黒髪で長髪の少女が白髪の少年ともに孤児院を訪れる。白髪の少年は孤児院が家なのだが。
「まぁ、こんなべっぴんさん連れてきて…彼女?」
孤児院の寮母さんが冷やかしをする。それに対して少々の怒声と笑い声が混じったような声色で否定する。
「それとガキ共入ってくんじゃねーぞ」
自分の部屋に入る前に他の子ども達に言う。それを聞いた同い年の少年は白髪の少年にやるのか?と聞いたらぶん殴られた。当然の結果ではあるが。
「で、俺を雇いたいのか?仕事を一件受けるとはまた別料金だぜ?」
ソファは無いので部屋にある向かい同士のベットにお互い座りながら用件を聞こうとする。ヘラヘラとした態度と相対して堅物と思わせるような雰囲気をだす少女。
「あなたの力が必要なの」
「えらい単刀直入だな。まぁ期間は?一年か?」
「いいえ、一か月よ」
「成る程…なら料金50万で手を打とうか。魔法少女なら問題ないだろ?」
「高すぎるわ、集めるのも苦労する」
冗談のつもりだったので別段渋る様な素振りも見せずまだ払える価格を提示する。
「六万ね…分かったわ。それなら何とかなる」
「そうかい、交渉成立だな」
手を叩き商談を成功させた様な感じを体で示す。
「その腕は?骨折してるの?」
右手を刺しながら言う。懸念があるのだろう、怪我があるのに本来の力を引き出せるのかと。それを思ったのだ。
「これか?まぁ…そんなもんだ」
一瞬口を濁したがそれには気付かなかった少女。その後握手を求め、それに少女は応じる。
「期待はしているわ、この前のようにね?ネロ・ヴァレンタイン君」
「それはそれは…ご期待に添えられるよう努力するよ、暁美ほむらさん」
「それと鹿目まどかと美樹さやかには今は出来るだけ接触しないで欲しい」
「まぁ、それぐらいなら」
それからは玄関までは送って行こうとしたのだが、寮母からは送ってきなさいと言われて仕方なく送っていくことに。一般人より強い奴が襲われても軽く撃退できるのにだ。送り届けた後帰路に着こうとしたところ異変に気付く。
「Witch scum≪クソ魔女か≫」
逃げ出そうとはしたのだが間に合わなく、異空間に巻き込まれてしまった。
「Shit! Back in Limbo≪クソ!またこの空間か≫」
そう吐き悪態を付きながら構える。彼には一般人には無い摩訶不思議な力を持っていた。本人はこれを呪いと思っているが。そして臨戦態勢に入る為に右手の包帯を取り、その力を使い剣を右手の掌から出す。
目の前にその魔女の手下である使い魔が現れる。見た目は手足がいっぱい固まった様な醜悪な姿形をしている。
「Bad day for a hang-over≪キモイ面しやがって、気持ちワリィ…≫」
にじり寄る使い魔達。周りは囲まれてしまい退路はない。それを見て鼻で笑う。彼は全く持って余裕と言った感じを漂わせている。
「You wanna fight?≪やろうってのか≫Let’s go≪仕方ねぇな≫」
使い魔達との戦闘、まずは目の前に固まってる奴等を潰す事にして剣でぶった切る。後ろからも襲ってくるがこれをオーバーヘッドキックで仕留める。次々に襲い掛かってくる使い魔を蹴散らす。すべて片付けたと思い剣をしまい魔女のいる結界の最奥に向かおうとした時、後ろから襲ってくる使い魔が居たがそれは突然の銃撃で討たれる。振り返ってみるとそこには金髪ロールが居た。豊潤な肉体の女性というのが印象的だった。
「危なかった…死なすところだったわ」
「I`m?≪俺が?≫How dare you laugh at me?≪それは笑えるねぇ≫」
ネロが発していたのは英語だった為彼女は英語を習っているとはいえ急に言われても理解が出来ず、少し困惑する。それに気付いた彼は日本語に戻す。
「…で?なんだ」
「日本語喋れたのね、それと君を襲った化け物の事は忘れたほうが良いわ。でも、それも難しい話よね」
「まぁ…そうだろうな。で、あんたは?」
「私は巴マミ、こういう仕事をやっているわ」
そしてすぐに判断する。ここはこいつに任せよう、と。面倒というのもあったがこの自分の腕を見られたくないので戦闘には参加しないと判断した。現に今も手を隠しながら包帯を巻いている。
「それじゃあ私に着いてきてくれる?もしもの時に守れるから」
「了解」
それからはすべてを巴マミに任せ、ネロは見物していた。それらを見ていて分かったのだがこいつは戦闘慣れしていると。つまりベテランだ。手際良く敵を殲滅し、魔女もティロ・フィナーレというので吹っ飛ばして殺した。
「中々凄いんだな」
素直な感想を述べる。それにそう?と少々な謙遜と誇るような言葉で返すマミ。そして変身を解いて制服姿に戻る。
「見滝原中なのか」
「ええ、三年よ。どうかしたの?」
「俺も見滝原中なんでね。後輩に当たるな。まぁかと言って敬語は使う気はねぇけど」
「私は構わないわ。あなた良い子そうだから」
そこで別れを告げて帰宅する、すっかり帰るのが遅くなった。最悪だと心で呟いた。
「何かあったの?」
「別に、何も」
そう同じ部屋の少女が言う。少女の名は東風萌葱(こちもえぎ)という、同じ中学なのでネロに色々とお節介を焼いている、されてる本人はそれを快く受け入れているが偶に怒る、とは言っても同じクラスではないが。
「ほんとぉにぃ?」
「しつこいな、ほんとに何もない」
「そう、だったらいいけどさ」
「なんか問題でも?」
「い、いや何もないよ」
そそくさと布団に入り寝る。そして夜が明ける。朝食を済ませ、学校に向かう。朝一番で登校した為誰も教室にはいない。早く来たのはまだ提出物をやっていないからだ。そのため学校で済ませようと思ったからである。本来なら提出物はさっさと終わらしているのだが昨日は色々と有り出来なかったせいだ。
「Shit.最悪だぜ」
正直にやっていては時間が足りないと判断し、答えを見ながらすることにした。その為他の人が来る前に終わらせることが出来た。そして問題なく提出することが出来た。昼休みに屋上で食べる為屋上で食べていたところ、同級の少女達が来た。訳の分からない白い生き物を連れて。白い生き物は無視する事にした。
「あ…あんたかよ。最悪だわぁー」
青髪の少女が吐き捨てるように言う。それに対して挑発する。
「何言ってんだ?そりゃこっちの台詞だぜ。頭に蛆でも湧いてんのか?病院行くことをオススメするぜ」
「あんた…!」
掴みかかりそうになるのを隣に居た少女が止める。確か鹿目まどかだったはず。
「やめてよさやかちゃん」
「フン、まどかの手前だからやめておいてあげる」
「そうか、懸命な判断だね」
そう言ってその場から離れようとしたら、後ろからあの依頼人暁美ほむらが現れる。
「またあんた…今度は何!?」
「いえ、この前の忠告覚えているのかを聞きに来ただけ。忘れないように」
ほむらの勧告に対して明らかに怒った顔して怒声で答える。
「余計なお世話よ!」
それを傍から見て面倒臭いなと心の中で呟く。この美樹さやかと言う少女はネロにとっての天敵、つまり相容れない存在である。
「貴方…接触しないように言ったはずだけど」
ほむらが少し睨みながら言う。それを両手で待ったと表し、これには訳があると弁明する。
「不可抗力だったんだ。ここで食ってたらこいつ等がな、来たんだって」
「あんた…こいつの仲間なの!?」
言い寄られて仕方なく答える。
「仲間っつったらまぁ今は仲間か。あまり群れるのは好きじゃないんだけど」
「あんた…!やっぱり最低な奴だったんだね」
「最低か…そこまで落ちぶれてんだな。は、HAHAHAHA!…おい」
「何?」
さやかに一声掛け、中指を突き立てこういう。
「Fuck you!≪くたばれ≫暁美、俺はもういく。接触したら駄目なんだろ」
そう言ってこの場を去る。他の場所で昼食を取る。その間に萌葱に見つかり、一緒に取ることになった。
「何かあったの?むしゃくしゃしてるようだけど」
「まぁ、屋上で美樹と会ったからな」
「あぁ…仲悪いもんね」
「はぁ?仲が悪い?あっちが突っかかってくるだけだけだよ」
彼は自ら突っかかることはない。しかし斜に構える性格と口の悪さが災いし周囲から孤立している。
「ネロは友達がいないんだから、その口の悪さどうにかした方が良いよ。友達出来ないって」
そのド直球の言葉にため息をつく。そのまま無言で弁当を片付ける。
「萌葱、俺は友達が出来ないんじゃない。作らないだけだ」
「そうですか」
教室に戻り残りの授業を受ける。放課後にほむらとの打ち合わせだ今後どう行動すればいいかの事で。
「そうね…明日から鹿目まどかと美樹さやかの監視を頼もうかしら」
「おいおいおい、なんでそんなストーカーまがいの事をしなきゃならないんだ?魔女共をぶちのめすのが俺の仕事(バイト)だろ?」
「雇ったじゃない」
「まぁ…そうだけど」
こんなことなら受けなきゃよかったなと後悔する。しかし後悔しても遅い引き受けてしまったので最後までやり通すのが筋と言うものだろう。
「まぁ分かった。面倒だけどな」
「あなたには見えてるか分からないけど白い獣、キュウべぇまぁ本当の名はインキュベーダーと言うんだけど」
「ああ、見たな今日。なんかどっかで見たことのある様な感じだったな」
そうなんか孤児院の少女達が持っていた物に似ているのだ。そう詳しくは思い出せないでいるが。
「こいつが奇跡を叶え、魔法少女にしているのよ」
「魔法少女ってそうやって増えてんだな。まぁ顧客が増えるからいいんだけど」
そこで魔法少女がそう生まれているならば魔女はどうだろうか?自然発生しているとは考えにくい、別の何者かが魔女を生み出して魔法少女と戦っている?そんなアニメの話があるのかと思う。第一あのグリーフシードとか言われてる石を生み出して魔法少女の糧にするのは不都合だろう。なら誰が…などと思うがそこでほむらが声を掛け思考の海から戻る。
「そう…なら魔女がどうやって生まれてるか知ってるかしら?」
「いいや、自然発生でもしてんのか?」
「そう、知らないのだったら良いわ」
なんだか気になるような言い方で言う。まぁ深くは聞きやしないが。そして別れた後、適当に魔女を狩ってグリーフシードを集める。
「しかしまぁ、魔女もわんさか居るもんだな。他の奴等はどうしてんだ?」
もう三体は倒した。こんなに狩っても良いものかと思う。それとこの依頼を一人でこなすには少々骨が折れる。その為前に焼きが回ったのかコンビニで小銭を拾うのを手伝ったら何故かストーカーされた。それに孤児院にまで押し寄せてきたこともあったが、今は何とかほどほどの付き合いに抑えられた。今は助手の様な関係にある。その為協力を仰ぐ為スマホで電話する。
「もしもし、ヴァレ…「ああ!ネロかい!?君から電話してくれるなんて私は悶え死ににさせる気かい!?」
「勝手に悶えてていいからそれよりも仕事だ。手伝ってくれるよな?」
「うん!勿論さ、ネロの願いならば私はどこにでも行くしなんでもこなすよ」
「そうか期待してる」
「じゃあじゃあ!こn」
次に何か言われる前に切る。悪いことをしたとは思わない。こんな事をしても嫌われることもなかった。スマホをポケットに入れてこの場を去る。何かしらの気配は感じたが魔女か何かだろうと判断し気にかけなかった。