さないし、暴力的な行為も一切しない。相手が心の底から解放される事をするだけだ!ところでフリザよ、そこにいる男も気になるが、お前はまだSを気取っているのか?何度言ったら分かるんだ?お前は確かにSだが、その奥底にはドMの才能が眠っているのだ!さぁ!本当の自分を曝け出すのだ!」
「貴重な魔眼持ちとは言え、いい加減にしないと殺しますよ?」
手のひらの上でそこそこ大きな火球を作り出した。恐らく当たれば塵1つ残らずに消滅するだろう。
「この男、さっきからなに言ってんだ?」
「医者を辞めた後、コイツは魔眼を使って女性の体で感度の高い所や、サディストかマゾヒストかを見抜いて女性と関係を持つんですよ。サディストであっても多少のマゾッ気があればそれを解放させたりします」
「もう始末されててもおかしくない存在だな……」
「私も何度かコイツを墓に埋めたんですが、コイツの固有スキルのお陰で無駄に終わるんですよね」
「因みにこれが私の固有スキルだ!」
一応資格として持っている冒険者カードを直輝に見せる。フリザの言っていた固有スキルの欄に目を向けると、魔眼の他にも2つ程記載されている。
「えっと……超耐久とオートヒール(極)?」
超耐久、自身のHP以上のダメージを食らっても必ずHPが0以外にはならない。そしてオートヒール(極)は文字通りダメージを受ければオートで回復してくれる物だ。極はそれの最上級。回復量もかなりのもの。尚、この2つは常に発動しているため、実質ディックを殺すことは不可能な状態である。
「そのスキルのお陰で、何度始末してもHP全快になって、墓穴から出てくるんですよね。塵も残さず消すしか方法はありません」
「フハハハハハ!悪いなフリザよ!私は更にこの魔眼を鍛え上げた!お前の使う魔法も我が力の糧とすることができるのだ!故に私はもう殺せないぞ!フハハハハハハハハハハ!!」
「コイツとはもう500年の付き合いになりますが……500年前に完全に殺しておくべきでしたね」
「え?この人もそんなに生きてるの!?」
「魔眼持ちは必然的に魔力が高いですからね。それくらい生きることはどうってことありません。移植されたものならまぁ普通の寿命で死にますけど、コイツは生れつき持ってますからね」
とは言ってもレベルは全く高くない。そこら辺の冒険者と代わらない位だ。恐らく魔眼に頼りまくって直接戦闘はやってこなかったのだろう。だからと言って簡単に倒せる相手ではない事だけは確かだ。
俺の書いてきた小説のキャラクターのイメージCVって誰だろうな~。と最近考えるようになりました。今度活動報告でも出して聞いてみるので、是非とも皆さんのイメージCVを教えてください!
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