土曜には礼拝堂でお祈りがある。これは孤児院を経営している宗教のエスパーダ教と言われまたは魔剣教とも。その宗教はキリスト教などと同程度の歴史を持つが中規模である。如何せん崇めているのが問題なのだ。魔剣士エスパーダと言われるもはや物語上の伝説の英雄である。それも遥か昔なので時が経つにつれ風化し寂れたのだ。実在したのは明らかにはなっているのだが。その途中メールが来る。ほむらからだ。
「どこ行くの?」
隣に座っていた少女萌葱がそう止める。面倒な感じで答える。
「帰るのさ」
「お祈りが…」
「眠たくなるだけだ」
ネロは立ち上がってこっそりと出て行った。それに萌葱もついてくる。それに少し自分で思うのもなんだが呆れた。萌葱と言う少女はネロとは違い優等生である。人当りも良くさらには二年で生徒会長を務めもはや学校のアイドル的存在である。
「おいおい、お前は優等生だろ?」
「優等生だからこそその劣等生を矯正するんだよ」
「HA…劣等生ね。酷い言われ様だ、まぁ否定する気も訂正する気もないけど」
彼は孤児院に一緒に住んでる人たちには基本怒らない、からかいはするが。特別な仲間意識を持っていてあまり学校の周りに打ち解けようとしない。それは過去から来るものだが。そしてほむらとの場所、喫茶店に行く。
「その人は?」
「暁美ほむらさん?なんで?ああ私は東風萌葱、転校生さんだから知らないのは無理ないかもしれないか」
「?何故私の名前を」
「そりゃあ生徒会長だもん、全校生徒ぐらい覚えてるわ」
「こいつはそういう奴なんだ、気にしない方がいい」
そ、そうなどと微妙に驚いてるのかどもっていた。しかしすぐに元に戻す。そして一般人を連れてきているのがいけなかったのかほむらにネロが睨まれる。それから目を逸らす。こういう事になるのを頭から抜堕ちていた。
「…ちゃんと監視しているのかしら?あの三人はまだ行ってるわよ」
「やってる。まだその時じゃないだけだ」
「監視?まさかネロまだやってるのそれ。まだ中学生なんだからやっちゃだめだって言ったじゃない」
ほむらは煩わしい目で見ている。お前からしたらそうなる気持ちも分からなくはないと思うネロだがここは強く言う。そうこっちにもこっちの事情があるのだ。
「萌葱、俺にも俺の事情がある、俺には力と金がいる。それにお前は俺の母親でもないだろう?しつこいぞ」
押し黙る萌葱。落ち込んでいるかは分からないがまぁ放っておいても問題ないと思ったネロは続けて話した。
「紹介したい奴がいる。ここに来る途中でメールしたから多分もうそろそろ来るはずだ」
そう言ったすぐの事喫茶店のドアが開く。想像以上に早かった。
「お?君が依頼人かい?あ、東風もいたのか」
来たのでほむらに紹介しようとほむらに目を向けると鬼の形相になっていた。さらに殺気も出して手を動かそうとしていた。直感でほむらの手を抑える。いくら依頼人でもやっていい事と悪い事はある。第一初対面であろう彼女に対して何故ここまで殺意、怒りがあるのだろうか?考えても仕方がないのでここはもう直接聞く事になった。
「何しようとしてた?」
「こいつは!!美国織莉子と組んでまどかを殺そうとした!!」
「てめぇ何言ってんだ!?くそ止めろ!静かにしろって!おい、こいつを抑えるの手伝ってくれ」
じたばたと暴れるほむらを呼び出した助手と二人係で抑える。何を言ってるのか分からないがとにかく暴れるのを抑える、喫茶店で暴れられるのは迷惑だし、今にも殺しそうになっている。とにかくほむらを落ち着かせる。
「はぁはぁ…」
「落ちついたか?ったく支離滅裂な事言いやがって、鹿目を殺した?お前は何を言っているんだ」
なんとか追い出される前に落ち着かせれた。何をどうしたらこうなったかは分からないがともかく何故か殺意を持っていたのは確かだ。ここからは萌葱は外さなければならないだろう。口で言ってもどうせ聞かないだろうから魔法を使ってもらう。目でアイコンタクトを送り頼む。
「ちょっと御免よ」
ソウルジェムを萌葱の前で翳し気絶させる。運び出すのもなんなので机に伏せさせて寝てるようにする。
「…で何故こいつが居るのかしら?あなた美国織莉子と組んでるの?」
「その美国織莉子ってのが誰だか分からないけど、まぁ仕事上での助手だ。他には居ない」
「本当に?」
疑ってるほむらに対してその助手は胸を張りながら答える。
「ああ勿論さ!私はネロの助手であり彼の奴隷でもある。彼が居なければ私はもう腐ってた。まぁもう名前は知ってるんだろうけど、呉キリカだ」
「まぁ前も言ったように無視していい」
まだ不信感は拭えてないほむらであったが冷静に聞いているようだ。それを見て言葉を続ける。
「そして呉を鹿目達と接触させ友人関係を作らせる。同じ魔法少女同士仲良くなれると思うし、それに真っ白だからな関係が。その方が監視もしやすいだろ?」
「それに彼が惑わされる心配もないしね」
「どういう意味だ」
しかしその提案に顔を顰める。それも当然か。不信感があるものにそんな役目を任せるのは。とは言ってもこうしないと後後に支障が出たりするのをなるべく防ぐ為だ。許容してもらわないと困る。
「まぁそういう訳だ。勿論俺も監視はする」
「そうね…分かったわ。なら私も今のうちに集めておいた方がよさそうね」
許容してくれたみたいだ。今日ぐらいは直接会ってみるか。あの馬鹿に何かは言われると思うけど。注文していた少し冷めた珈琲を飲みほし会計をすませた。あいつ等の活動は基本夕方だ。それまで暇なので萌葱を起こし、ゲームセンターに行く。
「ねぇ、帰らなくていいの?」
萌葱がネロに心配そうに声をかける。しかし今帰った所で待っているのは説教だ。なら帰らない方が良いので説明をする。
「帰ったら帰ったで説教だ。面倒だからこうしてゲーセンで遊んでんだよ。お前がいやな帰っても良いんだぜ?」
「その、心配だから言っただけ!私も付き合う」
二人用の音ゲーをし時間を潰す。日が暮れ始めたら行動を移す。萌葱とは別れる。一般人である萌葱は連れていけないし行ったとしても邪魔になるだけだ。巴マミのマンション前に移動していた時ほむらから電話がかかってくる。
「もしもし、私よ。詳しくは言えないけどすぐに病院に急いで。手遅れになってしまうわ」
すこし声色が上がっている。内容ともどもから察するにとにかく急がないといけない。方向転換し家々の屋根を走り抜け早道をする。病院に到着したやいなやグリーフシードを見つけ侵入する。今度はお菓子の家みたいな空間だ。この空間は多種多様にあるのをネロはしみじみに思う。そんな感傷に浸ってるうちに奇妙な物を発見する。見たら物ではなく者だった。
「おいおい、何やってんだ?SNプレイが好みなのか?」
「来たわね、この際それは無視するわ。早く奥に進んで!」
了解と言って狙ってくる使い魔共を蹴散らして最短で進む。最奥までくるとあの三人を発見した。あの電話の内容は多分あの戦いを手伝えという事だろう。ここで正体を露見させるのは嫌だがそうも言ってられないのだろう。あの馬鹿が何かを言ってくるのは避けられないとは思うが。ため息を付きながら包帯を取り向かう。見た感じあの小さい人形みたいなのが本体なのだろう。余裕そうだなというのが率直な感想だ。飛び出して剣を構える。案の定驚かれた。白い獣も何かしらの反応をする。
「あいつからの依頼でね、Shall We Dance?≪踊ろうか?≫」
まっさきに馬鹿が言ってきた。やはりと言うべきか。
「あんたなんでここに!」
「なんでって…まぁそりゃあ戦えるからだろ」
「あなた…この前の子じゃない!」
巴マミが反応する。そりゃあ一回あってるから仕方ないか。でも今はあの化け物が先決だ。拳を握り右腕から透けた腕が出現する。そのまま相手に向かって突き出す。
「Checkmate!」
見事直撃し吹っ飛ばした。それを見た後マミ達に振り返り、どうだ?と言わんばかりに態度で示す。しかしまだ倒していなかった。慢心が油断を生む。本体と思わしき物から蛇みたいな魔女が飛び出した。慢心した故に対応できなかった。そのまま成す術なく上半身を喰われてしまったネロ。その光景を見た三人は蒼白になる。だが。
「こういう誘いは、パスだな」
口をこじ開け飛び出る。食われたが無傷だった。多少のよだれがついてるが問題なかった。少しにやついていた。喰われていた状況すら楽しむように。そのまま相手の顔面を持ちハンマー投げの様に投げる。
「おい、それ貸しな」
マミが持っていたマスケット銃を指し言う。まだ状況に追い付けてないのか困惑している。仕方ないのでそれを奪い取る形でマスケット銃を取る。それを自身の持つ魔力で魔改造し乱射できるようにした。
「Let's rock!≪派手に行くぜ!≫」
そういやもう今日ですね、新編。早く観ないとな