人間やろうと思えばどんな環境でも生きていける   作:憲彦

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「臨時収入が入ったから全力で買い物をしていた平の会社員の俺は、その日が最悪の運勢だと言うことを忘れて事故に遭い死んだ。と思ってたんだが、気付いたら草原にいて偉そうなスライムに遭遇」

「おい!偉そうなってなんだ?!助けてやったの俺だろ!」

「アホか。ミノタウロスに追いかけ回され、体力尽きるまで走らされて、ようやく町に着いたかと思えばダウン。クソ重たいお前を肩に乗せてたからだぞ」

「俺は重たくねー!スライムの中じゃ軽い方だわ!!」

「だまれ!とっとと第2話始めるぞ!」


第2話

ミノタウロスから全力で逃げて着いた町。本来なら今すぐにでも入って休息を取りたいところだが、直輝もスライムも疲れきっている。歩くことはおろか、立つ体力すら残されていないのだ。

 

「おいスライム。お前そこらの雑魚スライムと違うんだろ?回復の魔法とか使えないのかよ。RPG風に」

 

「アホ言うな。体力が残ってないんだ。出せるわけ無いだろう。つーか俺、回復魔法苦手なんだよ」

 

「ガッカリさせんなよ……結局雑魚じゃねーか」

 

「それだけ言ってくる体力あるなら必要ないだろ。さっさと町に入ろうぜ」

 

「だから乗るなっての……重い」

 

「ここから何千キロも東に行けば巨大な王国がある。そこは、様々な町や村、小国に俺達モンスターが入れないように面倒な結界を張って回るんだよ。唯一、人間とコンビ組んでるヤツしか入れない。だからこうするしかねーんだよ。我慢しろ」

 

この世界はこの世界で色々と訳ありの様だ。このスライムは一応友好的な部類に入るようだが、あの時襲ってきたミノタウロスを見るからに、人間を襲うモンスターによる被害があり、巨大な王国が動くレベルの事になっている。

 

「はぁ……そんな事情があるなら仕方ねー。さっさと行くぞ……」

 

体感で10Kgはあるスライムを肩に乗せて、町の門を潜っていく。入った時に少しビリビリしたが、スライムも一緒に入ることが出来た。

 

「小さい町の割には栄えてるな~」

 

「お前来たこと無いのかよ」

 

「これるか。お前と一緒じゃなかったら門くぐった瞬間に消滅してたわ!」

 

「あっそ。で?冒険者ギルドってどこだ?」

 

「知るか。町の人に聞け」

 

「使えねーな」

 

スライムに悪態を吐きながら話せそうな人を探す。だが何かどの人も声をかけられそうにない。忙しく働いている様な人が多いからだ。かと言って遊んでいる子供に声をかけるのも気が引ける。仕方無いから様々な道具を売っている人に声をかけることにした。

 

「すみません」

 

「いらっしゃい。なに買うんだ?」

 

「あぁいや。買い物じゃなくて、冒険者ギルドの場所を教えて欲しいんですけど」

 

「ん?冒険者ギルド?それなら門のすぐそばにあるだろ」

 

店の人はそう言って門の近くを指さす。そこには確かに大きな建物があるが、どう見ても冒険者ギルドと言うよりも酒場だ。酒瓶が彫られた看板が入り口にぶら下がっている。

 

「夜は酒場やってるんだよ。冒険者ギルドと酒場兼用でな。だからよく間違えられるんだよ」

 

「成る程」

 

「それよりも兄ちゃん見ない顔だな?どこの町から来たんだ?」

 

「いや、町って言うか……国って言うか?そもそも世界が違うと言うか……」

 

「異世界から来たのか?なら冒険者はお勧めしないぞ」

 

「え?驚かないの?と言うか何故?」

 

道具屋の男曰く、この世界と直輝の居た世界は昔からよく行き来出来たらしく、この世界の物が直輝の世界へ、直輝の世界の物がこの世界へと言うように交易が出来ていたようだ。が、次第にそれも無くなってきて、今ではこの世界からは行くことが出来なくなってしまった。しかし、逆に直輝の居た世界からは今でもたまに人が流れてくる。不思議な道具を持ってたり、この世界には無い知識を使ったりで国にとって重要な存在になったり有名な冒険者になったりしていた。だが、多くの場合は能力が無いにも関わらず上へ上へと行ってしまい国が混乱したり、大戦で兵士が多く死んだり、レベルが足りないにも関わらず上級者向けのクエストで失敗して同行者を殺したり、民に話もせず敵国の人間、主に若い女を連れ込んだりと迷惑事も多いとの事。

 

「随分な事になってんだな」

 

「まぁ、元はと言えば、異世界から来た人間が国を救った勇者になったって話が広がって、他の異世界から来た人間もきっと自分達の利益になるって考えのせいだから、俺達の責任でもある。だが今も異世界から来た人間は強いとか勇者になるとかの風潮は残ってるから、冒険者はお勧めできない。悪いことは言わないから止めとけ」

 

「……なぁ、冒険者になったからって、絶対に冒険しないといけない。何て事は無いんだろ?」

 

「え?まぁ、冒険するしないは個人の自由だからな。ギルドや国、町が強制できる事じゃない。でも、4ヶ月以上ギルドに納めるもの納めないと、登録書から消される様になってるぞ」

 

「なら大丈夫だな。ありがとね~」

 

「え?おい!話聞いてたか?!」

 

男の話を聞いて、少し考えるが冒険者にはなるようだ。そしていくつか確認して、そのままギルドへと向かう。後ろからは今でも止めた方が良いと言ってきているが、手を振ってそのまま進んでいってしまう。

 

「おい良いのか?あのおっさんの話だと、力が無くても異世界から来たって理由で特別視されるぞ。そうなったらお前、無理矢理高ランククエストに出されて、終いには死ぬぞ」

 

「誰がクエストなんか真面目に受けるかよ。そもそもクエストなんて受けないわ。取り敢えず冒険者登録して、毎回少しずつ稼いで生きていければ良いんだから」

 

「Oh……」

 

つまり、まともにこの世界の流れに従うつもりはないようだ。直輝からすれば従う必要の無い物には最初から従わないだけのこと。それが吉と出るか凶と出るかは誰にも分からない。そんな大雑把なプランを話しながら、ギルドの受付へと向かっていく。

 

「いらっしゃいませ。ご用件は何ですか?」

 

「冒険者登録したいんですけど。ついでにコイツも」

 

「俺も一緒にすんのかよ?!」

 

「かしこまりました。モンスターはお共登録になりますがよろしいでしょうか?」

 

「はい。大丈夫です」

 

「俺が大丈夫じゃねーわ!!」

 

「分かりました。ではその様に書類を作成します。少々お待ちください」

 

「お前らさっきから俺の話聞いてる!?モンスターだからって無視は良くないぞ!!」

 

「少し静かにしろ。ここで変に拒否したら、お前消されるぞ。多分」

 

受付をしてくれた女の人が書類を取りに行ってる間、スライムの声をガン無視し続けた理由を小声で言った。何故そんな対応をしているのかと言うと、受付をしてくれた女の人からは、普通に話してるだけなのに妙な圧力を感じたからだ。スライムは怒っていたから気付かなかった様だが、冷静になって見てみると青い体が更に青くなっていった。

 

「あれ?そんなにヤバかった?」

 

「……だって、あの女から漏れ出てる力、大昔俺達魔物を統治してた魔王やそれを倒しに来た勇者以上の力なんだぞ!漏れ出てる力だけでだぞ!全力だしたらこの星が砕けるぞ!ヤベーに決まってるだろ!」

 

「わぁお……ドラゴンボールかな?」

 

そんな話をしていたら、女の人が戻ってきて2枚の書類とカード、ペンを差し出した。

 

「こちらの書類に名前と出身地を、カードには名前だけを記入してください」

 

言われた通りに、書類には

・オオツカ ナオキ。出身、異世界。

・スライム。出身、多分森の中。

と記入し、カードにも同様に名前を書き込んだ。

 

「おい。俺の名前スライムかよ」

 

「え?名前あんの?」

 

「いや無いけど……なんか納得いかねーな」

 

不服そうだが、変えるのも面倒なのでそのままにしておいた。

 

「オオツカさんは異世界の出身でしたか。では、このカードについて説明します。このカードは、貴方の大まかなプロフィールと、レベル、経験値、ステータス、使用可能な魔法やスキル、レベルが上がった際のステータス振り分けポイントが記載されます」

 

「……RPGか何かかな?」

 

「経験値はモンスターの討伐やトレーニング等による身体強化等で上げることができますので、お好きな方を選んで下さい。後、カードの内容の更新や破棄をする場合は、担当者にお待ちください」

 

「担当者?」

 

「はい。オオツカさんの場合は私になります。総合案内に私の名前を言うと案内されますので、それに従ってください」

 

「その前に、貴女の名前は?」

 

「すいません。申し遅れました私、フリザと申します」

 

(フリーザ様かな?)

 

カード裏にある担当者の欄に名前を記入され、直輝とスライムの2人にカードを手渡し、登録は完了となった。そして、直輝が少し疑問に思ってる事をフリザに聞いてみる。

 

「あの、フリザさんのレベルっていくつですか?参考までに聞いてみたいんですけど」

 

「俺も気になってた」

 

2人にそう言われ、懐から自分の冒険者カードを出す。そして内容を確認して2人に言った。

 

「私のレベルは、530000です」

 

(フリーザ様ぁぁぁぁぁ!!!?)

 

圧倒的だが日本人には聞き覚えのある数字に、心の中で大絶叫。そのまま固まってしまった。そしてスライムはと言うと、

 

「あり得ないだろそんなの!?討伐される前の魔王や全盛期の勇者でもそんなレベルは無かったぞ!2人合わせても200にすら行かなかった!なのに何だその滅茶苦茶なレベルは!?今まで聞いたこと無いぞ!」

 

「いえ。私の場合はレベルの上がりも技修得のスピードも早かったので、鍛練を続けてたらいつの間にか。と言う感じです。そのせいか、このレベルに到達してからもう600年以上も生きてますし」

 

「それこそ可笑しいわ!600年前と言えば、魔王と勇者がバチバチに戦ってた時代だぞ!なんでお前が戦わないんだよ!!」

 

「私も当初は魔王討伐に行くつもりでしたが、あまりにも力が強大すぎて星を壊しかねないと言う理由で、待機させられてました。代わりに勇者ご一行の武器や防具に能力向上魔法をかけて、戦いの影響が外に溢れない為に巨大な結界を張ってサポートしてましたね」

 

「もう嫌だこの女……」

 

圧倒的の領域を越えているフリザの話に、ついにスライムも言葉を失ってしまう。そして話が一通り終わると、ギルドから初期装備に当たる動物の革でできた防具と鉄の剣、日本円で30000円相当の金、鉱石や植物、モンスターについて纏められた本、町の地図にこの世界の服、そして家を与えられた。

 

「今日支給した物はお好きに使ってください。ダンジョンの攻略やクエストの成功、新種の鉱石等の発見で報酬の他にギルドから特別金が支払われます。頑張って下さいね」

 

この日は渡された沢山の荷物を持って新居へと向かい、それで終わった。




シリアスだったり冒険だったりハーレムになると思ったか?!残念!ギャグだよ!て言うことで、感想下さい。

仮面ライダービルド最終話、良かったですね。万丈マジヒロインでワロタ
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